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第二章 ライザイの街
魔物の暴走①ー(1)ザフレ視点
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「‥‥‥っ!」
二人で愚痴を言ったり現状報告をし合ったりとゆったりとした時間を過ごしていると、俺の身体に突然悪寒が走った。
それはハンギュも同じのようでハンギュの顔はとても険しいものになっていた。
「ザフレ、何か嫌な感じがしないか?」
「あぁ、何かは分からないがとてつもなく嫌な感じがする」
俺たちは元だが高ランク冒険者になると、何か大きなことが起きる時、体に悪寒が走る。
魔物の暴走であったり、災害級の魔物の出現など。
今回も恐らくその類だろう。
「失礼します。ギルドマスター、緊急事態です。西のサイラントの森で魔物の大群が目撃され、現在ではその大群はこの街に侵攻してきていると」
俺たちの悪寒の正体を知らせるように顔を強張らせた様子で入ってきた受付嬢の説明に俺とハンギュは互いの顔を見合わせた。
「サイラントの森は低ランク冒険者が活動する森だぞ。冒険者の被害は?」
「Eランクの冒険者パーティがその大群に遭遇し、撤退を選んだそうですが襲われ一人は瀕死の状態です」
受付嬢はハンギュの言葉に淡々と用意されていたように答える。
優秀な受付嬢なんだろう。
「そうか。ユリア、騎士団に至急協力を仰げ。瀕死の冒険者にはギルド内にある上級治癒薬を生死が安定するまで使え。なんとしても生かせ」
「承知しました」
受付嬢はハンギュの指示を聞き終えると、急いで部屋を出た。
指示を出したハンギュは覚悟を決めたような顔をしていた。
俺たち各街の冒険者ギルド、ギルドマスターにおいて最も重要視されるのは緊急時の即時の対応力だ。
ゆっくりと考えていると間に合わない場合もある。
が、即時決断を出すことは何かを捨てなければいけない時が来る。
俺たちは魔物の暴走が起こった時にはあらかじめ覚悟決めておく必要がある。
「大丈夫か?」
「ふぅ。問題ない。ザフレ頼みがある」
俺が声をかけるとハンギュは一息吐き俺の目を見て行った。
「なんだ?」
「久しぶりに斬豪ザフレとして戦ってはくれないか?」
「分かった、頼まれてやる」
その言葉に俺は思わずハンギュに笑いかけてしまった。
しかし、斬豪ザフレとは懐かしい名前を聞いた。
♢♢♢♢
ハンギュと共にギルドの一階に行くと、中心には血塗れになった男の冒険者が横たわっていた。
恐らくさっき言っていた瀕死の冒険者は彼のことだろう。
彼と同じパーティと思われる血があちらこちらについた冒険者たちが上級治癒薬を体の至る所にかけ、辛うじて息をしている口から飲まそうとしている。
誰もがその様子を見守り、俺たちが降りてきたことに気づいている者はいない。
「よく聞け!今から緊急依頼を出す。Cランク以上はサイラントの森に向かい魔物を討伐してもらう。それ以下の冒険者は住民を安全な場所へ避難させ被害を最小限に抑えろ。報酬は大銀貨十枚だ。討伐に行く者は倒した魔物の証明となるものを持って帰って来れば報酬を追加してやろう!」
ハンギュがよく通る声でギルド内に居た冒険者たちに伝えると、一瞬で冒険者たちの顔がハンギュのほうへ向いた。
「ギ、ギルドマスター、僕はCランクだけど薬草採取が専門です。魔物の討伐なんてとてもじゃないけど無理です‥‥‥!」
「もちろん、強制はしない。だが魔物討伐は無理でも住民の避難誘導は出来るだろう。何度も言うがこの依頼は強制ではない。が、もし何かしたいと思うのならば街に残り、各々出来る最低限のことをしろ」
