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俺は、自分の寮の部屋のドアの前に立って、まだ入れずにいた。
部屋の中から怒鳴り声が聞こえてくるからだ。その声は3人、いや4人の声がする。
しだいに喧嘩しているような雰囲気になり、焦る。
「ダメ!何してんだ!」
俺は、ドアを思いっきり開け、中に入り喧嘩を止めようとしたが
「ルシオン!今までどこにいた!」
「お前、何してたんだ!」
そこにいたのは、部屋の同居人のヒューリ、そしてマクビルとテオルド、何故かグレース王子もいた。
マクビルとグレース王子は、俺に近づいてきて問い詰めてくる。ちょっと、怖い。
「えーと…。」
「ルシオン、ちゃんと説明してもらうよ。」
この2人の後ろでテオルドは、冷静に説明を求めてくる。こちらも怖い。
ネフィルの事は、何があっても言いたくない。
「………光魔法攻撃を研究してたら…自爆しちゃって……声が出なくなったから、救護のソフィー先生に、診てもらってて…そのま、お世話になってたんだよ…。」
「それならそうと、言えば良いだろ!」
間抜けな俺なら仕出かしそうな事を言って、何とか思いつきで誤魔化した。拙い説明で、納得してもらえたのか不安で、目が泳いでしまう。
マクビルはまだ怒っているようだし。
「ははは…そうだよね。…ごめん。」
「はぁ、まぁ良いよ。無事だったんだから。」
テオルドは盛大なため息をつきながらも、納得してくれたようだったが、グレース王子は何かを言いたそうに、苦い顔をしていた。
「とりあえずルシオン、戻って来たんだから、ゆっくりしなよ。お茶淹れてあげるから。ほら、皆も。」
ヒューリは気を使ってくれるが、心配かけていたんだよな。何も言わず、部屋に帰らなかったんだから。
「ヒューリ、ありがとう。…心配かけたな。」
「良いさ、おかえり。」
そう言って、俺の頭を撫でて、キッチンへ行ってしまった。
ヒューリ、マクビル、テオルド、グレース王子の顔を見て、俺は自分の居場所がここなんだと、嬉しくなった。
翌日、俺は生徒会室の部屋に向かった。
エルーシ殿下とセレスがいるだろう時間をみて、訪ねていく。
コンコン「失礼させてよろしいでしょうか?」
『どうぞ』と声がして、中に入る。
「失礼します。エルーシ殿下、この度は、お世話になりありがとうございました。」
俺は、頭を深く下げお礼を述べた。
そして、今度はセレスの方を向く。
「セレス兄さんも…ありがとうございました。」
俺は、セレスにも頭を下げた。
いまだに、目を合わせてくれないままだ。
「ルシオン、もう大丈夫なのか?」
エルーシ殿下は俺の心を確かめるように、厳しい表情だ。
「はい。まだ至らない所もありますが、学ばせて頂きました。」
「ふっ…そうか。……だが、私は友人の頼みを聞いただけだ。」
エルーシ殿下は笑顔になり、セレスの方を見た。
だが、セレスは俺から顔を背けてしまう。
「俺は……償いたいだけだ。」
「セレス兄さん……もう、自分を責めないで下さい。」
この間から、ずっと辛そうな顔をしている。そんなセレスを見ていられない。
「だが、俺は………自分を許せない。」
「セレス兄さんが自分を許してあげなければ、俺も自分を許せないままです。もう………。」
その後は、何を言っていいのか解らず、言葉が途切れる。
それを聞いたセレスは俺の方を向く。やっと、セレスの紫色の瞳と目が合った。
久しぶりに見たセレスの瞳は、綺麗だった。
胸に、一瞬だけナイフを刺されたよな、ズキンとした痛みが走ったかと思えば、身体にじわじわと甘く広がっていく。
うっ……何だこの感覚。苦しいようで甘く、もう一度味わいたくなる。
お互いに見つめ合っていた。その間、数分なのか1秒なのか、時を忘れていた。
「ルシオン……解った。………ありがとう。」
そう言って、セレスは笑ってくれた。まだ泣きそうで辛そうな笑顔だったが、俺は嬉しくなり胸が温かくなってくる。
「では俺はこれで失礼します。」
俺は、お辞儀をし、早口になり急いで生徒会室を後にした。
泣きそうになって、あれ以上あの場合に居れなかったからだ。
俺、どうしたんだろう。
嬉しくなったり、泣きたくなったり…。
だが俺は、騎士になるため頑張ると決めた今、この感情は忘れる事にした。
