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第二章/葉月瑠璃
Episode022/新規異能力者が多発する日(後)
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一階のロビーにあるソファーに、浮世離れ髪色系少女、瑠璃、僕の順で座っていた。
何故並んで座っているのかというと……単に流れでこうなってしまっただけで特に意味はなかった。
そもそも、僕はここに居ていいのだろうか?
「あれ? 豊花は帰っていいのにーーいや、うん、ごめん、やっぱり」瑠璃は悩ましげな顔をする。「一緒に聞いてくれない? 私の苦手なタイプの話な気がしてならないの。一緒に聞いてらっていたほうがいいかもしれないわ……」
瑠璃は『帰宅していい』と言うのをやめると、なにか考えるような仕草をしたあと、独り言のように呟く。
「話を聞いてくれるだけじゃ意味ないじゃない! わからない!? ここにいるのってバカばかりじゃない! 助けてよ! 私を助け出してよ!!」
ひたすら怒鳴り散らす少女ーー双葉結愛というらしいーーに呆れ果てているのか、未来さんは受話器を置いてもカウンターからこちらにやってこない。
「あのね、ちょっと聞いてくれない? まだ私、状況もつかめていないの、わかる? とりあえず、なにがあったのか話してもらえなきゃ、助けることもできないわ」
「そこのおばさんに言ったじゃない!」
「おばっ?」
結愛は未来さんを指差しながら吠える。
未来さんは苦虫を噛み砕いた顔を披露しながら、カウンターの椅子から立ち上がりこちらに歩いてきた。
「葉月。それに杉井も、こいつの話はやっぱ聞かないでいいぞ」
「え?」「はい?」「はあ!?」
皆一様の反応を示した。
「そもそもコイツは異能力者じゃないんだ。つまり、うちらの領分ではないだろう、なあ、葉月?」
「だけど、この子は異能力を使っているじゃないですか?」
結愛は西洋風の長剣と盾を無から生み出し構えて見せた。
たしかに、どこをどう見ても異能力者だ。
ん……?
ふと、なにかが頭に引っ掛かる。
異能力者じゃない存在が、最初に特殊指定異能力犯罪組織『Girls children trafficking organization』、通称『GCTO』とかいうのを潰したとかなんとか、ありすが言っていなかったっけ?
つまり異能力者以外にも異能が使える人間は実在する?
「違う。そいつは異能力関係に違いはない。ただ、異能力者が生み出した異能力を扱える人外らしいから、厳密には違うだろ」
「は!? え、そんな事例聞いたことないわよ!?」
「ああ、ないな。だが、そもそも異能力者自体、異例ばかりなんだよ。それに合点がいった。あの緑髪のガキや、和服の血肉を喰らう童女もおそらく同類だろう。異能力者保護団体に名乗り出ないから不明だっただけだ。それに、おまえなら見えるだろ?」
見える?
ああ、なんか、幽体がどうとか言っていたっけ?
それに緑髪のガキという言葉も、まえに瑠璃から聞いたことがある。和服で血肉を喰らう童女だけはわからないけど、なにそれ怖い。まるで吸血鬼みたいじゃないか。
「いや、幽体が見えないのよ、このひと……結愛さん? あなた、本当につくられた存在?」
「つくられたんじゃないわよ、最初から居たわ。ええ、在ったのよ、わたしは。双葉結弦が生み出したタルパなの! だから肉体なんて無かったのにーーどうして異能力なんてあいつに!」
た、タルパ?
また美夜さん的なカルト用語かな。
それとも、どこかタルパルタルパタルタルタルパーみたいな民族楽器に聞こえなくもないからーーいや、違うか。
「タルパってなーー」
「タルパ、か」バサッとローブを翻す巨乳の女性が寄ってきた。「厳密に言えば幻身だが、現代の日本のネット社会では、アレンジされてそう呼ばれているんだ。よく知っているじゃないか」
噂をしてもいないのに、何故か美夜さんは現れた。
心に思っただけでもNGらしい。
あのローブ、羽織ったまま暮らしているんじゃないかと疑いたくなる。
「だ、誰よ、あんた?」
「ボクは何 美夜。現代を生きる魔術師だ」
「違う。ガミョ、こっちはいいから、おまえはさっさと明日の準備でもしてろ。いい加減にしないと1班の金沢を呼ぶからな。おまえ、アイツのこと苦手だろ、たしか」
ん?
金沢?
か、金沢!?
なぜなにどうしてここでその名前が?