見るからに気の弱そうな冒険者がそっと手を挙げてハンギュに言うと、ハンギュはその冒険者を見た後、ギルド全体を見渡し力強く言った。
俺はその横でツバキは居ないかと目で探すと、質問攻めにあっていたのか女性陣の中にポツリと立っていた。
あいつ、自分の容姿がいい意味で目立っていることに気付いてない節があるからな。
どうしてイケメン+無意識がついてくるのだろうか。
緊急事態のはずなのに俺の心の中ではツバキについてしみじみと考えていた。
「ギルドマスター、了解したと。騎士団の方が」
「分かった。いいか今回の件には領の騎士団との合同討伐になる。不必要なプライドは捨てろ。今お前たちが持っていていいのは住民やこの街を救う気持ちだ。ただし死なことは許さない。分かったか!」
「「「「「「はい!」」」」」」
受付嬢の報告を聞くと、ハンギュは大きく息を吸い、叫んだ。
その叫びに応じるかのように冒険者たちは一斉に声を揃え返事をした。
ツバキはその気迫に乗せられているようではあったが。
「では各々やるべき事にかかれ!」
ハンギュの号令でギルド内にいた森に向かう冒険者たちは、我先にとギルドを出ていった。
他の冒険者たちはギルドに残り受付嬢から説明を受けていた。
「ザフレちょっと良いか?」
その様子を見ていると、ハンギュが小声で話しかけてきた。
「どうした?」
「ザフレにはこの街の警護をして欲しい。頼めるか?」
ギルドの隅に移動すると、ハンギュは申し訳なさそうに言った。
「さっきも言っただろう。頼まれてやるよ」
「助かる」
俺が返事をするとハンギュはうっすらと笑った。
「お前はどうするんだ?」
「俺はここに残って指示をする事になるだろうな」
「やっぱそうだよな。討伐したいか?」
「どうなんだろうな‥‥。いや、今はそんなことよりだな」
二人で話していると受付嬢がこちらをチラチラと見ているのが二人とも目に入り、そこで会話を終えた。
「ギルドマスター上級治癒薬の在庫が‥‥」
「まさかもうないのか?」
「‥‥はい」
「在庫には余裕があったはずだが?」
「先程討伐に行かれた冒険者さんたちに支給しました」
ハンギュはギョッとした顔で聞き受付嬢の回答に深いため息をついた。
「そうか。負傷した冒険者の容態は?」
「最悪の状態は脱したようですが、まだ危険な状態に変わりわないかと」
「光属性持ちは‥‥いないよな」
ハンギュは万事休すとでも言いたそうにそう溢した。
ハンギュのいう光属性は聖属性の劣化版だ。
劣化版と言っても治癒は出来る。
ただ性能が落ちるだけだ。
上級治癒薬がないのならば光属性を頼るしかないが、この属性は極端に持っている人が少くなく、それに加え、適正のある人は教会が保護に動くため必然的にいなくなると言うわけだ。
もちろん教会の保護を受けない者もいるがそれは五本の指に入るほどの人数だ。
「教会に要請はどうだ?」
「今からでは冒険者さんの体力が持ちません」
「エリナはどうだ?確かあいつ光属性に適性があったよな」
「無理だな。俺は魔法がからっきしだからギルドの通信魔道具で連絡してもらう事になるが、それで急いできたとしても冒険者の体力が持つかどうか」
ハンギュは俺に縋るように聞いてきたが、その質問は酷だが無理な話だった。
エリナが急いできて、大体二十分くらいだろうか、だいぶ早いがそれでも今は冒険者の体力が持つ確証はない。
というか一刻を争う状態だ。
「やはりか。くそっ!なぜ効かない。四肢欠損をも治す上級治癒薬だぞ。なぜだ‥‥‥あ、これなら」
「どうしたハンギュ」
「その負傷した冒険者はなにに襲われたと言っているんだ?」
ハンギュは言葉を発するのを辞め、数秒考え込むと何かを思い出したように口を開いた。
「背後から襲われたそうで、よく覚えていないと。それに魔物の大群が迫ってきていたので分かったていたとしても不明瞭です」
