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光(雷)吸い込まれ
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「ッ!!...サラ!」
クローガは周りを見渡す。しかしサラの様子はない。それどころか、ラボにいたはずのクローガは気付けば地下水道のような湿りきった空間にいた。
「何だここは...。」
3、4メートル離れた場所にあぐらをかいて座り込む異形。両腕を前に下ろしてじっとこちらを眺めていた。
ーーあの底しない深淵のような見た目。順不同に並んだ細長い牙、どうみても怪異。心当たりがある。
「甘い真夜中か...。」
異形は再び笑みを見せる。
「いかにも...そういうオマエはキューテストの獣。自身の仲間を3人も減らしたヤツね。」
「あぁ、道理あってこそだ。お前は“らうんず”の雇われか。」
「”ラウルス“さんは気前がいいからなあ...。」
異形は上を見上げながら笑う。
クローガは繊維蟲を使って白衣を普段の厚手のコートに変化させた。そしてベルトにぶら下げてあった円形のものを取り外す。
足元にはいつのまにか毛玉のような黒い犬。
「ワン!」
異形は上を向いたまま口角を上げる。
「始めるカ。」
それに呼応する形でクローガは鋭い目線を送る。
クローガは円形のモノを前に差し出して、それを握りつぶす。すると拳のあたりから獣が飛び出した。
「<雷獣>」
拳から放たれた獣は稲妻のような閃光を放ちながら、その光にも劣らないスピードで異形に襲いかかる。
異形もまたそれを目で捉えて、横に一歩躱わした。
クローガの雷獣は、背後の壁に衝突する。そして獰猛な顔を異形に見せる。黒色の体毛は逆立っており、身体中から蒼い電気を迸らせていた。
その絶大な獣は乗用車ほどの大きさ。伝説から直送された魔物、そのような気配であった。
ーー”甘い真夜中“、身体能力は魔王のそれを上回っているという。雷獣の速さにも対応できるか...。
雷獣は再び異形に牙を向けて襲いかかる。しかし漆黒の異形はなおも躱わし続ける。そのスピード感というのを味わっているようにさえも見える。
一方で雷獣は様々な角度から飛びかかって異形に牙を達そうとする。
「器用だナ。」
背後から襲いかかるのは”別“の雷獣。メインの雷獣よりは一回り小さく、異形に顔を鷲掴みされてしまう。
そのまま異形は力を込めてその顔を握りつぶすと、雷獣は割れたガラスのように散っていった。
そして目のない面をにやけさせながら、クローガと顔を合わせる。
「オレは目が良いんダ。」
全身が夜闇、つまり光を発するものは全身で捉えることができる。ゆえに目は必要なし、死角もない。
クローガは周りを見渡す。しかしサラの様子はない。それどころか、ラボにいたはずのクローガは気付けば地下水道のような湿りきった空間にいた。
「何だここは...。」
3、4メートル離れた場所にあぐらをかいて座り込む異形。両腕を前に下ろしてじっとこちらを眺めていた。
ーーあの底しない深淵のような見た目。順不同に並んだ細長い牙、どうみても怪異。心当たりがある。
「甘い真夜中か...。」
異形は再び笑みを見せる。
「いかにも...そういうオマエはキューテストの獣。自身の仲間を3人も減らしたヤツね。」
「あぁ、道理あってこそだ。お前は“らうんず”の雇われか。」
「”ラウルス“さんは気前がいいからなあ...。」
異形は上を見上げながら笑う。
クローガは繊維蟲を使って白衣を普段の厚手のコートに変化させた。そしてベルトにぶら下げてあった円形のものを取り外す。
足元にはいつのまにか毛玉のような黒い犬。
「ワン!」
異形は上を向いたまま口角を上げる。
「始めるカ。」
それに呼応する形でクローガは鋭い目線を送る。
クローガは円形のモノを前に差し出して、それを握りつぶす。すると拳のあたりから獣が飛び出した。
「<雷獣>」
拳から放たれた獣は稲妻のような閃光を放ちながら、その光にも劣らないスピードで異形に襲いかかる。
異形もまたそれを目で捉えて、横に一歩躱わした。
クローガの雷獣は、背後の壁に衝突する。そして獰猛な顔を異形に見せる。黒色の体毛は逆立っており、身体中から蒼い電気を迸らせていた。
その絶大な獣は乗用車ほどの大きさ。伝説から直送された魔物、そのような気配であった。
ーー”甘い真夜中“、身体能力は魔王のそれを上回っているという。雷獣の速さにも対応できるか...。
雷獣は再び異形に牙を向けて襲いかかる。しかし漆黒の異形はなおも躱わし続ける。そのスピード感というのを味わっているようにさえも見える。
一方で雷獣は様々な角度から飛びかかって異形に牙を達そうとする。
「器用だナ。」
背後から襲いかかるのは”別“の雷獣。メインの雷獣よりは一回り小さく、異形に顔を鷲掴みされてしまう。
そのまま異形は力を込めてその顔を握りつぶすと、雷獣は割れたガラスのように散っていった。
そして目のない面をにやけさせながら、クローガと顔を合わせる。
「オレは目が良いんダ。」
全身が夜闇、つまり光を発するものは全身で捉えることができる。ゆえに目は必要なし、死角もない。
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