「豊花? 金沢紅一じゃなくて、金沢叶多のことよ。未来さんが今言っている金沢は」
「金沢……叶多?」
え、ああ。
瑠璃がまえ、嫌な奴は弟のほうじゃなくて姉のほうだと言っていた気がする。
アイツの……姉……どういう性格をしているんだろうか?
「あいつは私も嫌いなの、わかる? あの女はね、年下の男を誘惑しまくってる下品な性欲女なのよ。無駄にツテが広いのも、体を使っているせいでしょうね」
なにそれ、金沢が女になったらバージョンまんまじゃん……。
姉弟揃ってヤリチンヤリマンって……いやいや、下品な言葉使いは口にしないでおこう。
「未来、少しくらい話をさせてくれ。ボクは今、飢えているんだ」
「性欲にか? なら、ちょうどいい。あいつの弟を呼べば良い話だろ?」
「違う! オカルト談義に花を咲かせたいんだ! 誰でもいいから早くこいつを脳外科に連れていってくれ! 会話が通じない!」
「悪いな。私らは三次元で会話をしているんだ。おまえだけ四次元だから言語があわないんだよ」
「いつ、ボクが、時間を、超越したんだ! 言ってみろ!」
この二人、いつも言い合ってばかりいるのかな?
未来さんと美夜さんがやたらと威勢よく騒ぎ立てるせいで、結愛は言葉を挟もうにも挟めないでいるらしい。
なんか、『う』とか『あの』とか言いかけてはやめてを繰り返している。
「そこ、そこに座りしタルパだと言い張る者。タルパは他人の目には映らないはずだ。映るやつもいるが、それは心霊現象とごちゃ混ぜにしているだけだぞ」美夜さんはなにかの説明を長々とはじめる。「第一、タルパの源流は究竟次第(きゅうきしだい)なんだぞ? チベット仏教ゲルク派の秘密集会タントラ、究竟次第。仏の三体のうちの報身を得るための瞑想の奥義、通称『五次第』の中の自加持次第をタルパはーー」
「あの、美夜さん」
と、急に瑠璃は美夜さんの肩を叩く。
「今はオカルト、さすがにやめにしません?」瑠璃はゲンナリとした顔でそう告げるのであった。「私たち、誰一人ついていけていませんよ?」
「なんだと? タルパと名乗る奴がそこにいるじゃないか」
「あー、もう。葉月? 結愛ってガキと、そこの気が触れてるカルトの二名。どこかの空き部屋にでも二人きりで閉じ込めてこい」
未来さんは心底ウンザリといった顔をして、ため息を吐いた。
「い、いやよ! わたしまで、こいつみたいなへんてこな思考にするつもりでしょ!?」
「へんてこだと? ボクがタルパや人工精霊、イマジナリーフレンドの違いについて教授してやるんだ、いやとは言わせないからな?」
「いやに決まってるじゃなーーぃ?」
途端、結愛は言葉を止めた。
視線を追うと、そこには、僕の本来の姿よりも冴えない姿をしているーーいや、正直に言ってしまうと、二十歳ほどの不細工な男性が、建物の中へと入ってくる姿があった。
「未来さん……あれ?」
未来さんは、何故かカウンターに隠れたかと思うと、異能力を使って幼い姿に戻っていた。
……どうして戻る必要があるんだろう?
「いらっしゃいませ。双葉結弦さんですね? お待ちしておりました」
「ええ……」
「……ね、こういう人なのよ、この班長」
あまりの変わり身の早さに、思わずドン引きしてしまった。
え、てか、え?
このひとのほうが、よほど異能力の乱用していないか?
異能力者保護団体に勤める人間だけ異能力を自由に使って良いだなんて、なんだかズルい気がする。
「あ、え、う……あ、は、はい、そうです」それだけいうと、結弦さんは結愛へと視線を向けた。「ゆ、結愛……その……」
「な……なによ……?」
「本当に、ごめん!」結弦さんは、いきなり結愛に頭を下げる。「まさか、まさかタルパが肉体を持つなんて……願望が叶うなんて思わなくて……欲望を、その、抑えきれなかったんだ! 本当に悪かった!」
「……えー」
いやいや、タルパがどういった存在なのか今一わからないけど、ようするに、欲望を抑えきれなかったから強姦しました、すみません。ーーと言っているということだよね?
それで許す女性なんて、この世のどこを探したって、普通は見つからないんじゃなーー。
「もう、二度と、あんなこと……しない?」
………………え?
なんだろうか?
気のせいだろうけど、まるで、二度としません、と答えたら許すかのように聞こえるんだけど。
「うん、もうしない。だから、その、これからも、昔みたいに、仲良くしてほしい」
「……なら……許してあげる。一度だけだからね?」
え、は、えぇええええーッ?
