ステータスなしの元人気メンタリスト、異世界の最強ドラゴンをお手だけで服従させる~目を見ただけで思考が読めるので、魔法使いが詠唱してくれません

マーマー

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第5章第15節 深淵とのティータイム、あるいは胃薬渇望の極み

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 魔王の手は、死者のように冷たく、硬かった。
 握手を交わした瞬間、レンの腕を通して心臓まで凍りつくような冷気が這い上がってきた。それと同時に、膨大な魔力の残滓がピリピリと皮膚を刺激し、レンの繊細な(自称)神経をヤスリで削っていく。

 (……つ、冷たっ! え、何これ、ドライアイス握ってる? それにこの静電気みたいなビリビリ感……! やばい、手汗が止まらないんだけど、バレてないか!?)

 レンは内心で悲鳴を上げながら、顔面の筋肉を総動員して「不敵な笑み」を維持した。額から滲み出そうになる冷や汗を、精神力だけで押し留める。

 「……ククク。良い手だ。迷いがない」
 魔王はレンの手を離すと、満足げに頷いた。その漆黒の瞳は、獲物を品定めするような冷徹な光から、未知の玩具を見つけた子供のような、純粋な好奇心へと変化していた。

 「さあ、こちらへ。立ち話もなんだ。私の私室で、ゆっくりと語り合おうではないか」
 魔王は踵を返し、玉座の裏手にある隠し扉へと向かった。

 「……お持ちください!」
 鋭い声が響き、セシリアがレンの前に立ち塞がった。
 「レン様を、そのような得体の知れない場所へ一人で行かせるわけにはいきません! 私も同行します!」
 彼女の青い瞳は、魔王の背中に向けて絶対零度の警戒心を放っている。剣の柄にかけた手には、血管が浮き上がっていた。

 「……そうですわ、レン様! 魔王如きと二人きりだなんて、このエリナが許しません! もしレン様に指一本でも触れたら、この城ごと『愛の炎』で焼き尽くしてさしあげますわ!」
 エリナもレンの腕にしがみつき、ピンク色のオーラを噴出させながら魔王を睨みつけた。そのオーラは、周囲の空間を歪めるほどに濃密で、近くにいた魔族の側近たちが顔を引きつらせて後ずさるほどだった。

 「……ククク。深淵の王との密談……。これぞ、我が師が求める真理への扉……。私も同行し、その歴史的瞬間の証人とならねば……ブツブツ……」
 アリアはアリアで、独自の解釈により目を輝かせ、杖を握りしめている。

 (……お前ら、気持ちは嬉しいけど、今はマジで黙っててくれ! 魔王の機嫌を損ねたら、俺が真っ先に死ぬんだよ!)

 レンの胃痛は、もはや限界を超えて麻痺の領域に達していた。ここでヒロインたちが暴走すれば、せっかく築き上げた「魔王との対等な関係(というハッタリ)」が水泡に帰す。

 魔王は足を止め、肩越しに振り返った。その表情には、怒りではなく、困惑と呆れが混じっていた。
 「……やれやれ。人間の女というのは、皆これほどまでに騒がしいのか? ベルゼブブよ」

 「はっ」
 影から現れたベルゼブブが、恭しく頭を垂れた。

 「この者たちを別室へ案内し、もてなしてやれ。……決して粗相のないようにな。特にそこのピンク色の髪の女は、取り扱いに注意しろ。城が消し飛ぶぞ」

 「……御意。……おい、貴様ら、こちらへ来い」
 ベルゼブブは、心底嫌そうな顔でヒロインたちに声をかけた。彼もまた、レンのハッタリとエリナの暴走に振り回され、胃を痛めている一人だった。

 「……レン様……」
 セシリアが不安げにレンを見つめる。

 レンは、努めて穏やかな笑みを浮かべ、彼女の肩に手を置いた。
 「大丈夫だ、セシリア。彼とは『対話』が必要なんだ。心配はいらない。……君たちは、少し休んでいてくれ」

