230 / 233
最終章
Episode221╱瑠奈の暴走?
しおりを挟む
(331.)
「今日からここで同居してもらいます」
沙鳥は玄関が無い通路で唐突に都に言う。
あのあと、アジトまでみんなで歩いてきたのだ。
「なにもないじゃないっすか」
「まあ、見かけは」
沙鳥は鍵穴を探し鍵を入れ扉を開ける。
そこには部屋が広がっていた。
「へぇ……こんな感じに隠してるんすね」
「あなたもこの中で暮らしていただきます」
「はいはい。うっ、女くさいっす」
自分だって女だろうに、都はそんなことを言い始めた。
「何人いるんすか。凄い女の臭いがするっす」
「いや、都も女じゃん」
「私はいいんすよ。私以外の女の臭いがするんす」
そりゃそうだろ。
「我慢してください。それに宮田さんもいますよ?」
宮田さんはいま唯一の男性だ。
はっ……宮田さんは、興奮したりしないのだろうか?
こんな美女美少女に囲まれて、果たして?
宮田さんの表情を見た。
凄い居心地が悪そうな顔をしていた。
「勘違いしないでくださいよ? 私は味方ではなく」
「味方になるんですよ?」
「……わかったっす」
沙鳥の圧に負けて都はしゅんとなる。
「えへへ……味方になるの? えへへ」
瑠奈が両手をワキワキしながら都に近寄る。
うーん瑠奈は相変わらず……。
……ん?
んん!?
そこには当然のように瑠奈がいた。
隣には朱音もいた。
「瑠奈、帰ってきてたの?」
「うん。もう精霊操術の最奥使えるようになったからね。それに伴い名前も変わったけど。瑠奈・微風∴シルフィード・シルフに」
つまりシルフとも契約したのか。
そっか。ルーナエアウラさんがいなくなったからシルフもフリーか。
「シルフィードと違ってシルフは口喧しいけど、まあ戦力が増えるなら」
話を聞くに、人の争いには介入できないけど敗北したのはシルフでも苦しいらしい。
と、舞香が冷蔵庫を開けビールを取り出した。
こんなときにお酒とは……ある意味平和だなぁ。
「……わたしも飲む」
瑠奈が舞香からビールを奪い取った。
え?
瑠奈って下戸だって言っていたじゃん。
「だめです。あなたは酒癖悪いんですから」
「いいもん。きょうくらい疲れたから飲むもん」
酒癖悪いのか……。
舞香は仕方なく新しいのをもう一本出した。
「んっんっんっ」
不味そうに飲むなぁ……。
瑠奈はビールが心底気に入らないといった表情で飲み干した。
「未成年なのに飲んでいいんすか? まあ、あんたら覚醒剤売り捌くほどだから関係ないっすか」
「言っておきますが私たちは覚醒剤をやりませんし、飲酒も二十歳になってからです。瑠奈さんはとっくに二十歳を越えています」
「嘘つけ。どこにこんな幼い成人がいるんすか」
都は腑に落ちないといった表情で床に座る。
「……んあ」酔っぱらったのか瑠奈は頬を染めながら口を開く「微風瑠奈の名(な)に於(お)いて 風の精霊を喚起(かんき)する」
「ちょっ!? 瑠奈、なに詠唱を始めてるのさ!?」
「契約(けいやく)に従(した)がい 今(いま) 此処(ここ)に現界(げんかい)せよ シルフィード シルフ!」
パァッと光った粒子が飛来したかと思えば、シルフィードとシルフが同時に姿を露にした。
『瑠奈、何の用かしら? 私は貴女に協力は誓ったけど不用時に呼び出してほしくないのだけど』
『瑠奈……酔っぱらってるんです?』
「……精霊ってやたら純潔に拘るじゃん? つまり本人たちはエロいことしないわけ?」
んん?
瑠奈はこれを訊くために精霊を呼び出したの?
