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最終章
Episode212-絶望による幸せの破壊-
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(??.)
三崎町の港からやや離れた位置に建つ一軒家の中では、身なりが悪い気弱そうな青年ーー双葉結弦と、綺麗で長い青色の髪が目立つ少女ーー双葉結愛は、嵐山沙鳥から緊急のメールが届いたのを二人で確認しているところであった。
メールは、『敵対組織からの襲撃あり。しばらく身の安全の為に実家で待機せよ。外出もなるべく控えるよう注意せよ。既に仲間がひとり殺された。我々も現在別の拠点に避難中』という内容が書かれていた。
仲間が殺されたと知らされ、二人は揃ってゾッとする。
「愛のある我が家で、いったい何があったのよ……」
双葉結愛は文面を再度噛み締めるように読み直し、独り言のように小さく呟く。
「とにかく、愛のある我が家が危険な状態みたいだ。しかも、おそらく並の相手じゃない」
「どうしてそう思うのよ?」
「愛のある我が家のメンバーが持つ異能力を考えてみてよ。なかには簡単に相手を殺害してしまうような恐ろしい異能力者も所属しているじゃないか。なのに、倒せずに、さらに言えば逃走したんだよ」
「……あっ。そういえばそうね。普通なら舞香やゆきとかの強力な異能力者がいるのに、倒さず逃走したってことは、考えられるのは二通りだね?」
双葉結愛は人差し指を一本立てる。
「まずはひとつめ。対応しきれないほどの大群で敵が襲いかかってきてあえなく逃げる羽目になった」
「二つめは?」
双葉結愛はさらに指をもう一本立てると、ふたつめの理由を口にした。
「考えたくはないけど、愛のある我が家のメンバーじゃ太刀打ちできない圧倒的な力を持った異能力者に襲われた可能性。あるいは、仲間も数人連れていたら、沙鳥たちが逃げるのも無理ないわよ」
「……圧倒的な異能力者か」
双葉結弦は考える。
ーーたとえば個人で襲撃したとしたら、目的は金銭の強奪なのだろうか?
ーーもしも、仮にもしも愛のある我が家みたいな別の異能力犯罪組織に襲撃されたとしたら、目的は限られてくる。
「たとえば敵対している組織に襲撃されたとしたら、狙いは愛のある我が家の殲滅もしくは瓦解させることだと思う」
「……ちょっと待って」
「なに?」
双葉結愛は考えるしぐさをしたあと、言の葉をつづけた。
「もしも愛のある我が家全員の命を狙っているとしたら……私たちも危ないんじゃない?」
「へ? ……そういえばそうだ!」
双葉結弦は双葉結愛が愛のある我が家に一応所属していることを思いだし、一気に緊張感が全身を駆け巡る。
「もしも僕の予想が当たっているなら、結愛も狙われるかもしれない! 早くどこかに逃げようよ!」
「慌てないで。大丈夫よ。私には」結愛は無から拳銃を出現させて手に握る。「これがあるから。もしも襲われたら返り討ちにしてあげるわ」
双葉結愛はそうは言うが、双葉結弦の内心はぐちゃぐちゃになってしまっている。
愛のある我が家のメンバーの一部は、拳銃持ちを相手にしても易々と倒せるような異能力者が複数名存在している。
だというのに、愛のある我が家はアジトを捨てて逃げた。その事実が双葉結弦に重くのしかかる。
楽観視などできないーーと双葉結弦は冷や汗を流した。
「そんなことより、きょうの昼食はなにが食べたいの?」
「え、あ、うーん。なんでもいいよ」
「なんでもいいーーが一番困るんだって。まったく~」
双葉結愛はリビングのソファーから立ち上がり、キッチンに向かおうとする。
ーーそのときだった。
リビングから見える窓ガラスが激しい音を響かせながらバラバラに飛び散った。
