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第九話 年に一度の学園祭

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「さぁ、今年もやって参りました! 聖女祭のメインイベント! その名も、ミス美聖女コンテストだーッ!」

『ミスコンかよw』
『レベル高w』
『全員そこらのアイドルより可愛い』
『ぶっちゃけ全員優勝レベル』


「それでは、三年連続優勝を成し遂げた伝説の絶対聖女であり、特別講師のラーナ・エルフィオーネ先生から、開会のお言葉をいただきたいと思います」

『絶対聖女w』
『絶対王者風www』
『ラーナちゃんだけは異次元だからな』
『俺のラーナ』


「皆さん、聖女は内面だけでなく、外見も気にせねばなりません。今年の出場聖女候補生を見る限り、どなたもとてもお美しい方ばかり。例年以上にハイレベルなのは間違いありません。自信を持って勝ち上がってきて下さい。その頂に私は皆さんをお待ちしております。それでは、第764回美聖女コンテスト、改め、聖女武闘会を始めます!」
「「「うおおおおおおおおおおおおおぉッッ!!」」」

『ミスコンじゃなかったwww』
『武闘大会w』
『ミスコン=格闘技』
『外見とはすなわち武力なのかw』

「一回戦は、二年C組、エリス・シュリーゼVS三年A組、ルーシェ・パリス!」
「「「エリス様! 頑張って~!」」」
「「「ルーシェ、負けるな~!」」」

 両者が手をかざすと、一際歓声が巻き起こる。

『リング出てきたw』
『赤コーナーと青コーナーw』
『女子プロw』
『完全に格闘技の実況w』


「レディ、ファイッ!」

 カンッ、というゴングと共に両者が構えを取った。

「いきますわよ! フレイムランス!」
「甘いですわ! ホーリージャベリン!」

 学生同士が戦って、すごい試合が盛り上がってるのはいいけど、これ何……?

『殴り合いw』
『総合格闘技w』
『いや女子プロだろw』
『魔法は最初だけwww』


「流石はルーシェ先輩、おやりになりますわね……」
「貴方こそですわ。ですが、わたくしの魔法陣の方が一際美しいですわよ! よくご覧になりなさい。ホーリーアロー!」
「わ、わたくしの方が綺麗に描けますわ!」

『これ何の戦い……?』
『魔法陣を綺麗に描けるかみたいなw』
『格闘技でもなかったw』
『殴り合いの意味www』
『あ、エリスって子が膝ついた』


「そこまで! 勝者! ルルルルゥーシェエエエエエェッ・パリリリリリリィスゥッ!!」

『実況www』
『巻いてるw』
『血まみれw』
『これが聖女の戦い……』


「続いて、第二回戦は―・―・・」

 いかに綺麗な魔法陣が描けるかという謎の戦いが続き、ルーシェ・パリスという赤髪ショートの子が優勝した。

「第764回美聖女コンテスト優勝は、ルルルルゥーシェエエエエエェッ・パリリリリリリィスゥッ!!!」


『つまらなさすぎて見入ってしまったw』
『同じくw』
『どこが面白いのか全く分からなかったけど、結局最後まで見てしまった』
『魔法陣はともかく魔法はすごかった』

 今日の配信は失敗だったかも……。
 とにかく見所が無さすぎて、「私の魔法陣は赤いだの綺麗な丸だの、はっきり言ってつまらなかった。
 動画なら全カットかな。

「さあ、優勝した三年A組のルーシェ・パリスさんには、恒例となっている聖女ラーナ様に挑戦する権利を手にしました。ルーシェさん、ラーナ様に決闘を挑みますか?」
「もちろんですわ。ラーナ様、ついに貴方と戦える日がやって参りました。絶対聖女の座は、本日を持ってわたくし、ルーシェ・パリスが頂戴いたしますわ」
「あら、私も甘く見られたものですね。貴方では私の相手は務まりません。悪いことは言いませんので、棄権された方がよろしいかと思います」
「あーと、ここで両者が火花を散らしているぞ!」

 ん、また何か始まるのか?
 ま、さっきと変わらない感じなら、今日は手仕舞いしようかな。

「それでは、挑戦者ルーシェ・パリスVS絶対聖女ラーナ・エルフィオーネ様との特別試合を行います!」

『今度は早押しかよwww』
『ここにきてクイズw』


「続いては早押し聖女クイズに参ります! それでは第一問、初代…」「ピンポン」
「あーっと!? これは早くもランプが点灯した! ラーナ様、それでは回答をお願いします!」
「私、ラーナ・エルフィオーネです」
「正解です!!」
「「「キャーッ! ラーナ様~!」」」
「問題は、初代聖女はマリーアントワーネ聖女様ですが、現聖女様は誰? そう、答えはラーナ・エルフィオーネ先生でした~」

「続きまして、第二問、聖女の…」「これも早い! さあ、またしてもラーナ様だッ!」

『みんな訳が分からないクイズw』
『八百長じゃないのかw』
『ラーナちゃんが強いだけ』
『強すぎわろた』
『俺の無双ラーナ』

 こうして、謎の早押しクイズは十連勝でラーナさんは聖女の防衛? を果たして閉幕した。
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