ま、まさかぁ……。
『当然よ。貴女みたいに不潔なひとと一緒にしないでちょうだい』
「つまり、処女! うはっ、不潔なことなんて死んでもしたくないと言い張るほどの純潔を携えた大精霊とやらを、めちゃくちゃに犯したいなぁ……えへ、えへへ、どんな乱れた姿を晒してくれるのかなぁ……はぁはぁ、そんな美少女なエッチい顔しといて勿体ないあっわたしにレイプされるために処女取っといてくれたんだねいただきます」
『ひっ!』
シルフはゾワゾワっとした表情を浮かべ瑠奈から離れる。
『瑠奈……その、精霊操術師に不潔は大敵なのですよ。精霊操術師は基本的に皆処女性を保っています。瑠奈くらいですよ、そんな肉欲なの』
「うるさいシルフィード。てかシルフィードも処女なの?」
『精霊はそもそも処女非処女という分類からしてありません。私たちみたく人間型もいますが、大抵はそこにいらっしゃるアリーシャさんの夢の精霊ドリーミーや、火の大精霊サラマンダーみたく非人間型です。風の大精霊は私やシルフさんみたく女性型やジンさんやジルフみたく男性型と人間型が多いですがきゃあ!』
シルフィードが説明をしている最中、瑠奈はシルフィードのスカートを捲り上げた。緑色のリボンが着いた可愛らしい下着が一瞬露になる。
「そんなエロい下着つけといて本当は期待してるんじゃないの?」
『してません!』
「……じゃあシルフィードはわたしとしたくないの?」
瑠奈はうるうると瞳を滲ませる。
な、なんだこのやり取り……都がドン引きしているし、舞香や沙鳥も大精霊の登場にいまいちなんと言っていいのかわからないような複雑な表情のまま黙ってしまっている。
動じていないのは朱音だけだ。
『……むぅ』
『むぅって、貴女、いくら精霊の道に背いたからと言って、人間と交わるなんて言い出すんじゃないわよ?』
「シルフうるさい。いるよねー、ガードが硬い奴。いいじゃん女の子同士なんだし。精霊操術師だってどうせ本当は精霊操術師同士でちちくりあってるんだよ」
瑠奈が謎の暴論を吐いている最中、フレアの声が聴こえた。
『……私も呼んでくださいお願いします』
「ええ? ……なんで?」
『いいからお願いします!』
フレアの圧を感じる。
仕方なく詠唱することにした。
「……こほん。我と契りを結びし火の精霊よ 私にとっての光となる炎よ 我にちからを貸してくれ フレア」
赤い閃光が広がったあと、フレアが姿を現した。
『シルフ様、シルフィード様! お初にお目にかかります! 下級精霊のフレアです!』
『え? ……ふーん。そこの少女が火の精霊操術師だと聞いて、イフリートかサラマンダーのどちらかと思えば、こんな小娘の下級精霊だったなんて。よくこんなのと契約する気になったわね? 箔がつかないんじゃないかしら?』
「なっ!?」
フレアをバカにされてカチンと来てしまった。
フレアは凄い、凄いんだぞ?