「ちょっと!? なによ今の? どうしていきなりガラスなんて割れーー」
「悪いが、黙ってくれないか?」
そこには、灰色の髪をした長身の18歳ほどの男性が佇んでいた。
男は割れた窓ガラスの欠片を踏みつけながら、室内に侵入してくる。
双葉結弦は、一瞬、強盗かなにかかと思った。
だが、すぐにその考えを取り消した。
こいつは、愛のある我が家と争った敵対組織の人物だろうーーと双葉結弦は考えを改める。
「ひとの家に土足で侵入しておきながら、なによその態度は!?」
双葉結愛が激昂して、先ほど取り出した拳銃を相手の男に向けた。
この距離なら、下手なひとが撃ってもどこかしらには必ず当たるだろう。
「何の用だ!? 警察に通報するぞ!」
双葉結弦は恐怖心を抑え込み、侵入してきた怪しい男に叫ぶように告げる。
「用があるのは、愛のある我が家に所属しているそっちの青髪の女ーー双葉結愛だけだ。悪いが無関係の人間が口を出すんじゃない」
「なんなのよあんた!?」
双葉結愛はなにが起きたのか理解が追い付かず、ひとまず相手の素性を探る。
「私か? 私は灰原直人(はいばらなおと)という者だ」
灰色の髪をした男性ーー灰原直人は双葉結愛の問いに素直に答えた。
不可思議な存在を見ているような気分に苛まれ、双葉結弦は灰原直人に近づき口を開く。
「いったい結愛に何の用だって言っているんだ!」
「無論、殺処分しに来ただけだが?」
「なん……だと?」
双葉結弦は、この男が明らかなる敵だと判明したこと。そして、双葉結愛の命を奪う存在だと理解できた瞬間、灰原直人を殴り付けた。
灰原直人は避ける素振りも見せず、正面から拳を受け止めた。
しかし、あまり筋肉のない貧弱な双葉結弦の拳はまるで効いていない。
殴る動作を終えた双葉結弦の腹部を灰原直人は拳で強打し、苦しさから前屈みになった双葉結弦に回転蹴りを勢いよくあてた。
痛みに耐えていた双葉結弦はガードが間に合わなく、部屋の壁へと蹴り飛ばされてしまった。
「さて、奪うとしよう。その命を」
「ーーこのっ! よくも結弦を!」
双葉結愛は手に持つ拳銃で灰原直人に狙いを定める。
そのまま怒りに任せて何度も発砲を繰り返した。
一発、二発、三発……七発撃ち終えたところで装填された弾丸が切れた。
銃弾は頭部に一発、身体に三発バラバラの位置に当たり、一発は右手、もう二発は左足に命中した。
灰原直人は撃たれた場所から出血する。
常人ならオーバーキルと言われてもおかしくないほどの弾丸の嵐を灰原直人に向けて放ったのである。
ーーしかし。
「悪あがきはやめてほしい。きみの運命は死から逃れられない」
「銃が……効いていない? ーーっ!」
双葉結愛は剣を創造するなり右手で握ると、灰原直人に接近する。
そのまま剣で灰原直人の身体を上から下へと斬り、下から右肩へと斬り上げた。
灰原直人は拳銃以上に多量に傷から出血した。
死んでもおかしくないほどの出血量だが、灰原直人は痛みを覚えていないかの如く、涼しい顔のまま双葉結愛の右手へ手刀を叩きつけた。
「ぐっ!?」
予想以上の痛みと衝撃で手が緩む。
その一瞬緩んだ瞬間、灰原直人は双葉結愛の右手から剣を取り上げる。
「ああ!?」
「申し訳ないが、死してもらおう」
灰原直人は容赦なく双葉結愛の身体を袈裟斬りした。
酷い出血が広まり、当たりに血痕が散らばる。
「結愛っ!」
ようやく立ち上がった双葉結弦は、壁際から灰原直人の場所まで全力で駆け寄る。
せっかく覚醒剤依存症もほとんど寛解し、ようやく結愛と偽りなしで話せるようになれたのに、こんなやつに壊されて堪るものかッーーと双葉結弦は強い想いを秘めて灰原直人に立ち向かう。
しかし、現実とは非情なものである。
