5 / 12
第5話 「隣町からの挑戦状」
しおりを挟む
『伊瀬ちゃんをアイセ!』
第5話 「隣町からの挑戦状」
三重県アイドルフェスティバル、ついに開幕の日。会場は伊勢神宮外宮近くの特設ステージ。初夏の陽射しが照りつけ、観客席は地元住民と観光客で埋まっていた。Aブロック1回戦、おかげ☆ガールズの対戦相手は隣町・度会町の棚橋高校「ぐりーんティー♪」。お茶をテーマにした爽やか系少数精鋭グループだ。控え室で、舞理は巫女風の新衣装を整えながら深呼吸を繰り返す。「緊張する……でも、絶対勝つよ! 伊勢ちゃん、がんばるよ!」双実は腕を回して体をほぐし、クールに言う。「まぁ、やるなら本気でね。負ける気はないわ」深園は赤福を一つ頬張り、穏やかに微笑む。「ふわっとね……みんなで歌えば、きっと伝わるよ」ステージ袖から相手チームの姿が見えた。リーダーの大野木はショートカットで凛とした雰囲気の少女。緑を基調とした衣装が、お茶畑を思わせる。「よろしくね、岩渕高校さん。私たち、度会のお茶を全国に広めたいの」大野木の真っ直ぐな瞳に、舞理も負けじと笑顔を返す。「こっちこそ! 伊勢の魅力を届けに来たよ!」ライブバトルは交互パフォーマンス方式。観客投票で勝敗が決まる。先攻は「ぐりーんティー♪」。軽快なJ-POPに和風の笛の音を織り交ぜた楽曲。お茶摘みダンスがキレよく揃い、大野木の透き通ったボーカルが会場を魅了する。「度会の緑 香り高く~ 心を癒す 一服の茶~」観客から大きな拍手。序盤は完全に相手のペースだ。おかげ☆ガールズの3人はステージ袖で固唾を飲む。「すごい……揃ってるし、声も綺麗……」舞理が呟くと、双実が小さく舌打ち。「負けてられないわ」いよいよおかげ☆ガールズのターン。イントロは和太鼓の重厚な一打。舞理がセンターで巫女袖を翻す。「伊勢神宮 朝の光~ おかげ横丁 笑顔の輪~」「伊勢の風に乗って」アレンジ版からスタート。舞理の明るい歌声が会場を包み、双実のキレのあるダンスが観客の視線を奪う。深園の高音ハーモニーが神宮の空気を思わせる。続けて新曲「夫婦岩の約束」。「夫婦岩のように 離れていても繋がってる~」双実の即興ラップパートが炸裂。「波のように揺れても 絆は切れないよ
伊勢から度会へ 隣町だって仲間さ!」会場がどよめく。観客が手拍子を始め、子供たちが飛び跳ねる。「ぐりーんティー♪」のメンバーも、ステージ袖で驚いた顔で見つめている。交互の2巡目。「ぐりーんティー♪」はさらにレベルアップ。お茶を淹れる所作を取り入れた優雅なダンスと、爽やかなコーラスで攻めてくる。しかし、おかげ☆ガールズは負けない。ラストは3人で手を繋ぎ、観客に向かって歌う。「故郷を輝かせるのは 私たち!」巫女風の振り付けで大きくジャンプ。和太鼓のフィナーレが響き渡る。会場は割れんばかりの歓声。投票タイム。観客がスマホで投票し、結果がスクリーンに映し出される。――おかげ☆ガールズ、僅差で勝利!ステージ上で両チームが握手。大野木が少し悔しそうに、でも笑顔で言う。「負けたけど……すごく良かった。伊勢の伝統、かっこよかったよ」舞理が目を輝かせる。「ありがとう! ぐりーんティー♪のお茶ダンスも、めっちゃ爽やかで癒された!」双実が珍しく素直に褒める。「ダンスの揃い方、勉強になったわ」深園が赤福を差し出す。「ふわっとね……これ、食べて元気出して」大野木たちも笑って受け取る。「次は観客として応援するね!」ライブ後、会場はまだ興奮冷めやらぬ様子。SNSには両チームの写真が溢れ、「伊勢vs度会のバトル最高だった!」という投稿が広がる。控え室に戻った3人は、疲れ果てて床に座り込む。「勝った……勝ったよー!」舞理が飛び跳ねて喜ぶ。双実がクールに笑い、深園が優しく抱きつく。「これで2回戦進出だね。次は松阪の殿町高校……もっと強くなるよ」外では伊勢神宮の森が風に揺れている。隣町とのプライドをかけた戦いは、少女たちに新たな友情と自信を与えた。フェスティバルはまだ始まったばかり。地域を輝かせる夢が、一歩前進した。
(第5話 終わり)