そもそも私なんかと契約してくれたし。
『シルフさん……この杉井豊花は瑠奈とは違ってこちらの世界の住人が一から精霊操術師になったんですよ? 大精霊は取り合ってくれませんよ』
「あのさ、せっかく挨拶しに出てきた精霊に対してあまりにも酷くない? 私にとってフレアは唯一無二のパートナーなんだよ?」
『いえいえ、お二方に比べれば私なんてカスみたいなものですよ。地のノーム様やノーミーデス様、水のウンディーネ様やニンフ様、火のイフリート様やサラマンダー様と肩を並べるシルフ様、シルフィード様、お二人に会えるなんて光栄です!』
フレアは悪口を気にしていないのかシルフとシルフィードに会えたことにいたく感動している。
てか……ただでさえ、舞香、沙鳥、瑠奈、朱音、ゆき、鏡子、香織、宮田さん、都、アリーシャ、みこ、私と12人と部屋の許容範囲を越えている人口密度なのに、シルフィード、シルフ、フレアまで来たら酸欠になりそうなくらい人口過密だ。
「とにかく瑠奈さんは精霊操術の最奥を扱えることになったのですよね?」
「ああ……んー、まあね」
「では、早速明日、みこさんを連れて羽咲を討伐しに行ってください」
「だったらボクも行くよ……」
朱音が軽く手を挙げた。
「え? 朱音が?」
「うん。瑠奈が倒しきれなかった際に切り札をつかって羽咲を追い出しボクも死ぬ予定だから」
「なりません。朱音さんがいなければ覚醒剤の密造も密輸も瑠奈さんや豊花さんのマナの補填も裕璃さんとの交流もできなくなります」
「……でも、一応ボクも行くよ。これは決めたことなんだ。沙鳥に何を言われても変えられない」
朱音は強く決心したかのように譲らない。
「じゃあ私も行く。神殺しの剣が役に立つかもしれない」
「……わかりました。でも、誰一人欠けること羽咲と夜鳥の両名を倒してくださいね? 約束です」
「だいじょーぶ。わたしひとりでも羽咲をぼこぼこにしてこれるよ。自信はある! 今のわたしはルーナエアウラより強い! ね? シルフィード、シルフ?」
『貴女は気に食わないけど、四大精霊外のフェンリルなんかに負けて悔しいから、絶対勝つわよ』
シルフはルーナエアウラが敗北したことに相当腹が立っているらしい。
『……フェンリル様も大精霊ですが……たしかに格的には四大精霊よりは下です。それでもルーナエアウラさんに勝てたのは、羽咲という方の実力が相当高かったんでしょうね』
「豊花もこの際だから火界っていう火の精霊操術師の最奥使いなよ。あ、でもフィールド魔法みたいなものだからわたしがマナ切れ起こしたあとだけど」
「無茶言わないでよ……」
『とりあえず明日に備えて私たちは休むわよ』
『瑠奈、また明日です』
シルフとシルフィードは姿を消した。
フレアも私に頭を下げ、それにつづいた。
「……本当に倒せるんすか? 私が言うのもなんだけど、羽咲以外のメンバー全員で殺しにかかっても逆立ちしても勝てない相手ですよ?」
「そんなことより舞香?」
「なにかしら?」
瑠奈は都を無視して舞香に顔を向けた。
「沙鳥は非処女じゃん? 舞香はどうなの?」
「ごふっ!?」舞香はビールを噴き出した。「あのね……そういうことは聞かないの」
「瑠奈さん、もしも舞香さんに手出ししたら地球の裏側まで追いかけて殺しますよ?」
「わかったわかった。じゃあ都ちゃんは?」
「私っすか? ……これどっちだって言ったほうが襲われません?」
「処女だって言ったら襲われるよ」
私は都に耳打ちする。
「じゃあ非処女っす」
「じゃあ? じゃあ!? かーっ、これだからオスを受け入れた女はくだらない。女の子からメスに成り下がるんだぁ。あーいやだいやだ臭い臭い」
「……腹立つっすね……なんなんすかこのガキ」
「あんたより年上ですぅべろべろばー」
いや、見た目的には確実に都のほうが年上なんだけどね……。
「だから瑠奈さんにお酒を飲ますなと言ったんですよ。性欲が普段以上に溢れて暴走するんですから……」
話を聞くに、昔も失礼なことばかり言ったうえ瑠奈も翌日体調を崩したから、飲酒はするなと伝えていたらしい。本人も酒よりタバコ派だったため提案は受け入れられたみたいだけど……稀に飲酒するとこうなるらしい。
なんだかんだで時は経ち、ついに羽咲討伐の日がやってきたーー。
「今日からここで同居してもらいます」
沙鳥は玄関が無い通路で唐突に都に言う。
あのあと、アジトまでみんなで歩いてきたのだ。
「なにもないじゃないっすか」
「まあ、見かけは」
沙鳥は鍵穴を探し鍵を入れ扉を開ける。
そこには部屋が広がっていた。
「へぇ……こんな感じに隠してるんすね」
「あなたもこの中で暮らしていただきます」
「はいはい。うっ、女くさいっす」
自分だって女だろうに、都はそんなことを言い始めた。
「何人いるんすか。凄い女の臭いがするっす」
「いや、都も女じゃん」
「私はいいんすよ。私以外の女の臭いがするんす」
そりゃそうだろ。
「我慢してください。それに宮田さんもいますよ?」
宮田さんはいま唯一の男性だ。
はっ……宮田さんは、興奮したりしないのだろうか?