あと一歩のところで、灰原直人は双葉結愛の心臓に剣を差し込み貫く。その剣を抜き取り払うと、双葉結愛は心臓部にある衣服を大量の出血で真っ赤に染め上げた。
「ごめ……結弦と……もっと一緒に……暮らしたかっ…………」
「結愛ぇええ!!」
双葉結弦はすぐにでも双葉結愛に近寄りたいのを我慢し、諸悪の根元を抹消するため全速力で走る。
その右手には、小さなナイフが握られていた。
灰原直人に命を賭した戦いを挑んだのだ。
しかし、灰原直人はナイフを避けようとも逃げようとも防ごうともせず、双葉結弦のナイフを無防備で受け止めた。
穿った位置は、奇遇にも双葉結愛が貫かれた位置と同じーー心臓。
だが、だがしかし、灰原直人はあくびをしながら手に持つ剣で双葉結弦を切り裂いた。
「な……ぜ……?」
「教える義理もないが、あの世への駄賃として教えよう」
灰原直人は胸に刺さったナイフを胸から引き抜き、そこら辺に無造作に放り投げた。
そして、止めを刺すため剣を持ちながら双葉結弦に歩み寄る。
一歩、また一歩、と。
「私が異能力者なのは察しているだろう? 私の異能力は」双葉結弦の首の右側に剣を構えた。「ーー不死身なのだよ」
「は……? 不死身……だと……?」
意識が朦朧とするなか、灰原直人の常識外れの異能力が記憶に刻まれた。
とはいえ、既に風前の灯だが……。
「私はね、例え刀で首を落とされても、サブマシンガンで全身を撃たれても、高層ビルから飛び降りても、今みたく心臓を貫かれても、何の問題もない」
灰原直人は剣を軽く振り上げ、全力で首を右から左へと斬って切断した。
双葉結弦の亡骸の頭部が、コロコロと転がる。
双葉結愛は心臓を貫かれ既に腐敗が始まっている。
「さて、これにて愛のある我が家所属のメンバーのひとりの始末はおしまい。仲間と合流することにしよう」
灰原直人は、今しがた行った殺戮をまるで気にも留めずに双葉家から出ていくのであった。
こうして、双葉結愛と双葉結弦の両名は、軽々しく命を奪われたのであったーー。
三崎町の港からやや離れた位置に建つ一軒家の中では、身なりが悪い気弱そうな青年ーー双葉結弦と、綺麗で長い青色の髪が目立つ少女ーー双葉結愛は、嵐山沙鳥から緊急のメールが届いたのを二人で確認しているところであった。
メールは、『敵対組織からの襲撃あり。しばらく身の安全の為に実家で待機せよ。外出もなるべく控えるよう注意せよ。既に仲間がひとり殺された。我々も現在別の拠点に避難中』という内容が書かれていた。
仲間が殺されたと知らされ、二人は揃ってゾッとする。
「愛のある我が家で、いったい何があったのよ……」
双葉結愛は文面を再度噛み締めるように読み直し、独り言のように小さく呟く。
「とにかく、愛のある我が家が危険な状態みたいだ。しかも、おそらく並の相手じゃない」
「どうしてそう思うのよ?」
「愛のある我が家のメンバーが持つ異能力を考えてみてよ。なかには簡単に相手を殺害してしまうような恐ろしい異能力者も所属しているじゃないか。なのに、倒せずに、さらに言えば逃走したんだよ」
「……あっ。そういえばそうね。普通なら舞香やゆきとかの強力な異能力者がいるのに、倒さず逃走したってことは、考えられるのは二通りだね?」
双葉結愛は人差し指を一本立てる。
「まずはひとつめ。対応しきれないほどの大群で敵が襲いかかってきてあえなく逃げる羽目になった」
「二つめは?」
双葉結愛はさらに指をもう一本立てると、ふたつめの理由を口にした。
「考えたくはないけど、愛のある我が家のメンバーじゃ太刀打ちできない圧倒的な力を持った異能力者に襲われた可能性。あるいは、仲間も数人連れていたら、沙鳥たちが逃げるのも無理ないわよ」
「……圧倒的な異能力者か」
双葉結弦は考える。
ーーたとえば個人で襲撃したとしたら、目的は金銭の強奪なのだろうか?
ーーもしも、仮にもしも愛のある我が家みたいな別の異能力犯罪組織に襲撃されたとしたら、目的は限られてくる。
「たとえば敵対している組織に襲撃されたとしたら、狙いは愛のある我が家の殲滅もしくは瓦解させることだと思う」
「……ちょっと待って」
「なに?」
双葉結愛は考えるしぐさをしたあと、言の葉をつづけた。
「もしも愛のある我が家全員の命を狙っているとしたら……私たちも危ないんじゃない?」
「へ? ……そういえばそうだ!」
双葉結弦は双葉結愛が愛のある我が家に一応所属していることを思いだし、一気に緊張感が全身を駆け巡る。
「もしも僕の予想が当たっているなら、結愛も狙われるかもしれない! 早くどこかに逃げようよ!」
「慌てないで。大丈夫よ。私には」結愛は無から拳銃を出現させて手に握る。「これがあるから。もしも襲われたら返り討ちにしてあげるわ」
双葉結愛はそうは言うが、双葉結弦の内心はぐちゃぐちゃになってしまっている。
愛のある我が家のメンバーの一部は、拳銃持ちを相手にしても易々と倒せるような異能力者が複数名存在している。
だというのに、愛のある我が家はアジトを捨てて逃げた。その事実が双葉結弦に重くのしかかる。
楽観視などできないーーと双葉結弦は冷や汗を流した。
「そんなことより、きょうの昼食はなにが食べたいの?」
「え、あ、うーん。なんでもいいよ」
「なんでもいいーーが一番困るんだって。まったく~」
双葉結愛はリビングのソファーから立ち上がり、キッチンに向かおうとする。
ーーそのときだった。
リビングから見える窓ガラスが激しい音を響かせながらバラバラに飛び散った。
「ちょっと!? なによ今の? どうしていきなりガラスなんて割れーー」
「悪いが、黙ってくれないか?」
そこには、灰色の髪をした長身の18歳ほどの男性が佇んでいた。
男は割れた窓ガラスの欠片を踏みつけながら、室内に侵入してくる。
双葉結弦は、一瞬、強盗かなにかかと思った。
だが、すぐにその考えを取り消した。
こいつは、愛のある我が家と争った敵対組織の人物だろうーーと双葉結弦は考えを改める。
「ひとの家に土足で侵入しておきながら、なによその態度は!?」
双葉結愛が激昂して、先ほど取り出した拳銃を相手の男に向けた。
この距離なら、下手なひとが撃ってもどこかしらには必ず当たるだろう。
「何の用だ!? 警察に通報するぞ!」
双葉結弦は恐怖心を抑え込み、侵入してきた怪しい男に叫ぶように告げる。
「用があるのは、愛のある我が家に所属しているそっちの青髪の女ーー双葉結愛だけだ。悪いが無関係の人間が口を出すんじゃない」
「なんなのよあんた!?」
双葉結愛はなにが起きたのか理解が追い付かず、ひとまず相手の素性を探る。
「私か? 私は灰原直人(はいばらなおと)という者だ」
灰色の髪をした男性ーー灰原直人は双葉結愛の問いに素直に答えた。
不可思議な存在を見ているような気分に苛まれ、双葉結弦は灰原直人に近づき口を開く。
「いったい結愛に何の用だって言っているんだ!」
「無論、殺処分しに来ただけだが?」
「なん……だと?」
双葉結弦は、この男が明らかなる敵だと判明したこと。そして、双葉結愛の命を奪う存在だと理解できた瞬間、灰原直人を殴り付けた。
灰原直人は避ける素振りも見せず、正面から拳を受け止めた。
しかし、あまり筋肉のない貧弱な双葉結弦の拳はまるで効いていない。
殴る動作を終えた双葉結弦の腹部を灰原直人は拳で強打し、苦しさから前屈みになった双葉結弦に回転蹴りを勢いよくあてた。
痛みに耐えていた双葉結弦はガードが間に合わなく、部屋の壁へと蹴り飛ばされてしまった。
「さて、奪うとしよう。その命を」
「ーーこのっ! よくも結弦を!」
