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本編
5.俺の世話役【sideレイ】
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その日は仕事が休みだった。
長く使っている靴が随分とへたれてきたので、新しい靴でも買おうかと、レイは街に出かけていた。
しかし、店は臨時休業で靴は買えなかったし、偶然街中で会った同僚のチーターの獣人であるギークにはいつもの通り馬鹿にされるしで、レイは機嫌が悪かった。
(ギークは俺に勝てるところが番がいるという点だけだからな。本当に煩い奴…無視はするもののの嫌な言葉って耳に入る…。)
「こんなに長いこと、番を見つけられないなんて、俺だって思ってみなかったよ…」
レイは一人呟いた。
この国は番至上主義だ。結婚や子を成すのは番との間だけで行われる。それ以外とそういった関係になるのは、罪に問われるわけではないが忌避されている。
番以外に性的興奮をすることもできるが、別に抑えられる程度だ。レイも若い頃に誘われて何度か獣人とも人間とも身体を重ねたことはあるが、こんなもんか…という程度だった。
しかし、番への興奮はそれと比較にならないほどらしい。勿論レイは経験したことがないので、知る由もないが。ついでにキスは番に取っておいた。今のところ、キスをする気配さえないが。
番を探すのはそう難しいことではない。獣人の番は殆どが獣人だから、互いが互いの匂いで番を見つけることが出来る。稀に人間の番を持つ者もいるが、獣人の方は匂いで見つけられるし、獣人の番となる人間には年頃になると身体のどこかに特徴的な痣が顕れるため自分が獣人の番だと分かる。
中には契りが結ばれる前に番が事故や病気で亡くなってしまう場合もあるが、そういった場合には不思議と別の番が現れる。それがレイが生きるこの世界の常識だった。
レイの住む地域では十五を過ぎる頃には半数が、二十五の頃には殆どが番を見つけていた。番はそう遠くない場所に生まれるのが常だからだ。
番を見つけて一人前とされる獣人の中で、レイは優秀な仕事ぶりな上に希少性の高い狼の獣人ながらも、半人前とされていた。
周りの者はレイを番が見つけられない不憫な奴だと思っている。レイは能力は他の者より高いのに番がいないというだけで、馬鹿にされたり、憐憫の目で見られることにほとほと嫌気がさしていた。
レイだって若い頃は必死に番を探した。しかし、もうこの年齢になって、見つからなかったらそれでもいいと思い始めていた。番を探すのを完全に諦めた訳ではないが、それに囚われて生きることが馬鹿馬鹿しくなったのだった。
レイは大きく溜息を吐き、噴水の近くに備え付けられているベンチに腰掛けようとした。
その時。
レイの尻はベンチをすり抜けた。
「は?」
そのまま身体が下に落ちて行く感覚に見舞われ、レイは光に包まれた。あまりの眩しさに目を瞑る。
次に気付いた時には見知らぬ場所で尻餅をついていた。
薄暗く来たことのない場所。
レイを見つめる五人の人物。
緊張感が漂う雰囲気にレイは警戒を強め、臨戦態勢を取る。
しかし、どうも身体の奥がそわそわと落ち着かない。身体が何かを渇望しているような…初めて感じる感覚にレイは戸惑っていた。
(どういうことだ…?
知らない間にこいつらに何か盛られたのか?)
