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第五章/異能力者
Episode087╱ゆめを蝕むクスリ
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(123.)
愛のある我が家の仕事にも生理にも次第になれてきた数日後の土曜日、生理が収まった頃に事件は起きた。
結愛が仕事に向かう前に、真っ先に愛のある我が家の本部に顔を出したのだ。その顔は涙で濡れていた。
「結弦が……覚醒剤を止めるようなタルパなんて要らないって……私に言いはなったの……酷いよ、酷すぎるよ……無職かつ私の稼いだお金を生活費の名目で巻き上げて、秘密裏に覚醒剤を買っていたの……やめさせられたと思ったのに……うう……」
結愛は明らかに気力をなくしていた。
要約するとこうだ。依存症治療を真面目にする不利をしていた結弦に騙されて、それを信じて行動していた。それに対してカッとなり、その場で覚醒剤をトイレに流し注射器をへし折り罵声を浴びせてしまった。
結弦はそれにカチンと来たのか、生みの親とも言えるタルパーに対して命令するタルパなんて要らない。異能力で肉体を得たときは嬉しかったけど、やることなすことすべてに命令してくるようになり、さらに肉体があるから物理的に邪魔してくるようになってしまった。
ーーこんなことなら、おまえなんていなければよかった。
と……。
柄にもなく私は腹を立ててしまった。
仮にも結弦は過去に結愛をレイプしてしまった加害者だ。
それを聖母かのごとく許してくれた結愛に対して、まさかの不要発言。黙っては要られなかった。
「ねえ、沙鳥……いくらなんでも結弦が悪くない? 私なら結弦をぼこぼこにしてるよ。結愛もさ? そんな外見内面ともに醜い結弦から離れて独立したら?」
そう強気で言ってしまった。
室内には、今は沙鳥と私、鏡子以外には誰もいない。
「そんなのやだ! 私は結弦を愛しているの! どうして離れなくちゃいけないの!? あんたたちが薬物なんて売らなければ済む話じゃない!」
「聞き捨てなりませんね」沙鳥はようやく口を開いた。「例え私たちが密造をやめても、覚醒剤は日本で一番出回っている薬物です。私たち以外にも入手ルートはいくらでもあるんですよ? それも国外からの密輸品、品質も劣悪な物が」
「……そうかもしれないけど、今の売人が愛のある我が家から仕入れているなら、その売人に渡すのをやめれば……」
「不可能です」
沙鳥は宥めるように結愛に説明をはじめた。
今と昔は状況が異なり、売人はネットを駆使して密売している。その人数は膨大な数になっている。ひとりの売人が消えても、今の結弦では別の売人へのルートも容易い。今や携帯電話ひとつあれば、いくらでも売人と連絡が取れる時代になってしまった。
「中高生ですら手に入るレベルで蔓延しています。それらすべてのルートを断ちきるのは正直言って不可能でしょう。粗悪品を使えば純度の高い覚醒剤とは違い身体への害も精神毒性も遥かに高まります。むしろ、最小限の被害で済む純粋な覚醒剤を販売している私たちには感謝すべきでしょう?」
「……うるさい……うるさいうるさい! なら、どうすれば結弦は覚醒剤をやめてくれるの!? どうしたら、私と仲直りしてくれるの……」
沙鳥は身近な依存症患者である舞香を例えとして挙げた。
「舞香さんも元は毎日静注するほど依存していました。ですが、今では再使用(スリップ)しても一回や二回でやめて再び断薬に戻ります。理由はなにかわかりますか?」
「……わからないわよ」
「それは、自らやっていたら仕事にならないと自覚症状があるからです。舞香さんは覚醒剤に依存した結果、このままでは組織が瓦解すると自覚したからこそリーダーを私に託して一線を下がり部下になることを望みました。ようするに責任感ある立場に立たせるのも効果的です」