双葉結愛は手に持つ拳銃で灰原直人に狙いを定める。
そのまま怒りに任せて何度も発砲を繰り返した。
一発、二発、三発……七発撃ち終えたところで装填された弾丸が切れた。
銃弾は頭部に一発、身体に三発バラバラの位置に当たり、一発は右手、もう二発は左足に命中した。
灰原直人は撃たれた場所から出血する。
常人ならオーバーキルと言われてもおかしくないほどの弾丸の嵐を灰原直人に向けて放ったのである。
ーーしかし。
「悪あがきはやめてほしい。きみの運命は死から逃れられない」
「銃が……効いていない? ーーっ!」
双葉結愛は剣を創造するなり右手で握ると、灰原直人に接近する。
そのまま剣で灰原直人の身体を上から下へと斬り、下から右肩へと斬り上げた。
灰原直人は拳銃以上に多量に傷から出血した。
死んでもおかしくないほどの出血量だが、灰原直人は痛みを覚えていないかの如く、涼しい顔のまま双葉結愛の右手へ手刀を叩きつけた。
「ぐっ!?」
予想以上の痛みと衝撃で手が緩む。
その一瞬緩んだ瞬間、灰原直人は双葉結愛の右手から剣を取り上げる。
「ああ!?」
「申し訳ないが、死してもらおう」
灰原直人は容赦なく双葉結愛の身体を袈裟斬りした。
酷い出血が広まり、当たりに血痕が散らばる。
「結愛っ!」
ようやく立ち上がった双葉結弦は、壁際から灰原直人の場所まで全力で駆け寄る。
せっかく覚醒剤依存症もほとんど寛解し、ようやく結愛と偽りなしで話せるようになれたのに、こんなやつに壊されて堪るものかッーーと双葉結弦は強い想いを秘めて灰原直人に立ち向かう。
しかし、現実とは非情なものである。
あと一歩のところで、灰原直人は双葉結愛の心臓に剣を差し込み貫く。その剣を抜き取り払うと、双葉結愛は心臓部にある衣服を大量の出血で真っ赤に染め上げた。
「ごめ……結弦と……もっと一緒に……暮らしたかっ…………」
「結愛ぇええ!!」
双葉結弦はすぐにでも双葉結愛に近寄りたいのを我慢し、諸悪の根元を抹消するため全速力で走る。
その右手には、小さなナイフが握られていた。
灰原直人に命を賭した戦いを挑んだのだ。
しかし、灰原直人はナイフを避けようとも逃げようとも防ごうともせず、双葉結弦のナイフを無防備で受け止めた。
穿った位置は、奇遇にも双葉結愛が貫かれた位置と同じーー心臓。
だが、だがしかし、灰原直人はあくびをしながら手に持つ剣で双葉結弦を切り裂いた。
「な……ぜ……?」
「教える義理もないが、あの世への駄賃として教えよう」
灰原直人は胸に刺さったナイフを胸から引き抜き、そこら辺に無造作に放り投げた。
そして、止めを刺すため剣を持ちながら双葉結弦に歩み寄る。
一歩、また一歩、と。
「私が異能力者なのは察しているだろう? 私の異能力は」双葉結弦の首の右側に剣を構えた。「ーー不死身なのだよ」
「は……? 不死身……だと……?」
意識が朦朧とするなか、灰原直人の常識外れの異能力が記憶に刻まれた。
とはいえ、既に風前の灯だが……。
「私はね、例え刀で首を落とされても、サブマシンガンで全身を撃たれても、高層ビルから飛び降りても、今みたく心臓を貫かれても、何の問題もない」
灰原直人は剣を軽く振り上げ、全力で首を右から左へと斬って切断した。
双葉結弦の亡骸の頭部が、コロコロと転がる。
双葉結愛は心臓を貫かれ既に腐敗が始まっている。
「さて、これにて愛のある我が家所属のメンバーのひとりの始末はおしまい。仲間と合流することにしよう」
灰原直人は、今しがた行った殺戮をまるで気にも留めずに双葉家から出ていくのであった。
こうして、双葉結愛と双葉結弦の両名は、軽々しく命を奪われたのであったーー。
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