こんな美女美少女に囲まれて、果たして?
宮田さんの表情を見た。
凄い居心地が悪そうな顔をしていた。
「勘違いしないでくださいよ? 私は味方ではなく」
「味方になるんですよ?」
「……わかったっす」
沙鳥の圧に負けて都はしゅんとなる。
「えへへ……味方になるの? えへへ」
瑠奈が両手をワキワキしながら都に近寄る。
うーん瑠奈は相変わらず……。
……ん?
んん!?
そこには当然のように瑠奈がいた。
隣には朱音もいた。
「瑠奈、帰ってきてたの?」
「うん。もう精霊操術の最奥使えるようになったからね。それに伴い名前も変わったけど。瑠奈・微風∴シルフィード・シルフに」
つまりシルフとも契約したのか。
そっか。ルーナエアウラさんがいなくなったからシルフもフリーか。
「シルフィードと違ってシルフは口喧しいけど、まあ戦力が増えるなら」
話を聞くに、人の争いには介入できないけど敗北したのはシルフでも苦しいらしい。
と、舞香が冷蔵庫を開けビールを取り出した。
こんなときにお酒とは……ある意味平和だなぁ。
「……わたしも飲む」
瑠奈が舞香からビールを奪い取った。
え?
瑠奈って下戸だって言っていたじゃん。
「だめです。あなたは酒癖悪いんですから」
「いいもん。きょうくらい疲れたから飲むもん」
酒癖悪いのか……。
舞香は仕方なく新しいのをもう一本出した。
「んっんっんっ」
不味そうに飲むなぁ……。
瑠奈はビールが心底気に入らないといった表情で飲み干した。
「未成年なのに飲んでいいんすか? まあ、あんたら覚醒剤売り捌くほどだから関係ないっすか」
「言っておきますが私たちは覚醒剤をやりませんし、飲酒も二十歳になってからです。瑠奈さんはとっくに二十歳を越えています」
「嘘つけ。どこにこんな幼い成人がいるんすか」
都は腑に落ちないといった表情で床に座る。
「……んあ」酔っぱらったのか瑠奈は頬を染めながら口を開く「微風瑠奈の名(な)に於(お)いて 風の精霊を喚起(かんき)する」
「ちょっ!? 瑠奈、なに詠唱を始めてるのさ!?」
「契約(けいやく)に従(した)がい 今(いま) 此処(ここ)に現界(げんかい)せよ シルフィード シルフ!」
パァッと光った粒子が飛来したかと思えば、シルフィードとシルフが同時に姿を露にした。
『瑠奈、何の用かしら? 私は貴女に協力は誓ったけど不用時に呼び出してほしくないのだけど』
『瑠奈……酔っぱらってるんです?』
「……精霊ってやたら純潔に拘るじゃん? つまり本人たちはエロいことしないわけ?」
んん?
瑠奈はこれを訊くために精霊を呼び出したの?