「セレス、追いかけないのか?彼、泣きそうな顔をしてたぞ。」
エルーシ殿下は、元気の無い友人を心配していた。
先ほど、お互いに熱く見つめあっていたのに、その後すぐ泣きそうになっていて、2人は両想いなのだと悟った。
なのに何故、伝えないんだ?何故、離れる。
「今は……。この間のように、拒否されるのが怖いんですよ。俺は、弱い男です。」
「そうか…。」
エルーシ殿下は、そっと深いため息をついた。
部屋の中から怒鳴り声が聞こえてくるからだ。その声は3人、いや4人の声がする。
しだいに喧嘩しているような雰囲気になり、焦る。
「ダメ!何してんだ!」
俺は、ドアを思いっきり開け、中に入り喧嘩を止めようとしたが
「ルシオン!今までどこにいた!」
「お前、何してたんだ!」
そこにいたのは、部屋の同居人のヒューリ、そしてマクビルとテオルド、何故かグレース王子もいた。
マクビルとグレース王子は、俺に近づいてきて問い詰めてくる。ちょっと、怖い。
「えーと…。」
「ルシオン、ちゃんと説明してもらうよ。」
この2人の後ろでテオルドは、冷静に説明を求めてくる。こちらも怖い。
ネフィルの事は、何があっても言いたくない。
「………光魔法攻撃を研究してたら…自爆しちゃって……声が出なくなったから、救護のソフィー先生に、診てもらってて…そのま、お世話になってたんだよ…。」
「それならそうと、言えば良いだろ!」
間抜けな俺なら仕出かしそうな事を言って、何とか思いつきで誤魔化した。拙い説明で、納得してもらえたのか不安で、目が泳いでしまう。
マクビルはまだ怒っているようだし。
「ははは…そうだよね。…ごめん。」
「はぁ、まぁ良いよ。無事だったんだから。」
テオルドは盛大なため息をつきながらも、納得してくれたようだったが、グレース王子は何かを言いたそうに、苦い顔をしていた。
「とりあえずルシオン、戻って来たんだから、ゆっくりしなよ。お茶淹れてあげるから。ほら、皆も。」
ヒューリは気を使ってくれるが、心配かけていたんだよな。何も言わず、部屋に帰らなかったんだから。
「ヒューリ、ありがとう。…心配かけたな。」
「良いさ、おかえり。」
そう言って、俺の頭を撫でて、キッチンへ行ってしまった。
ヒューリ、マクビル、テオルド、グレース王子の顔を見て、俺は自分の居場所がここなんだと、嬉しくなった。
翌日、俺は生徒会室の部屋に向かった。
エルーシ殿下とセレスがいるだろう時間をみて、訪ねていく。
コンコン「失礼させてよろしいでしょうか?」
『どうぞ』と声がして、中に入る。
「失礼します。エルーシ殿下、この度は、お世話になりありがとうございました。」
俺は、頭を深く下げお礼を述べた。
そして、今度はセレスの方を向く。
「セレス兄さんも…ありがとうございました。」
俺は、セレスにも頭を下げた。
いまだに、目を合わせてくれないままだ。
「ルシオン、もう大丈夫なのか?」
エルーシ殿下は俺の心を確かめるように、厳しい表情だ。
「はい。まだ至らない所もありますが、学ばせて頂きました。」
「ふっ…そうか。……だが、私は友人の頼みを聞いただけだ。」
エルーシ殿下は笑顔になり、セレスの方を見た。
だが、セレスは俺から顔を背けてしまう。
「俺は……償いたいだけだ。」
「セレス兄さん……もう、自分を責めないで下さい。」
この間から、ずっと辛そうな顔をしている。そんなセレスを見ていられない。
「だが、俺は………自分を許せない。」
「セレス兄さんが自分を許してあげなければ、俺も自分を許せないままです。もう………。」
その後は、何を言っていいのか解らず、言葉が途切れる。
それを聞いたセレスは俺の方を向く。やっと、セレスの紫色の瞳と目が合った。
久しぶりに見たセレスの瞳は、綺麗だった。
胸に、一瞬だけナイフを刺されたよな、ズキンとした痛みが走ったかと思えば、身体にじわじわと甘く広がっていく。
うっ……何だこの感覚。苦しいようで甘く、もう一度味わいたくなる。
お互いに見つめ合っていた。その間、数分なのか1秒なのか、時を忘れていた。
「ルシオン……解った。………ありがとう。」
そう言って、セレスは笑ってくれた。まだ泣きそうで辛そうな笑顔だったが、俺は嬉しくなり胸が温かくなってくる。
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