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本編
11.私の先輩【sideリズ】
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リズはしがない男爵家令嬢だった。
一応貴族ではあるものの、上に姉が二人いたため、持参金が用意できず貴族との結婚は望めなかった。
そこで、リズは渡り人の世話役になろうと思った。
渡り人の世話役になれば、箔がついて、その後の就職先にも困らない。世話役を終えた後に高位貴族の家でメイドなどとして雇ってもらえれば、高給なので一人でも生きていくことが出来ると思った。
しかし、世話役になるのは予想以上に大変だった。渡り人からの質問に答えられるようにあらゆる知識を網羅しなければならないし、マナーにも煩い。先輩の世話役達は皆、プライドばかり高くて、見て学べと言うばかりだった。
リズは世話役になることを諦めかけていた。
そんな時、リズはサーシャに出会った。サーシャは、優しく、惜しげもなく、仕事のコツをリズに教えてくれた。なんでこんなに教えてくれるのか聞くと、よい世話役が増えたら、渡り人様がお喜びになるでしょう?と微笑んだ。
リズはその時に決めた。この人について行こう、と。
サーシャが次に来る渡り人の専属世話役に選ばれた時は、本当に嬉しかった。自分も一緒にお世話をする日を今か今かと待った。
そして、ようやく渡り人に会えると、期待に胸を膨らませて参加したお披露目でリズが目にしたのは、頭に犬のような耳が生え、尻尾が生えた男だった。
リズは驚きのあまり言葉を失った。それはリズと同じようにサーシャを慕っているサラも同じだっただろう。
なんでよりによってサーシャの担当が男で、しかも獣人なのか…リズはその渡り人に対して腹が立った。その上、会場では獣人を馬鹿にするような発言も多く耳にした。リズはいつかサーシャが獣人の世話役と罵られるのではないかと心配になった。
水晶宮に移る時になって、その獣人・レイの世話役をサーシャが募ったが、誰も手を上げる者はいなかった。サーシャはレイが優しく、丁寧な男性で、危険なことは何もないと主張したが、皆サーシャから目を逸らすばかりで一向に世話役は決まらなかった。
リズは迷ったが、困っているサーシャの力になりたいと思い、世話役に立候補した。ほぼ同時にサラも世話役になると挙手をした。
リズとサラはレイの世話役となることが決まった。通常、専属の世話役以外はローテーションで各渡り人の世話を担当していくが、レイの世話役が出来るのがサーシャとリズとサラだけなので、実質リズとサラも専属のような立ち位置になる。まだ未熟な二人にはサーシャより出来ることは少ないが。
その後、リズはレイと対面を果たした。
リズは色々なことに驚いた。
まず、お披露目の時は耳と尻尾ばかり見ていたし、遠くて気付かなかったが、レイはとんでもなく格好良かった。顔が良いだけではなく、物腰も柔らかく、世話役であるリズやサラにも丁寧に接してくれるのにも好感が持てた。
リズにはレイが爽やかな大人の男性に見えた。
そして、レイのお世話をするようになってから、すぐに気付いた。レイはサーシャのことが好きなんだと。
最初、サーシャのことを「この世界で最も信頼している」と言った時からおかしいとは思っていたが、まさかそんなはずはないだろうと思った。二人はまだ出会って一ヶ月も経っていないし、サーシャは有能で可愛らしいが、一目惚れするような容姿ではない、と思う。そのため、リズはサーシャのことを世話役としての信頼が深いだけだと思っていた。
しかし、レイの恋心を確信せざるを得ない状況が次から次に起こった。
まず、レイがサーシャを見つめる視線がリズやサラを見る時とはかなり違った。サーシャを見る時はその中に熱がこもっていて、ほんのり頬を染める。
それにサーシャと話している時は本当に楽しそうに、蕩けるような笑顔を見せる。サーシャのことをより多く知りたいと質問している場面もよく見かけた。
不意に二人の指先が触れ合った時なんて、レイは動揺を隠せず、耳がピクピクと動いていたし、尻尾が左右に大きく振れていた。
昼の外出は必ずサーシャと行きたがるし、夕食以降のお世話も必ずサーシャを指名する。
リズはサラにどう思うか聞いてみた。
やはりサラもリズと同じように思っていた。
そして、ある日、二人はその疑問を直接レイにぶつけてみることにした。
◆ ◇ ◆
サーシャが水晶宮の幹部会議で席を外した時、リズとサラはソファで読書をするレイに話しかけた。
「レイ様。」
「ん?どうした、リズ?」
レイはちょうど本を読んで眠くなってきたタイミングだったのか、大きく欠伸をする。欠伸をすると、大きな口から鋭い牙が覗いた。しかし、それももうリズには全く怖くない。
リズとサラは顔を見合わせると、サラが話し出した。
「レイ様は…サーシャさんが好きなんですか?」
ちょうど眠気覚ましのコーヒーを口に含んだレイは、コーヒーをブーッと吹き出した。
「ちょっ…レイ様!!」
リズは思わずレイに文句を言う。
レイは「すまんすまん」と言いながら、吹き出したコーヒーをサラと一緒に自ら拭いている。コーヒーを拭き終わると、レイはコホンと咳払いをした。
「えーっと、なんの話だったかな…?」
リズは呆れたような視線をレイに投げかける。
「レイ様がサーシャさんを好きかどうかって話ですよ。」
レイの顔はみるみるうちに赤くなって、頭を抱える。
「……俺って、分かりやすい?」
二人は大きく頷く。
「そ、そっか…。サーシャは気付いてるかな…?」
「いえ、全く気付いてないと思います。」
サラがそう答えると、リズは首を縦に振って同意した。
「…それは良いのか悪いのか…。」
「サーシャさんは渡り人様であるレイ様を敬愛しているとは思いますが…異性として好きかどうかは…」
サラがそう言うと、レイの耳はペタンと垂れ下がる。
「男性として、か…。
それはそうと、…二人は…反対しない、のか?」
「「別に。」」
「そうか…!」
リズは珍しく真剣な表情で言う。
「私達はサーシャさんが大好きで、幸せになって欲しいんです。だから、レイ様がサーシャさんを幸せにしてくれるって言うなら、応援したいです!
