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本編
12.走って、逃げて
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あの日からサーシャはおかしかった。
レイを見ると動悸がしたり、手が触れ合えばドキッとして手を引っ込めてしまう。お陰で今までミスなんかした事なかったのに、ここ最近はミスが多い。
しかし、レイはやっぱりサーシャを責めることもなく、優しい言葉を掛けてくれた。ただ大人の女性として扱ってくれているのだろうが、リズとサラにするように頭を撫でてはくれなかった。それを寂しく感じる。
(はぁ…きっと夜の処理のせいね…。レイ様を性的な目で見てしまうなんて、私はなんてことを。私は専属の世話役なんだから…しっかりしなきゃ!)
そう逐一自分に気合を入れるものの、リズとサラがレイと楽しそうにしているのを見ると、どうしようもなくモヤモヤする。
急ぎの仕事はないし気分転換でもしようと、サーシャは一人こっそりと部屋を抜け出し、休憩室に行った。休憩室に行くと、サーシャより年長の世話役達が休んでいた。サーシャは軽く挨拶をして、お茶でも飲もうとお湯を沸かすことにした。
コソコソと他の世話役達が話しているのが聞こえる。
「アリスったらまた新しい騎士に色目を使ってたわよ。」
「やだぁー、これで何人目よ。本当に男好きよね。」
「取っ替え引っ替え忙しい女だわ。」
(またか…。この人たちもよく飽きないわよね。
…時々真実が混じってるだけに注意しづらいのだけど。)
サーシャの同期であるアリスは、美しい容姿故に不名誉な噂を立てられることが多かった。ほとんどがアリスの美しさを僻んだものだが、アリスは情熱的なところがあって、時折自ら男性を誘惑することがあった。過去には他の世話役の彼氏を奪ったこともあり、他の世話役から距離を置かれていた。
サーシャはアリスの世話をよく焼いた。恋愛面については困ったところがあるが、悪い子ではないし、仕事も頑張っている。サーシャは好きな男性もいないし、作るつもりもないので被害を被ったことはない。
今まではサーシャが孤立しがちなアリスと共に過ごしていたが、レイを迎えてからサーシャは忙しくアリスを気に掛ける余裕はなかった。
(お披露目の時のレイ様への発言もあって、ちょっと距離を置いちゃったしな。…大人気なかったわ。
まだ暫くレイ様の方は大丈夫だろうし…。)
サーシャは湯を沸かすのを止めて、アリスを探しに行こうと休憩室を出た。
◆ ◇ ◆
「アリスー?いるー?」
アリスは花を見るのが好きで、空き時間はよく庭園に来ている。今、アリスは空き時間だと同僚に聞いたので、サーシャはここにいるだろうと見当をつけていた。
「…サーシャ…!」
何処からか、アリスの声が聞こえた。
しかも、その声はか細く震えていた。
嫌な予感がしたサーシャは、大声でアリスを呼んだ。
「アリス!?どこなの!?」
サーシャは庭園を見回すが、姿は見えない。どこかで動けなくなっているのかもしれない、と思ったサーシャは、庭園の茂みを片っ端から掻き分けていく。
途中、薔薇の棘で手の甲を切ったが、そんなのに構っている暇はない。サーシャは必死だった。
そして、ある茂みを掻き分けると、そこにはアリスとアリスに馬乗りになる男がいた。
アリスはボロボロと涙を流し、その口は男に押さえられていた。抵抗して叩かれたのか、頬も赤い。洋服の胸元も引きちぎられている。
サーシャは怒りが溢れてきて、思わずその男を蹴った。
蹴られると思っていなかったのか、男はバランスを崩し、その場に倒れた。
その隙にアリスは男の下から這い出る。
サーシャはアリスを背中に庇った。
男は目を血走らせ、恐ろしい顔でサーシャを睨みつける。
「邪魔すんじゃねぇ!俺たちは愛し合ってるんだ!」
そう言って、懐からナイフを取り出す。
サーシャはあまりの恐ろしさに足がすくむ。でも、背後にはアリスがいる。一人逃げ出すわけには行かない。
サーシャはアリスに囁いた。
「走って、逃げて。
私が何とかするから、アリスは衛兵を呼んできて。」
サーシャの言葉にアリスはグスグスと泣く。
「足を…挫いてるの…。走れない…。」
サーシャはぐっと唇を噛み締めた。
助けを呼びにアリスを置いて行けば、この男にアリスは犯されてしまうだろう。だからと言って、ナイフを持った男に勝てる術をサーシャは持っていなかった。
サーシャが困惑の表情を浮かべて満足したのか、男はニタァ…と笑った。
「アリスと俺の逢瀬を邪魔してくれた御礼にお前はたっぷり痛めつけてやるよ。」
男がサーシャを斬りつけようとナイフを振り上げる。
もう駄目だ…!とサーシャが目を瞑った次の瞬間、骨が折れるようなバキィッという鈍い音が聞こえた。
「え…?」
次に目を開けた時には、目の前には大きなレイの背中があった。
一撃でかなり遠くに飛ばされた男の元にレイは近寄ると胸ぐらを掴んで、もう一発、拳を今度は腹に叩きつけた。
レイは興奮しているのか、鋭い牙を剥き出しにしている。
殴られた男からは呻き声さえも出ない。
(死んでしまう…!)