「……」
無言で聞いている結愛に向けて、沙鳥は三本の指を立てた。
「私が考えるに策は三つあります。いずれも依存症患者には有効ですよ」
「解決法があるの? 教えてよ!」
結愛は興奮気味に食い入る。
「まずひとつ。覚醒剤を打った途端、貴女は一切結弦さんに対して必要最低限の返事しかせず、薬が切れるまで冷たく扱うこと。逆に使っていないタイミングではやさしく振る舞うことです」
「それに、なんの効果があるのよ……」
沙鳥は解説する。
覚醒剤に限らず、薬物やアルコール依存症者に直接やめろと言っても、邪魔されたと捉えられ機嫌が悪くなる。まさに、今の結愛が行っている行為だ。
だが、文句を言わず薬物を摂取した瞬間から薬物が切れるまで冷たくなることにより、本人の無意識下に『薬物をやる=マイナスな出来事が発生する』と強く刻み込み、薬物をやることに対して罪悪感が生じるように仕向けること。
ポイントは、薬物をやっていないときにはやさしくいつもどおりに接し、邪険に扱わないようにする。こうすることにより、薬物はいけないことだと本人から自覚させるようにする、という方法だった。
「その二は……?」
「貴女は先ほど生活費を結弦さんに渡していると言いましたよね? 物を手に入れるにはお金が必要です。そのお金を渡さなければ覚醒剤は買えません。稀にテレビなどで無料で渡してくる売人がいるという話を見ますが、あれは金のある有名人に対してのみやる手法です。お金のない人にわざわざネタを渡す売人はほとんど存在しませんよ」
「でも……私は居候の身だから、お金は払わないといけない……」
「結弦さんではなく結弦さんのご両親に渡すのをおすすめしますよ」
なるほど。どれもやめさせるのには利にかなっている。
「最後の方法は……?」
「いずれの方法でダメなら、もはや交番にでも自主、あるいは証拠を持っていき結弦さんを捕まえてもらいます。捕まっているあいだは強制的にできないでしょう? それに初犯なら執行猶予はほぼ確実につきます」
「そんなこと、私がしたら結弦に嫌われちゃう……」
「あのですね……」沙鳥は机を軽めに叩く。「あなたの好きだった結弦さんは薬物をやる結弦さんではないのでしょう? 屑に成り果てた結弦さんの肩をどうして持つのですか? その程度で嫌いになるようなら、本気で結弦さんと袂を別れたほうがあなたのためです。ちょうどいい。ためしに一週間うちで寝泊まりしてください。どれほど結弦さんがあなたに依存しているのか理解できると思いますから。本気で出ていけと言ったのなら、いなくなっても探したりはしませんよね?」
「……密売人の割には、きちんと考えてくれるのね」
結愛は迷う素振りを見せて、静かに頷いた。
「あなたは既に愛のある我が家の一員ですから当然です」
ちょうど舞香が室内に戻ってきた。
「覚醒剤はね、ゆめを蝕むクスリなのよ」
舞香はソファーに座りながら淡々と話しはじめた。
「特に貴女の場合はね?」
「どういうこと?」
その問いには沙鳥が答えた。
「結弦さんの将来の夢(ゆめ)を蝕み、暗い人生に変えてしまいます。また、作り出した結愛(ゆめ)さんの精神もじわじわと蝕み始めている。それを言い訳で無視し、本気で結愛が要らない等と非人に変えてしまうまえに、実行は早いほうがいいでしょう。三階に空き部屋があります。ひとまず一週間はそこで暮らしてください」
「……結弦と会えないのは辛いけど……ゆめを蝕む……わかった。私も結弦に会うのを堪えて引きこもり会わないようにする」
「よろしい」
こうして、結愛さんは愛のある我が家の仕事時以外は愛のある我が家で過ごすことになった。
果たして、結弦は本当に後悔するのだろうか?