「だよな。残っている冒険者の中で、鑑定が使える者を呼んできてくれ」
「承知しました」
受付嬢はハンギュの指示を聞き、即座にCランク以下の冒険者たちが集まっている場所へ急ぐようにかけていった。
「鑑定ならツバキが使えると思うが何をする気だ?」
「優秀だな彼は。お前も知ってるだろ、暗黒の大暴走のこと」
「知ってるがそれがどう‥‥そういうことか!」
暗黒の大暴走とは約数百年前に起きた魔王軍による攻撃のことをそう呼称する。
その時に神により遣わされた歴代最強の勇者として名を残している勇者ヤナセによってその当時の魔王は倒された。
それからというもの魔王軍の攻撃は今現在までパタリとやんでいる。
そしてこの暗黒の大暴走の中には勇者にまつわる幾つかの御伽話が残っている。
その中でも特に有名なのが〝勇者の瞳〟という話だ。
〝ある時、勇者の仲間の家族が魔物に襲われどんな処置をしても一向に良くならなかった。家族は途方に暮れ、ただ死を待つのみなのかと思っていた。そんな時、勇者が襲った魔物名を言い、疑問に思いながら勇者の言う通りに処置をすると、その家族は先ほどまでが嘘のように元気になった。その時の勇者の瞳は綺麗な碧色に変わっていたという〟
〝勇者の瞳〟というのはこういう話だ。
恐らくハンギュはこの御伽話を現実で実践しようとしている。
勇者が使ったのは話の内容から察するに鑑定だろうから、今回冒険者を襲った魔物の鑑定をすれば処置の方法が見えてくると思っているのだろう。
「しかし、お前と俺が考えているものが同じことなら、相当高位の鑑定技術を持っていた事になるんじゃないのか?」
「まぁな、そこが懸念なんだが。試してみる価値はあるとは思わないか?」
「そうだが、冒険者が持たないかもしれないんだぞ」
「それも承知だ。この考えが通用せず、最悪の状況になった時は俺が潔く責任を取る」
「分かった」
しばらく論争が続いた後、覚悟を決めたようなハンギュの目と言葉を聞いて俺はそれ以上何かを言う事が出来なかった。
二人で愚痴を言ったり現状報告をし合ったりとゆったりとした時間を過ごしていると、俺の身体に突然悪寒が走った。
それはハンギュも同じのようでハンギュの顔はとても険しいものになっていた。
「ザフレ、何か嫌な感じがしないか?」
「あぁ、何かは分からないがとてつもなく嫌な感じがする」
俺たちは元だが高ランク冒険者になると、何か大きなことが起きる時、体に悪寒が走る。
魔物の暴走であったり、災害級の魔物の出現など。
今回も恐らくその類だろう。
「失礼します。ギルドマスター、緊急事態です。西のサイラントの森で魔物の大群が目撃され、現在ではその大群はこの街に侵攻してきていると」
俺たちの悪寒の正体を知らせるように顔を強張らせた様子で入ってきた受付嬢の説明に俺とハンギュは互いの顔を見合わせた。
「サイラントの森は低ランク冒険者が活動する森だぞ。冒険者の被害は?」
「Eランクの冒険者パーティがその大群に遭遇し、撤退を選んだそうですが襲われ一人は瀕死の状態です」
受付嬢はハンギュの言葉に淡々と用意されていたように答える。
優秀な受付嬢なんだろう。
「そうか。ユリア、騎士団に至急協力を仰げ。瀕死の冒険者にはギルド内にある上級治癒薬を生死が安定するまで使え。なんとしても生かせ」
「承知しました」
受付嬢はハンギュの指示を聞き終えると、急いで部屋を出た。
指示を出したハンギュは覚悟を決めたような顔をしていた。
俺たち各街の冒険者ギルド、ギルドマスターにおいて最も重要視されるのは緊急時の即時の対応力だ。
ゆっくりと考えていると間に合わない場合もある。
が、即時決断を出すことは何かを捨てなければいけない時が来る。