許すの?
強姦魔を許すのこの娘!?
たしかに変なことを口にしていたけど、許すの!?
「おい、杉井。タルパというのは……いや、大丈夫だな。方向性は違うが、今のタルパなら合っている。タルパはな、イマジナリーフレンドを能動的につくった幽体のようなものなんだ」
美夜さんは、驚愕している真っ只中の僕に対して、いきなりタルパの説明をはじめた。
イマジナリーフレンド……なんだか聞いたことがある。
幼い子供の前に現れる、その子にしか見えない空想上の友達だとか。たしか、そんな感じの……。
「諸説あるが、ボクの持論では、タルパはチベット仏教のグヒヤサマージャタントラ五次第の行程で生み出す幻身をイマジナリーフレンドに変え、無学の双入を目指さず瞑想内容を飛ばしてアレンジしたものだ」
「あの、すみません。日本語で、もう一回お願いできますか?」
「貴様までボクが四次元だとでも言うつもりか!?」
しまった。
つい本音が出てしまった。
怒らせてしまった様だ……ていうか、なに? ぐひゃはまーじゃん虎? よく聞き取れなかった。四次元どころか電波と交信しているんじゃないかと思ってしまう。
「いいこと、結弦? これから、キモいところを直していくのよ! 私が愛するひとが、こんなダメ男だなんて情けないもの!」
「努力するよ……ごめん」
「謝らずに行動で示してよ、バカ……」
そんな間に、二人は勝手に仲直りしていた。
というかさ?
ダメ男なら愛さなければいいんじゃーーって。
結愛は「私も手伝うから……頑張るのよ、いい?」と言ったあと、結弦を熱く包容した。
も、もうなんだったの……この二人。
「ねぇ、豊花? これも愛っていうものなの?」瑠璃に袖を引っ張られたかと思うと、小声でそんなことを問われる。「なら私、やっぱり、愛だとか恋だとか、死ぬまでわからないわよ……」
「いや、あの、さ? この人たちが特殊なだけだと思うから、大丈夫だと思うよ?」
瑠璃に愛がなんとやらを示せ、と異能力霊体ーーユタカと命名するとして、ユタカに言われた矢先、こんなわけのわからない愛を見せつけられてしまったら本末転倒どころの騒ぎじゃない。
むしろ、なおさら瑠璃は、愛を不可思議かつ理解できないものだと思い込んでしまうだろう。
「たしかに、タルパは特別な存在だ」美夜さんは聞いてもいないのにつづける。「なにせ、タルパの場合は自分の分身ともいえる。楽現等覚次第を得て不浄な幻身が清浄な幻身となるーーつまり、やがては理想としてつくった幻身と同一化しーー」
「もうおまえは黙ってろやかましい!」未来さんは、長々と謎の毒電波を発する美夜さんに対し、少女キャラを忘れて叫んだ。「いいから、おまえと瑠璃はさっさと双葉結弦を検査しに行ってくださいませ」
途端にキャラを思いだし、つくり笑顔で美夜さんと瑠璃にそう命じた。
あれ、僕は?
「いまさっきボクより暇そうにしていた奴がいたんだ、あいつを呼びたまえ。毎日寝てばかりいて頭に来るんだ。河川(かせん)は正規職員のはずだろ?」
河川……そういや、ありすには姉がいて、ありすの名字が河川だった。そして、そのひとはここで働いているのだろう。
なんとなくわかる、今までの流れを踏まえると……。世間って狭いなぁ。
「あいつには学ばせる意味がないだろう? あくまで異能力犯罪に緊急で対応するためだけにいさせているんだ。ステージも今や4間近の3だ。眠ってばかりいるのも、強い抗不安薬(マイナートランキライザー)や抗精神病薬(メジャートランキライザー)を出しているからに過ぎない。要は、戦闘員だ」
「戦闘員は警察か代理人にーーっ! いや、ならいい」
「このバカ……」
未来さんはそう言いながら、瑠璃や僕の様子を窺い見てきた。
代理人ーーああ、ありすがそんなことも言っていたっけ。一部職員しか、特殊異能力犯執行代理人だとかは知らない、って。そんなに機密事項なのだろうか?