殺気を放ちながら誰だ?とレイが問うと、騎士らしき男が剣の柄に手を掛けた。それを見て、レイはすぐにでも攻撃が出来る様に足をグッと踏み締める。
その時、フワッと良い香りが漂ったと思ったら、レイの目の前には小さな女性が立っていた。
落ち着いた茶髪に、クリっとした茶色の瞳。桃色の頬に、ちょこんと小さな鼻、柔らかそうな唇。僅かに見える手首や足首は細く簡単に折れてしまいそうだ。華奢な腰に腕を回して、抱きしめたい衝動に駆られる。
…特別美人という訳ではないのに目が離せない。
彼女の周りがキラキラと輝いて見えるほどだ。
彼女が何かを話しているが、少し高めの可愛らしい声が流れてくるだけで、内容までは入ってこない。
レイは確信した。
(彼女が………俺の…番、だ。)
「ー貴方様専属の世話役でございます。」
「俺の…世話役?」
レイは混乱していた。自分の番であるはずの人物は自分の世話役だと言う。
彼女は微笑みを浮かべる。
(か…可愛い…。)
彼女の働きかけにより、さっきの騎士も剣の柄から手を離す。気付けば、レイは爪も牙も仕舞い、警戒を解いてしまっていた。
(まずい。彼女が俺の番であることは確かだろうが、こいつらの目的が分からない。とりあえず、攻撃する意思は無さそうだが…。)
レイは顔を顰めたまま、別室で話をという彼女の提案を承諾した。
「ありがとうございます!」
彼女の笑顔にレイの顔は火照る。
(可愛すぎる…。胸が…苦しい。)
別室に案内すると言ってレイの前を行く彼女の後をついて行きながら、レイは密かにその匂いを確かめ、勃ち上がる欲望を必死に抑えていた。
◆ ◇ ◆
別室でレイが聞いた話は到底信じられない話だった。
しかし、レイには前の世界に執着するものはない…寧ろあんな世界を抜け出せて良かったと思えるくらいだった。
(それに…)
この世界にはレイの番である彼女がいる。
それだけでレイは十分だった。
(今の俺に執着するものがあるとすれば、彼女だけだ。)
宰相の話を聞きながらも、何度も彼女を盗み見る。
(はぁ…可愛い。
あんなに可愛くて、大丈夫なのか?もしかしたら、もう他に男がいるかもしれない…。先ほどから話を聞く限りこの世界には番の概念はなさそうだし…。
彼女は俺の番だ…誰にも渡さない。
見つけたからには絶対に諦めない。
その為にはまず彼女に怖がられないようにしないと…ただでさえ獣人ってだけでこの世界の周りの奴らに比べるとハンデなんだから。
さっきから俺の本能が彼女を求めているけど、ここで焦っちゃ駄目だ…。伊達に歳を重ねて来た訳じゃないんだから…忍耐だ、忍耐。)
レイの頭には宰相の話の半分もまともに入ってこなかったが、サーシャがレイの世話役になることだけはしっかりと聞いていた。
ずっと側にいてくれるなんて、最高だなぁ…と思いつつも、彼女の意向も確認する。嫌々その世話役とかに任命されたら可哀想だと思ったからだ。
しかし、そんなレイの心配もよそに彼女は世話役になれることを喜んでいるようだった。しかも、可愛い笑顔付きで。あまりにも可愛くて、愛おしくて…胸が苦しくなったレイは顔を逸らしてしまった。
宰相に促されて、レイは自分の世界のことを話した。その途中、サーシャが二十歳だということが判明した。サーシャの見た目からして十代の可能性もあると思ったので、レイはホッとしたくらいだった。しかし、気になるのはサーシャがそれをどう思うかだった。
(五つ下か…俺は嬉しいくらいだが、サーシャからしたら年上すぎるだろうか…。)
その後も色々と元の世界のことを聞かれて、仕方なしに答えたが、レイの頭の中はサーシャでいっぱいだった。
ローブを渡されて、部屋へ案内される。
やっと二人きりになれると、レイの胸はより高鳴る。
レイにとって何から何までサーシャは可愛かった。
一生懸命部屋の説明をする姿も…
時々照れたように顔を赤らめる姿も…
それにサーシャは仕事に一生懸命で、思いやりに溢れた娘だった。レイはそんな女性が自分の番であることを誇らしく思った。
レイはこれから始まるこの世界での生活が素晴らしいものになる予感がした。なんたって可愛くて優しい番が今はまだ世話役としてだが、側にいてくれる。
(そして、いつかは愛し愛される番として…!)
そう固く決意したレイだが、夜になると困ったことが起きた。
(……サーシャの匂いでクラクラしてきた。
…今すぐにでもサーシャが欲しい。今そんなことしたら、サーシャに怯えられてしまうのは分かっている…分かっているが…!)