俺たちは魔物の暴走が起こった時にはあらかじめ覚悟決めておく必要がある。
「大丈夫か?」
「ふぅ。問題ない。ザフレ頼みがある」
俺が声をかけるとハンギュは一息吐き俺の目を見て行った。
「なんだ?」
「久しぶりに斬豪ザフレとして戦ってはくれないか?」
「分かった、頼まれてやる」
その言葉に俺は思わずハンギュに笑いかけてしまった。
しかし、斬豪ザフレとは懐かしい名前を聞いた。
♢♢♢♢
ハンギュと共にギルドの一階に行くと、中心には血塗れになった男の冒険者が横たわっていた。
恐らくさっき言っていた瀕死の冒険者は彼のことだろう。
彼と同じパーティと思われる血があちらこちらについた冒険者たちが上級治癒薬を体の至る所にかけ、辛うじて息をしている口から飲まそうとしている。
誰もがその様子を見守り、俺たちが降りてきたことに気づいている者はいない。
「よく聞け!今から緊急依頼を出す。Cランク以上はサイラントの森に向かい魔物を討伐してもらう。それ以下の冒険者は住民を安全な場所へ避難させ被害を最小限に抑えろ。報酬は大銀貨十枚だ。討伐に行く者は倒した魔物の証明となるものを持って帰って来れば報酬を追加してやろう!」
ハンギュがよく通る声でギルド内に居た冒険者たちに伝えると、一瞬で冒険者たちの顔がハンギュのほうへ向いた。
「ギ、ギルドマスター、僕はCランクだけど薬草採取が専門です。魔物の討伐なんてとてもじゃないけど無理です‥‥‥!」
「もちろん、強制はしない。だが魔物討伐は無理でも住民の避難誘導は出来るだろう。何度も言うがこの依頼は強制ではない。が、もし何かしたいと思うのならば街に残り、各々出来る最低限のことをしろ」
見るからに気の弱そうな冒険者がそっと手を挙げてハンギュに言うと、ハンギュはその冒険者を見た後、ギルド全体を見渡し力強く言った。
俺はその横でツバキは居ないかと目で探すと、質問攻めにあっていたのか女性陣の中にポツリと立っていた。
あいつ、自分の容姿がいい意味で目立っていることに気付いてない節があるからな。
どうしてイケメン+無意識がついてくるのだろうか。
緊急事態のはずなのに俺の心の中ではツバキについてしみじみと考えていた。
「ギルドマスター、了解したと。騎士団の方が」
「分かった。いいか今回の件には領の騎士団との合同討伐になる。不必要なプライドは捨てろ。今お前たちが持っていていいのは住民やこの街を救う気持ちだ。ただし死なことは許さない。分かったか!」
「「「「「「はい!」」」」」」
受付嬢の報告を聞くと、ハンギュは大きく息を吸い、叫んだ。
その叫びに応じるかのように冒険者たちは一斉に声を揃え返事をした。
ツバキはその気迫に乗せられているようではあったが。
「では各々やるべき事にかかれ!」
ハンギュの号令でギルド内にいた森に向かう冒険者たちは、我先にとギルドを出ていった。
他の冒険者たちはギルドに残り受付嬢から説明を受けていた。
「ザフレちょっと良いか?」
その様子を見ていると、ハンギュが小声で話しかけてきた。
「どうした?」
「ザフレにはこの街の警護をして欲しい。頼めるか?」
ギルドの隅に移動すると、ハンギュは申し訳なさそうに言った。
「さっきも言っただろう。頼まれてやるよ」
「助かる」
俺が返事をするとハンギュはうっすらと笑った。
「お前はどうするんだ?」
「俺はここに残って指示をする事になるだろうな」
「やっぱそうだよな。討伐したいか?」
「どうなんだろうな‥‥。いや、今はそんなことよりだな」
二人で話していると受付嬢がこちらをチラチラと見ているのが二人とも目に入り、そこで会話を終えた。
「ギルドマスター上級治癒薬の在庫が‥‥」
「まさかもうないのか?」
「‥‥はい」
「在庫には余裕があったはずだが?」