「なら、あのバカを呼べ。まだ新人だろ、あいつ」
「総谷くんか? バカって……おまえな」
「あいつの目も腐っていただろう!? わたしを年下扱いしたんだからな、22歳の癖して!」
「結弦、結弦は私のこと、愛してる? 性欲じゃないーーエロスではなく、アガペーという意味で」
「うん、もちろんだよ。アガペーもストルゲーもフィリアもエロスも、すべて結愛に向けているよ」
「もう……バカなんだから……」
……このひとたちの会話に混ざれる気がしない。
僕は迷った末、瑠璃を見た。
瑠璃も困惑しているらしい。少し間をおくと、未来さんに近寄っていった。
「あの、なら私はもう帰ってもいいんですか? それとも周辺の調査?」
「ん? ああ……悪いが葉月、おまえにも明日出てきてもらうことになるかもしれない。だから今日は帰っていい」
「え? わたしもですか?」
「さっき話しただろ? 明日から大忙しだ。調査課第2班は全員揃って周辺地域の探索だ。連絡が来ない異能力者が頻発するだろうからな」
どうして新たな異能力者が頻発する、ってこのひとはわかるんだろうか?
「第1班は、主に連絡してきた異能力者の対応をする。普段は任せきりだ、恩返しくらいしておいたほうがいいからな。ひとまず私をリーダーとして、私・美夜・加治木さんのAチーム。葉月をリーダーとして葉月・総谷くん・河川のBチームで分けさせてもらう」
「またですか? 美夜さんをリーダーにして総谷さんを抜けばいいじゃないですか。私、総谷さん苦手なんですよ……年上の威厳がないというか、馴れ馴れしいというか……」
え、あ、まえに言っていた男性二人のうち、一人って……もしかして?
しかも、馴れ馴れしいだって?
ヤバい。途端に、すごい気になってきてしまう。
もしも総谷という人間が、金沢みたいな奴だったらーー考えたくもない!
「危険地域である横浜から三浦の周辺からはじめたり、美夜は後々川崎方面も回らなければならないんだ。逆に、おまえらBチームは、まだ危険性が薄い川崎方面なんだよ。いろいろあるんだ、頼むから指示に従ってくれ」
「……わかりました」
ーーどうする?
本音を言えば、総谷という人物が気になって仕方がない。
でも、だからと言って、ついていくわけにもーーついていく?
「あの、すみません」
「ん?」
未来さんは、こちらに顔を向けた。
「僕、その、ここで働きたいと考えていて」嘘だ。瑠璃と一緒にいたいだけだ。「瑠璃の班に同行させてもらい、見学ーーいや、なんでもやります! なにかあっても自己責任です!」なにもできない癖に。「お願いします! 憧れなんです!」いつから、憧れになった? 異能力にしか、興味がないのに……。
「は!? 豊花、あんたなに言ってるのかわかってるの!? 第一、いろいろ手続きだってあるのよ? ダメに決まってるじゃない!」
……わかっているよ。
でも、また、また裕璃の時みたく、あんな思いはしたくないんだ。
「……きょう、遅くまで残れるか?」
「え、ちょっと未来さん!?」
「まあ、待て。一応、準職員になれる要件は満たしているんだ。それに、人手が足りない。おまえだって、最初うちに入るとき、無理やり母親が止めるのを押しきって入ってきただろう?」
「それは……そうですけど……」
結愛や結弦さんを放置しながら、会話が進んでいく。
ーーまだ自宅ではないのか。おまえは本気を出せば戦力になるだけの異能力はあるんだ。葉月瑠璃と恋仲になりたいのであれば、ここは何としてでも押し通すべきだと提案しておくとしよう。ーー
ユタカの声が聞こえてくる。
ああ、わかってる。ここで瑠璃との関係が途切れる気がしてならない。
きょうが終われば、僕は一生、瑠璃にとって“妹の友達”のままでしか終われないだろう。
「いいだろう。多少の無理は通してやる。だが、何があっても無茶はするなよ? あくまで見学として捩じ込むだけだ。異能力者という時点で、第4級異能力特殊捜査官の資格はあるも同然なんだ。ただ、いろいろ手続きもあるし、夜の九時過ぎまで様々な書類を書くことだけは覚悟しておけ」
「第4級異能力特殊捜査官……?」
異能力者というだけで、そんな簡単に認定されるものなのだろうか?
ーーおもしろくなってきたな、豊花。少しアドバイスをしておこう。瑠璃に愛を教えるだけではなく、守りたいと思うなら、きみは戦う術を身に付けるべきだ。今すぐとは言わないが、河川ありすや葉月瑠衣にでも教えを乞うといい。ーー
……戦う術?
さっき、戦力になるだけの異能力が既にあるとも言っていたけど、なら、戦う術は既にあるんじゃ……。
「さあ、いい加減、そこでイチャイチャしてる二人を美夜は総谷を連れて検査してこい。私は杉井を連れて事務室で書類を書かせてくる。瑠璃はきょうは帰宅して明日に備えろ」
それぞれ皆、未来さんの命令にーー納得するか否かは別にしてーー従うのであった。
一階のロビーにあるソファーに、浮世離れ髪色系少女、瑠璃、僕の順で座っていた。
何故並んで座っているのかというと……単に流れでこうなってしまっただけで特に意味はなかった。
そもそも、僕はここに居ていいのだろうか?
