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71.アイドル登場
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「それで結局、飼うことにしたんですね!」
次の日、『アトラスの牙』の面々が来ると、銭湯の建物の中でちょこまかと俺について回る仔犬を見て、リンが嬉しそうに言った。
「ああ。そういうことになった」
「じゃあ、商業ギルドに登録は?」
ポールが仔犬を捕まえて、抱きしめているリンを見ながら聞いてきた。
「昨日してきた」
そう言って、首にぶら下げているタグを指さした。
「ホントだ!かわいい~!」
リンがそれを見て声をあげる。
仔犬の首には赤い革製の紐を首輪の様に巻いてあり、それにギルドで登録した時渡されたギルドカードを小さくしたようなタグがぶら下げてあるのだ。
「こいつ、メスなの?」
キースが、リンに抱かれている仔犬の背中を撫でながら聞いてきた。
「いや、オスだ」
昨日、登録するときに確認した。
「なのに、赤い首輪か?」
ネイサンが、腕を組んで首をひねっている。
「かわいいから、いいんじゃない?」
リンがニコニコしながら言っている。
「それで、このコの名前はなんて付けたんですか?」
ポールが聞いた。
すると、3人が一斉に俺の方を見る。
「ええとだな・・・タロ・・にした」
俺が昔、最初に飼っていた犬の名前だ。
「「「「タロ?」」」」
4人とも目をキョトンとさせている。
「・・か、変わった名前ですね」
ポールが、戸惑いながら言った。
「意味も分からんな」
「うん」
ネイサンとキースが頷きあっている。
「かわいい・・」
リンは気に入ったようだ。
ギルドに登録に一緒に行った、ミミとおんなじ反応だ。
「でも、放し飼いで大丈夫なんですか?」
ポールが、眼鏡をくいっと上げて聞いてきた。
「ああ、なんかそのタグが冒険者ギルドで言う、いわゆる従魔の首飾りと同じものらしい。だから、べつに繋いでおいたり、篭やゲージに入れて置いたりしなくていいみたいだ」
「ゲージ?」
「ああ、柵みたいなものかな」
「なるほど」
それからタロは、俺が診療室で治療しているときは、部屋のすみで丸まっておとなしくしていたのだったが・・。
患者が小さい子供の場合にその子供が泣いたりすると、トコトコと寄ってきてシッポをフリフリし、それを見た子供が泣き止んで、笑顔になるなんてこともあった。
そして銭湯の営業が始まると、俺の後をチョコチョコ付いて回るのが可愛らしくて受けたのか、特に女性や子供たちに大人気になっていた。
さすがに、個人宅まわりの時に連れまわすわけにもいかなかったので、リンに面倒をお願いして行ったのだが、その間もリンの後を付いて回る姿がさらに人気に火を点けたみたいだった。
次の日、『アトラスの牙』の面々が来ると、銭湯の建物の中でちょこまかと俺について回る仔犬を見て、リンが嬉しそうに言った。
「ああ。そういうことになった」
「じゃあ、商業ギルドに登録は?」
ポールが仔犬を捕まえて、抱きしめているリンを見ながら聞いてきた。
「昨日してきた」
そう言って、首にぶら下げているタグを指さした。
「ホントだ!かわいい~!」
リンがそれを見て声をあげる。
仔犬の首には赤い革製の紐を首輪の様に巻いてあり、それにギルドで登録した時渡されたギルドカードを小さくしたようなタグがぶら下げてあるのだ。
「こいつ、メスなの?」
キースが、リンに抱かれている仔犬の背中を撫でながら聞いてきた。
「いや、オスだ」
昨日、登録するときに確認した。
「なのに、赤い首輪か?」
ネイサンが、腕を組んで首をひねっている。
「かわいいから、いいんじゃない?」
リンがニコニコしながら言っている。
「それで、このコの名前はなんて付けたんですか?」
ポールが聞いた。
すると、3人が一斉に俺の方を見る。
「ええとだな・・・タロ・・にした」
俺が昔、最初に飼っていた犬の名前だ。
「「「「タロ?」」」」
4人とも目をキョトンとさせている。
「・・か、変わった名前ですね」
ポールが、戸惑いながら言った。
「意味も分からんな」
「うん」
ネイサンとキースが頷きあっている。
「かわいい・・」
リンは気に入ったようだ。
ギルドに登録に一緒に行った、ミミとおんなじ反応だ。
「でも、放し飼いで大丈夫なんですか?」
ポールが、眼鏡をくいっと上げて聞いてきた。
「ああ、なんかそのタグが冒険者ギルドで言う、いわゆる従魔の首飾りと同じものらしい。だから、べつに繋いでおいたり、篭やゲージに入れて置いたりしなくていいみたいだ」
「ゲージ?」
「ああ、柵みたいなものかな」
「なるほど」
それからタロは、俺が診療室で治療しているときは、部屋のすみで丸まっておとなしくしていたのだったが・・。
患者が小さい子供の場合にその子供が泣いたりすると、トコトコと寄ってきてシッポをフリフリし、それを見た子供が泣き止んで、笑顔になるなんてこともあった。
そして銭湯の営業が始まると、俺の後をチョコチョコ付いて回るのが可愛らしくて受けたのか、特に女性や子供たちに大人気になっていた。
さすがに、個人宅まわりの時に連れまわすわけにもいかなかったので、リンに面倒をお願いして行ったのだが、その間もリンの後を付いて回る姿がさらに人気に火を点けたみたいだった。
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