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第1章:出会いの青
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しおりを挟む都会的な口調に、優雅な仕草――。箸の持ち方や食べ方ひとつとっても、どこか都会的で、洗練されている。
同時に、やはりこの周辺では浮いて見える。
颯真の身近な染髪をしている人物といえば、涼か姉くらいだ。
冗談かどうかもわからない、「ホスト」という自称も、やけにしっくりくる。
「ふう、ごちそうさまです。」
玲央の挙動に目を奪われている間に、いつの間にか食事を終えた玲央が手を合わせて、席を立つ。
その動きに、はっとした颯真は、慌ててお椀に残る白米を口にかきこんで、倣うように手を合わせる。
「ごちそうさまでした。」
「はい、お粗末さまです。」
佳代は、その光景に幸せそうな笑みを浮かべて、食卓を片付けに取り掛かり始めた。
「いっぱいお買い物していてよかったわ。やっぱり私の勘は当たるわね。」
そう言って、佳代は颯真に向かって、茶目っ気たっぷりにウインクを飛ばしてくる。
「勘が当たった」ということは、佳代にとって今日という日がいい事が起きた日に分類されるのだろう。それはよかった、と颯真の中で眠っていた冷静な自分が安堵する。
玲央はそのやりとりを見て、「なんの話ー?俺にも聞かせてよー」と呑気に声をあげた。
そして、流れるように佳代の隣に立つと、まるで女性をエスコートするような仕草で佳代から自然に食器を取り上げ、洗い物を始める。
続けて、「佳代ちゃんはゆっくり休んでて」と佳代に座るように促す。
佳代は「はいはい」と言いながら、マグカップをいくつか出してきて、インスタントコーヒーをお湯で溶かし始めた。
――なるほど、そうやったら、佳代さんは手伝わせてくれるんだ。
ぼんやりとそんなことを考えながら、おもむろに自分のスマホに目をやる。時間は20時を示していて、颯真はギョッとした。
「すみません、僕、門限が…!」
「大丈夫よ、高瀬さん家には私からも連絡してあるから、ゆっくりなさい。」
慌てて立ち上がる颯真を、佳代は制止する。
なぜ僕の家を知ってるんだ?という気持ちが、思わず顔に出ていたらしい。
佳代は、ふんと得意げに笑って「佳代ちゃんの町内会パイプ舐めないでよね!」と胸を張っていた。
それに続いて、玲央が口を開く。
「遅くまで付き合わせちゃったし、俺が姫を家まで送り届けるよ。」
「姫」という単語が、颯真自身を指していることに数秒たって気づいたが、ツッコミを入れるには微妙な間が経ってしまっていて、颯真はそのまま口を噤んだ。
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