【完結】無意識 悪役公爵令嬢は成長途中でございます!ー新たなる王室編ー

愚者 (フール)

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第1章  隣国の王族 

第17話 招かれざる客

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 ザワつく方向をプリムローズたちと友人たちは、何事と思い振り返った。
招待状でお客様たちが混雑している中、そこから執事長トーマスの威厳いげんある声がする。

「王様と側室スザナ様は、中へお入り下さいませ。
王妃様と王子殿下は、招待しておりません!」

どうやら招待状なしに、勝手に来てしまったらしい。

厚かましいとは、この人たちをいうのだろう。
執事長トーマスは職務をまっとうしようと、必死ひっしにお断りをしているが相手はくさっても王族だった。

「お祖父様、おばあ様。
招待していない方々が、わざわざ来たようですわ」

プリムローズが、困り顔で祖父母に苦笑いする。

周りに控えている客たちも、困惑気味でソワソワし始めた。

「なんとー、恥知らずじゃあ!
我が孫の10歳の区切りの誕生日祝いを、このように水を指すとは!
たとえ王族だろうが、許しはせぬぞ!!」

祖父の怒りは、友人たちをおびえさすのに十分であった。

「旦那様の仰る通りですわ!
図々しいですこと!
あれが国を代表する家族とはのう。
前王族と同列どうれつなのか!」

祖母がおうぎを握りしめすぎて、バキーンと壊れる。

控えていたメイドが、さりげなく渡すと祖母は無表情で受け取った。

プリムローズは荒れると考え、どうしてこうなのかしら?

やっと、まともに誕生日のお祝いをしてくれたのに。
下を向きそうになる、プリムローズであった。
王妃の声がむなしく玄関ホールに響く。

「私はこの国の王妃よ!
臣下の孫娘の誕生日を祝ってやるのに、この私を追い帰すのかー!!」

キャロラインは生まれ持っての王女育ち、このような態度されたことがない。
矜持きょうじが許せなかったが、相手は自分と似た出身の公爵夫人が相手にいる。
ましてや、あの大国アルゴラであった。
分が悪い王妃は、ますます意固地いこじになってしまう。

「母上、戻りましょう。
招待状もないのに、こちらの方が困っていますよ」

王子は王妃を馬車の方へ、腕を引っ張っているようだ。

「平気です!
王と側室と一緒に行けば、通しなさい!」

次の客たちが中に入れず、立ち往生してこの行方を静観している態度であった。

祖父は、大股おおまたで声のする方へ向かい歩いていく。

「騒がしい、何でそちらがおるんじゃあ?!
王と側室は、よう参ったな。
中へ入ってよいぞ!」

祖父は2人だけに笑顔を向けて、他の2人には無視。 

「私たちもお孫さんのお祝いに来ましたわ。
宜しいでしょう?!」

王妃は、お祖父様にニコニコしながら伺った。 

「お前たちは、今日はこのまま城に帰りなさい。
来るなと、あれ程言ったではないか!」

王は、妻と息子を叱りつける。

「母上、帰りますよ!
今日のところは諦めましょう、さぁ!」

王子は疲れた表情で、母の腕をまた引くのである。

「招かれざる客ですわね。
後のお客様がお困りですのよ。
さぁ、さぁ!お帰り遊ばせ!」

後ろで閉じた扇で、指し示すアルゴラ元王女祖母ヴィクトリア。

「私の誕生日は、私の好きな方々が祝ってくれれば良いのです。
アルゴラの王妃様が祝ってくれたので、王妃様はご遠慮しますわ。
着飾って来ていただいたのに、申し訳ありません」

本日の主役が、豪華華麗に登場した。
優雅に扇をあおぎながらの姿に、王族たちは茫然ぼうぜんとする。

ドレスやティアラにネックレス、靴まで王妃より格段と上であった。
その容姿を見て、思わずあとすざりする王族たち。

「よいではないの?!
王子も、貴女を祝いたくて来たのよね?!」

決して引かない王妃は、息子を道連れにするつもりである。

これには息子が、不機嫌な顔を露骨ろこつに表す。

プリムローズが笑顔で王妃に近寄り歩くと、王妃もわかってくれたのねと笑顔を返した。

しかし期待とは違い自分と息子を素通りした。
そして、後方の客人にこやかに声をかける。

「まぁ、ニコライ先生にケイト様!
ようこそいらっしゃいました。
今日は楽しんで下さいませね!」

プリムローズは、2人に嬉しげに話し始める。

「もうよせ、帰れ!
余に恥をかかせるのか!
王妃と王子は城に戻れー!!」

王は、2人にキレて皆がいるなかで怒鳴りつけた。

キャロライン王妃様はプリムローズ達を睨み付け、王子に腕を引かれて連れて行かれるのである。
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