第5話 「隣町からの挑戦状」
三重県アイドルフェスティバル、ついに開幕の日。会場は伊勢神宮外宮近くの特設ステージ。初夏の陽射しが照りつけ、観客席は地元住民と観光客で埋まっていた。Aブロック1回戦、おかげ☆ガールズの対戦相手は隣町・度会町の棚橋高校「ぐりーんティー♪」。お茶をテーマにした爽やか系少数精鋭グループだ。控え室で、舞理は巫女風の新衣装を整えながら深呼吸を繰り返す。「緊張する……でも、絶対勝つよ! 伊勢ちゃん、がんばるよ!」双実は腕を回して体をほぐし、クールに言う。「まぁ、やるなら本気でね。負ける気はないわ」深園は赤福を一つ頬張り、穏やかに微笑む。「ふわっとね……みんなで歌えば、きっと伝わるよ」ステージ袖から相手チームの姿が見えた。リーダーの大野木はショートカットで凛とした雰囲気の少女。緑を基調とした衣装が、お茶畑を思わせる。「よろしくね、岩渕高校さん。私たち、度会のお茶を全国に広めたいの」大野木の真っ直ぐな瞳に、舞理も負けじと笑顔を返す。「こっちこそ! 伊勢の魅力を届けに来たよ!」ライブバトルは交互パフォーマンス方式。観客投票で勝敗が決まる。先攻は「ぐりーんティー♪」。軽快なJ-POPに和風の笛の音を織り交ぜた楽曲。お茶摘みダンスがキレよく揃い、大野木の透き通ったボーカルが会場を魅了する。「度会の緑 香り高く~ 心を癒す 一服の茶~」観客から大きな拍手。序盤は完全に相手のペースだ。おかげ☆ガールズの3人はステージ袖で固唾を飲む。「すごい……揃ってるし、声も綺麗……」舞理が呟くと、双実が小さく舌打ち。「負けてられないわ」いよいよおかげ☆ガールズのターン。イントロは和太鼓の重厚な一打。舞理がセンターで巫女袖を翻す。「伊勢神宮 朝の光~ おかげ横丁 笑顔の輪~」「伊勢の風に乗って」アレンジ版からスタート。舞理の明るい歌声が会場を包み、双実のキレのあるダンスが観客の視線を奪う。深園の高音ハーモニーが神宮の空気を思わせる。続けて新曲「夫婦岩の約束」。「夫婦岩のように 離れていても繋がってる~」双実の即興ラップパートが炸裂。「波のように揺れても 絆は切れないよ
伊勢から度会へ 隣町だって仲間さ!」会場がどよめく。観客が手拍子を始め、子供たちが飛び跳ねる。「ぐりーんティー♪」のメンバーも、ステージ袖で驚いた顔で見つめている。交互の2巡目。「ぐりーんティー♪」はさらにレベルアップ。お茶を淹れる所作を取り入れた優雅なダンスと、爽やかなコーラスで攻めてくる。しかし、おかげ☆ガールズは負けない。ラストは3人で手を繋ぎ、観客に向かって歌う。「故郷を輝かせるのは 私たち!」巫女風の振り付けで大きくジャンプ。和太鼓のフィナーレが響き渡る。会場は割れんばかりの歓声。投票タイム。観客がスマホで投票し、結果がスクリーンに映し出される。――おかげ☆ガールズ、僅差で勝利!ステージ上で両チームが握手。大野木が少し悔しそうに、でも笑顔で言う。「負けたけど……すごく良かった。伊勢の伝統、かっこよかったよ」舞理が目を輝かせる。「ありがとう! ぐりーんティー♪のお茶ダンスも、めっちゃ爽やかで癒された!」双実が珍しく素直に褒める。「ダンスの揃い方、勉強になったわ」深園が赤福を差し出す。「ふわっとね……これ、食べて元気出して」大野木たちも笑って受け取る。「次は観客として応援するね!」ライブ後、会場はまだ興奮冷めやらぬ様子。SNSには両チームの写真が溢れ、「伊勢vs度会のバトル最高だった!」という投稿が広がる。控え室に戻った3人は、疲れ果てて床に座り込む。「勝った……勝ったよー!」舞理が飛び跳ねて喜ぶ。双実がクールに笑い、深園が優しく抱きつく。「これで2回戦進出だね。次は松阪の殿町高校……もっと強くなるよ」外では伊勢神宮の森が風に揺れている。隣町とのプライドをかけた戦いは、少女たちに新たな友情と自信を与えた。フェスティバルはまだ始まったばかり。地域を輝かせる夢が、一歩前進した。
(第5話 終わり)
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる