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俺は目立ちたくないんだ!
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やぁ!俺は路傍 コイシどこにでもいる転生者&前世最強の魔法使いさ。
前世で散々権力者に利用されて嫌な思いをした俺は、今世では目立たないようにしようとこれまで生きてきた。
そして10歳になり国一番の学園(一番家から近かったから)に通うため、今日は入学試験を受けにきたんだってばよ。
「はい、次ロボウさんの番です。100m先にある的に向かって得意な魔法を撃ってください。真ん中に当てるほど高得点になります。ちなみに学園No1魔法使いのオーレ=イチバ=ン君は的を破壊するほどの火炎魔法を使ったそうですよ。」
試験管の先生に説明を受け、俺はこの試験をどうこなすかをしばし沈思黙考する。
「いきます!」
俺は的に向かって手のひらを向けると初級の水魔法、ウォーターボールを放った。
中心から年輪のように広がる輪の真ん中から三番目の得点部分に命中させる、もちろん破壊なんてしない。
「お、そこそこ良い所にあたりましたね。試験はクリアです、学園は来週が入学式になるので今日は制服だけもってお帰りください。では合格おめでとう!」
家に帰った俺は早速配布された制服を着てみた。ん?よくみると制服にいくつか魔法がエンチャントされてるな……初級防御魔法のアマテクションに初級家庭魔法のジョーブがかかっているようだ。俺くらいの魔法使いになると初級魔法のエンチャントなんて普段はしない、たとえば上級防御魔法のプロテクションとか上級家庭魔法のイッツデ=モ=シンピンなんかを付与するだろうな。だけどこれを使うのは学生だ、この程度でいいだろう。
俺は手を加えたりはしなかった。
入学式を終えた俺はクラス分けの表にしたがって一年三組の教室に向かった、ちなみに一年は五組まである。
事前に新入生のトップ10は調べてあるのでなるべくさけて過ごせば目立たないはずだ。
昼ごはんは屋上はさけて普通に学食に行く……前世で屋上でお昼を食べてたら、美少女で学年一の魔力もちの伯爵令嬢なのに何故かコミュ症と言う子と知り合いになってしまい、ラブコメのような学園生活を送る羽目になったからだ。
ちなみにその子とはそのまま結婚して一男二女を設けたからそれはそれで幸せではあったんだけどね。権力者に気付かれる最短ルートだったから今世では回避しようと思う。
「あなた!私と勝負なさい!私が勝ったら私の従者になるのよ、いいわね!」
廊下の向こうでツンデレ風美少女に地味目な男の子が絡まれている。
一見いじめのようだが、アレはたぶん地味男君が勝負に勝ってツンデレちゃんに惚れられるイベントだ。
俺も前世では似たような事があった、俺の時はコテンパンにしちゃったらMっ気がでちゃったらしくて随分付きまとわれたんだよな。
「きゃあ!」
あ、やっぱり地味男君が勝ったようだ。ツンデレちゃんの頬が赤い……これは決まりだな!がんばれよ地味男君、それはしつこいぞ!
