世界の終焉

ぴんくじん

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「お前なんか臭くない?」

臭い。なんか生臭い。顔面から沼みたいな匂いがする。

「そんなことあるわけないよん。僕はナチュラルに体からブルガリの匂いが出るスペシャルな人間だもの」

臭い顔面で臭いことを言い放つ臭まみれの人間の名前は平田。

おっぱいのことを乳房って言うし、ベルトのことを調べ革って言ったりする。なんだろう気持ち悪い人間だ。

「いや、顔面からナチュラルに泥臭さ出てるよ。泥団子みたいな顔して」

「もしそれが本当なら、僕は時を止めて原因を探求しちゃうよん?いいの?その間抜け面を国立博物館に飾るよん?世界が嘲笑った男っていう題名をつけてね」

「ハハハ、気持ち悪いなぁー。臭いなー。まぁいいや、俺さお前の顔面が臭い理由に心当たりあるんだけどさ。臭いなー」

「分かりマスカッツ。僕の心はユーラシア大陸よん。顔面が臭いことを受け入れましょう。そして問おう、心当たりとはなにぞの?」

「いやね、先週車で心霊スポットいったじゃない?」

「行ったよん。血だらけの女が出てくるところねん。僕は世の女性達のゴージャスな受け皿よん。世の女性というのは、この世だけじゃなくてあの世もねん。だから幽霊だとしても困っている女性がいたら、僕は行かなくてはいけないんだ。それが僕がこの世に生を享けた意味だから」

先週のことだ。

俺は車で平田と二人で心霊スポットに行った。

天気が悪い日だった。雷が鳴り響き、その雷が合い図で射られた矢のような鋭い雨が降っていた。

心霊スポットと呼ばれる洋館に着いた時には、とても外に出られるような天気ではなかった。

「待っててね血女。いますぐ僕が救ってあげるよん。できればエロい表情で待っててほしいな」

平田が車から降りて洋館に向かおうとするのを俺は止めた。

「おい、こんな天候でボロボロの洋館に行くのは危ないって」

「チミの脳みそは家出中でちゅか?第二次反抗期でちゅか?金属バットぶんぶんでちゅか?血女がエロい表情で僕を待っているんだから行かなくてはならないのだ」

「待ってねぇーよ。いいから車から出るな」

「なにをするのだ。僕を止める暇があるなら雨を止めろこの無能が」

「神か俺は!危ないから車にいろや」

外に出ようと暴れる平田を俺は全力で阻止していたが、平田が車の窓を開け、そこから顔を出して叫んだんだ。

「あっぱれ!パン助祭り」

その時だ。
ピキィーゴロロォォー

雷が落ちた。洋館のすぐ近くの沼に雷が落ちた。まるで過去の女達の怨霊が平田に怒りをぶつけるが如く。

「おお...すごい迫力だ。こんな間近で雷が落ちるの見たの初めてだわ。大丈夫?平田」

返答がない。

「おい!平田大丈夫...」

平田の肩に手を掛けた途端に、平田がゆっくりとこちらを向いた。

そして言った。

「パンパン上陸」

臭かった。顔が物凄く生臭かった。





「俺分かったんだよ。お前の顔だけ臭い理由が。お前が顔だけ外に出してる時に、近くの沼に雷が落ちたじゃん。多分その時にさ、雷のパワーで沼の泥が平田の顔面を形作ったんだ。それでその泥の平田がお前と入れ替わったんだよ」

「ほぅ。泥が僕とね。なるほど面白い。だけども、証拠がないよん。今までに映画をいっぱい見てきたけど、証拠がなかったら犯人は犯人じゃないんだ」

「だからさ、ちょっとナイフで顔刺してもいい?泥の顔面なんて嫌でしょう」

「ほぅ。ナイフで顔を刺したいとね。なるほど面白い。だけども、僕の顔面が泥ではなかったらどうしてく」

ザクリンリン

俺は平田の顔面にナイフを刺した。血が出た。倒れた。動かない。あ!死んだ。

「なんだ。ただ普通に顔面が臭い人間だったのか」
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