「あれ? 豊花は帰っていいのにーーいや、うん、ごめん、やっぱり」瑠璃は悩ましげな顔をする。「一緒に聞いてくれない? 私の苦手なタイプの話な気がしてならないの。一緒に聞いてらっていたほうがいいかもしれないわ……」
瑠璃は『帰宅していい』と言うのをやめると、なにか考えるような仕草をしたあと、独り言のように呟く。
「話を聞いてくれるだけじゃ意味ないじゃない! わからない!? ここにいるのってバカばかりじゃない! 助けてよ! 私を助け出してよ!!」
ひたすら怒鳴り散らす少女ーー双葉結愛というらしいーーに呆れ果てているのか、未来さんは受話器を置いてもカウンターからこちらにやってこない。
「あのね、ちょっと聞いてくれない? まだ私、状況もつかめていないの、わかる? とりあえず、なにがあったのか話してもらえなきゃ、助けることもできないわ」
「そこのおばさんに言ったじゃない!」
「おばっ?」
結愛は未来さんを指差しながら吠える。
未来さんは苦虫を噛み砕いた顔を披露しながら、カウンターの椅子から立ち上がりこちらに歩いてきた。
「葉月。それに杉井も、こいつの話はやっぱ聞かないでいいぞ」
「え?」「はい?」「はあ!?」
皆一様の反応を示した。
「そもそもコイツは異能力者じゃないんだ。つまり、うちらの領分ではないだろう、なあ、葉月?」
「だけど、この子は異能力を使っているじゃないですか?」
結愛は西洋風の長剣と盾を無から生み出し構えて見せた。
たしかに、どこをどう見ても異能力者だ。
ん……?
ふと、なにかが頭に引っ掛かる。
異能力者じゃない存在が、最初に特殊指定異能力犯罪組織『Girls children trafficking organization』、通称『GCTO』とかいうのを潰したとかなんとか、ありすが言っていなかったっけ?
つまり異能力者以外にも異能が使える人間は実在する?
「違う。そいつは異能力関係に違いはない。ただ、異能力者が生み出した異能力を扱える人外らしいから、厳密には違うだろ」
「は!? え、そんな事例聞いたことないわよ!?」
「ああ、ないな。だが、そもそも異能力者自体、異例ばかりなんだよ。それに合点がいった。あの緑髪のガキや、和服の血肉を喰らう童女もおそらく同類だろう。異能力者保護団体に名乗り出ないから不明だっただけだ。それに、おまえなら見えるだろ?」
見える?
ああ、なんか、幽体がどうとか言っていたっけ?
それに緑髪のガキという言葉も、まえに瑠璃から聞いたことがある。和服で血肉を喰らう童女だけはわからないけど、なにそれ怖い。まるで吸血鬼みたいじゃないか。
「いや、幽体が見えないのよ、このひと……結愛さん? あなた、本当につくられた存在?」
「つくられたんじゃないわよ、最初から居たわ。ええ、在ったのよ、わたしは。双葉結弦が生み出したタルパなの! だから肉体なんて無かったのにーーどうして異能力なんてあいつに!」
た、タルパ?
また美夜さん的なカルト用語かな。
それとも、どこかタルパルタルパタルタルタルパーみたいな民族楽器に聞こえなくもないからーーいや、違うか。
「タルパってなーー」
「タルパ、か」バサッとローブを翻す巨乳の女性が寄ってきた。「厳密に言えば幻身だが、現代の日本のネット社会では、アレンジされてそう呼ばれているんだ。よく知っているじゃないか」
噂をしてもいないのに、何故か美夜さんは現れた。
心に思っただけでもNGらしい。
あのローブ、羽織ったまま暮らしているんじゃないかと疑いたくなる。
「だ、誰よ、あんた?」
「ボクは何 美夜。現代を生きる魔術師だ」
「違う。ガミョ、こっちはいいから、おまえはさっさと明日の準備でもしてろ。いい加減にしないと1班の金沢を呼ぶからな。おまえ、アイツのこと苦手だろ、たしか」
ん?
金沢?
か、金沢!?
なぜなにどうしてここでその名前が?
「豊花? 金沢紅一じゃなくて、金沢叶多のことよ。未来さんが今言っている金沢は」
「金沢……叶多?」
え、ああ。
瑠璃がまえ、嫌な奴は弟のほうじゃなくて姉のほうだと言っていた気がする。
アイツの……姉……どういう性格をしているんだろうか?