慌ててサーシャはレイの背後から抱きついた。
「レイ様!お、お止めください!!」
レイは動きを止める。
少しして冷静になったのか、ドサッと男を地面に捨てると、サーシャの方を振り向いて、ひどく辛そうな顔をサーシャに向ける。そして、サーシャを強く抱きしめた。
「サーシャ…。大丈夫か?」
サーシャはレイを落ち着かせるように背中をトントンと叩いた。
「はい、レイ様のお陰で無事です。
…ありがとうございます。」
その言葉を聞いて、レイは安心したようにフッと息を吐いた。
サーシャから身体を離すと、サーシャの身体をまじまじと見て、何かを探している。
「血が出てるのはどこだ?」
「血?いえ、どこも怪我はー」
と言ったところで手の甲に血が滲んでいるのが見えた。
「ここか。」
そう言って、ペロリとサーシャの血を舐めた。
サーシャもアリスもそれを唖然として見つめる。
「もう血は止まっているようだな。」
レイはサーシャの手の甲を満足そうに見つめる。
と、そこで、ようやくレイはアリスの存在に気づいたようだった。
「あ…彼女を庇ってたのか。」
レイはアリスに近づくと、自らのシャツを脱ぎ、フワッとアリスに掛けた。一枚しか着ていなかったため、レイの上半身が露わになる。
「汗臭くて悪いけど、何もないよりはマシだろう。」
アリスにレイは柔らかく笑いかける。
その時、リズとサラがこちらに走ってくるのが見えた。
「「レイ様ー!!」」
リズとサラはレイの前まで来て止まる。
ハァハァと呼吸を荒くしている。サラが言う。
「はぁ…急に窓から飛び降りたと思ったら、サーシャさんのところにいたんですね。」
「…血の匂い…とか言って、行っちゃうから、何事かと思った…。ふぅ…。
てか、なんで裸なんですか?はい、どうぞ。」
リズはそう言って、ジャケットをレイに渡す。
「あ、ちょうど良かった。」
レイはジャケットを受け取ると、それを広げて、アリスの頭の上から掛けた。周りが見えず戸惑うアリスに優しく語りかける。
「急いで手当をしてもらった方がいい。足、挫いてるよね?嫌だと思うけど、運ばせてもらうよ?
それ被ってたら、俺の顔も見えないし、周りからは誰か分からないし、ちょうどいいでしょ。ちょっと匂いとかはどうしようもなくて悪いけど、少しの間、我慢してね。」
そう言って、レイはアリスを軽々と抱き上げた。
「ひゃっ…。」
アリスからは可愛い声が漏れる。
「サーシャ、手当が出来るところに案内してくれる?
