1 / 12
1話
しおりを挟む
目が覚めると、そこは宇宙だった。
俺は宇宙を光の玉になって彷徨っていた。
「あれ……? 確か、残業の後久々に家に帰って、それで……」
そこから先の記憶が無い。
というか、口がないのに声が出てるのはどういうことだ? 目も普通に見えるし。
辺りを見回すと、俺と同じような光の玉がいっぱい浮かんでいた。
……なんだか死後の世界みたいだな。
そんな風に考えていると、突然虚空に少女が現れた。
ウェーブかかった髪の、目が冴える程の美少女だ。美少女は枕片手に欠伸をしている。いわゆるダウナー系というやつだろうか。
『ども、あたしは神。えー、君たちは死にました。ってわけで、これから異世界に送るからよろ』
ダウナー女神はかったるそうに言い放つ。
そうか。俺死んだのか……
まあいつ過労死してもおかしくないようなブラック企業勤めだったので、あまり驚きもしないが。
『神の世界もSDGsとか色々配慮しなきゃいけない時代だからね。ある程度若い魂はリサイクルすることになってるの』
流石に説明不足と思ったのか、ダウナー女神はそう付け加えた。
『ま、こっちも時間無いから疑問は受け付けないんでよろしく。まあ過酷な世界だし一応の配慮はしてあるから……』
ダウナー女神が手を振りかざすと、虚空から巨大なガチャガチャがドスンと音を立てて落ちて来た。
『このスキルガチャを一人一回引かせてあげる。それじゃ、さっさとやって』
世間に異世界転生が認知されてきたからか、女神の圧倒的な美しさと威圧感が故か。誰一人意義を唱えることはなく、光の玉が一列になってガチャに並ぶ。
俺は様子見の為に敢えて後ろの方に並んだ。
最初の1人がガチャを回す。すると金色の花火が打ち上がり、引いた奴はおお!と歓声を上げた。
なるほど、当たるとあんな感じで演出が出るのか。一昔前のソシャゲのガチャみたいだな。
その後も金、銀、虹など、当たりのエフェクトが続く。金がSRで、銀がR、虹がURといった感じだろうか。
偶に外れるものの、基本的にはいいスキルが手に入っているようだ。
——だが、その偶にが俺にとっては大きな問題だった。
「俺、ソシャゲのガチャ運くっそ悪いんだよなぁ……」
ピックアップの天上課金は当たり前。完凸なんて目指そうものなら諭吉が10枚以上必ず吹っ飛ぶ。その上、せっかく凸したキャラが次のイベントですり抜けまくったりするのだ。
あれマジでなんなんだろうねクソ運営ぶっ殺してやる!!!
すまん話が逸れた。だがまあ、とにかく俺はソシャゲのガチャ運がとんでもなく悪いのである。
そして遂に俺がガチャを引く番が回って来た。
神が目の前にいるのに変な話だが、とにかく祈りながらレバーを回す。
虹とは言わないまでも、せめて通常レアである銀くらいは当たって欲しい。
「……あれ?」
だが、いくら待っても花火が上がる様子はない。
俺が困惑していると、
『ああ、貴方は『はずれ』だね。演出はないけど、一応スキルは手に入ってるはずだよ』
言われて意識を集中すると、頭の奥にぼんやりと文字が見えてくる。
――――――
【ステータス】
名前 源田源五郎
HP 100
MP 100
力 G
守り G
知力 F
敏捷 G
運 G
スキル ランダムダメージ(ノーマルレア)
効果 : 対称1体に1~9999の中からランダムで固定ダメージを与える(参照:運ステータス)。
クールタイム:10分。消費MP:70。射程:長い。
——————
あれ? ステータスは疲れた社畜らしい貧弱なものだが、スキルは言うほどはずれか?