「あいつは私も嫌いなの、わかる? あの女はね、年下の男を誘惑しまくってる下品な性欲女なのよ。無駄にツテが広いのも、体を使っているせいでしょうね」
なにそれ、金沢が女になったらバージョンまんまじゃん……。
姉弟揃ってヤリチンヤリマンって……いやいや、下品な言葉使いは口にしないでおこう。
「未来、少しくらい話をさせてくれ。ボクは今、飢えているんだ」
「性欲にか? なら、ちょうどいい。あいつの弟を呼べば良い話だろ?」
「違う! オカルト談義に花を咲かせたいんだ! 誰でもいいから早くこいつを脳外科に連れていってくれ! 会話が通じない!」
「悪いな。私らは三次元で会話をしているんだ。おまえだけ四次元だから言語があわないんだよ」
「いつ、ボクが、時間を、超越したんだ! 言ってみろ!」
この二人、いつも言い合ってばかりいるのかな?
未来さんと美夜さんがやたらと威勢よく騒ぎ立てるせいで、結愛は言葉を挟もうにも挟めないでいるらしい。
なんか、『う』とか『あの』とか言いかけてはやめてを繰り返している。
「そこ、そこに座りしタルパだと言い張る者。タルパは他人の目には映らないはずだ。映るやつもいるが、それは心霊現象とごちゃ混ぜにしているだけだぞ」美夜さんはなにかの説明を長々とはじめる。「第一、タルパの源流は究竟次第(きゅうきしだい)なんだぞ? チベット仏教ゲルク派の秘密集会タントラ、究竟次第。仏の三体のうちの報身を得るための瞑想の奥義、通称『五次第』の中の自加持次第をタルパはーー」
「あの、美夜さん」
と、急に瑠璃は美夜さんの肩を叩く。
「今はオカルト、さすがにやめにしません?」瑠璃はゲンナリとした顔でそう告げるのであった。「私たち、誰一人ついていけていませんよ?」
「なんだと? タルパと名乗る奴がそこにいるじゃないか」
「あー、もう。葉月? 結愛ってガキと、そこの気が触れてるカルトの二名。どこかの空き部屋にでも二人きりで閉じ込めてこい」
未来さんは心底ウンザリといった顔をして、ため息を吐いた。
「い、いやよ! わたしまで、こいつみたいなへんてこな思考にするつもりでしょ!?」
「へんてこだと? ボクがタルパや人工精霊、イマジナリーフレンドの違いについて教授してやるんだ、いやとは言わせないからな?」
「いやに決まってるじゃなーーぃ?」
途端、結愛は言葉を止めた。
視線を追うと、そこには、僕の本来の姿よりも冴えない姿をしているーーいや、正直に言ってしまうと、二十歳ほどの不細工な男性が、建物の中へと入ってくる姿があった。
「未来さん……あれ?」
未来さんは、何故かカウンターに隠れたかと思うと、異能力を使って幼い姿に戻っていた。
……どうして戻る必要があるんだろう?
「いらっしゃいませ。双葉結弦さんですね? お待ちしておりました」
「ええ……」
「……ね、こういう人なのよ、この班長」
あまりの変わり身の早さに、思わずドン引きしてしまった。
え、てか、え?
このひとのほうが、よほど異能力の乱用していないか?
異能力者保護団体に勤める人間だけ異能力を自由に使って良いだなんて、なんだかズルい気がする。
「あ、え、う……あ、は、はい、そうです」それだけいうと、結弦さんは結愛へと視線を向けた。「ゆ、結愛……その……」
「な……なによ……?」
「本当に、ごめん!」結弦さんは、いきなり結愛に頭を下げる。「まさか、まさかタルパが肉体を持つなんて……願望が叶うなんて思わなくて……欲望を、その、抑えきれなかったんだ! 本当に悪かった!」
「……えー」
いやいや、タルパがどういった存在なのか今一わからないけど、ようするに、欲望を抑えきれなかったから強姦しました、すみません。ーーと言っているということだよね?
それで許す女性なんて、この世のどこを探したって、普通は見つからないんじゃなーー。
「もう、二度と、あんなこと……しない?」
………………え?
なんだろうか?
気のせいだろうけど、まるで、二度としません、と答えたら許すかのように聞こえるんだけど。
「うん、もうしない。だから、その、これからも、昔みたいに、仲良くしてほしい」
「……なら……許してあげる。一度だけだからね?」
え、は、えぇええええーッ?
許すの?
強姦魔を許すのこの娘!?