俺は逆方向へと悠々去ったのだった。
その後俺はイベントになりそうな事はことごとく回避し続けた。
真の最強魔術師の俺は手加減も平均点のリサーチも完璧にこなす事ができたからだ。卒業までの三年間クラスは常に三組、そして学内ランキングは300人中150位をキープした。
そして卒業式を終えた俺は学園長室に呼び出されていた。
「なぜ俺がここに呼ばれたんでしょう?特に身に覚えがないんですけど。」
目の前のエルフの学長さん(大変美人)はこうおっしゃった。
「ロボウ君、卒業おめでとう。ところで貴方は卒業後は王宮の隠密部隊に配属だから、来週からサボらずにいくのよ?」
「え?何でですか?俺は下町の魔道具屋に就職予定なんですけど……」
「あなたねぇ、入学試験から卒業試験まで全て平均点を取り続けてて偶然なんて言わせないわよ!明らかに目立たないようにしてたじゃないの!普通はね、どんなに平凡な生徒でも浮き沈みはあるものなのよ。あなたやりすぎたのよ、おわかり?」
目立たないって難しいやぁ……俺は足取りも重く学院を去った。
前世で散々権力者に利用されて嫌な思いをした俺は、今世では目立たないようにしようとこれまで生きてきた。
そして10歳になり国一番の学園(一番家から近かったから)に通うため、今日は入学試験を受けにきたんだってばよ。
「はい、次ロボウさんの番です。100m先にある的に向かって得意な魔法を撃ってください。真ん中に当てるほど高得点になります。ちなみに学園No1魔法使いのオーレ=イチバ=ン君は的を破壊するほどの火炎魔法を使ったそうですよ。」
試験管の先生に説明を受け、俺はこの試験をどうこなすかをしばし沈思黙考する。
「いきます!」
俺は的に向かって手のひらを向けると初級の水魔法、ウォーターボールを放った。
中心から年輪のように広がる輪の真ん中から三番目の得点部分に命中させる、もちろん破壊なんてしない。
「お、そこそこ良い所にあたりましたね。試験はクリアです、学園は来週が入学式になるので今日は制服だけもってお帰りください。では合格おめでとう!」
家に帰った俺は早速配布された制服を着てみた。ん?よくみると制服にいくつか魔法がエンチャントされてるな……初級防御魔法のアマテクションに初級家庭魔法のジョーブがかかっているようだ。俺くらいの魔法使いになると初級魔法のエンチャントなんて普段はしない、たとえば上級防御魔法のプロテクションとか上級家庭魔法のイッツデ=モ=シンピンなんかを付与するだろうな。だけどこれを使うのは学生だ、この程度でいいだろう。
俺は手を加えたりはしなかった。
入学式を終えた俺はクラス分けの表にしたがって一年三組の教室に向かった、ちなみに一年は五組まである。
事前に新入生のトップ10は調べてあるのでなるべくさけて過ごせば目立たないはずだ。
昼ごはんは屋上はさけて普通に学食に行く……前世で屋上でお昼を食べてたら、美少女で学年一の魔力もちの伯爵令嬢なのに何故かコミュ症と言う子と知り合いになってしまい、ラブコメのような学園生活を送る羽目になったからだ。
ちなみにその子とはそのまま結婚して一男二女を設けたからそれはそれで幸せではあったんだけどね。権力者に気付かれる最短ルートだったから今世では回避しようと思う。
「あなた!私と勝負なさい!私が勝ったら私の従者になるのよ、いいわね!」
廊下の向こうでツンデレ風美少女に地味目な男の子が絡まれている。
一見いじめのようだが、アレはたぶん地味男君が勝負に勝ってツンデレちゃんに惚れられるイベントだ。
俺も前世では似たような事があった、俺の時はコテンパンにしちゃったらMっ気がでちゃったらしくて随分付きまとわれたんだよな。
「きゃあ!」
あ、やっぱり地味男君が勝ったようだ。ツンデレちゃんの頬が赤い……これは決まりだな!がんばれよ地味男君、それはしつこいぞ!
俺は逆方向へと悠々去ったのだった。
その後俺はイベントになりそうな事はことごとく回避し続けた。
真の最強魔術師の俺は手加減も平均点のリサーチも完璧にこなす事ができたからだ。卒業までの三年間クラスは常に三組、そして学内ランキングは300人中150位をキープした。
そして卒業式を終えた俺は学園長室に呼び出されていた。
「なぜ俺がここに呼ばれたんでしょう?特に身に覚えがないんですけど。」
目の前のエルフの学長さん(大変美人)はこうおっしゃった。
「ロボウ君、卒業おめでとう。ところで貴方は卒業後は王宮の隠密部隊に配属だから、来週からサボらずにいくのよ?」
「え?何でですか?俺は下町の魔道具屋に就職予定なんですけど……」
「あなたねぇ、入学試験から卒業試験まで全て平均点を取り続けてて偶然なんて言わせないわよ!明らかに目立たないようにしてたじゃないの!普通はね、どんなに平凡な生徒でも浮き沈みはあるものなのよ。あなたやりすぎたのよ、おわかり?」
目立たないって難しいやぁ……俺は足取りも重く学院を去った。
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