サーシャさんは結婚する気がないと言っていますが、事情があって諦めてるだけで…本当は憧れてると思うんです。サーシャさんならきっといい奥さんにも、いいお母さんにもなれます。」
サラも、レイも大きく首を縦に振る。それぞれの脳内には新妻や母親になったサーシャの姿が浮かぶ。
レイはリズに向かって尋ねる。
「その、結婚を諦めてる事情ってなんなんだ?」
「……それは、私たちの口からは言えません。」
リズは俯く。サラも言う。
「あんまり人に知られたくないことだと思いますし…。」
「そうか…。」
少し重い空気が三人の間に流れる。
最初に口を開いたのはレイだった。
「正直…サーシャにどんな事情があろうとあんまり俺には関係ないんだ。俺にはサーシャしかいないから。他の女性じゃ駄目なんだ。
だから、大丈夫。俺はどんなサーシャでも受け入れる自信がある。必ず俺が幸せにする。」
レイの表情は真剣だ。
リズはニカッと笑った。
「頼みましたよ、レイ様!」
サラもしっかりと頷く。
「応援しています。」
レイは照れたように笑う。
その尻尾は嬉しそうにパタパタと揺れていた。
「任せとけ!」
気合を入れたレイにすかさずリズが突っ込む。
「レイ様の場合、まずは異性として意識されるところからだと思いますけどね。
意識もされないうちに好きとか言われたら、サーシャさん戸惑って距離置いちゃうかもだし。ちゃんと好きにならせてから、告白しないと!」
二十五歳のレイが十六歳の二人に相談する。
「お、俺は…どうしたらいいんだ?」
リズは元気いっぱい答える。
「えっと…
一緒にいっぱい過ごしてアピールする!とか?」
レイは首を傾げた。
「今も結構長いこと一緒にいるよな?リズとサラが来てくれて、少しサーシャが離れることも増えたが。」
「確かに。まぁ今後世話役が増えれば増えるほど、サーシャさんとの時間は減っていくと思いますけど。」
「ゔー…それは…いや、だなぁ。」
レイは難しい顔をしている。
サラは顎に手を当ててずっと考えいたが、閃いたようで目をキラキラさせて話し出した。
「あっ!チューするとか?
そうしたら、嫌でも意識しますよね?」
「チュー…。」
レイは顔を赤くして呟く。
リズは呆れたようにサラを見る。
「えー!だからさぁ、好きでも無いのにチューされたら、なんだコイツってならない?」
リズはサラの意見に反対した。
サラは頬をぷうっと膨らませる。
「この前読んだ小説に書いてあったもん!
キスから始まる恋もあるって!!」
「そんなのただの物語よ。
本当にサラったら夢見る乙女なんだから。」
「何よう!リズだって恋もしたことないくせに!」
「…はぁ?!あ、ありますー!!」
「誰よ!言ってみなさいよ!!」
「何であんたに言わなきゃいけないのよ!!」
二人の喧嘩を止めようとあわあわとレイが立ち上がるが、二人の応酬が激しく、止めることが出来ない。
その時、扉が開いた。
サーシャは二人が掴み合っているのを確認すると、ゆっくりと二人に歩み寄る。そして、綺麗に微笑んだ。
「リズ?サラ?
