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本編
13.獣人ってすごい
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アリスの怪我はそこまで酷くなかった。
足は軽く挫いただけだったし、頬の赤みもその日のうちには引くだろうと医者は言っていた。服は破られたけど、特にその奥を触られた訳ではなかったらしい。
サーシャは安心して、アリスを医者に託した。
その後、部屋に戻り、レイにお茶を淹れた。
サーシャは改めて御礼を言う。
「レイ様、危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました。」
サーシャが深く頭を下げる。レイは優しく微笑んだ。
「本当に無事で良かった。…サーシャの血の匂いを感じた時は心臓が止まるかと思った。」
「…血の匂い?」
そう言えば、さっきリズが血の匂いがどうのと言ってたな、とサーシャは思い出した。
「あぁ。前にサーシャが針で指を刺して、俺が舐めたことがあっただろ?覚えてたんだ、その時の味と匂いを。」
血の味と匂い…?全くサーシャにはわからない話だ。血の匂いも味も人によって違うなんて話は聞いたこともない。やっぱり嗅覚が鋭いのかしら…と思い、サーシャは呟く。
「何だか、すごく獣っぽいですね。」
真剣にそう言ったサーシャにレイは吹き出した。
「あぁ。半分は獣だからね。…怖い?」
「いいえ、怖くなんてありません。
レイ様はレイ様ですから。」
首を傾げながら、そう言って微笑むと、レイは嬉しそうに「そうか」と一言だけ言った。
「そう言えば…サラが言ってた窓から飛び降りたってどういうことですか?」
レイの部屋は三階だ。ここからはどうやったって飛び降りれないだろうとサーシャは思う。
「え、そのままの意味だよ?
そこから飛び降りたんだ。」
「こ、この高さをですか?!」
「獣人は身体能力が高いと最初に話しただろ?
これくらいなら全然平気だよ。」
「そ、そうなんですか…」
サーシャは改めて窓際に立って、下を覗き込んでみるが、どう考えても無理だ。サーシャはボソッと呟いた。
「…獣人ってすごい。」
その呟きさえも三角の耳は拾いあげる。
「ありがと。」
そう言うレイの尻尾は嬉しそうにパタパタとソファの座面を叩いていた。
◆ ◇ ◆
二日後、夕食の少し前にアリスがレイに御礼がしたいと言って、尋ねてきた。
リズがレイに「御礼したいって方が来ましたよー」と適当な声掛けをする。
その後、許可をもらい、入室したアリスはレイが座るソファの横に立ち、綺麗な礼をした。
「先日は危ないところを助けていただき、ありがとうございました。」
アリスは美しく微笑む。
レイはポカンとしてそれを見ている。
(アリスのあまりの美しさにレイ様も見惚れているんだわ。アリスは誰が見たって美人だもの。あの蜂蜜色の髪と透き通った緑色の瞳だけでも美しいのに、顔の作りやスタイルまで完璧だものね…。)
今までアリスと自分の容姿を比較したことなんてなかったのに、今は自分のくすんだ茶髪が貧相に思えて仕方なかった。サーシャはキュッとお仕着せのスカートを握った。
レイが何も言わないので、アリスがもう一度呼びかける。
「あの…レイ様…?」
「えっと…本当にごめん。君は誰かな?