固定ダメージ系のスキルは、ラノベとかだと優良枠だ。
ノーマルとはいえ、やはり生きていくのに困らない程度の性能ではあるのかもしれない。
そんな淡い希望は、次の瞬間に打ち砕かれた。
『プッ、凄いね君。それ、今回のスキルで一番のはずれスキルだよ。運ゲースキルで試行回数稼げないのは致命的でしょ……くくっ』
女神が気怠そうに、しかしはっきりと馬鹿にした調子で笑っている。
確かに。言われてみればクールタイム10分はきつい。しかも、MP的に1発しか打てないし。強くなるまでにネトゲで言う所の介護プレイが必要になって来るタイプのスキルだ。
そして、俺みたいなおっさんを育ててくれる猛者はきっと異世界にはいない。
「うおっ、なにこれウルトラレア……光の剣!? めっちゃ強そうじゃん!」
しかも、俺の次に引いた奴はマツケンサンバばりのド派手な演出でしっかりとチートを引いている。
なるほど。虹がはURではなくSSRで、マツケンサンバがURだったか。
『お、それ一番の当たりだね。……これ前にはずれ引くとか。貴方余計に惨めだね……くくっ』
女神は再度馬鹿にしくさった様子で俺を嘲笑って来る。
もう神だとか関係なく一発殴りたいなこいつ。まあ今は腕がないから無理なんだが。
『まあ、人生超ハードモードだと思うけど頑張ってね~』
……こうして俺は、はずれスキルと共に異世界へと飛ばされたのだった。
俺は宇宙を光の玉になって彷徨っていた。
「あれ……? 確か、残業の後久々に家に帰って、それで……」
そこから先の記憶が無い。
というか、口がないのに声が出てるのはどういうことだ? 目も普通に見えるし。
辺りを見回すと、俺と同じような光の玉がいっぱい浮かんでいた。
……なんだか死後の世界みたいだな。
そんな風に考えていると、突然虚空に少女が現れた。
ウェーブかかった髪の、目が冴える程の美少女だ。美少女は枕片手に欠伸をしている。いわゆるダウナー系というやつだろうか。
『ども、あたしは神。えー、君たちは死にました。ってわけで、これから異世界に送るからよろ』
ダウナー女神はかったるそうに言い放つ。
そうか。俺死んだのか……
まあいつ過労死してもおかしくないようなブラック企業勤めだったので、あまり驚きもしないが。
『神の世界もSDGsとか色々配慮しなきゃいけない時代だからね。ある程度若い魂はリサイクルすることになってるの』
流石に説明不足と思ったのか、ダウナー女神はそう付け加えた。
『ま、こっちも時間無いから疑問は受け付けないんでよろしく。まあ過酷な世界だし一応の配慮はしてあるから……』
ダウナー女神が手を振りかざすと、虚空から巨大なガチャガチャがドスンと音を立てて落ちて来た。
『このスキルガチャを一人一回引かせてあげる。それじゃ、さっさとやって』
世間に異世界転生が認知されてきたからか、女神の圧倒的な美しさと威圧感が故か。誰一人意義を唱えることはなく、光の玉が一列になってガチャに並ぶ。
俺は様子見の為に敢えて後ろの方に並んだ。
最初の1人がガチャを回す。すると金色の花火が打ち上がり、引いた奴はおお!と歓声を上げた。
なるほど、当たるとあんな感じで演出が出るのか。一昔前のソシャゲのガチャみたいだな。
その後も金、銀、虹など、当たりのエフェクトが続く。金がSRで、銀がR、虹がURといった感じだろうか。
偶に外れるものの、基本的にはいいスキルが手に入っているようだ。
——だが、その偶にが俺にとっては大きな問題だった。
「俺、ソシャゲのガチャ運くっそ悪いんだよなぁ……」
ピックアップの天上課金は当たり前。完凸なんて目指そうものなら諭吉が10枚以上必ず吹っ飛ぶ。その上、せっかく凸したキャラが次のイベントですり抜けまくったりするのだ。
あれマジでなんなんだろうねクソ運営ぶっ殺してやる!!!
すまん話が逸れた。だがまあ、とにかく俺はソシャゲのガチャ運がとんでもなく悪いのである。
そして遂に俺がガチャを引く番が回って来た。
神が目の前にいるのに変な話だが、とにかく祈りながらレバーを回す。
虹とは言わないまでも、せめて通常レアである銀くらいは当たって欲しい。
「……あれ?」
だが、いくら待っても花火が上がる様子はない。
俺が困惑していると、
『ああ、貴方は『はずれ』だね。演出はないけど、一応スキルは手に入ってるはずだよ』
言われて意識を集中すると、頭の奥にぼんやりと文字が見えてくる。
――――――
【ステータス】
名前 源田源五郎
HP 100
MP 100
力 G
守り G
知力 F
敏捷 G
運 G
スキル ランダムダメージ(ノーマルレア)
効果 : 対称1体に1~9999の中からランダムで固定ダメージを与える(参照:運ステータス)。
クールタイム:10分。消費MP:70。射程:長い。
——————
あれ? ステータスは疲れた社畜らしい貧弱なものだが、スキルは言うほどはずれか?