レイ様の御前で…何をしているの?」
二人は固まる。
「あの…その、えっと…。」
サーシャは微笑んだまま、二人に告げた。
「今日のおやつは抜きです。理由は…分かりますね?」
「「はい…。」」
二人はしょぼくれる。
おやつは一日の楽しみなのに…とリズは肩を落とした。
一応貴族ではあるものの、上に姉が二人いたため、持参金が用意できず貴族との結婚は望めなかった。
そこで、リズは渡り人の世話役になろうと思った。
渡り人の世話役になれば、箔がついて、その後の就職先にも困らない。世話役を終えた後に高位貴族の家でメイドなどとして雇ってもらえれば、高給なので一人でも生きていくことが出来ると思った。
しかし、世話役になるのは予想以上に大変だった。渡り人からの質問に答えられるようにあらゆる知識を網羅しなければならないし、マナーにも煩い。先輩の世話役達は皆、プライドばかり高くて、見て学べと言うばかりだった。
リズは世話役になることを諦めかけていた。
そんな時、リズはサーシャに出会った。サーシャは、優しく、惜しげもなく、仕事のコツをリズに教えてくれた。なんでこんなに教えてくれるのか聞くと、よい世話役が増えたら、渡り人様がお喜びになるでしょう?と微笑んだ。
リズはその時に決めた。この人について行こう、と。
サーシャが次に来る渡り人の専属世話役に選ばれた時は、本当に嬉しかった。自分も一緒にお世話をする日を今か今かと待った。
そして、ようやく渡り人に会えると、期待に胸を膨らませて参加したお披露目でリズが目にしたのは、頭に犬のような耳が生え、尻尾が生えた男だった。
リズは驚きのあまり言葉を失った。それはリズと同じようにサーシャを慕っているサラも同じだっただろう。
なんでよりによってサーシャの担当が男で、しかも獣人なのか…リズはその渡り人に対して腹が立った。その上、会場では獣人を馬鹿にするような発言も多く耳にした。リズはいつかサーシャが獣人の世話役と罵られるのではないかと心配になった。
水晶宮に移る時になって、その獣人・レイの世話役をサーシャが募ったが、誰も手を上げる者はいなかった。サーシャはレイが優しく、丁寧な男性で、危険なことは何もないと主張したが、皆サーシャから目を逸らすばかりで一向に世話役は決まらなかった。
リズは迷ったが、困っているサーシャの力になりたいと思い、世話役に立候補した。ほぼ同時にサラも世話役になると挙手をした。
リズとサラはレイの世話役となることが決まった。通常、専属の世話役以外はローテーションで各渡り人の世話を担当していくが、レイの世話役が出来るのがサーシャとリズとサラだけなので、実質リズとサラも専属のような立ち位置になる。まだ未熟な二人にはサーシャより出来ることは少ないが。
その後、リズはレイと対面を果たした。
リズは色々なことに驚いた。
まず、お披露目の時は耳と尻尾ばかり見ていたし、遠くて気付かなかったが、レイはとんでもなく格好良かった。顔が良いだけではなく、物腰も柔らかく、世話役であるリズやサラにも丁寧に接してくれるのにも好感が持てた。
リズにはレイが爽やかな大人の男性に見えた。
そして、レイのお世話をするようになってから、すぐに気付いた。レイはサーシャのことが好きなんだと。
最初、サーシャのことを「この世界で最も信頼している」と言った時からおかしいとは思っていたが、まさかそんなはずはないだろうと思った。二人はまだ出会って一ヶ月も経っていないし、サーシャは有能で可愛らしいが、一目惚れするような容姿ではない、と思う。そのため、リズはサーシャのことを世話役としての信頼が深いだけだと思っていた。
しかし、レイの恋心を確信せざるを得ない状況が次から次に起こった。
まず、レイがサーシャを見つめる視線がリズやサラを見る時とはかなり違った。サーシャを見る時はその中に熱がこもっていて、ほんのり頬を染める。
それにサーシャと話している時は本当に楽しそうに、蕩けるような笑顔を見せる。サーシャのことをより多く知りたいと質問している場面もよく見かけた。
不意に二人の指先が触れ合った時なんて、レイは動揺を隠せず、耳がピクピクと動いていたし、尻尾が左右に大きく振れていた。
昼の外出は必ずサーシャと行きたがるし、夕食以降のお世話も必ずサーシャを指名する。
リズはサラにどう思うか聞いてみた。
やはりサラもリズと同じように思っていた。
そして、ある日、二人はその疑問を直接レイにぶつけてみることにした。
◆ ◇ ◆
サーシャが水晶宮の幹部会議で席を外した時、リズとサラはソファで読書をするレイに話しかけた。
「レイ様。」
「ん?どうした、リズ?」
レイはちょうど本を読んで眠くなってきたタイミングだったのか、大きく欠伸をする。欠伸をすると、大きな口から鋭い牙が覗いた。しかし、それももうリズには全く怖くない。
リズとサラは顔を見合わせると、サラが話し出した。
「レイ様は…サーシャさんが好きなんですか?」
ちょうど眠気覚ましのコーヒーを口に含んだレイは、コーヒーをブーッと吹き出した。
「ちょっ…レイ様!!」
リズは思わずレイに文句を言う。
レイは「すまんすまん」と言いながら、吹き出したコーヒーをサラと一緒に自ら拭いている。コーヒーを拭き終わると、レイはコホンと咳払いをした。
「えーっと、なんの話だったかな…?」
リズは呆れたような視線をレイに投げかける。
「レイ様がサーシャさんを好きかどうかって話ですよ。」
レイの顔はみるみるうちに赤くなって、頭を抱える。
「……俺って、分かりやすい?」
二人は大きく頷く。
「そ、そっか…。サーシャは気付いてるかな…?」
「いえ、全く気付いてないと思います。」
サラがそう答えると、リズは首を縦に振って同意した。
「…それは良いのか悪いのか…。」
「サーシャさんは渡り人様であるレイ様を敬愛しているとは思いますが…異性として好きかどうかは…」
サラがそう言うと、レイの耳はペタンと垂れ下がる。
「男性として、か…。
それはそうと、…二人は…反対しない、のか?」
「「別に。」」
「そうか…!」
リズは珍しく真剣な表情で言う。
「私達はサーシャさんが大好きで、幸せになって欲しいんです。だから、レイ様がサーシャさんを幸せにしてくれるって言うなら、応援したいです!