俺が助けたっていつの話…?」
「「「は?」」」
その場にいたサーシャ、リズ、アリスの間の抜けた声が揃う。
「え?」
レイも本当に分かっていないようだ。
サーシャは仕方なく説明した。
「二日前にレイ様が倒した男に襲われていた女性です。世話役の一人で、アリスと言います。私の同僚です。」
「あぁ!サーシャが手の甲を怪我した時の!」
そこでようやくレイは思い出したようだった。
アリスは一眼見たら忘れられないような容姿だ。それを忘れるなんて、レイは何を見ていたんだろう…とサーシャは呆れる。
アリスは微笑む。
「思い出していただけましたか?」
「うん。あの時は早々にジャケットを被せてしまって、ほとんど顔を見ていなかったから。ごめんね。」
「いえ…思い出していただけたなら、光栄です。
…もう忘れないで下さいね?」
アリスが可愛く小首を傾げると、レイは困ったように笑った。
「えーと…人の顔を覚えるのは苦手なんだ。また忘れてたら、その時は気を悪くしないで教えてくれると助かるよ。」
リズもサーシャも唖然とする。
あのアリスを忘れてしまうかもしれないと言うのは、レイくらいのものだろうと、二人は思う。
アリスはこんなことは初めてで、一瞬顔を引き攣らせたものの、しっかりと御礼を言った。
「本当に助けていただき、ありがとうございました。しつこく付き纏われてずっと困っていたのです。今回はまさか職場まで来るなんて…でも、レイ様のお陰で助かりました。心から感謝致します。」
アリスはその場に膝をつくと、頭を深く下げた。
レイはなんだか居心地が悪そうにしている。
「あー…えっと。俺はサーシャを助けようとしただけなんだけど…結果的に君の力になれたなら良かった。
そんな大したことしてないし、早く頭を上げて?」
『サーシャを助けようとしただけ』
この言葉がサーシャには堪らなく嬉しかった。少し俯くサーシャの顔はほんのりと染まっていた。
アリスはこんな対応を男性からされたことはなかった。
瞳を潤ませ、上目遣いで、レイを見る。
「宜しければ、何か御礼をさせていただきたいのです。何か困ってることはありませんか?
…レイ様の為なら私なんでも…。」
照れたように少し顔を伏せ、チラッとレイに視線を送る。少し色気を感じさせるような言い方にリズはゴクリと喉を鳴らし、これが大人の女か…と思う。サーシャはレイが夜の処理をアリスにお願いするのでは…と、気が気じゃなかった。
レイは、少し考えた仕草をした後に「あっ」と何かを思いついたようだった。
「これからもサーシャと仲良くしてあげて。」
「は?」
「だって、サーシャが庇うくらい君はサーシャと仲がいいんでしょ?だから、これからもサーシャと仲良くしてねって。俺はサーシャが楽しかったり、嬉しかったりするのが嬉しいから…。」
えへへと照れたようにレイが笑う。
尻尾がパタパタと揺れる。
アリスは貼り付けた笑みで答える。
「それは大丈夫です。私はサーシャの親友ですから。
それよりもちゃんとした御礼がしたいのです。
せめて世話役として近くに置いていただけませんか?」
レイは苦笑いだ。
「いや…このメンバーが好きなんだ。一人でやれることも増えてきたし、世話役は十分かな。気持ちだけ受け取るよ。」
「……分かりました。」
アリスはそう言うとスッと立ち上がり、礼をすると「失礼します」と言って、硬い表情のまま退室しようとした。
それをレイが呼び止める。
「ねぇ。」
「はい…!」
何を期待したのかアリスの声は少し高くなった。
レイはアリスを鋭く見つめた。冷たさの宿るその瞳にはどこか恐ろしいものがあった。
「…君はちゃんとサーシャに御礼を言ったの?」
「あ…それは…。」
アリスはバツが悪そうに目を泳がせる。
「親友、と言っても、ちゃんと御礼はするべきなんじゃない?自分の身を呈してまで、君を庇ったんだよ?