 「……しかし……」

 「……これは、私の『頼み』だ」
 レンは、少しだけ声のトーンを下げ、真剣な眼差しで彼女を見つめた。これは、相手に「NO」と言わせないための心理テクニックだ。

 セシリアは、一瞬ためらった後、渋々といった様子で剣を収めた。
 「……御意。……レン様のご命令とあらば。……ですが、何かあればすぐに駆けつけます」

 「……もう、レン様ったら。すぐに戻ってきてくださいね♡」
 エリナも不満げながら、レンの言葉には逆らえない様子で引き下がった。

 (……ふう、なんとか収まったか……。……寿命が縮むわ、マジで……)

 レンは心の中で安堵の溜息をつき、魔王の後に続いた。

 玉座の裏の隠し扉を抜けると、そこは長い回廊になっていた。足音が一切響かない、分厚い黒絨毯が敷き詰められている。壁には等間隔で魔法の灯りがともされているが、その光は青白く、まるで深海の底を歩いているような錯覚を覚える。

 前を歩く魔王の背中からは、何の感情も読み取れない。完璧に制御された歩調、揺らぎのない姿勢。まるで精巧な自動人形のようだ。だが、その体から発せられるプレッシャーは、玉座の間にいた時よりも濃密になっている気がした。

 (……やばい、二人きりになると、余計に怖い……。……何考えてるか全然わかんねえ……。……さっきのプロファイリング、本当に合ってたのか? もし外れてたら、この廊下の突き当たりで処刑されたりしないよな……?)

 レンのネガティブな想像力は、恐怖によって際限なく膨らんでいく。胃の中で、ストレスという名の怪物が暴れ回っている。

 やがて、二人は豪奢な扉の前に辿り着いた。魔王が手をかざすと、扉は音もなく開いた。

 通された部屋は、予想に反して、落ち着いた雰囲気の書斎だった。
 壁一面を埋め尽くす巨大な書架には、人間界の言語ではない文字で書かれた分厚い書物がびっしりと並んでいる。部屋の中央には、最高級の魔獣の革で作られたであろうソファセットが置かれ、その前のテーブルには、すでに二つのグラスと、奇妙な形のデキャンタが用意されていた。

 「……座るがいい」
 魔王は、上座のソファに優雅に腰を下ろすと、レンに対面の席を勧めた。

 レンは、おっかなびっくりソファの端に腰掛けた。座り心地は最高だが、レンの尻は緊張で強張り、全くリラックスできない。

 魔王は、デキャンタを傾け、グラスに液体を注いだ。それは、ドス黒い紫色をしており、表面でパチパチと小さな魔力の火花が弾けている。どう見ても毒物にしか見えない。

 「……これは、魔界の深層でしか採れない『魔界葡萄』の年代物だ。人間には少し刺激が強いかもしれんが、味は保証する」
 魔王はそう言って、グラスの一つをレンの前に滑らせた。

 (……いやいやいや! 絶対飲めないって! これ飲んだら人間辞めることになるやつでしょ!? 刺激が強いどころの話じゃねえよ!)

 レンは内心で絶叫したが、ここで断れば「魔王の厚意を無にした」とみなされ、即座に敵対認定される恐れがある。

 (……くそっ、飲むしかないのか……。……死ぬ気でハッタリかますしかない……!)

 レンは、震える指先を必死に隠しながらグラスを手に取った。鼻を近づけると、濃厚なアルコールの臭いと、何か鉄錆のような生臭い臭いが混じった、強烈な香りが鼻腔を刺激した。

 「……ほう。素晴らしい香りだ。……魔界の深淵を感じさせる」
 レンは、グラスを軽く回しながら、通ぶったコメントを口にした。もちろん、味も香りも全く理解できていない。

 そして、覚悟を決めて、グラスに口をつけた。
 ほんの少し、舌先を湿らせただけだ。

 その瞬間。
 ビリリリッ!!

 強烈な電流が舌を駆け巡り、脳天を突き抜けた。味覚が完全に麻痺し、喉の奥が焼けるように熱くなる。

 (……ぐっ!? ……これ、酒じゃねえ! 劇物だ! ……舌が死んだ! 喉が焼ける!)