ま、まさかぁ……。
『当然よ。貴女みたいに不潔なひとと一緒にしないでちょうだい』
「つまり、処女! うはっ、不潔なことなんて死んでもしたくないと言い張るほどの純潔を携えた大精霊とやらを、めちゃくちゃに犯したいなぁ……えへ、えへへ、どんな乱れた姿を晒してくれるのかなぁ……はぁはぁ、そんな美少女なエッチい顔しといて勿体ないあっわたしにレイプされるために処女取っといてくれたんだねいただきます」
『ひっ!』
シルフはゾワゾワっとした表情を浮かべ瑠奈から離れる。
『瑠奈……その、精霊操術師に不潔は大敵なのですよ。精霊操術師は基本的に皆処女性を保っています。瑠奈くらいですよ、そんな肉欲なの』
「うるさいシルフィード。てかシルフィードも処女なの?」
『精霊はそもそも処女非処女という分類からしてありません。私たちみたく人間型もいますが、大抵はそこにいらっしゃるアリーシャさんの夢の精霊ドリーミーや、火の大精霊サラマンダーみたく非人間型です。風の大精霊は私やシルフさんみたく女性型やジンさんやジルフみたく男性型と人間型が多いですがきゃあ!』
シルフィードが説明をしている最中、瑠奈はシルフィードのスカートを捲り上げた。緑色のリボンが着いた可愛らしい下着が一瞬露になる。
「そんなエロい下着つけといて本当は期待してるんじゃないの?」
『してません!』
「……じゃあシルフィードはわたしとしたくないの?」
瑠奈はうるうると瞳を滲ませる。
な、なんだこのやり取り……都がドン引きしているし、舞香や沙鳥も大精霊の登場にいまいちなんと言っていいのかわからないような複雑な表情のまま黙ってしまっている。
動じていないのは朱音だけだ。
『……むぅ』
『むぅって、貴女、いくら精霊の道に背いたからと言って、人間と交わるなんて言い出すんじゃないわよ?』
「シルフうるさい。いるよねー、ガードが硬い奴。いいじゃん女の子同士なんだし。精霊操術師だってどうせ本当は精霊操術師同士でちちくりあってるんだよ」
瑠奈が謎の暴論を吐いている最中、フレアの声が聴こえた。
『……私も呼んでくださいお願いします』
「ええ? ……なんで?」
『いいからお願いします!』
フレアの圧を感じる。
仕方なく詠唱することにした。
「……こほん。我と契りを結びし火の精霊よ 私にとっての光となる炎よ 我にちからを貸してくれ フレア」
赤い閃光が広がったあと、フレアが姿を現した。
『シルフ様、シルフィード様! お初にお目にかかります! 下級精霊のフレアです!』
『え? ……ふーん。そこの少女が火の精霊操術師だと聞いて、イフリートかサラマンダーのどちらかと思えば、こんな小娘の下級精霊だったなんて。よくこんなのと契約する気になったわね? 箔がつかないんじゃないかしら?』
「なっ!?」
フレアをバカにされてカチンと来てしまった。
フレアは凄い、凄いんだぞ?
そもそも私なんかと契約してくれたし。
『シルフさん……この杉井豊花は瑠奈とは違ってこちらの世界の住人が一から精霊操術師になったんですよ? 大精霊は取り合ってくれませんよ』
「あのさ、せっかく挨拶しに出てきた精霊に対してあまりにも酷くない? 私にとってフレアは唯一無二のパートナーなんだよ?」
『いえいえ、お二方に比べれば私なんてカスみたいなものですよ。地のノーム様やノーミーデス様、水のウンディーネ様やニンフ様、火のイフリート様やサラマンダー様と肩を並べるシルフ様、シルフィード様、お二人に会えるなんて光栄です!』
フレアは悪口を気にしていないのかシルフとシルフィードに会えたことにいたく感動している。
てか……ただでさえ、舞香、沙鳥、瑠奈、朱音、ゆき、鏡子、香織、宮田さん、都、アリーシャ、みこ、私と12人と部屋の許容範囲を越えている人口密度なのに、シルフィード、シルフ、フレアまで来たら酸欠になりそうなくらい人口過密だ。
「とにかく瑠奈さんは精霊操術の最奥を扱えることになったのですよね?」
「ああ……んー、まあね」
「では、早速明日、みこさんを連れて羽咲を討伐しに行ってください」
「だったらボクも行くよ……」
朱音が軽く手を挙げた。
「え? 朱音が?」
「うん。瑠奈が倒しきれなかった際に切り札をつかって羽咲を追い出しボクも死ぬ予定だから」
