22 / 26
第21話 姉の憤怒
しおりを挟む
「ほら!かいちゃんさっさと歩く!反省会はたっぷりじっくりことこととしてあげるから覚悟しなさい!」
「姉さん、それじゃポタージュできちゃうから」
「口答えしない!!!」
「はい……」
あれから結局、幸さんの状態が戻ることはなく、姉に怒られながら家に帰ることになった。
朱さんには帰り際に
「あんまり気にしないで大丈夫よ。
男の子の劣情を煽った幸ちゃんにも非があるわけだしね。ただ、幸ちゃんを泣かせたのは別問題ね?
まぁそこは後々にね。それじゃ気をつけて帰ってね」
と言われた。
一瞬ニコニコしながらものすごい迫力だったのは気のせいではないのだろうなぁ。
なんか着々と朱さんに弱みを握られてる気がする。
「ねぇ、かいちゃん」
「なに?」
家に向かってる途中、無言だったのだが
「そんなに我慢してたの……?」
変にモジモジしながら海深が話しかけてきた。
「我慢て、何を?よくわかんないよ」
「いや、なんでもないならそれでいいの!
変なこと聞いてごめんね。」
「そう。ならいいや」
我慢とは何のことやら、この姉はどんな意図で質問してきたのだろう。そんなことを疑問に思いながら結局その後は特に話をすることなく家に着いた。
目白家ではあんなことが起きてしまったので、まだ夕飯を食べていない。
幸い、作った豚の角煮を半分分けてもらえることになったので、持って帰ってきて2人で食べることになった。
家に着き一旦自室に戻り部屋着に着替え、姉が食事の用意をしているリビングに向かった。
リビングに入って目に入った光景に目を疑った。
「あの姉さん、なんで先に食べてるの?」
「だってお腹すいちゃったのだもの、仕方ないじゃない。」
「なら仕方ないね」
食欲に抗えなかったのなら仕方ないと、諦めた。
「ついでにもう一ついい?」
「どうぞ」
だが見落としてはならない事実がまだあるのだ。
「どうして、俺の分の食事が用意されてないの!?」
そう、豚の角煮は海深の分しか出ておらず、俺の分の箸、茶碗等が一切用意されていなかったのだ。
「ねぇ、かいちゃん」
「なに!!!………ひっ……!」
自分の食事が用意されていなかったことに少し腹を立て、イラつきながらも反応するとそこには笑顔でいながらも明らかに目が笑っていない姉の姿がそこにはあった。
「ねぇ、かいちゃん。私今とっても怒ってるの。
なんでだと思う?」
自分より小さい姉なのに、錯覚なのかとても大きく見えてしまった。
威圧感が尋常じゃないのである。
「えっと、女の子である幸さんにあんなことをしたから……?」
ついさっき起きたことに怒っているのだろうと踏み答えた。
「それもあったわね。うん、後でじっくり聞くわね。
『 あんなに愛し合っていたのに!』だっけ?ふーん、やるようになったわね。いやヤるようにかな?」
「待って最後なんかニュアンス変えたよね?てかその事じゃないの!?」
どうやら違うようであった。
と言うよりも威圧感がより増したことから油に火を注いでしまったようである。
「私が怒ってるのはね、私の出迎えよりも幸ちゃん達を優先したことよ!!!」
うん、これは全面的に俺が悪いや。
「姉さん、それじゃポタージュできちゃうから」
「口答えしない!!!」
「はい……」
あれから結局、幸さんの状態が戻ることはなく、姉に怒られながら家に帰ることになった。
朱さんには帰り際に
「あんまり気にしないで大丈夫よ。
男の子の劣情を煽った幸ちゃんにも非があるわけだしね。ただ、幸ちゃんを泣かせたのは別問題ね?
まぁそこは後々にね。それじゃ気をつけて帰ってね」
と言われた。
一瞬ニコニコしながらものすごい迫力だったのは気のせいではないのだろうなぁ。
なんか着々と朱さんに弱みを握られてる気がする。
「ねぇ、かいちゃん」
「なに?」
家に向かってる途中、無言だったのだが
「そんなに我慢してたの……?」
変にモジモジしながら海深が話しかけてきた。
「我慢て、何を?よくわかんないよ」
「いや、なんでもないならそれでいいの!
変なこと聞いてごめんね。」
「そう。ならいいや」
我慢とは何のことやら、この姉はどんな意図で質問してきたのだろう。そんなことを疑問に思いながら結局その後は特に話をすることなく家に着いた。
目白家ではあんなことが起きてしまったので、まだ夕飯を食べていない。
幸い、作った豚の角煮を半分分けてもらえることになったので、持って帰ってきて2人で食べることになった。
家に着き一旦自室に戻り部屋着に着替え、姉が食事の用意をしているリビングに向かった。
リビングに入って目に入った光景に目を疑った。
「あの姉さん、なんで先に食べてるの?」
「だってお腹すいちゃったのだもの、仕方ないじゃない。」
「なら仕方ないね」
食欲に抗えなかったのなら仕方ないと、諦めた。
「ついでにもう一ついい?」
「どうぞ」
だが見落としてはならない事実がまだあるのだ。
「どうして、俺の分の食事が用意されてないの!?」
そう、豚の角煮は海深の分しか出ておらず、俺の分の箸、茶碗等が一切用意されていなかったのだ。
「ねぇ、かいちゃん」
「なに!!!………ひっ……!」
自分の食事が用意されていなかったことに少し腹を立て、イラつきながらも反応するとそこには笑顔でいながらも明らかに目が笑っていない姉の姿がそこにはあった。
「ねぇ、かいちゃん。私今とっても怒ってるの。
なんでだと思う?」
自分より小さい姉なのに、錯覚なのかとても大きく見えてしまった。
威圧感が尋常じゃないのである。
「えっと、女の子である幸さんにあんなことをしたから……?」
ついさっき起きたことに怒っているのだろうと踏み答えた。
「それもあったわね。うん、後でじっくり聞くわね。
『 あんなに愛し合っていたのに!』だっけ?ふーん、やるようになったわね。いやヤるようにかな?」
「待って最後なんかニュアンス変えたよね?てかその事じゃないの!?」
どうやら違うようであった。
と言うよりも威圧感がより増したことから油に火を注いでしまったようである。
「私が怒ってるのはね、私の出迎えよりも幸ちゃん達を優先したことよ!!!」
うん、これは全面的に俺が悪いや。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる