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エピローグ/後日談
30:つなぐ未来に④
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「いや、それはわかってる! でもでも、だってさぁ、エルナドくんとシアちゃんの子は、まさしく国の希望。白と黒の融和の象徴だもの。王として、ちゃんと生まれてもらわないと困るし気にかけてたんだよ?」
「人の子は、国の道具ではありませんよ」
「そうです、人でなし」
「臣下を何だと思ってるんですか」
「エルナド様、もう魔道具つくってあげなくていいですよ」
「ええっ、それは困るなぁ~?」
あんまりな言葉に王をなじろうとおもっていたが、先に王の部下たちに散々言われてしまい、エルナドは口をつぐんだ。護衛についているふたりのこれは、不敬ではないのだろうか?
毎回気になるが、王はいつもながらあっけらかんとしていた。
「待って待って、待ってって! でもちゃんと、僕なりの親心で手助けしてあげようと思って呼んだんだからさぁ」
ヴィンスフェルトはそう言って、胸元から何かを取り出した。
小さな銀の腕輪だ。淡く蒼い宝石がはめ込まれており、まるで脈打つように光っている。
「これ、渡したくてね。そっちに僕が行ってもよかったけど、僕って結構有名人でしょ? 王が直々にニグラード領に何かを下賜した!! なんてちょっとおっきなニュースになっちゃうじゃん」
「……。それは、そうですね」
エルナドは警戒の色を滲ませながらも、その腕輪を受け取った。
手にした瞬間、魔力の濃度に気付く。生半可なものではない。
「これは、随分と古い魔術式ですね。効果は……増幅?」
「さすがニグラード卿、大正解!! 昔、僕の友だち作ったけどもういらなくなったからってくれたんだ」
「陛下。魔力過多が原因だと私は考えているのですが、魔力を増幅するのですか?」
「そうそう、逆効果に見えるよね。でも君たち、エルナドくんとシアちゃんは、おそらく魔力量が拮抗しすぎてて、反発しあってるんだ。要するに魔力が多い者同士だからそもそも上手くいってないんだよね。極大な魔力同士が触れあうと、弾きあって逆に子を宿す余地がなくなる」
こんな感じ、とヴィンスフェルトは両手のひらを合わせてみせた。
「だけど、どちらかが極端に多くなれば少ない方が受け入れる側に自然と傾くんだよ。まぁ負けちゃうっていうか、屈服させられるっていうか」
「……均衡を崩せと?」
「そうそう!」
エルナドは目を伏せたまま、指先で腕輪の縁をなぞった。美しい蒼い宝石がわずかに震えている。
確かに異質で、強力な魔力を秘めた品だった。
そしてその魔力は、驚くほどに優しくて静謐だ。
「――このようなことに、お借りしてもよろしいのでしょうか」
「大事なことでしょ? それに借すんじゃなくて、あげるよ。」
「?」
ニヤニヤと笑ったまま、ヴィンスフェルトは口元に手を当ててわざとらしく囁くように言った。
「ちなみに魔力以外もいろいろ増幅するから、三日三晩は時間の余裕取ったほうがいいよ?」
下世話な調子のその言葉にエルナドは思わずせき込んだ。
「人の子は、国の道具ではありませんよ」
「そうです、人でなし」
「臣下を何だと思ってるんですか」
「エルナド様、もう魔道具つくってあげなくていいですよ」
「ええっ、それは困るなぁ~?」
あんまりな言葉に王をなじろうとおもっていたが、先に王の部下たちに散々言われてしまい、エルナドは口をつぐんだ。護衛についているふたりのこれは、不敬ではないのだろうか?
毎回気になるが、王はいつもながらあっけらかんとしていた。
「待って待って、待ってって! でもちゃんと、僕なりの親心で手助けしてあげようと思って呼んだんだからさぁ」
ヴィンスフェルトはそう言って、胸元から何かを取り出した。
小さな銀の腕輪だ。淡く蒼い宝石がはめ込まれており、まるで脈打つように光っている。
「これ、渡したくてね。そっちに僕が行ってもよかったけど、僕って結構有名人でしょ? 王が直々にニグラード領に何かを下賜した!! なんてちょっとおっきなニュースになっちゃうじゃん」
「……。それは、そうですね」
エルナドは警戒の色を滲ませながらも、その腕輪を受け取った。
手にした瞬間、魔力の濃度に気付く。生半可なものではない。
「これは、随分と古い魔術式ですね。効果は……増幅?」
「さすがニグラード卿、大正解!! 昔、僕の友だち作ったけどもういらなくなったからってくれたんだ」
「陛下。魔力過多が原因だと私は考えているのですが、魔力を増幅するのですか?」
「そうそう、逆効果に見えるよね。でも君たち、エルナドくんとシアちゃんは、おそらく魔力量が拮抗しすぎてて、反発しあってるんだ。要するに魔力が多い者同士だからそもそも上手くいってないんだよね。極大な魔力同士が触れあうと、弾きあって逆に子を宿す余地がなくなる」
こんな感じ、とヴィンスフェルトは両手のひらを合わせてみせた。
「だけど、どちらかが極端に多くなれば少ない方が受け入れる側に自然と傾くんだよ。まぁ負けちゃうっていうか、屈服させられるっていうか」
「……均衡を崩せと?」
「そうそう!」
エルナドは目を伏せたまま、指先で腕輪の縁をなぞった。美しい蒼い宝石がわずかに震えている。
確かに異質で、強力な魔力を秘めた品だった。
そしてその魔力は、驚くほどに優しくて静謐だ。
「――このようなことに、お借りしてもよろしいのでしょうか」
「大事なことでしょ? それに借すんじゃなくて、あげるよ。」
「?」
ニヤニヤと笑ったまま、ヴィンスフェルトは口元に手を当ててわざとらしく囁くように言った。
「ちなみに魔力以外もいろいろ増幅するから、三日三晩は時間の余裕取ったほうがいいよ?」
下世話な調子のその言葉にエルナドは思わずせき込んだ。
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