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本編 浮島編
仲間たちに説明
しおりを挟む『なになに? その面白そうなの……』
『ほう……人によってレベルが変わるかぁ』
『よしっ俺は今から挑戦してみる』
ダンジョンから家がある広場の方に歩いて行くと、一号、二号、三号が「どこに行ってたの?」と駆け寄ってきたので、先程あった事のあらましを説明すると、何やら鼻息荒くダンジョンに行くぞと意気込んでいる。
そこへ銀太の背中に乗ったスバル達も現れ、みんなが今からダンジョンに行こうと楽しそうにワイワイと話している。
それを羨ましそうに見ているパール。ほんとならば、我先に行きたいんだろうな。
その気持ちは分かるけど、新しく異空間の仲間になった鳥人たちがいる、浮島フロッティに付き合ってくれよな。
「パール? フロッティに行くか?」
「ムゥ……ふっふむ。よしさっさと終わらせるのじゃ」
楽しそうに話すスバルたちを尻目に、ものすごーく後ろ髪をひかれてそうだが、それは気づかないようにして、一緒に広間の上にふわふわと浮かぶ、浮島フロッティにパールの魔法で飛んでいった。
フロッティに着くと、鳥人達が街の広間に集合し何やら話し込んでいる。
よく見ると、集まった人の中に獣人族のアレクとシファも混ざり楽しそうに雑談している。
「あれ? キューにキュータもいるな? それにハクとロウも……」
「ふむ? 何をしとるんじゃろうのう?」
俺とパールが不思議そうに見ているとそれにいち早く気付いた鷹の王が手を振りながら走ってくる。
「大賢者様ー!」
「鷹の王! みんな集まって何をしていたんだ?」
「これはですね、この天使の楽園に先に住まわれている先輩達から楽園の生活について色々と教えて頂いていたんです」
「そうか……でもなんでキューやハクたちも?」
「それは異空間でのお仕事を我々に教えてくれて、出来ることはお手伝いしたいので詳しく聞いておりました」
なんだ…… 俺たちが何かしなくても、ちゃんと自分達の力でこの空間に馴染もうとしてくれているんだな。少しお節介すぎたと反省する。
「それで大賢者様達は何のようで?」
「んん? 鳥人達が異空間……ゴホッ。天使の楽園でわからない事や、馴染めないことがあればと思って……だけど余計な心配だったみたいだな」
「ありがたきお言葉! そのお言葉だけで私は泣きそうです」
「ははっ大袈裟だなぁ。まぁわからない事があれば、何でも聞いてくれな」
「はい」
心配をよそに俺の出る幕など全くなく、フロッティに行ったものの数分で終わってしまった。
「ふふふ……ティーゴよ? もう用事は終わったのう?」
「え?」
パールが不敵に微笑む。まさかこんな時間から……? もう夜だぞ? 明日はレミアール王国訪問もあるし……
「さぁダンジョンに行くのじゃーーー!」
パールの楽しそうな声が空に響き渡るのだった。
ウソだろ? 今からダンジョンに潜る気か? あんな謎だらけの未知なるダンジョンに?
俺は行かないからな!
★★★
更新についてですが、今週から9月末までは土曜日更新でお願いします。
コメントもすぐに返せないほどに今忙しくて、理由は……読者様にも後に嬉しい報告が出来るかと思いますので、本作品を楽しみにして下さっている読者さまには本当に申し訳ありませんが、宜しくお願いします。(´;ω;`)
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