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第4章 未来への道
第4話 闇さす国政
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緊張した重々しい空気の中、彼女は、文官たちの態度を考えながら見ていた。
「今後は気をつけることにして、襲った者は厳罰にします」
また、違う文官が返事していた。
宰相はただ黙っていて、目をプリムローズから離せなくなっていた。
普段会う彼女とは違い、大人物のような威厳がある。
それは、他の何人も寄せ付けない空気をまとっていた。
ブロイ公爵はこの時からハッキリと、彼女への見方が変化する。
宰相でブロイ公爵でもある彼に、思い切って疑問と提案してきた。
「ブロイ宰相。
今さらですが、今回は試験を何故早めたのですか?!
私に無礼をした者も、試験が早まったせいか精神的にまいっている様子でした。
それに退職者の数で、合格人数を決めるのはどうかと思いますよ?」
突然の意中が読めない質問に、ブロイは悩み表情には出さないが心中は揺れていた。
「それは、どういう意味ですか?」
まさか矛先が、合格人数に触れるとは考えなかった。
「なんの実力もなく職にしがみつく者が、いるんではないでしょうか?
特に貴族の身分の高い人たちがー。
この国の文官の質を低下させている可能性がある。
改めた方が良いのでは?!」
平民の友人たちから、地方文官の良くない噂が手紙に書かれて送られてきていた。
クラレンス領の叔父ジョセフに手紙で注意しておいたので、あの方なら対処しているのに違いない。
クラレンス公爵家の本宅がある土地に、そんな者を行かせたものよと思い返していた。
この発言に、この部屋にいたもの全員は声を失いかける。
「そ、それは具体的に何をでしょうか?」
ブロイ宰相は、顔を強ばらせて子供のプリムローズに質した。
「例えば領主が、困窮に陥っても気づかない者とか?
その地域を見てまわる担当文官は、配置されてますよね。
国が任命した文官が、それを把握していない。
これは、職務怠慢ですよ」
プリムローズは父のいる荒地の領地の事を、例に厳しく答えたのである。
「そんな事はないのでは、私には報告があがってません」
宰相は不安な表情を見せながらも、部下たちを信じていた。
「ありますわ!
実際に、父が死にかけました。
私たちが遅かったら、元王と一緒にあの世ですわ。
今年は特に雪が多かった。
報告がないのなら、その者は仕事が出来ない方よ。
宰相、部下を信じる事はいいが信じし過ぎないことです」
余りの痛烈な批判に、部屋は静まり返った。
「まさか、そんな…。
この件は早急に調べます。
それから遅くなりましたが、合格おめでとうございます」
宰相ブロイは震える声で、彼女に返事と取ってつけて聞こえるようなお祝いを述べたのであった。
「有り難うございます!
だが、秘密裏でやった方がいいですよ。
信頼された方にお任せした方が、宰相自らでは目立ち過ぎますものね。フフフ」
10歳の子供とは思えない、まさに氷の様な冷たい笑いであった。
プリムローズは、宰相閣下を立てて淑女の礼をして部屋から退出した。
帰りの長い廊下で、この国は危ういのではと不安になる。
私が合格したことで、女性の地位を少しだけ高めることは出来たと思う。
未来へ向かい一歩は、踏み出せたはずよ。
しかし、その未来の先は暗く醜い腐敗した中にあるのではないか?!
受かったのを、家族は喜んで祝ってくれるに違いない。
本人は合格しても、今日の事件があり素直に喜べなかった。
自分が文官になれるのは、16歳で成人してからだ。
まだ、6年の歳月がある。
特例で早まるかもしれないが、それまでにブロイ宰相がどこまで文官たちの新しい改革が出来るのか?!