固定ダメージ系のスキルは、ラノベとかだと優良枠だ。
ノーマルとはいえ、やはり生きていくのに困らない程度の性能ではあるのかもしれない。
そんな淡い希望は、次の瞬間に打ち砕かれた。
『プッ、凄いね君。それ、今回のスキルで一番のはずれスキルだよ。運ゲースキルで試行回数稼げないのは致命的でしょ……くくっ』
女神が気怠そうに、しかしはっきりと馬鹿にした調子で笑っている。
確かに。言われてみればクールタイム10分はきつい。しかも、MP的に1発しか打てないし。強くなるまでにネトゲで言う所の介護プレイが必要になって来るタイプのスキルだ。
そして、俺みたいなおっさんを育ててくれる猛者はきっと異世界にはいない。
「うおっ、なにこれウルトラレア……光の剣!? めっちゃ強そうじゃん!」
しかも、俺の次に引いた奴はマツケンサンバばりのド派手な演出でしっかりとチートを引いている。
なるほど。虹がはURではなくSSRで、マツケンサンバがURだったか。
『お、それ一番の当たりだね。……これ前にはずれ引くとか。貴方余計に惨めだね……くくっ』
女神は再度馬鹿にしくさった様子で俺を嘲笑って来る。
もう神だとか関係なく一発殴りたいなこいつ。まあ今は腕がないから無理なんだが。
『まあ、人生超ハードモードだと思うけど頑張ってね~』
……こうして俺は、はずれスキルと共に異世界へと飛ばされたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
S級スキル『剣聖』を授かった俺はスキルを奪われてから人生が一変しました
白崎なまず
ファンタジー
この世界の人間の多くは生まれてきたときにスキルを持っている。スキルの力は強大で、強力なスキルを持つ者が貧弱なスキルしか持たない者を支配する。
そんな世界に生まれた主人公アレスは大昔の英雄が所持していたとされるSランク『剣聖』を持っていたことが明らかになり一気に成り上がっていく。
王族になり、裕福な暮らしをし、将来は王女との結婚も約束され盤石な人生を歩むアレス。
しかし物事がうまくいっている時こそ人生の落とし穴には気付けないものだ。
突如現れた謎の老人に剣聖のスキルを奪われてしまったアレス。
スキルのおかげで手に入れた立場は当然スキルがなければ維持することが出来ない。
王族から下民へと落ちたアレスはこの世に絶望し、生きる気力を失いかけてしまう。
そんなアレスに手を差し伸べたのはとある教会のシスターだった。
Sランクスキルを失い、この世はスキルが全てじゃないと知ったアレス。
スキルがない自分でも前向きに生きていこうと冒険者の道へ進むことになったアレスだったのだが――
なんと、そんなアレスの元に剣聖のスキルが舞い戻ってきたのだ。
スキルを奪われたと王族から追放されたアレスが剣聖のスキルが戻ったことを隠しながら冒険者になるために学園に通う。
スキルの優劣がものを言う世界でのアレスと仲間たちの学園ファンタジー物語。
この作品は小説家になろうに投稿されている作品の重複投稿になります
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
捨てられた貴族六男、ハズレギフト『家電量販店』で僻地を悠々開拓する。~魔改造し放題の家電を使って、廃れた土地で建国目指します~
荒井竜馬@書籍発売中
ファンタジー
ある日、主人公は前世の記憶を思いだし、自分が転生者であることに気がつく。転生先は、悪役貴族と名高いアストロメア家の六男だった。しかし、メビウスは前世でアニメやラノベに触れていたので、悪役転生した場合の身の振り方を知っていた。『悪役転生ものということは、死ぬ気で努力すれば最強になれるパターンだ!』そう考えて死ぬ気で努力をするが、チート級の力を身につけることができなかった。
それどころか、授かったギフトが『家電量販店』という理解されないギフトだったせいで、一族から追放されてしまい『死地』と呼ばれる場所に捨てられてしまう。
「……普通、十歳の子供をこんな場所に捨てるか?」
『死地』と呼ばれる何もない場所で、メビウスは『家電量販店』のスキルを使って生き延びることを決意する。
しかし、そこでメビウスは自分のギフトが『死地』で生きていくのに適していたことに気がつく。
家電を自在に魔改造して『家電量販店』で過ごしていくうちに、メビウスは周りから天才発明家として扱われ、やがて小国の長として建国を目指すことになるのだった。
メビウスは知るはずがなかった。いずれ、自分が『機械仕掛けの大魔導士』と呼ばれ存在になるなんて。
努力しても最強になれず、追放先に師範も元冒険者メイドもついてこず、領地どころかどの国も管理していない僻地に捨てられる……そんな踏んだり蹴ったりから始まる領地(国家)経営物語。
『ノベマ! 異世界ファンタジー:8位(2025/04/22)』
※別サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる