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1st mission / 1st mission
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翌日の学校。席に幾つかの空白があるが、誰1人として気にしている様子はない。学校が昨晩のことを非公開にしたからだろう。
6限目の授業中、ツイハは犯人を突き止めるべく、ある準備を始めていたのだ。
ーー俺の能力は羽だ、正確にいうと“天使”の羽。
ツイハの前には二頭身ほどのマスコットのような天使がふわふわと浮いていた。白いドレスに身を包まれて、小さな羽をパタパタとさせている。
顔には落書きのようなシンプルかつ無機質な笑顔がプリントされているようだった。
授業中にも関わらず、グランを出しても誰にも気にされていないのはワケがあるからだ。
この天使という能力は、俺以外の誰にも観測されない。
ツイハはテテンの羽を一枚引っこ抜いて、手のひらに置けば殺意を探知するコンパスとなる。
試しにやってみると、相変わらず前の席に座っているカイの背中を指している。
おそらくこの”カイ“という生徒が犯人なのだろうけど、協力者がいる前提で動いてるだろうと考える。
でも自身の能力は戦闘向きじゃないし、体術だって“無重力人間”のムツキさんといい勝負をしていたカイに敵うはずがない。
カドモトさんのように協力者がいなければ対処ができないだろう。
...その代わり、この能力は追跡に優れている。
ツイハは小さな挙動でダーツの針を投げるように、羽をカイの背中へと飛ばす。
とくに音も鳴らず、背中にたどり着いた羽は矢が立っているような状態となる。
それを確認したツイハ、今度は自分の耳元に人差し指と中指を添える。そうすると耳の周りから翼のような形状の飾り羽が現れた。
これで羽の刺さった人物の周りの音と位置は把握できる。発信機と盗聴器の両方の役割を果たせるというわけだ。
ーーよし、下準備はこれでオーケー。
同じクラスのカイも同じく初ミッションへと向かう。
チャイムの落ち着いた音色が響いて、本日の授業は終了した。
しばらくしてから日直のホンダが教壇に立って、手元の紙を見ながら事項を読み上げるのだった。
「えー、レイ・リン先生から。今日は四年の職員会議があるので、終礼はありません。でも静かに下校してください、それだけですさようなら。」
「よっしゃ!」
生徒たちはすぐに帰れることに喜びを覚えて、すぐに帰りの準備を始めるのだった。
そしてクラスのざわめきの中、カイは席から立ち上がって窓辺に座るシャルテに囁く。
「シャルテ、いくぞ。」
2人はすぐに雑踏に紛れて教室を後にする。
すかさずツイハはついて行こうとしたが、何やら視線を感じる。
一番後ろの席に座るフードの女子生徒、ロラがこちらを凝視している。脅しともとれるその目線はツイハの動きを凍らせた。
するとロラは両足を机の上に置いて腕を組み、不機嫌そうに問う。
「授業中もずっと見てたけど、なに好きなの?」
ーー見られていたか...。
「いや別に...なんでもないよ。」
「えーそう。」
やはり行動は誰かに見られがちだ。殺人は止めなければならないけど、慎重に進めずにバレてしまうと本末転倒。
今は誤魔化すしかないが、今後は気をつけなければとツイハは思うのであった。
ーーヤンキー、こわい。
---
一方でカイとシャルテは二つ下の階の廊下で何者かが来るのを待っていた。
「そろそろ来ます、カイも準備を。」
「いいなそのチカラ。」
シャルテの一つ目の能力は監視カメラの景色を自分の目を通して見れるというもの。
「ちょっと持っててください。」
シャルテは自分のバッグからノートパソコンを取り出して、カイに渡す。
そう言うとポケットからデバイスを取り出す。
ケーブルをいくつも垂らした平らなデバイスには銀色の鉄板が取り付けられていて、それをカイが持つノートパソコンに一つ一つ接続していく。
「よし、完成です。」
シャルテはほんの数秒で複雑そうな配線を終わらせるのだった。
それとほぼ同時に階段を降りてきたのは中年の男性教師。階段をゆっくりと降りてきた彼を見ると、カイはシャルテにノートパソコンを返して甘く問いかける。
「タカハタ先生ですか?」
「ああ。そうですが。」
その人物がタカハタだと確認が取れると、カイはニヤッと笑う。そして一歩近づき、彼の肩を。そして腕を掴んでから背中の後ろに回して固定。
関節技である。身動きは取れず、突然の出来事にタカハタは驚いた。
「なんのつもりだ!お前たち!」
その質問を全く無視して、今度はシャルテが彼の背に回った手のひらに銀色のデバイスを急いでかざした。
その後、パソコンの青色背景に白色の文字列が並んだのを見たシャルテはデバイスを彼から離す。
「一つ目の生体認証完了。あと3つですね。」
皇帝の情報にアクセスするための4つの生体認証と、1つのセキュリティトークン。その1つを教頭のタカハタが持っていたのだ。
カイはタカハタから手を離す。
彼らのミッションが成功していると同時に、その階の端から音声を聞いていたツイハは困惑していた。
ーー何が起きているんだ...?生体認証?