というより、沙鳥の考えもよくわからない。現在愛のある我が家での最大のシノギである覚醒剤密売の顧客を僅かでも減らそうとしているのだ。仲間だから、といえば聞こえがいいが、これがもしも一般人なら無視してバッサリ見捨てているのだろうことも容易にわかる。
やはり、愛のある我が家の商売は、末端になればなるほど犠牲者しかおらず、対等なやり取りとはとてもじゃないが思えない。
「あと、聞き捨てならない話を耳にしましたが、覚醒剤を自ら勧めてくる売人がいると? それが悪友でしょうか?」
愛のある我が家が覚醒剤を卸売りする際、必ず押し売りや教唆はするなと口を酸っぱくして言っているのだという。
もしも売人が勧めて回っているのならば、処罰の対象になり得るのだとか。
「わからない……」
「とにかく、その方との縁も切ってください」
沙鳥はバッサリ切り捨てた。
最近起きた出来事で、愛のある我が家への不信感が募っている。
ーー末端は被害者ばかり。
魚の骨が喉に詰まったかのような感覚を抱きながら、私も私で注射器の入った段ボール箱を抱え、外へと出るのであった。
愛のある我が家の仕事にも生理にも次第になれてきた数日後の土曜日、生理が収まった頃に事件は起きた。
結愛が仕事に向かう前に、真っ先に愛のある我が家の本部に顔を出したのだ。その顔は涙で濡れていた。
「結弦が……覚醒剤を止めるようなタルパなんて要らないって……私に言いはなったの……酷いよ、酷すぎるよ……無職かつ私の稼いだお金を生活費の名目で巻き上げて、秘密裏に覚醒剤を買っていたの……やめさせられたと思ったのに……うう……」
結愛は明らかに気力をなくしていた。
要約するとこうだ。依存症治療を真面目にする不利をしていた結弦に騙されて、それを信じて行動していた。それに対してカッとなり、その場で覚醒剤をトイレに流し注射器をへし折り罵声を浴びせてしまった。
結弦はそれにカチンと来たのか、生みの親とも言えるタルパーに対して命令するタルパなんて要らない。異能力で肉体を得たときは嬉しかったけど、やることなすことすべてに命令してくるようになり、さらに肉体があるから物理的に邪魔してくるようになってしまった。
ーーこんなことなら、おまえなんていなければよかった。
と……。
柄にもなく私は腹を立ててしまった。
仮にも結弦は過去に結愛をレイプしてしまった加害者だ。
それを聖母かのごとく許してくれた結愛に対して、まさかの不要発言。黙っては要られなかった。
「ねえ、沙鳥……いくらなんでも結弦が悪くない? 私なら結弦をぼこぼこにしてるよ。結愛もさ? そんな外見内面ともに醜い結弦から離れて独立したら?」
そう強気で言ってしまった。
室内には、今は沙鳥と私、鏡子以外には誰もいない。
「そんなのやだ! 私は結弦を愛しているの! どうして離れなくちゃいけないの!? あんたたちが薬物なんて売らなければ済む話じゃない!」
「聞き捨てなりませんね」沙鳥はようやく口を開いた。「例え私たちが密造をやめても、覚醒剤は日本で一番出回っている薬物です。私たち以外にも入手ルートはいくらでもあるんですよ? それも国外からの密輸品、品質も劣悪な物が」
「……そうかもしれないけど、今の売人が愛のある我が家から仕入れているなら、その売人に渡すのをやめれば……」
「不可能です」
沙鳥は宥めるように結愛に説明をはじめた。
今と昔は状況が異なり、売人はネットを駆使して密売している。その人数は膨大な数になっている。ひとりの売人が消えても、今の結弦では別の売人へのルートも容易い。今や携帯電話ひとつあれば、いくらでも売人と連絡が取れる時代になってしまった。
「中高生ですら手に入るレベルで蔓延しています。それらすべてのルートを断ちきるのは正直言って不可能でしょう。粗悪品を使えば純度の高い覚醒剤とは違い身体への害も精神毒性も遥かに高まります。むしろ、最小限の被害で済む純粋な覚醒剤を販売している私たちには感謝すべきでしょう?」
「……うるさい……うるさいうるさい! なら、どうすれば結弦は覚醒剤をやめてくれるの!? どうしたら、私と仲直りしてくれるの……」
沙鳥は身近な依存症患者である舞香を例えとして挙げた。
「舞香さんも元は毎日静注するほど依存していました。ですが、今では再使用(スリップ)しても一回や二回でやめて再び断薬に戻ります。理由はなにかわかりますか?」
「……わからないわよ」
「それは、自らやっていたら仕事にならないと自覚症状があるからです。舞香さんは覚醒剤に依存した結果、このままでは組織が瓦解すると自覚したからこそリーダーを私に託して一線を下がり部下になることを望みました。ようするに責任感ある立場に立たせるのも効果的です」
「……」
