開湯!異世界温泉『ふじの湯』 もらったスキルは『温泉』だった??!

西八萩 鐸磨

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1.転生?!

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「では、女将おかみと板長さんのお話をお聞きして、現状を把握できましたので、一旦持ち帰らせていただきまして、プランを作成いたしますので、本日はありがとうございました」

「本当に今回は、なにからなにまで頼りにしてばかりで、この旅館も、もう後がないと思っておりますので、今後ともなにとぞよろしくお願いいたします」

そう言って、着物姿の女将と板長が揃って頭を下げてきた。


俺の名前は、遊佐 守(ゆさ まもる)。

経営コンサルタントだ。

主に温泉旅館の立直しや、プロデュースを仕事としている。

大学は資源地質学の熱水鉱床専攻で、学生のころから、『目指せ全国3000湯!』で温泉地めぐりをしてきたが、全湯まわる前に年々減少しているため、海外に手を伸ばそうと思っていた。

今日も、仕事で訪れていたここ秋田県の田沢湖高原温泉郷は、さらに奥にある、乳頭温泉郷に比べると全国的な知名度がやや足りない感があり、1軒の温泉旅館を立直すために来ていたのだった。



ひと仕事を終えて、二人に見送られた俺は、田沢湖高原温泉郷からバスに乗ってさらに足をのばし、玉川温泉へとむかった。

時刻は夕方でやや日が暮れ始めたころ。

ひと風呂浴びる前に、旅館施設のそばにある地獄谷を散策することにして、そこかしこで噴出する湯けむりの間の岩場をくねくねと歩いていた。

しばらくすると、有名な北投石の発する、ラジウムの効能に期待した人たちが、足元の岩場に寝ころんでいたエリアも過ぎ、周りに人影が見えなくなる。

その時、俺は湧出する温泉に足元を滑らせて、遊歩道と温泉の噴出孔がある岩場を隔てている柵の向こう側へ、倒れこんでしまった。

「わわわわわぁ~~!!」

その瞬間、景色が反転して、目の前が真っ暗になった。





気がつくと、俺は変な体勢でうずくまっていた。

顔面から地面に突っ伏し、両手を後ろにつきだして、膝をつき、お尻を突き出している・・・。

「・・くっそ」

俺はなんとか両手を地面について、上半身を起こすと、立ち上がった。

目の前には、茶色い土の地面。

周りを見回すと、その茶色い地面が鬱蒼とした緑の森の間を真っ直ぐ伸びていた。

「道、なのかな?」

道らしき地面には、轍のような跡が二本ついてた。

『道路』というよりは、『街道』といった方が良いような雰囲気だ。

どうやら俺は、街道のわきのぬかるみに顔から突っ込んで蹲っていたらしい。

だんだんと、顔がカピカピしてきた。

「気持ちワリ。どっかに水は無いかな?」


『ピコン!』

「ん?なんだ?」

どっか(頭の中かな?)から変な電子音がした。

「???」

・・・まあいいか。

改めて辺りを見直す。

「どこだ?ここ・・」

さっきまでは、玉川温泉の地獄谷にいたよな・・。

湯けむり渦巻く岩場の遊歩道だったのに、今はどっかの森の中の街道らしきところ。

「もしかして・・・」

夢遊病!

「じゃなくて」

異世界転生!

「・・なわけないよなあ」

もともと秋田の山の中にいたんだから、近くの森の中という線も捨てきれないが・・・。

「こんなまっ平らなとこ、あるわけないし」

なんか、東北の山の中とは植生が違う気がするんだよな。

てことは、やっぱり・・・。

「転生?異世界?」

このままいてもらちが明かないし、ダメもとでやってみるか?

「ステータス!」

俺は、定番の言葉を唱えた。

『ピコ』

さっきとちょっと似た音が鳴った。

すると、目の前に透明なウィンドウのようなものが現れる。

「ウソ!」

◇◇◇◇◇◇◇◇
名前 マモル
種族 人族
年齢 25
レベル 1
体力 100/100
魔力 100/100
スキル 【温泉】
〈水魔法〉
水を生成し消滅することができる。
レベル1で最大1L
消費MP1(生成・消滅セットでも片方でも消費MP1)
◇◇◇◇◇◇◇◇



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