サーシャさんは結婚する気がないと言っていますが、事情があって諦めてるだけで…本当は憧れてると思うんです。サーシャさんならきっといい奥さんにも、いいお母さんにもなれます。」
サラも、レイも大きく首を縦に振る。それぞれの脳内には新妻や母親になったサーシャの姿が浮かぶ。
レイはリズに向かって尋ねる。
「その、結婚を諦めてる事情ってなんなんだ?」
「……それは、私たちの口からは言えません。」
リズは俯く。サラも言う。
「あんまり人に知られたくないことだと思いますし…。」
「そうか…。」
少し重い空気が三人の間に流れる。
最初に口を開いたのはレイだった。
「正直…サーシャにどんな事情があろうとあんまり俺には関係ないんだ。俺にはサーシャしかいないから。他の女性じゃ駄目なんだ。
だから、大丈夫。俺はどんなサーシャでも受け入れる自信がある。必ず俺が幸せにする。」
レイの表情は真剣だ。
リズはニカッと笑った。
「頼みましたよ、レイ様!」
サラもしっかりと頷く。
「応援しています。」
レイは照れたように笑う。
その尻尾は嬉しそうにパタパタと揺れていた。
「任せとけ!」
気合を入れたレイにすかさずリズが突っ込む。
「レイ様の場合、まずは異性として意識されるところからだと思いますけどね。
意識もされないうちに好きとか言われたら、サーシャさん戸惑って距離置いちゃうかもだし。ちゃんと好きにならせてから、告白しないと!」
二十五歳のレイが十六歳の二人に相談する。
「お、俺は…どうしたらいいんだ?」
リズは元気いっぱい答える。
「えっと…
一緒にいっぱい過ごしてアピールする!とか?」
レイは首を傾げた。
「今も結構長いこと一緒にいるよな?リズとサラが来てくれて、少しサーシャが離れることも増えたが。」
「確かに。まぁ今後世話役が増えれば増えるほど、サーシャさんとの時間は減っていくと思いますけど。」
「ゔー…それは…いや、だなぁ。」
レイは難しい顔をしている。
サラは顎に手を当ててずっと考えいたが、閃いたようで目をキラキラさせて話し出した。
「あっ!チューするとか?
そうしたら、嫌でも意識しますよね?」
「チュー…。」
レイは顔を赤くして呟く。
リズは呆れたようにサラを見る。
「えー!だからさぁ、好きでも無いのにチューされたら、なんだコイツってならない?」
リズはサラの意見に反対した。
サラは頬をぷうっと膨らませる。
「この前読んだ小説に書いてあったもん!
キスから始まる恋もあるって!!」
「そんなのただの物語よ。
本当にサラったら夢見る乙女なんだから。」
「何よう!リズだって恋もしたことないくせに!」
「…はぁ?!あ、ありますー!!」
「誰よ!言ってみなさいよ!!」
「何であんたに言わなきゃいけないのよ!!」
二人の喧嘩を止めようとあわあわとレイが立ち上がるが、二人の応酬が激しく、止めることが出来ない。
その時、扉が開いた。
サーシャは二人が掴み合っているのを確認すると、ゆっくりと二人に歩み寄る。そして、綺麗に微笑んだ。
「リズ?サラ?
レイ様の御前で…何をしているの?」
二人は固まる。
「あの…その、えっと…。」
サーシャは微笑んだまま、二人に告げた。
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