サーシャは針仕事を終え、もう部屋を去ろうとしている。出来ることなら離れたくない。本当は今にでも彼女と繋がりたい。いや、何もしなくとも、彼女を抱きしめて寝たい。それが無理なら近くで見つめるだけでもいい。
レイは苦悶の表情を浮かべる。
それに気付いたサーシャが何か手伝えることがあればやらせてくれと申し出てくれた。それでも、レイが迷っていると、手を握って、微笑む。
レイはもう我慢できなかった。
気付いたら、あり得ないことを口走っていた。
「…性欲処理を手伝ってほしい。」
長く使っている靴が随分とへたれてきたので、新しい靴でも買おうかと、レイは街に出かけていた。
しかし、店は臨時休業で靴は買えなかったし、偶然街中で会った同僚のチーターの獣人であるギークにはいつもの通り馬鹿にされるしで、レイは機嫌が悪かった。
(ギークは俺に勝てるところが番がいるという点だけだからな。本当に煩い奴…無視はするもののの嫌な言葉って耳に入る…。)
「こんなに長いこと、番を見つけられないなんて、俺だって思ってみなかったよ…」
レイは一人呟いた。
この国は番至上主義だ。結婚や子を成すのは番との間だけで行われる。それ以外とそういった関係になるのは、罪に問われるわけではないが忌避されている。
番以外に性的興奮をすることもできるが、別に抑えられる程度だ。レイも若い頃に誘われて何度か獣人とも人間とも身体を重ねたことはあるが、こんなもんか…という程度だった。
しかし、番への興奮はそれと比較にならないほどらしい。勿論レイは経験したことがないので、知る由もないが。ついでにキスは番に取っておいた。今のところ、キスをする気配さえないが。
番を探すのはそう難しいことではない。獣人の番は殆どが獣人だから、互いが互いの匂いで番を見つけることが出来る。稀に人間の番を持つ者もいるが、獣人の方は匂いで見つけられるし、獣人の番となる人間には年頃になると身体のどこかに特徴的な痣が顕れるため自分が獣人の番だと分かる。
中には契りが結ばれる前に番が事故や病気で亡くなってしまう場合もあるが、そういった場合には不思議と別の番が現れる。それがレイが生きるこの世界の常識だった。
レイの住む地域では十五を過ぎる頃には半数が、二十五の頃には殆どが番を見つけていた。番はそう遠くない場所に生まれるのが常だからだ。
番を見つけて一人前とされる獣人の中で、レイは優秀な仕事ぶりな上に希少性の高い狼の獣人ながらも、半人前とされていた。
周りの者はレイを番が見つけられない不憫な奴だと思っている。レイは能力は他の者より高いのに番がいないというだけで、馬鹿にされたり、憐憫の目で見られることにほとほと嫌気がさしていた。
レイだって若い頃は必死に番を探した。しかし、もうこの年齢になって、見つからなかったらそれでもいいと思い始めていた。番を探すのを完全に諦めた訳ではないが、それに囚われて生きることが馬鹿馬鹿しくなったのだった。
レイは大きく溜息を吐き、噴水の近くに備え付けられているベンチに腰掛けようとした。
その時。
レイの尻はベンチをすり抜けた。
「は?」
そのまま身体が下に落ちて行く感覚に見舞われ、レイは光に包まれた。あまりの眩しさに目を瞑る。
次に気付いた時には見知らぬ場所で尻餅をついていた。
薄暗く来たことのない場所。
レイを見つめる五人の人物。
緊張感が漂う雰囲気にレイは警戒を強め、臨戦態勢を取る。
しかし、どうも身体の奥がそわそわと落ち着かない。身体が何かを渇望しているような…初めて感じる感覚にレイは戸惑っていた。
(どういうことだ…?
知らない間にこいつらに何か盛られたのか?)
