紫陽花旅館の殺人

mihuyu

文字の大きさ
上 下
9 / 22
二章

召集

しおりを挟む
布団をかけた後、女将さんの方を向いて
「この女性、どうやら毒殺されたようなんです
夕食を食べていた最中だったようなので、死亡推定時刻は夜8:00~8:30だと思われます。」
と告げた。女将さんは、眼を丸くして
「そんな!誰かに殺されたって事ですよね!?一体誰が!?」
大きな声で一息に言った。
「はい、この旅館に入るには受付を通るか塀を越えて窓から入るしかありません。なので、この旅館にいる誰かが荒太さんを殺した事になります。」
俺は冷静に淡々と女将さんに告げる。続いて、女将さんに言う。
「すみませんが、この旅館にいる人全員を集めていただけませんか。」
と言うと、女将さんはハッとした顔で
「分かりました。食堂でよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします。」
と言う会話をした後、女将さんは早歩きで受付の方へ行った。全員の部屋に電話をかけるのだろう。夕食が始まったのは8:00だ。今の時間なら全員部屋にいるだろう。


数十分後、宿泊客も従業員も全員が食堂に集まった。
俺は1人全員の前に立っていた、その時
「なんでこんな時間に集まらされたんだよ。明日もリモートで仕事だし、早く寝たいんだが」
と凄く機嫌が悪そうに神山さんが言った。
他の滝村さん以外の人も何が何だかという顔だったので、俺は本題に入った。
「この旅館で殺人事件が起きました。犯人はこの旅館にいる皆さんの中にいると考えています」
告げた瞬間全員が目を見開いてザワザワし始めた。
「これから皆さんに、今日の夕食の前何処にいたかお聞きします。」
しおりを挟む

処理中です...