もう少しでサーシャはナイフで斬りつけられて、大怪我をしてたかもしれない。場所によっては怪我だけじゃすまなかったかもしれない。」
レイの声はどこか冷たい。こんな声を出すのをサーシャは聞いたことがなかった。
「は、はい…。」
完全に俯き、アリスは掠れた声で返事をする。
「…俺はサーシャが君を庇ったりしなければ、助けになんて行ってないよ。サーシャが怪我をしたから、駆けつけただけだ。
…君が本当に誠心誠意、御礼を伝えるべき人は俺じゃないんじゃないの?」
「はい…。」
アリスはサーシャに向き直った。そして、少しだけ頭を下げて言った。
「…助けてくれてありがとう。私とサーシャの仲だから、すっかり御礼を言うのを忘れていたわ。」
笑って誤魔化しているが、サーシャにはアリスが御礼を言うつもりなんてなかったことが分かっていた。
それでもサーシャは微笑んで言った。
「アリスが無事で良かったわ。」
足は軽く挫いただけだったし、頬の赤みもその日のうちには引くだろうと医者は言っていた。服は破られたけど、特にその奥を触られた訳ではなかったらしい。
サーシャは安心して、アリスを医者に託した。
その後、部屋に戻り、レイにお茶を淹れた。
サーシャは改めて御礼を言う。
「レイ様、危ないところを助けていただき、本当にありがとうございました。」
サーシャが深く頭を下げる。レイは優しく微笑んだ。
「本当に無事で良かった。…サーシャの血の匂いを感じた時は心臓が止まるかと思った。」
「…血の匂い?」
そう言えば、さっきリズが血の匂いがどうのと言ってたな、とサーシャは思い出した。
「あぁ。前にサーシャが針で指を刺して、俺が舐めたことがあっただろ?覚えてたんだ、その時の味と匂いを。」
血の味と匂い…?全くサーシャにはわからない話だ。血の匂いも味も人によって違うなんて話は聞いたこともない。やっぱり嗅覚が鋭いのかしら…と思い、サーシャは呟く。
「何だか、すごく獣っぽいですね。」
真剣にそう言ったサーシャにレイは吹き出した。
「あぁ。半分は獣だからね。…怖い?」
「いいえ、怖くなんてありません。
レイ様はレイ様ですから。」
首を傾げながら、そう言って微笑むと、レイは嬉しそうに「そうか」と一言だけ言った。
「そう言えば…サラが言ってた窓から飛び降りたってどういうことですか?」
レイの部屋は三階だ。ここからはどうやったって飛び降りれないだろうとサーシャは思う。
「え、そのままの意味だよ?
そこから飛び降りたんだ。」
「こ、この高さをですか?!」
「獣人は身体能力が高いと最初に話しただろ?
これくらいなら全然平気だよ。」
「そ、そうなんですか…」
サーシャは改めて窓際に立って、下を覗き込んでみるが、どう考えても無理だ。サーシャはボソッと呟いた。
「…獣人ってすごい。」
その呟きさえも三角の耳は拾いあげる。
「ありがと。」
そう言うレイの尻尾は嬉しそうにパタパタとソファの座面を叩いていた。
◆ ◇ ◆
二日後、夕食の少し前にアリスがレイに御礼がしたいと言って、尋ねてきた。
リズがレイに「御礼したいって方が来ましたよー」と適当な声掛けをする。
その後、許可をもらい、入室したアリスはレイが座るソファの横に立ち、綺麗な礼をした。
「先日は危ないところを助けていただき、ありがとうございました。」
アリスは美しく微笑む。
レイはポカンとしてそれを見ている。
(アリスのあまりの美しさにレイ様も見惚れているんだわ。アリスは誰が見たって美人だもの。あの蜂蜜色の髪と透き通った緑色の瞳だけでも美しいのに、顔の作りやスタイルまで完璧だものね…。)
今までアリスと自分の容姿を比較したことなんてなかったのに、今は自分のくすんだ茶髪が貧相に思えて仕方なかった。サーシャはキュッとお仕着せのスカートを握った。
レイが何も言わないので、アリスがもう一度呼びかける。
「あの…レイ様…?」
「えっと…本当にごめん。君は誰かな?