無言で聞いている結愛に向けて、沙鳥は三本の指を立てた。
「私が考えるに策は三つあります。いずれも依存症患者には有効ですよ」
「解決法があるの? 教えてよ!」
結愛は興奮気味に食い入る。
「まずひとつ。覚醒剤を打った途端、貴女は一切結弦さんに対して必要最低限の返事しかせず、薬が切れるまで冷たく扱うこと。逆に使っていないタイミングではやさしく振る舞うことです」
「それに、なんの効果があるのよ……」
沙鳥は解説する。
覚醒剤に限らず、薬物やアルコール依存症者に直接やめろと言っても、邪魔されたと捉えられ機嫌が悪くなる。まさに、今の結愛が行っている行為だ。
だが、文句を言わず薬物を摂取した瞬間から薬物が切れるまで冷たくなることにより、本人の無意識下に『薬物をやる=マイナスな出来事が発生する』と強く刻み込み、薬物をやることに対して罪悪感が生じるように仕向けること。
ポイントは、薬物をやっていないときにはやさしくいつもどおりに接し、邪険に扱わないようにする。こうすることにより、薬物はいけないことだと本人から自覚させるようにする、という方法だった。
「その二は……?」
「貴女は先ほど生活費を結弦さんに渡していると言いましたよね? 物を手に入れるにはお金が必要です。そのお金を渡さなければ覚醒剤は買えません。稀にテレビなどで無料で渡してくる売人がいるという話を見ますが、あれは金のある有名人に対してのみやる手法です。お金のない人にわざわざネタを渡す売人はほとんど存在しませんよ」
「でも……私は居候の身だから、お金は払わないといけない……」
「結弦さんではなく結弦さんのご両親に渡すのをおすすめしますよ」
なるほど。どれもやめさせるのには利にかなっている。
「最後の方法は……?」
「いずれの方法でダメなら、もはや交番にでも自主、あるいは証拠を持っていき結弦さんを捕まえてもらいます。捕まっているあいだは強制的にできないでしょう? それに初犯なら執行猶予はほぼ確実につきます」
「そんなこと、私がしたら結弦に嫌われちゃう……」
「あのですね……」沙鳥は机を軽めに叩く。「あなたの好きだった結弦さんは薬物をやる結弦さんではないのでしょう? 屑に成り果てた結弦さんの肩をどうして持つのですか? その程度で嫌いになるようなら、本気で結弦さんと袂を別れたほうがあなたのためです。ちょうどいい。ためしに一週間うちで寝泊まりしてください。どれほど結弦さんがあなたに依存しているのか理解できると思いますから。本気で出ていけと言ったのなら、いなくなっても探したりはしませんよね?」
「……密売人の割には、きちんと考えてくれるのね」
結愛は迷う素振りを見せて、静かに頷いた。
「あなたは既に愛のある我が家の一員ですから当然です」
ちょうど舞香が室内に戻ってきた。
「覚醒剤はね、ゆめを蝕むクスリなのよ」
舞香はソファーに座りながら淡々と話しはじめた。
「特に貴女の場合はね?」
「どういうこと?」
その問いには沙鳥が答えた。
「結弦さんの将来の夢(ゆめ)を蝕み、暗い人生に変えてしまいます。また、作り出した結愛(ゆめ)さんの精神もじわじわと蝕み始めている。それを言い訳で無視し、本気で結愛が要らない等と非人に変えてしまうまえに、実行は早いほうがいいでしょう。三階に空き部屋があります。ひとまず一週間はそこで暮らしてください」
「……結弦と会えないのは辛いけど……ゆめを蝕む……わかった。私も結弦に会うのを堪えて引きこもり会わないようにする」
「よろしい」
こうして、結愛さんは愛のある我が家の仕事時以外は愛のある我が家で過ごすことになった。
果たして、結弦は本当に後悔するのだろうか?
というより、沙鳥の考えもよくわからない。現在愛のある我が家での最大のシノギである覚醒剤密売の顧客を僅かでも減らそうとしているのだ。仲間だから、といえば聞こえがいいが、これがもしも一般人なら無視してバッサリ見捨てているのだろうことも容易にわかる。
やはり、愛のある我が家の商売は、末端になればなるほど犠牲者しかおらず、対等なやり取りとはとてもじゃないが思えない。
「あと、聞き捨てならない話を耳にしましたが、覚醒剤を自ら勧めてくる売人がいると? それが悪友でしょうか?」
愛のある我が家が覚醒剤を卸売りする際、必ず押し売りや教唆はするなと口を酸っぱくして言っているのだという。
もしも売人が勧めて回っているのならば、処罰の対象になり得るのだとか。
「わからない……」
「とにかく、その方との縁も切ってください」
沙鳥はバッサリ切り捨てた。
最近起きた出来事で、愛のある我が家への不信感が募っている。
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