殺気を放ちながら誰だ?とレイが問うと、騎士らしき男が剣の柄に手を掛けた。それを見て、レイはすぐにでも攻撃が出来る様に足をグッと踏み締める。
その時、フワッと良い香りが漂ったと思ったら、レイの目の前には小さな女性が立っていた。
落ち着いた茶髪に、クリっとした茶色の瞳。桃色の頬に、ちょこんと小さな鼻、柔らかそうな唇。僅かに見える手首や足首は細く簡単に折れてしまいそうだ。華奢な腰に腕を回して、抱きしめたい衝動に駆られる。
…特別美人という訳ではないのに目が離せない。
彼女の周りがキラキラと輝いて見えるほどだ。
彼女が何かを話しているが、少し高めの可愛らしい声が流れてくるだけで、内容までは入ってこない。
レイは確信した。
(彼女が………俺の…番、だ。)
「ー貴方様専属の世話役でございます。」
「俺の…世話役?」
レイは混乱していた。自分の番であるはずの人物は自分の世話役だと言う。
彼女は微笑みを浮かべる。
(か…可愛い…。)
彼女の働きかけにより、さっきの騎士も剣の柄から手を離す。気付けば、レイは爪も牙も仕舞い、警戒を解いてしまっていた。
(まずい。彼女が俺の番であることは確かだろうが、こいつらの目的が分からない。とりあえず、攻撃する意思は無さそうだが…。)
レイは顔を顰めたまま、別室で話をという彼女の提案を承諾した。
「ありがとうございます!」
彼女の笑顔にレイの顔は火照る。
(可愛すぎる…。胸が…苦しい。)
別室に案内すると言ってレイの前を行く彼女の後をついて行きながら、レイは密かにその匂いを確かめ、勃ち上がる欲望を必死に抑えていた。
◆ ◇ ◆
別室でレイが聞いた話は到底信じられない話だった。
しかし、レイには前の世界に執着するものはない…寧ろあんな世界を抜け出せて良かったと思えるくらいだった。
(それに…)
この世界にはレイの番である彼女がいる。
それだけでレイは十分だった。
(今の俺に執着するものがあるとすれば、彼女だけだ。)
宰相の話を聞きながらも、何度も彼女を盗み見る。
(はぁ…可愛い。
あんなに可愛くて、大丈夫なのか?もしかしたら、もう他に男がいるかもしれない…。先ほどから話を聞く限りこの世界には番の概念はなさそうだし…。
彼女は俺の番だ…誰にも渡さない。
見つけたからには絶対に諦めない。
その為にはまず彼女に怖がられないようにしないと…ただでさえ獣人ってだけでこの世界の周りの奴らに比べるとハンデなんだから。
さっきから俺の本能が彼女を求めているけど、ここで焦っちゃ駄目だ…。伊達に歳を重ねて来た訳じゃないんだから…忍耐だ、忍耐。)
レイの頭には宰相の話の半分もまともに入ってこなかったが、サーシャがレイの世話役になることだけはしっかりと聞いていた。
ずっと側にいてくれるなんて、最高だなぁ…と思いつつも、彼女の意向も確認する。嫌々その世話役とかに任命されたら可哀想だと思ったからだ。
しかし、そんなレイの心配もよそに彼女は世話役になれることを喜んでいるようだった。しかも、可愛い笑顔付きで。あまりにも可愛くて、愛おしくて…胸が苦しくなったレイは顔を逸らしてしまった。
宰相に促されて、レイは自分の世界のことを話した。その途中、サーシャが二十歳だということが判明した。サーシャの見た目からして十代の可能性もあると思ったので、レイはホッとしたくらいだった。しかし、気になるのはサーシャがそれをどう思うかだった。
(五つ下か…俺は嬉しいくらいだが、サーシャからしたら年上すぎるだろうか…。)
その後も色々と元の世界のことを聞かれて、仕方なしに答えたが、レイの頭の中はサーシャでいっぱいだった。
ローブを渡されて、部屋へ案内される。
やっと二人きりになれると、レイの胸はより高鳴る。
レイにとって何から何までサーシャは可愛かった。
一生懸命部屋の説明をする姿も…
時々照れたように顔を赤らめる姿も…
それにサーシャは仕事に一生懸命で、思いやりに溢れた娘だった。レイはそんな女性が自分の番であることを誇らしく思った。
レイはこれから始まるこの世界での生活が素晴らしいものになる予感がした。なんたって可愛くて優しい番が今はまだ世話役としてだが、側にいてくれる。
(そして、いつかは愛し愛される番として…!)
そう固く決意したレイだが、夜になると困ったことが起きた。
(……サーシャの匂いでクラクラしてきた。
…今すぐにでもサーシャが欲しい。今そんなことしたら、サーシャに怯えられてしまうのは分かっている…分かっているが…!)
サーシャは針仕事を終え、もう部屋を去ろうとしている。出来ることなら離れたくない。本当は今にでも彼女と繋がりたい。いや、何もしなくとも、彼女を抱きしめて寝たい。それが無理なら近くで見つめるだけでもいい。
レイは苦悶の表情を浮かべる。
それに気付いたサーシャが何か手伝えることがあればやらせてくれと申し出てくれた。それでも、レイが迷っていると、手を握って、微笑む。
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