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プロローグ

過去

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家の縁側。に座る女が窓辺にいる男に話しかける
「ねぇ、もし私が死んだら、慶くんはどうする?」と笑って女は、聞く
「…なんだ、藪から棒に、縁起の悪いこと聞くんだ。お前は……」と慶と呼ばれた男は、呆れたように言う
「だって気になったんだもの。…いいから答えてよ。どうするノ…?」としつこく女は、聞く
「……知らない。お前が死ぬことなんて考えられない」と慶は、真面目に答える 
「…そう。…ま、寂しがんなくていいよ。もし私が死んだら…………なって…」と女は、言ったが途中何を行ったのか忘れてしまった

女……清水夏菜子(しみず かなこ)…俺(慶)の恋人は、…その数日後
 事故で亡くなった。
 
葬式の日。慶は、只立ち尽くし。泣く事も喚くことも喪失感…も無く。
只、無だった。何も考えられなくなった。その何も無い者が
俺だけに残った。
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