たしかに変なことを口にしていたけど、許すの!?
「おい、杉井。タルパというのは……いや、大丈夫だな。方向性は違うが、今のタルパなら合っている。タルパはな、イマジナリーフレンドを能動的につくった幽体のようなものなんだ」
美夜さんは、驚愕している真っ只中の僕に対して、いきなりタルパの説明をはじめた。
イマジナリーフレンド……なんだか聞いたことがある。
幼い子供の前に現れる、その子にしか見えない空想上の友達だとか。たしか、そんな感じの……。
「諸説あるが、ボクの持論では、タルパはチベット仏教のグヒヤサマージャタントラ五次第の行程で生み出す幻身をイマジナリーフレンドに変え、無学の双入を目指さず瞑想内容を飛ばしてアレンジしたものだ」
「あの、すみません。日本語で、もう一回お願いできますか?」
「貴様までボクが四次元だとでも言うつもりか!?」
しまった。
つい本音が出てしまった。
怒らせてしまった様だ……ていうか、なに? ぐひゃはまーじゃん虎? よく聞き取れなかった。四次元どころか電波と交信しているんじゃないかと思ってしまう。
「いいこと、結弦? これから、キモいところを直していくのよ! 私が愛するひとが、こんなダメ男だなんて情けないもの!」
「努力するよ……ごめん」
「謝らずに行動で示してよ、バカ……」
そんな間に、二人は勝手に仲直りしていた。
というかさ?
ダメ男なら愛さなければいいんじゃーーって。
結愛は「私も手伝うから……頑張るのよ、いい?」と言ったあと、結弦を熱く包容した。
も、もうなんだったの……この二人。
「ねぇ、豊花? これも愛っていうものなの?」瑠璃に袖を引っ張られたかと思うと、小声でそんなことを問われる。「なら私、やっぱり、愛だとか恋だとか、死ぬまでわからないわよ……」
「いや、あの、さ? この人たちが特殊なだけだと思うから、大丈夫だと思うよ?」
瑠璃に愛がなんとやらを示せ、と異能力霊体ーーユタカと命名するとして、ユタカに言われた矢先、こんなわけのわからない愛を見せつけられてしまったら本末転倒どころの騒ぎじゃない。
むしろ、なおさら瑠璃は、愛を不可思議かつ理解できないものだと思い込んでしまうだろう。
「たしかに、タルパは特別な存在だ」美夜さんは聞いてもいないのにつづける。「なにせ、タルパの場合は自分の分身ともいえる。楽現等覚次第を得て不浄な幻身が清浄な幻身となるーーつまり、やがては理想としてつくった幻身と同一化しーー」
「もうおまえは黙ってろやかましい!」未来さんは、長々と謎の毒電波を発する美夜さんに対し、少女キャラを忘れて叫んだ。「いいから、おまえと瑠璃はさっさと双葉結弦を検査しに行ってくださいませ」
途端にキャラを思いだし、つくり笑顔で美夜さんと瑠璃にそう命じた。
あれ、僕は?
「いまさっきボクより暇そうにしていた奴がいたんだ、あいつを呼びたまえ。毎日寝てばかりいて頭に来るんだ。河川(かせん)は正規職員のはずだろ?」
河川……そういや、ありすには姉がいて、ありすの名字が河川だった。そして、そのひとはここで働いているのだろう。
なんとなくわかる、今までの流れを踏まえると……。世間って狭いなぁ。
「あいつには学ばせる意味がないだろう? あくまで異能力犯罪に緊急で対応するためだけにいさせているんだ。ステージも今や4間近の3だ。眠ってばかりいるのも、強い抗不安薬(マイナートランキライザー)や抗精神病薬(メジャートランキライザー)を出しているからに過ぎない。要は、戦闘員だ」
「戦闘員は警察か代理人にーーっ! いや、ならいい」
「このバカ……」
未来さんはそう言いながら、瑠璃や僕の様子を窺い見てきた。
代理人ーーああ、ありすがそんなことも言っていたっけ。一部職員しか、特殊異能力犯執行代理人だとかは知らない、って。そんなに機密事項なのだろうか?