「先程討伐に行かれた冒険者さんたちに支給しました」
ハンギュはギョッとした顔で聞き受付嬢の回答に深いため息をついた。
「そうか。負傷した冒険者の容態は?」
「最悪の状態は脱したようですが、まだ危険な状態に変わりわないかと」
「光属性持ちは‥‥いないよな」
ハンギュは万事休すとでも言いたそうにそう溢した。
ハンギュのいう光属性は聖属性の劣化版だ。
劣化版と言っても治癒は出来る。
ただ性能が落ちるだけだ。
上級治癒薬がないのならば光属性を頼るしかないが、この属性は極端に持っている人が少くなく、それに加え、適正のある人は教会が保護に動くため必然的にいなくなると言うわけだ。
もちろん教会の保護を受けない者もいるがそれは五本の指に入るほどの人数だ。
「教会に要請はどうだ?」
「今からでは冒険者さんの体力が持ちません」
「エリナはどうだ?確かあいつ光属性に適性があったよな」
「無理だな。俺は魔法がからっきしだからギルドの通信魔道具で連絡してもらう事になるが、それで急いできたとしても冒険者の体力が持つかどうか」
ハンギュは俺に縋るように聞いてきたが、その質問は酷だが無理な話だった。
エリナが急いできて、大体二十分くらいだろうか、だいぶ早いがそれでも今は冒険者の体力が持つ確証はない。
というか一刻を争う状態だ。
「やはりか。くそっ!なぜ効かない。四肢欠損をも治す上級治癒薬だぞ。なぜだ‥‥‥あ、これなら」
「どうしたハンギュ」
「その負傷した冒険者はなにに襲われたと言っているんだ?」
ハンギュは言葉を発するのを辞め、数秒考え込むと何かを思い出したように口を開いた。
「背後から襲われたそうで、よく覚えていないと。それに魔物の大群が迫ってきていたので分かったていたとしても不明瞭です」
「だよな。残っている冒険者の中で、鑑定が使える者を呼んできてくれ」
「承知しました」
受付嬢はハンギュの指示を聞き、即座にCランク以下の冒険者たちが集まっている場所へ急ぐようにかけていった。
「鑑定ならツバキが使えると思うが何をする気だ?」
「優秀だな彼は。お前も知ってるだろ、暗黒の大暴走のこと」
「知ってるがそれがどう‥‥そういうことか!」
暗黒の大暴走とは約数百年前に起きた魔王軍による攻撃のことをそう呼称する。
その時に神により遣わされた歴代最強の勇者として名を残している勇者ヤナセによってその当時の魔王は倒された。
それからというもの魔王軍の攻撃は今現在までパタリとやんでいる。
そしてこの暗黒の大暴走の中には勇者にまつわる幾つかの御伽話が残っている。
その中でも特に有名なのが〝勇者の瞳〟という話だ。
〝ある時、勇者の仲間の家族が魔物に襲われどんな処置をしても一向に良くならなかった。家族は途方に暮れ、ただ死を待つのみなのかと思っていた。そんな時、勇者が襲った魔物名を言い、疑問に思いながら勇者の言う通りに処置をすると、その家族は先ほどまでが嘘のように元気になった。その時の勇者の瞳は綺麗な碧色に変わっていたという〟
〝勇者の瞳〟というのはこういう話だ。
恐らくハンギュはこの御伽話を現実で実践しようとしている。
勇者が使ったのは話の内容から察するに鑑定だろうから、今回冒険者を襲った魔物の鑑定をすれば処置の方法が見えてくると思っているのだろう。
「しかし、お前と俺が考えているものが同じことなら、相当高位の鑑定技術を持っていた事になるんじゃないのか?」
「まぁな、そこが懸念なんだが。試してみる価値はあるとは思わないか?」
「そうだが、冒険者が持たないかもしれないんだぞ」
「それも承知だ。この考えが通用せず、最悪の状況になった時は俺が潔く責任を取る」
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