祖父グレゴリーは、以前私に話された事がある。
平和の時が長く続くと、腐敗が増えやすい。
何故なら敵がいない緊張感が無く、暇をもて余して私利私欲に走りやすいからだ。
新たな王の政権は、実際はやっと1年しかたっていない。
まだまだ、周りを見る余裕がないはずだ。
プリムローズは、立ち止まり頭を左右に振った。
自分には、何も出来ることはない。
もどかしさを感じながら、屋敷に戻る足取りは重かった。
「今後は気をつけることにして、襲った者は厳罰にします」
また、違う文官が返事していた。
宰相はただ黙っていて、目をプリムローズから離せなくなっていた。
普段会う彼女とは違い、大人物のような威厳がある。
それは、他の何人も寄せ付けない空気をまとっていた。
ブロイ公爵はこの時からハッキリと、彼女への見方が変化する。
宰相でブロイ公爵でもある彼に、思い切って疑問と提案してきた。
「ブロイ宰相。
今さらですが、今回は試験を何故早めたのですか?!
私に無礼をした者も、試験が早まったせいか精神的にまいっている様子でした。
それに退職者の数で、合格人数を決めるのはどうかと思いますよ?」
突然の意中が読めない質問に、ブロイは悩み表情には出さないが心中は揺れていた。
「それは、どういう意味ですか?」
まさか矛先が、合格人数に触れるとは考えなかった。
「なんの実力もなく職にしがみつく者が、いるんではないでしょうか?
特に貴族の身分の高い人たちがー。
この国の文官の質を低下させている可能性がある。
改めた方が良いのでは?!」
平民の友人たちから、地方文官の良くない噂が手紙に書かれて送られてきていた。
クラレンス領の叔父ジョセフに手紙で注意しておいたので、あの方なら対処しているのに違いない。
クラレンス公爵家の本宅がある土地に、そんな者を行かせたものよと思い返していた。
この発言に、この部屋にいたもの全員は声を失いかける。
「そ、それは具体的に何をでしょうか?」
ブロイ宰相は、顔を強ばらせて子供のプリムローズに質した。
「例えば領主が、困窮に陥っても気づかない者とか?
その地域を見てまわる担当文官は、配置されてますよね。
国が任命した文官が、それを把握していない。
これは、職務怠慢ですよ」
プリムローズは父のいる荒地の領地の事を、例に厳しく答えたのである。
「そんな事はないのでは、私には報告があがってません」
宰相は不安な表情を見せながらも、部下たちを信じていた。
「ありますわ!
実際に、父が死にかけました。
私たちが遅かったら、元王と一緒にあの世ですわ。
今年は特に雪が多かった。
報告がないのなら、その者は仕事が出来ない方よ。
宰相、部下を信じる事はいいが信じし過ぎないことです」
余りの痛烈な批判に、部屋は静まり返った。
「まさか、そんな…。
この件は早急に調べます。
それから遅くなりましたが、合格おめでとうございます」
宰相ブロイは震える声で、彼女に返事と取ってつけて聞こえるようなお祝いを述べたのであった。
「有り難うございます!
だが、秘密裏でやった方がいいですよ。
信頼された方にお任せした方が、宰相自らでは目立ち過ぎますものね。フフフ」
10歳の子供とは思えない、まさに氷の様な冷たい笑いであった。
プリムローズは、宰相閣下を立てて淑女の礼をして部屋から退出した。
帰りの長い廊下で、この国は危ういのではと不安になる。
私が合格したことで、女性の地位を少しだけ高めることは出来たと思う。
未来へ向かい一歩は、踏み出せたはずよ。
しかし、その未来の先は暗く醜い腐敗した中にあるのではないか?!
受かったのを、家族は喜んで祝ってくれるに違いない。
本人は合格しても、今日の事件があり素直に喜べなかった。
自分が文官になれるのは、16歳で成人してからだ。
まだ、6年の歳月がある。
特例で早まるかもしれないが、それまでにブロイ宰相がどこまで文官たちの新しい改革が出来るのか?!
祖父グレゴリーは、以前私に話された事がある。
平和の時が長く続くと、腐敗が増えやすい。
何故なら敵がいない緊張感が無く、暇をもて余して私利私欲に走りやすいからだ。
新たな王の政権は、実際はやっと1年しかたっていない。
まだまだ、周りを見る余裕がないはずだ。
プリムローズは、立ち止まり頭を左右に振った。
自分には、何も出来ることはない。
もどかしさを感じながら、屋敷に戻る足取りは重かった。
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