リズとサラは衛兵を呼んで、その男を捕まえてもらって。完全に気を失ってるけど、死んではいないと思うから。」
「「「は、はい!」」」
それから、サーシャは医務院に案内したのだが、鍛え上げられた上半身を晒しながら水晶宮の中を通り抜けるレイは物凄く目線を集めた。皆が惚れ惚れとレイを見つめている。
それに、レイを怖がっていたはずなのに、今やアリスの腕はしっかりとレイの首に回され、くったりと完全に身をレイに任せていた。
被害にあったアリスを慰めてあげなきゃいけないのに、サーシャはそんな些細なことが気になった。
こんな時にこんなことで心をざわめかせるなんて、自分がとても嫌な人間になったような気がした。
レイを見ると動悸がしたり、手が触れ合えばドキッとして手を引っ込めてしまう。お陰で今までミスなんかした事なかったのに、ここ最近はミスが多い。
しかし、レイはやっぱりサーシャを責めることもなく、優しい言葉を掛けてくれた。ただ大人の女性として扱ってくれているのだろうが、リズとサラにするように頭を撫でてはくれなかった。それを寂しく感じる。
(はぁ…きっと夜の処理のせいね…。レイ様を性的な目で見てしまうなんて、私はなんてことを。私は専属の世話役なんだから…しっかりしなきゃ!)
そう逐一自分に気合を入れるものの、リズとサラがレイと楽しそうにしているのを見ると、どうしようもなくモヤモヤする。
急ぎの仕事はないし気分転換でもしようと、サーシャは一人こっそりと部屋を抜け出し、休憩室に行った。休憩室に行くと、サーシャより年長の世話役達が休んでいた。サーシャは軽く挨拶をして、お茶でも飲もうとお湯を沸かすことにした。
コソコソと他の世話役達が話しているのが聞こえる。
「アリスったらまた新しい騎士に色目を使ってたわよ。」
「やだぁー、これで何人目よ。本当に男好きよね。」
「取っ替え引っ替え忙しい女だわ。」
(またか…。この人たちもよく飽きないわよね。
…時々真実が混じってるだけに注意しづらいのだけど。)
サーシャの同期であるアリスは、美しい容姿故に不名誉な噂を立てられることが多かった。ほとんどがアリスの美しさを僻んだものだが、アリスは情熱的なところがあって、時折自ら男性を誘惑することがあった。過去には他の世話役の彼氏を奪ったこともあり、他の世話役から距離を置かれていた。
サーシャはアリスの世話をよく焼いた。恋愛面については困ったところがあるが、悪い子ではないし、仕事も頑張っている。サーシャは好きな男性もいないし、作るつもりもないので被害を被ったことはない。
今まではサーシャが孤立しがちなアリスと共に過ごしていたが、レイを迎えてからサーシャは忙しくアリスを気に掛ける余裕はなかった。
(お披露目の時のレイ様への発言もあって、ちょっと距離を置いちゃったしな。…大人気なかったわ。
まだ暫くレイ様の方は大丈夫だろうし…。)
サーシャは湯を沸かすのを止めて、アリスを探しに行こうと休憩室を出た。
◆ ◇ ◆
「アリスー?いるー?」
アリスは花を見るのが好きで、空き時間はよく庭園に来ている。今、アリスは空き時間だと同僚に聞いたので、サーシャはここにいるだろうと見当をつけていた。
「…サーシャ…!」
何処からか、アリスの声が聞こえた。
しかも、その声はか細く震えていた。
嫌な予感がしたサーシャは、大声でアリスを呼んだ。
「アリス!?どこなの!?」
サーシャは庭園を見回すが、姿は見えない。どこかで動けなくなっているのかもしれない、と思ったサーシャは、庭園の茂みを片っ端から掻き分けていく。
途中、薔薇の棘で手の甲を切ったが、そんなのに構っている暇はない。サーシャは必死だった。
そして、ある茂みを掻き分けると、そこにはアリスとアリスに馬乗りになる男がいた。
アリスはボロボロと涙を流し、その口は男に押さえられていた。抵抗して叩かれたのか、頬も赤い。洋服の胸元も引きちぎられている。
サーシャは怒りが溢れてきて、思わずその男を蹴った。
蹴られると思っていなかったのか、男はバランスを崩し、その場に倒れた。
その隙にアリスは男の下から這い出る。
サーシャはアリスを背中に庇った。
男は目を血走らせ、恐ろしい顔でサーシャを睨みつける。
「邪魔すんじゃねぇ!俺たちは愛し合ってるんだ!」
そう言って、懐からナイフを取り出す。
サーシャはあまりの恐ろしさに足がすくむ。でも、背後にはアリスがいる。一人逃げ出すわけには行かない。
サーシャはアリスに囁いた。
「走って、逃げて。
私が何とかするから、アリスは衛兵を呼んできて。」
サーシャの言葉にアリスはグスグスと泣く。
「足を…挫いてるの…。走れない…。」
サーシャはぐっと唇を噛み締めた。
助けを呼びにアリスを置いて行けば、この男にアリスは犯されてしまうだろう。だからと言って、ナイフを持った男に勝てる術をサーシャは持っていなかった。
サーシャが困惑の表情を浮かべて満足したのか、男はニタァ…と笑った。
「アリスと俺の逢瀬を邪魔してくれた御礼にお前はたっぷり痛めつけてやるよ。」
男がサーシャを斬りつけようとナイフを振り上げる。
もう駄目だ…!とサーシャが目を瞑った次の瞬間、骨が折れるようなバキィッという鈍い音が聞こえた。
「え…?」
次に目を開けた時には、目の前には大きなレイの背中があった。
一撃でかなり遠くに飛ばされた男の元にレイは近寄ると胸ぐらを掴んで、もう一発、拳を今度は腹に叩きつけた。
レイは興奮しているのか、鋭い牙を剥き出しにしている。
殴られた男からは呻き声さえも出ない。
(死んでしまう…!)
慌ててサーシャはレイの背後から抱きついた。
「レイ様!お、お止めください!!」
レイは動きを止める。
少しして冷静になったのか、ドサッと男を地面に捨てると、サーシャの方を振り向いて、ひどく辛そうな顔をサーシャに向ける。そして、サーシャを強く抱きしめた。
「サーシャ…。大丈夫か?」
サーシャはレイを落ち着かせるように背中をトントンと叩いた。
「はい、レイ様のお陰で無事です。
…ありがとうございます。」
その言葉を聞いて、レイは安心したようにフッと息を吐いた。
サーシャから身体を離すと、サーシャの身体をまじまじと見て、何かを探している。
「血が出てるのはどこだ?」
「血?いえ、どこも怪我はー」
と言ったところで手の甲に血が滲んでいるのが見えた。
「ここか。」
そう言って、ペロリとサーシャの血を舐めた。
サーシャもアリスもそれを唖然として見つめる。
「もう血は止まっているようだな。」
レイはサーシャの手の甲を満足そうに見つめる。
と、そこで、ようやくレイはアリスの存在に気づいたようだった。
「あ…彼女を庇ってたのか。」
レイはアリスに近づくと、自らのシャツを脱ぎ、フワッとアリスに掛けた。一枚しか着ていなかったため、レイの上半身が露わになる。
「汗臭くて悪いけど、何もないよりはマシだろう。」
アリスにレイは柔らかく笑いかける。
その時、リズとサラがこちらに走ってくるのが見えた。
「「レイ様ー!!」」
リズとサラはレイの前まで来て止まる。
ハァハァと呼吸を荒くしている。サラが言う。
「はぁ…急に窓から飛び降りたと思ったら、サーシャさんのところにいたんですね。」
「…血の匂い…とか言って、行っちゃうから、何事かと思った…。ふぅ…。
てか、なんで裸なんですか?はい、どうぞ。」
リズはそう言って、ジャケットをレイに渡す。
「あ、ちょうど良かった。」
レイはジャケットを受け取ると、それを広げて、アリスの頭の上から掛けた。周りが見えず戸惑うアリスに優しく語りかける。
「急いで手当をしてもらった方がいい。足、挫いてるよね?嫌だと思うけど、運ばせてもらうよ?
それ被ってたら、俺の顔も見えないし、周りからは誰か分からないし、ちょうどいいでしょ。ちょっと匂いとかはどうしようもなくて悪いけど、少しの間、我慢してね。」
そう言って、レイはアリスを軽々と抱き上げた。
「ひゃっ…。」
アリスからは可愛い声が漏れる。
「サーシャ、手当が出来るところに案内してくれる?
リズとサラは衛兵を呼んで、その男を捕まえてもらって。完全に気を失ってるけど、死んではいないと思うから。」
「「「は、はい!」」」
それから、サーシャは医務院に案内したのだが、鍛え上げられた上半身を晒しながら水晶宮の中を通り抜けるレイは物凄く目線を集めた。皆が惚れ惚れとレイを見つめている。
それに、レイを怖がっていたはずなのに、今やアリスの腕はしっかりとレイの首に回され、くったりと完全に身をレイに任せていた。
被害にあったアリスを慰めてあげなきゃいけないのに、サーシャはそんな些細なことが気になった。
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