「なりません。朱音さんがいなければ覚醒剤の密造も密輸も瑠奈さんや豊花さんのマナの補填も裕璃さんとの交流もできなくなります」
「……でも、一応ボクも行くよ。これは決めたことなんだ。沙鳥に何を言われても変えられない」
朱音は強く決心したかのように譲らない。
「じゃあ私も行く。神殺しの剣が役に立つかもしれない」
「……わかりました。でも、誰一人欠けること羽咲と夜鳥の両名を倒してくださいね? 約束です」
「だいじょーぶ。わたしひとりでも羽咲をぼこぼこにしてこれるよ。自信はある! 今のわたしはルーナエアウラより強い! ね? シルフィード、シルフ?」
『貴女は気に食わないけど、四大精霊外のフェンリルなんかに負けて悔しいから、絶対勝つわよ』
シルフはルーナエアウラが敗北したことに相当腹が立っているらしい。
『……フェンリル様も大精霊ですが……たしかに格的には四大精霊よりは下です。それでもルーナエアウラさんに勝てたのは、羽咲という方の実力が相当高かったんでしょうね』
「豊花もこの際だから火界っていう火の精霊操術師の最奥使いなよ。あ、でもフィールド魔法みたいなものだからわたしがマナ切れ起こしたあとだけど」
「無茶言わないでよ……」
『とりあえず明日に備えて私たちは休むわよ』
『瑠奈、また明日です』
シルフとシルフィードは姿を消した。
フレアも私に頭を下げ、それにつづいた。
「……本当に倒せるんすか? 私が言うのもなんだけど、羽咲以外のメンバー全員で殺しにかかっても逆立ちしても勝てない相手ですよ?」
「そんなことより舞香?」
「なにかしら?」
瑠奈は都を無視して舞香に顔を向けた。
「沙鳥は非処女じゃん? 舞香はどうなの?」
「ごふっ!?」舞香はビールを噴き出した。「あのね……そういうことは聞かないの」
「瑠奈さん、もしも舞香さんに手出ししたら地球の裏側まで追いかけて殺しますよ?」
「わかったわかった。じゃあ都ちゃんは?」
「私っすか? ……これどっちだって言ったほうが襲われません?」
「処女だって言ったら襲われるよ」
私は都に耳打ちする。
「じゃあ非処女っす」
「じゃあ? じゃあ!? かーっ、これだからオスを受け入れた女はくだらない。女の子からメスに成り下がるんだぁ。あーいやだいやだ臭い臭い」
「……腹立つっすね……なんなんすかこのガキ」
「あんたより年上ですぅべろべろばー」
いや、見た目的には確実に都のほうが年上なんだけどね……。
「だから瑠奈さんにお酒を飲ますなと言ったんですよ。性欲が普段以上に溢れて暴走するんですから……」
話を聞くに、昔も失礼なことばかり言ったうえ瑠奈も翌日体調を崩したから、飲酒はするなと伝えていたらしい。本人も酒よりタバコ派だったため提案は受け入れられたみたいだけど……稀に飲酒するとこうなるらしい。
なんだかんだで時は経ち、ついに羽咲討伐の日がやってきたーー。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
WIN5で六億円馬券当てちゃった俺がいろいろ巻き込まれた結果現代社会で無双する!
TB
ファンタジー
小栗東〈おぐりあずま〉 二十九歳 趣味競馬 派遣社員。
その日、負け組な感じの人生を歩んできた俺に神が舞い降りた。
競馬のWIN5を的中させその配当は的中者一名だけの六億円だったのだ。
俺は仕事を辞め、豪華客船での世界一周旅行に旅立った。
その航海中に太平洋上で嵐に巻き込まれ豪華客船は沈没してしまう。
意識を失った俺がつぎに気付いたのは穏やかな海上。
相変わらずの豪華客船の中だった。
しかし、そこは地球では無かった。
魔法の存在する世界、そしてギャンブルが支配をする世界だった。
船の乗客二千名、クルー二百名とともにこの異世界の大陸国家カージノで様々な出来事はあったが、無事に地球に戻る事が出来た。
ただし……人口一億人を超えるカージノ大陸と地球には生存しない魔獣たちも一緒に太平洋のど真ん中へ……
果たして、地球と東の運命はどうなるの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる