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金を金を払ってこそのファン
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「で、俺が松本さんに会ったとする」
「はい」
「まぁ、正確に言うとさぁ、俺が街を歩いていると松本さんが立ってて、それに気づくのね」
「はいはい」
「あれ?松本さんじゃねぇって近づいて、ダウンタウンの松本さんですよねって、声かけるのね」
「はい」
「そしたら松本さんが、おおっ松本や、ダウンタウンの松本やって答えてくれて」
「そんな言い方しないでしょう」
「まぁまぁそうだとして」
「はい、そうだとして」
「俺が、子供の頃からテレビ観てます、ファンですって言うのね」
「はい」
「まぁ・・・・・ホントはそんなにファンじゃないんだけど」
ハハハハハッと吉田が笑い
「なんてこと言うんですか」
とツッコむ。
「まぁそう言ったとしてね」
「はい」
「そしたら松本さんが、お前俺のファンか?って聞くのね」
「はい」
「そしたら俺が、ハイって答える、そしたら松本さんが、俺は本を何冊か出してる・・・・」
「え?いきなり?いきなり?」
「まぁまぁ、いきなりね、本を出しとると」
「はい、出してますね」
「特に最初の二冊は凄い売れたんや、と」
「そうですね」
「お前ファンなら当然、俺の本、全部持っとるよなって俺に聞くのね」
「ハハハハハッ聞かんでしょう」
「まぁ聞いたとして」
「聞いたとして」
「俺は持ってないのね」
ハハハハッと笑い、
「俺の実家に、最初ののどっちかありますよ、兄貴が買ったんすけど、まぁ読んでないですけどね」
と吉田が言う。
「俺は持ってないのね・・・・・むかし本屋か図書館で、チラッと読んだと思うんだけどね」
「はい」
「まぁとにかく、持ってません、て答えるのね」
「はいはい」
「そしたら松本さんが、えんやで、俺はエッセイストでも作家でもないからなって言うのね」
「それで、で・・・・・って松本さんが言うのね」
「でって」
「俺、映画撮ってんねんと」
「はい、そうですね」
「ファンなら当然、全部映画館で観とるよな、って聞くのね」
ハハハハハッと吉田が笑う。
「観てないのね」
「観てないですか」
「映画館どころか、DVD借りてすらいないのね」
「俺・・・・DVD借りて、あの侍のやつ、若さま笑わそうとするやつ半分ぐらい観ましたよ」
「半分て・・・・全部観ろよ」
いやいや、と吉田が手を振る。
「半分観れば、松本さんの素晴らしさは映画では伝わらない、って分かるから」
ハハハハハッと佐々木が笑う。
「そしておそらく松本さんも、その事に気付いたと」
「まぁとにかくね」
「はい、とにかく」
「俺は観ていないから、観ていませんって答えるしかないのね」
「はいはい」
「そしたら松本さんが、ええんやで、俺は映画監督やないからなって言うのね」
「はい、怖いなぁ」
「でね」
「はい」
「松本さんが、俺は芸人やねん、テレビで面白い事してるねん、それが本業やねんって言うのね」
「はい、そうですね」
「で、で・・・・・って言うのね」
「その、で・・・・が怖い」
「それで松本さんが、その面白いテレビのDVDも沢山出してるねん、お前ファンなら全部買っとるよなって聞くのね」
「ハハハハハッ、借りて観た事はあります、笑ってはいけないを」
「俺、借りた事もないのね」
「そうなんすか」
「この時点で俺さぁ、俯いてブルブル震えてるからね」
「ハハハハハッそりゃそうですよね」
「でまぁ、買ってません、借りてもいませんって震えながら答えるのね」
「ハハハハハハハハハッ、怖い怖い怖い怖い」
「で、松本さんがしばし黙ってるのね」
「怖すぎるでしょうそれ」
「そしたら、しばしの間の後、松本さんが俺にね、じゃあお前今まで、幾らくらい俺に金使った事あんねんって聞くのね」
「ハハハハハッダイレクトアタックですね、えらくダイレクトに来ましたね」
「で、俺は一円も使った事ないわけじゃん」
「はい」
「で俺が、無いですって答えると、その声が小さかったから、松本さんが、ああっ?て聞くのね」
「ハハハハハハハッ、怖いなぁ、怖いなぁ」
「一円も使っていないですって、なんとか答えるのね」
「はい、なんとか」
「で、俺は勇気を振り絞ってね」
「はい」
「でも俺は子供の頃から、松本さんの番組をテレビで観てましたって言うのね」
「はい・・・・はい」
「そしたら松本さんが、お前の家、テレビの視聴率測定器あんのかって聞くのね」
「すげえぇな松本さん、すげえぇな」
「そしたら無いからさぁ、当然無いからさぁ、無いですって答えるのね」
「はい」
「そしたら松本さんが、お前が何万時間テレビ観ようとな、俺には一円の得にならんのじゃ」
「ハハハハハッ、すげぇ発言」
「ちなみにこの時点で松本さんの顔は、真っ赤っかで般若の形相だからね」
「ええええっ、そんなに怒らんでもいいでしょう」
「で、その後松本さんが俺に向かって、一円も金使っとらんのなら、ファンとか二度と言うな、って言うのね」
ハハハハハッと笑った後、先輩・・・・・と吉田が呟く。
「松本さんがね・・・というか、そんなこと言う芸能人、一人もいないから」
「はい」
「まぁ、正確に言うとさぁ、俺が街を歩いていると松本さんが立ってて、それに気づくのね」
「はいはい」
「あれ?松本さんじゃねぇって近づいて、ダウンタウンの松本さんですよねって、声かけるのね」
「はい」
「そしたら松本さんが、おおっ松本や、ダウンタウンの松本やって答えてくれて」
「そんな言い方しないでしょう」
「まぁまぁそうだとして」
「はい、そうだとして」
「俺が、子供の頃からテレビ観てます、ファンですって言うのね」
「はい」
「まぁ・・・・・ホントはそんなにファンじゃないんだけど」
ハハハハハッと吉田が笑い
「なんてこと言うんですか」
とツッコむ。
「まぁそう言ったとしてね」
「はい」
「そしたら松本さんが、お前俺のファンか?って聞くのね」
「はい」
「そしたら俺が、ハイって答える、そしたら松本さんが、俺は本を何冊か出してる・・・・」
「え?いきなり?いきなり?」
「まぁまぁ、いきなりね、本を出しとると」
「はい、出してますね」
「特に最初の二冊は凄い売れたんや、と」
「そうですね」
「お前ファンなら当然、俺の本、全部持っとるよなって俺に聞くのね」
「ハハハハハッ聞かんでしょう」
「まぁ聞いたとして」
「聞いたとして」
「俺は持ってないのね」
ハハハハッと笑い、
「俺の実家に、最初ののどっちかありますよ、兄貴が買ったんすけど、まぁ読んでないですけどね」
と吉田が言う。
「俺は持ってないのね・・・・・むかし本屋か図書館で、チラッと読んだと思うんだけどね」
「はい」
「まぁとにかく、持ってません、て答えるのね」
「はいはい」
「そしたら松本さんが、えんやで、俺はエッセイストでも作家でもないからなって言うのね」
「それで、で・・・・・って松本さんが言うのね」
「でって」
「俺、映画撮ってんねんと」
「はい、そうですね」
「ファンなら当然、全部映画館で観とるよな、って聞くのね」
ハハハハハッと吉田が笑う。
「観てないのね」
「観てないですか」
「映画館どころか、DVD借りてすらいないのね」
「俺・・・・DVD借りて、あの侍のやつ、若さま笑わそうとするやつ半分ぐらい観ましたよ」
「半分て・・・・全部観ろよ」
いやいや、と吉田が手を振る。
「半分観れば、松本さんの素晴らしさは映画では伝わらない、って分かるから」
ハハハハハッと佐々木が笑う。
「そしておそらく松本さんも、その事に気付いたと」
「まぁとにかくね」
「はい、とにかく」
「俺は観ていないから、観ていませんって答えるしかないのね」
「はいはい」
「そしたら松本さんが、ええんやで、俺は映画監督やないからなって言うのね」
「はい、怖いなぁ」
「でね」
「はい」
「松本さんが、俺は芸人やねん、テレビで面白い事してるねん、それが本業やねんって言うのね」
「はい、そうですね」
「で、で・・・・・って言うのね」
「その、で・・・・が怖い」
「それで松本さんが、その面白いテレビのDVDも沢山出してるねん、お前ファンなら全部買っとるよなって聞くのね」
「ハハハハハッ、借りて観た事はあります、笑ってはいけないを」
「俺、借りた事もないのね」
「そうなんすか」
「この時点で俺さぁ、俯いてブルブル震えてるからね」
「ハハハハハッそりゃそうですよね」
「でまぁ、買ってません、借りてもいませんって震えながら答えるのね」
「ハハハハハハハハハッ、怖い怖い怖い怖い」
「で、松本さんがしばし黙ってるのね」
「怖すぎるでしょうそれ」
「そしたら、しばしの間の後、松本さんが俺にね、じゃあお前今まで、幾らくらい俺に金使った事あんねんって聞くのね」
「ハハハハハッダイレクトアタックですね、えらくダイレクトに来ましたね」
「で、俺は一円も使った事ないわけじゃん」
「はい」
「で俺が、無いですって答えると、その声が小さかったから、松本さんが、ああっ?て聞くのね」
「ハハハハハハハッ、怖いなぁ、怖いなぁ」
「一円も使っていないですって、なんとか答えるのね」
「はい、なんとか」
「で、俺は勇気を振り絞ってね」
「はい」
「でも俺は子供の頃から、松本さんの番組をテレビで観てましたって言うのね」
「はい・・・・はい」
「そしたら松本さんが、お前の家、テレビの視聴率測定器あんのかって聞くのね」
「すげえぇな松本さん、すげえぇな」
「そしたら無いからさぁ、当然無いからさぁ、無いですって答えるのね」
「はい」
「そしたら松本さんが、お前が何万時間テレビ観ようとな、俺には一円の得にならんのじゃ」
「ハハハハハッ、すげぇ発言」
「ちなみにこの時点で松本さんの顔は、真っ赤っかで般若の形相だからね」
「ええええっ、そんなに怒らんでもいいでしょう」
「で、その後松本さんが俺に向かって、一円も金使っとらんのなら、ファンとか二度と言うな、って言うのね」
ハハハハハッと笑った後、先輩・・・・・と吉田が呟く。
「松本さんがね・・・というか、そんなこと言う芸能人、一人もいないから」
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