突然の暴力に襲われたタカハタは怒りを撒き散らしている。しかしそれはどうでも良い。
シャルテは左腕にパソコンとデバイスを抱えながら、タカハタに手を伸ばす。
そして中指と親指を合わせて、それを鳴らす。
ぱちっとシャルテの指が鳴らされると、タカハタは唖然とした。
これはシャルテの二つ目の能力、<直近記憶削除>。指が鳴らされる音を聞いた者は現在までの20秒間の記憶を一切失う。
「あれ、私は何をしていたんだっけ。」
タカハタは頭を掻いて、何も知らずに立ち去るのであった。
6限目の授業中、ツイハは犯人を突き止めるべく、ある準備を始めていたのだ。
ーー俺の能力は羽だ、正確にいうと“天使”の羽。
ツイハの前には二頭身ほどのマスコットのような天使がふわふわと浮いていた。白いドレスに身を包まれて、小さな羽をパタパタとさせている。
顔には落書きのようなシンプルかつ無機質な笑顔がプリントされているようだった。
授業中にも関わらず、グランを出しても誰にも気にされていないのはワケがあるからだ。
この天使という能力は、俺以外の誰にも観測されない。
ツイハはテテンの羽を一枚引っこ抜いて、手のひらに置けば殺意を探知するコンパスとなる。
試しにやってみると、相変わらず前の席に座っているカイの背中を指している。
おそらくこの”カイ“という生徒が犯人なのだろうけど、協力者がいる前提で動いてるだろうと考える。
でも自身の能力は戦闘向きじゃないし、体術だって“無重力人間”のムツキさんといい勝負をしていたカイに敵うはずがない。
カドモトさんのように協力者がいなければ対処ができないだろう。
...その代わり、この能力は追跡に優れている。
ツイハは小さな挙動でダーツの針を投げるように、羽をカイの背中へと飛ばす。
とくに音も鳴らず、背中にたどり着いた羽は矢が立っているような状態となる。
それを確認したツイハ、今度は自分の耳元に人差し指と中指を添える。そうすると耳の周りから翼のような形状の飾り羽が現れた。
これで羽の刺さった人物の周りの音と位置は把握できる。発信機と盗聴器の両方の役割を果たせるというわけだ。
ーーよし、下準備はこれでオーケー。
同じクラスのカイも同じく初ミッションへと向かう。
チャイムの落ち着いた音色が響いて、本日の授業は終了した。
しばらくしてから日直のホンダが教壇に立って、手元の紙を見ながら事項を読み上げるのだった。
「えー、レイ・リン先生から。今日は四年の職員会議があるので、終礼はありません。でも静かに下校してください、それだけですさようなら。」
「よっしゃ!」
生徒たちはすぐに帰れることに喜びを覚えて、すぐに帰りの準備を始めるのだった。
そしてクラスのざわめきの中、カイは席から立ち上がって窓辺に座るシャルテに囁く。
「シャルテ、いくぞ。」
2人はすぐに雑踏に紛れて教室を後にする。
すかさずツイハはついて行こうとしたが、何やら視線を感じる。
一番後ろの席に座るフードの女子生徒、ロラがこちらを凝視している。脅しともとれるその目線はツイハの動きを凍らせた。
するとロラは両足を机の上に置いて腕を組み、不機嫌そうに問う。
「授業中もずっと見てたけど、なに好きなの?」
ーー見られていたか...。
「いや別に...なんでもないよ。」
「えーそう。」
やはり行動は誰かに見られがちだ。殺人は止めなければならないけど、慎重に進めずにバレてしまうと本末転倒。
今は誤魔化すしかないが、今後は気をつけなければとツイハは思うのであった。
ーーヤンキー、こわい。
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一方でカイとシャルテは二つ下の階の廊下で何者かが来るのを待っていた。
「そろそろ来ます、カイも準備を。」
「いいなそのチカラ。」
シャルテの一つ目の能力は監視カメラの景色を自分の目を通して見れるというもの。
「ちょっと持っててください。」
シャルテは自分のバッグからノートパソコンを取り出して、カイに渡す。
そう言うとポケットからデバイスを取り出す。
ケーブルをいくつも垂らした平らなデバイスには銀色の鉄板が取り付けられていて、それをカイが持つノートパソコンに一つ一つ接続していく。
「よし、完成です。」
シャルテはほんの数秒で複雑そうな配線を終わらせるのだった。
それとほぼ同時に階段を降りてきたのは中年の男性教師。階段をゆっくりと降りてきた彼を見ると、カイはシャルテにノートパソコンを返して甘く問いかける。
「タカハタ先生ですか?」
「ああ。そうですが。」
その人物がタカハタだと確認が取れると、カイはニヤッと笑う。そして一歩近づき、彼の肩を。そして腕を掴んでから背中の後ろに回して固定。
関節技である。身動きは取れず、突然の出来事にタカハタは驚いた。
「なんのつもりだ!お前たち!」
その質問を全く無視して、今度はシャルテが彼の背に回った手のひらに銀色のデバイスを急いでかざした。
その後、パソコンの青色背景に白色の文字列が並んだのを見たシャルテはデバイスを彼から離す。
「一つ目の生体認証完了。あと3つですね。」
皇帝の情報にアクセスするための4つの生体認証と、1つのセキュリティトークン。その1つを教頭のタカハタが持っていたのだ。
カイはタカハタから手を離す。
彼らのミッションが成功していると同時に、その階の端から音声を聞いていたツイハは困惑していた。
ーー何が起きているんだ...?生体認証?
突然の暴力に襲われたタカハタは怒りを撒き散らしている。しかしそれはどうでも良い。
シャルテは左腕にパソコンとデバイスを抱えながら、タカハタに手を伸ばす。
そして中指と親指を合わせて、それを鳴らす。
ぱちっとシャルテの指が鳴らされると、タカハタは唖然とした。
これはシャルテの二つ目の能力、<直近記憶削除>。指が鳴らされる音を聞いた者は現在までの20秒間の記憶を一切失う。
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