『伊瀬ちゃんをアイセ!』

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第10話 「輝け!地域の星たち」

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『伊瀬ちゃんをアイセ!』
第10話 「輝け!地域の星たち」
三重県アイドルフェスティバル、決勝戦。四日市市の大型アリーナは満員御礼。観客席にはこれまで戦ったライバル校のメンバーたちが勢揃い。大野木、愛宕、有馬、服部、そして多くの敗退校の生徒たちが、手作りの応援旗を振っている。ステージ袖。おかげ☆ガールズの3人は、最終確認を終え、手を握り合った。「いよいよだね……」舞理の声が少し震える。双実は静かに頷く。「まぁ、やるなら本気でね。ここまで来たんだから」深園が優しく微笑む。「ふわっとね……みんなの想いを、全部乗せて歌おう」対する「泗水スターズ!」は10人編成。四日市の港と工業の力を象徴する、青と銀の衣装にLEDライトが輝く。リーダー坂部の力強い視線がステージを睨む。司会の声が響く。「決勝戦! 伊勢市代表・おかげ☆ガールズ vs 四日市市代表・泗水スターズ!」先攻は泗水スターズ!。重低音のビートがアリーナを揺らす。港の波と工場機械の音をサンプリングした楽曲。10人のシンクロダンスが波のようにうねり、LEDが光の渦を描く。「泗水の潮風 未来を運ぶ~ 四日市の灯 夜を照らす~」観客は総立ち。圧倒的なスケール感に会場が沸く。おかげ☆ガールズの3人はステージ袖で息を飲む。「すごい……人数も演出も……」しかし、舞理は目を輝かせた。「でも、私たちは3人だからこそできることがあるよ!」おかげ☆ガールズのターン。和太鼓の静かな一打。会場が一瞬、静まり返る。新曲「三重の星」。舞理がセンターで巫女袖を広げ、澄んだ声で歌い始める。「伊勢の神宮から 四日市の港へ~三重の大地 みんなの想いが繋がる~」双実のダンスは流れるように美しく、深園の高音がアリーナ全体を優しく包み込む。観客席のライバルたちが、手拍子を始める。大野木が立ち上がり、愛宕たちが声を上げる。「がんばれー! おかげ☆ガールズ!」2巡目。泗水スターズ!はさらにパワーアップ。フォーメーションが変幻自在に変わり、LEDが星空のように瞬く。坂部の力強いボーカルが響く。しかし、おかげ☆ガールズは揺るがない。ラストメドレー。「夫婦岩の約束」→「神宮の祈り」→「三重の星」。双実のラップが全観客に向かって炸裂。「勝ち負けじゃない ここにいる全てが三重の星だよ みんなで輝こう故郷を愛する心は 誰にも負けない!」深園の高音が天井を突き抜け、舞理の和太鼓が魂を揺さぶる。フィナーレは3人で大きく手を広げ、観客に呼びかける。「故郷を輝かせるのは――私たち!」会場はスタンディングオベーション。涙を流す観客もいる。投票タイム。スクリーンに結果が映し出される。――僅差で、泗水スターズ!の勝利。ステージ中央で両チームが並ぶ。舞理の目から涙がこぼれた。「負けちゃった……」坂部が駆け寄り、強く抱きしめる。「おかげ☆ガールズ、最高だったよ。本当に……ありがとう」観客席から、ライバルたちがステージに上がり始める。大野木、愛宕、有馬、蔵持……全出場校の代表たちが集まる。司会が声を震わせて言う。「特別に……合同ステージを! 三重の未来のために!」合同曲「三重の星たち」。全校のメンバーがステージに上がり、歌い始める。巫女ダンス、茶摘みダンス、松阪牛ポーズ、熊野の炎、忍者の影、港の波……それぞれの地域色が融合。舞理がマイクを握る。「私たち、優勝はできなかったけど……」双実が続ける。「三重が、こんなに輝いてる!」深園が優しく締めくくる。「ふわっとね……これが、私たちの勝利だよ」会場は一体となって歌う。観客も立ち上がり、手拍子。「三重の星は みんなで輝く~故郷を輝かせるのは 私たち!」涙と笑顔が交錯する中、フェスティバルは最高のフィナーレを迎えた。ライブ後、アリーナ外では観光客が急増。SNSは「三重アイドルフェス感動の合同ステージ」「三重県行きたい!」で埋め尽くされる。屋上に戻った3人。伊勢神宮が夜空に浮かぶ。「負けたけど……満足だね」「うん。三重、輝いてるよ」「ふわっとね……また、一緒に歌おう」星が瞬く空の下、少女たちの青春は、新たな始まりを迎えていた。
(第10話 終わり)
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