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第二章 最初にホムンクルスを生み出した者
第八話 最悪な夢、最高な朝食
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「ここは……みんな?」
「何をボケっとしてる行くぞアクセル」
目の前の三人のうちウルスが振り返る。
アクセルは置いていた荷物を背負うと三人についていく。
しばらく歩き進め、モンスターが出た時の事だった。三人はモンスターの猛攻に耐えきれず、怪我を負い助けられるのはパーティーのアクセルだけである。
「大丈夫だ俺がいる……みんなは後ろに下がってて」
「あぁ頼んだアクセル」
剣を巧みに操り難なく倒すアクセルは後ろにいる三人の傷の手当てをしようとした時だった。
ナイフを持った三人が何も迷うことなくアクセルの腹に向かい刺した。
――くはっ……何で、なんで
「お前が強すぎるからだ、悪いなアクセル」
――――俺はつよ……くなって……助けたかっただけなのに
見下ろす三人の顔を見ていると目の前が暗くなっていく。
これが死ぬ間際なのだとアクセルは感じる。
いくつも疑問を残し、消えていく自分の命。未練とかそういった言葉で表現はできない苦しい思い、いままでの自分はなんだったのか、何を間違ってしまったのか考えても考えても答えらしき回答は見つかることは無い。
腹に刺さるナイフが体を貫通する。
――――――いきがデキナイ、だすけて。たすけ
……
…………
………………
目を開けるアクセル。
眩しい光が入ってきて、白以外の色が見えない。
瞬きをし慣れた光になれた頃、横になるアクセルに寄りかかり寝ていたのはフィアナだった。
寝ているフィアナを起こさないように起き上がる。
「無事でよかったです。アクセルさん」
「ロットか、いたんだな」
ベッドに座っているロットが笑顔で話しかけた。
アクセルは自分が何故、横になっていたのか聞く。
「俺は何でここに」
「僕も聞きたいくらいですよ、でもフィアナさんがいたから助かったんだと思います。起きたら感謝してくださいよ」
「そうか……迷惑かけちゃったんだな」
(あのあと俺は意識を失ったのか、本当にいてくれ良かった)
フィアナに視線を向けるアクセルは優しく微笑む。
ロットはその様子を見て、なんだか嬉しそうな顔をしてアクセルに言う。
「アクセルさんもそんな顔するんですね」
「俺を何だと思ってるんだよ」
「いえ特には、どうとも思ってないですよ。それよりアクセルさん、朝ごはん食べに行きましょうよ」
「そうだなフィアナはしばらく寝てそうだから、寝させておくか」
食堂に行く二人。
宿舎の娘ルウカが明るく迎えてくれた、母親の手作りのパンやサラダ・スープなどを運んでくる。
テーブルに置くとお辞儀をするルウカ。
「ゆっくり召し上がってください」
「うん、ありがとうルウカ」
お礼を言うとルウカは無邪気に笑いさがっていく。
テーブルの上に広がる朝食を前に空腹の二入は黙々と食べていく。
「(この焼き立てのパンは中がふわもちとした食感で外はパリッとしている。サラダは取れたてのみずみずしさが口の中を潤し変な臭みもなくて食べやすい。スープは寒い朝に体を温めてくくれる食材が入っているから飲むたびポカポカとする)最高だ‼」
「確かに最高ですねアクセルさん、どれもとてもおいしいです」
「あ……そうだよな、どれもおいしい」
心の声が出ていないか心配になるアクセルだったが、あっという間に二人は食べ終わると部屋に戻って行く。
満腹の二人は笑顔で扉を開けると中にはムッとした顔をして何やら不機嫌そうなフィアナがいた。
「あっフィアナ、起きてたんだな。昨日の夜は、ありがっ」
喋っている途中で抱きついてくるフィアナ。
「倒れたときは、本当に心配したんだからっ‼」
「悪い悪いそれで何でそんな不機嫌そうなんだ」
「私を置いて朝ごはん食べてたでしょ」
「あっそれは、ごめん」
顔をそむけるフィアナは朝食を食べると言って出ていこうとする。
出て行こうとするフィアナを腕を掴み止める。
「……ありがとうなフィアナ」
「なっ……怒ってないから、今日何するか二人で決めておいてよね」
顔を赤らめたフィアナは朝食を食べに一人で向かっていくのだった。
「何をボケっとしてる行くぞアクセル」
目の前の三人のうちウルスが振り返る。
アクセルは置いていた荷物を背負うと三人についていく。
しばらく歩き進め、モンスターが出た時の事だった。三人はモンスターの猛攻に耐えきれず、怪我を負い助けられるのはパーティーのアクセルだけである。
「大丈夫だ俺がいる……みんなは後ろに下がってて」
「あぁ頼んだアクセル」
剣を巧みに操り難なく倒すアクセルは後ろにいる三人の傷の手当てをしようとした時だった。
ナイフを持った三人が何も迷うことなくアクセルの腹に向かい刺した。
――くはっ……何で、なんで
「お前が強すぎるからだ、悪いなアクセル」
――――俺はつよ……くなって……助けたかっただけなのに
見下ろす三人の顔を見ていると目の前が暗くなっていく。
これが死ぬ間際なのだとアクセルは感じる。
いくつも疑問を残し、消えていく自分の命。未練とかそういった言葉で表現はできない苦しい思い、いままでの自分はなんだったのか、何を間違ってしまったのか考えても考えても答えらしき回答は見つかることは無い。
腹に刺さるナイフが体を貫通する。
――――――いきがデキナイ、だすけて。たすけ
……
…………
………………
目を開けるアクセル。
眩しい光が入ってきて、白以外の色が見えない。
瞬きをし慣れた光になれた頃、横になるアクセルに寄りかかり寝ていたのはフィアナだった。
寝ているフィアナを起こさないように起き上がる。
「無事でよかったです。アクセルさん」
「ロットか、いたんだな」
ベッドに座っているロットが笑顔で話しかけた。
アクセルは自分が何故、横になっていたのか聞く。
「俺は何でここに」
「僕も聞きたいくらいですよ、でもフィアナさんがいたから助かったんだと思います。起きたら感謝してくださいよ」
「そうか……迷惑かけちゃったんだな」
(あのあと俺は意識を失ったのか、本当にいてくれ良かった)
フィアナに視線を向けるアクセルは優しく微笑む。
ロットはその様子を見て、なんだか嬉しそうな顔をしてアクセルに言う。
「アクセルさんもそんな顔するんですね」
「俺を何だと思ってるんだよ」
「いえ特には、どうとも思ってないですよ。それよりアクセルさん、朝ごはん食べに行きましょうよ」
「そうだなフィアナはしばらく寝てそうだから、寝させておくか」
食堂に行く二人。
宿舎の娘ルウカが明るく迎えてくれた、母親の手作りのパンやサラダ・スープなどを運んでくる。
テーブルに置くとお辞儀をするルウカ。
「ゆっくり召し上がってください」
「うん、ありがとうルウカ」
お礼を言うとルウカは無邪気に笑いさがっていく。
テーブルの上に広がる朝食を前に空腹の二入は黙々と食べていく。
「(この焼き立てのパンは中がふわもちとした食感で外はパリッとしている。サラダは取れたてのみずみずしさが口の中を潤し変な臭みもなくて食べやすい。スープは寒い朝に体を温めてくくれる食材が入っているから飲むたびポカポカとする)最高だ‼」
「確かに最高ですねアクセルさん、どれもとてもおいしいです」
「あ……そうだよな、どれもおいしい」
心の声が出ていないか心配になるアクセルだったが、あっという間に二人は食べ終わると部屋に戻って行く。
満腹の二人は笑顔で扉を開けると中にはムッとした顔をして何やら不機嫌そうなフィアナがいた。
「あっフィアナ、起きてたんだな。昨日の夜は、ありがっ」
喋っている途中で抱きついてくるフィアナ。
「倒れたときは、本当に心配したんだからっ‼」
「悪い悪いそれで何でそんな不機嫌そうなんだ」
「私を置いて朝ごはん食べてたでしょ」
「あっそれは、ごめん」
顔をそむけるフィアナは朝食を食べると言って出ていこうとする。
出て行こうとするフィアナを腕を掴み止める。
「……ありがとうなフィアナ」
「なっ……怒ってないから、今日何するか二人で決めておいてよね」
顔を赤らめたフィアナは朝食を食べに一人で向かっていくのだった。
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