俺が助けたっていつの話…?」
「「「は?」」」
その場にいたサーシャ、リズ、アリスの間の抜けた声が揃う。
「え?」
レイも本当に分かっていないようだ。
サーシャは仕方なく説明した。
「二日前にレイ様が倒した男に襲われていた女性です。世話役の一人で、アリスと言います。私の同僚です。」
「あぁ!サーシャが手の甲を怪我した時の!」
そこでようやくレイは思い出したようだった。
アリスは一眼見たら忘れられないような容姿だ。それを忘れるなんて、レイは何を見ていたんだろう…とサーシャは呆れる。
アリスは微笑む。
「思い出していただけましたか?」
「うん。あの時は早々にジャケットを被せてしまって、ほとんど顔を見ていなかったから。ごめんね。」
「いえ…思い出していただけたなら、光栄です。
…もう忘れないで下さいね?」
アリスが可愛く小首を傾げると、レイは困ったように笑った。
「えーと…人の顔を覚えるのは苦手なんだ。また忘れてたら、その時は気を悪くしないで教えてくれると助かるよ。」
リズもサーシャも唖然とする。
あのアリスを忘れてしまうかもしれないと言うのは、レイくらいのものだろうと、二人は思う。
アリスはこんなことは初めてで、一瞬顔を引き攣らせたものの、しっかりと御礼を言った。
「本当に助けていただき、ありがとうございました。しつこく付き纏われてずっと困っていたのです。今回はまさか職場まで来るなんて…でも、レイ様のお陰で助かりました。心から感謝致します。」
アリスはその場に膝をつくと、頭を深く下げた。
レイはなんだか居心地が悪そうにしている。
「あー…えっと。俺はサーシャを助けようとしただけなんだけど…結果的に君の力になれたなら良かった。
そんな大したことしてないし、早く頭を上げて?」
『サーシャを助けようとしただけ』
この言葉がサーシャには堪らなく嬉しかった。少し俯くサーシャの顔はほんのりと染まっていた。
アリスはこんな対応を男性からされたことはなかった。
瞳を潤ませ、上目遣いで、レイを見る。
「宜しければ、何か御礼をさせていただきたいのです。何か困ってることはありませんか?
…レイ様の為なら私なんでも…。」
照れたように少し顔を伏せ、チラッとレイに視線を送る。少し色気を感じさせるような言い方にリズはゴクリと喉を鳴らし、これが大人の女か…と思う。サーシャはレイが夜の処理をアリスにお願いするのでは…と、気が気じゃなかった。
レイは、少し考えた仕草をした後に「あっ」と何かを思いついたようだった。
「これからもサーシャと仲良くしてあげて。」
「は?」
「だって、サーシャが庇うくらい君はサーシャと仲がいいんでしょ?だから、これからもサーシャと仲良くしてねって。俺はサーシャが楽しかったり、嬉しかったりするのが嬉しいから…。」
えへへと照れたようにレイが笑う。
尻尾がパタパタと揺れる。
アリスは貼り付けた笑みで答える。
「それは大丈夫です。私はサーシャの親友ですから。
それよりもちゃんとした御礼がしたいのです。
せめて世話役として近くに置いていただけませんか?」
レイは苦笑いだ。
「いや…このメンバーが好きなんだ。一人でやれることも増えてきたし、世話役は十分かな。気持ちだけ受け取るよ。」
「……分かりました。」
アリスはそう言うとスッと立ち上がり、礼をすると「失礼します」と言って、硬い表情のまま退室しようとした。
それをレイが呼び止める。
「ねぇ。」
「はい…!」
何を期待したのかアリスの声は少し高くなった。
レイはアリスを鋭く見つめた。冷たさの宿るその瞳にはどこか恐ろしいものがあった。
「…君はちゃんとサーシャに御礼を言ったの?」
「あ…それは…。」
アリスはバツが悪そうに目を泳がせる。
「親友、と言っても、ちゃんと御礼はするべきなんじゃない?自分の身を呈してまで、君を庇ったんだよ?
もう少しでサーシャはナイフで斬りつけられて、大怪我をしてたかもしれない。場所によっては怪我だけじゃすまなかったかもしれない。」
レイの声はどこか冷たい。こんな声を出すのをサーシャは聞いたことがなかった。
「は、はい…。」
完全に俯き、アリスは掠れた声で返事をする。
「…俺はサーシャが君を庇ったりしなければ、助けになんて行ってないよ。サーシャが怪我をしたから、駆けつけただけだ。
…君が本当に誠心誠意、御礼を伝えるべき人は俺じゃないんじゃないの?」
「はい…。」
アリスはサーシャに向き直った。そして、少しだけ頭を下げて言った。
「…助けてくれてありがとう。私とサーシャの仲だから、すっかり御礼を言うのを忘れていたわ。」
笑って誤魔化しているが、サーシャにはアリスが御礼を言うつもりなんてなかったことが分かっていた。
それでもサーシャは微笑んで言った。
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