「なら、あのバカを呼べ。まだ新人だろ、あいつ」
「総谷くんか? バカって……おまえな」
「あいつの目も腐っていただろう!? わたしを年下扱いしたんだからな、22歳の癖して!」
「結弦、結弦は私のこと、愛してる? 性欲じゃないーーエロスではなく、アガペーという意味で」
「うん、もちろんだよ。アガペーもストルゲーもフィリアもエロスも、すべて結愛に向けているよ」
「もう……バカなんだから……」
……このひとたちの会話に混ざれる気がしない。
僕は迷った末、瑠璃を見た。
瑠璃も困惑しているらしい。少し間をおくと、未来さんに近寄っていった。
「あの、なら私はもう帰ってもいいんですか? それとも周辺の調査?」
「ん? ああ……悪いが葉月、おまえにも明日出てきてもらうことになるかもしれない。だから今日は帰っていい」
「え? わたしもですか?」
「さっき話しただろ? 明日から大忙しだ。調査課第2班は全員揃って周辺地域の探索だ。連絡が来ない異能力者が頻発するだろうからな」
どうして新たな異能力者が頻発する、ってこのひとはわかるんだろうか?
「第1班は、主に連絡してきた異能力者の対応をする。普段は任せきりだ、恩返しくらいしておいたほうがいいからな。ひとまず私をリーダーとして、私・美夜・加治木さんのAチーム。葉月をリーダーとして葉月・総谷くん・河川のBチームで分けさせてもらう」
「またですか? 美夜さんをリーダーにして総谷さんを抜けばいいじゃないですか。私、総谷さん苦手なんですよ……年上の威厳がないというか、馴れ馴れしいというか……」
え、あ、まえに言っていた男性二人のうち、一人って……もしかして?
しかも、馴れ馴れしいだって?
ヤバい。途端に、すごい気になってきてしまう。
もしも総谷という人間が、金沢みたいな奴だったらーー考えたくもない!
「危険地域である横浜から三浦の周辺からはじめたり、美夜は後々川崎方面も回らなければならないんだ。逆に、おまえらBチームは、まだ危険性が薄い川崎方面なんだよ。いろいろあるんだ、頼むから指示に従ってくれ」
「……わかりました」
ーーどうする?
本音を言えば、総谷という人物が気になって仕方がない。
でも、だからと言って、ついていくわけにもーーついていく?
「あの、すみません」
「ん?」
未来さんは、こちらに顔を向けた。
「僕、その、ここで働きたいと考えていて」嘘だ。瑠璃と一緒にいたいだけだ。「瑠璃の班に同行させてもらい、見学ーーいや、なんでもやります! なにかあっても自己責任です!」なにもできない癖に。「お願いします! 憧れなんです!」いつから、憧れになった? 異能力にしか、興味がないのに……。
「は!? 豊花、あんたなに言ってるのかわかってるの!? 第一、いろいろ手続きだってあるのよ? ダメに決まってるじゃない!」
……わかっているよ。
でも、また、また裕璃の時みたく、あんな思いはしたくないんだ。
「……きょう、遅くまで残れるか?」
「え、ちょっと未来さん!?」
「まあ、待て。一応、準職員になれる要件は満たしているんだ。それに、人手が足りない。おまえだって、最初うちに入るとき、無理やり母親が止めるのを押しきって入ってきただろう?」
「それは……そうですけど……」
結愛や結弦さんを放置しながら、会話が進んでいく。
ーーまだ自宅ではないのか。おまえは本気を出せば戦力になるだけの異能力はあるんだ。葉月瑠璃と恋仲になりたいのであれば、ここは何としてでも押し通すべきだと提案しておくとしよう。ーー
ユタカの声が聞こえてくる。
ああ、わかってる。ここで瑠璃との関係が途切れる気がしてならない。
きょうが終われば、僕は一生、瑠璃にとって“妹の友達”のままでしか終われないだろう。
「いいだろう。多少の無理は通してやる。だが、何があっても無茶はするなよ? あくまで見学として捩じ込むだけだ。異能力者という時点で、第4級異能力特殊捜査官の資格はあるも同然なんだ。ただ、いろいろ手続きもあるし、夜の九時過ぎまで様々な書類を書くことだけは覚悟しておけ」
「第4級異能力特殊捜査官……?」
異能力者というだけで、そんな簡単に認定されるものなのだろうか?
ーーおもしろくなってきたな、豊花。少しアドバイスをしておこう。瑠璃に愛を教えるだけではなく、守りたいと思うなら、きみは戦う術を身に付けるべきだ。今すぐとは言わないが、河川ありすや葉月瑠衣にでも教えを乞うといい。ーー
……戦う術?
さっき、戦力になるだけの異能力が既にあるとも言っていたけど、なら、戦う術は既にあるんじゃ……。
「さあ、いい加減、そこでイチャイチャしてる二人を美夜は総谷を連れて検査してこい。私は杉井を連れて事務室で書類を書かせてくる。瑠璃はきょうは帰宅して明日に備えろ」
それぞれ皆、未来さんの命令にーー納得するか否かは別にしてーー従うのであった。
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