 レンは白目を剥きそうになったが、驚異的な精神力でそれを耐えた。顔面の筋肉が痙攣しそうになるのを、必死のポーカーフェイスで抑え込む。

 「……ふむ。……なかなか、悪くない」
 レンは、声が震えないように細心の注意を払いながら、グラスをテーブルに置いた。

 魔王は、そんなレンの様子を、グラス越しにじっと観察していた。漆黒の瞳が、レンの表情筋の微細な動き、呼吸のリズム、発汗の度合いをスキャンしているのが分かる。

 「……ほう。平然としているな。人間がこれを口にすれば、大抵は発狂するか、ショック死するのだが」
 魔王が、試すように言った。

 (……やっぱり毒じゃねえか! ……危ねえ! もうちょっと飲んでたら死んでたわ! ……今も心臓バクバク言ってるんですけど!)

 レンは、内心の焦りを隠し、不敵に笑ってみせた。
 「……フッ。……私は、常人とは少しばかり体の構造が違ってね。……この程度の刺激なら、心地よいほどだ」

 これもまた、ハッタリだ。「自分は特別製だ」と匂わせることで、相手の警戒心と畏怖心を煽る。実際は、魔力ゼロの一般人ボディが悲鳴を上げているだけなのだが。

 魔王は、納得したように頷いた。
 「……なるほど。貴様のその『視える』力も、その特異な体質に由来するものか」

 魔王が、核心に触れてきた。
 部屋の空気が、一気に重くなる。魔王のプレッシャーが、物理的な重圧となってレンにのしかかる。

 「……人間よ。……いや、賢者レンよ。改めて問おう。貴様は、何者だ?」
 魔王の声は、静かだが、絶対的な強制力を持っていた。嘘や誤魔化しを一切許さない、支配者の響きだ。

 「……なぜ、私の心の深淵を、そこまで正確に見通せた? ……貴様の持つ『力』の正体は、何だ?」

 魔王の視線が、レンを射抜く。その瞳の奥には、底知れぬ闇が渦巻いていた。

 レンの心臓が、早鐘を打つ。喉が渇き、舌が張り付く。指先が冷たくなり、微かに震え始めるのを、レンは反対の手で押さえて隠した。

 (……来た。……最大のピンチだ。……ここで下手な答え方をすれば、今度こそ殺される……!)

 レンは、深呼吸をした。肺に入ってくるのは、魔王の濃厚な魔力と、高級そうな革の匂いだけだ。
 脳をフル回転させ、最適解を探る。

 (……正直に「メンタリストです」なんて言っても信じてもらえないし、逆にナメられる。……かといって、「神の使いです」とか言ったら、宗教的に敵対認定される……。……どうする!? ……どうすれば、こいつを納得させられる!?)

 レンは、魔王の目を真っ直ぐに見つめ返した。ここで視線を逸らせば、負けだ。

 そして、レンは、一世一代の大博打に出た。
 彼は、ゆっくりと口を開き、静かに、しかし力強く告げた。

 「……私は、『観測者』だ」

 「……観測者?」
 魔王の眉が、怪訝そうに寄せられた。

 レンは、意味深に微笑んだ。
 「……そう。……この世界の『理(ことわり)』の外側に立ち、全てを俯瞰し、観測する者。……それが私だ」
 レンは、現代地球のSFやファンタジーでよくある設定を、適当に組み合わせてそれっぽく言ってみた。

 「……だからこそ、私は貴殿の心の深淵も、この世界の歪みも、全て『視える』のだよ。……魔王殿」

 これは、究極のハッタリだ。何も具体的なことは言わず、相手の想像力に全てを委ねる。魔王のような知性の高い存在ほど、勝手に深読みして、こちらの意図しない壮大な解釈をしてくれるはずだ。

 魔王は、沈黙した。彼の漆黒の瞳が、レンの言葉を反芻するように、揺らいでいた。

 (……頼む! ……信じてくれ! ……これ以上の設定は、もう思いつかねえ! ……俺の胃が、もう限界なんだよぉぉぉ!)

 レンは、内心で血の涙を流しながら、魔王の反応を待った。
 密室に流れる、永遠のような沈黙の時間。

 果たして、魔王は、この大法螺を信じるのか。それとも、レンの首が飛ぶのか。
 運命の賽は、投げられた。
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