私訳戦国乱世  クベーラの謙信

zurvan496

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  父の道、祖父の道

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 世の中は変わろうとしている。そう政虎は感じている。
 公方や管領といった権威が治める世から、国衆や地侍、そして民が望む世に。

 政虎の長尾家は守護代の家、その中間と言える。

 祖父の能景は、守護代として主君である越後守護の為に戦い、そして死んだ。
 父の為景はその事を恨み、国衆地侍の支持を得て主君と戦った。
 
 政虎はその両者の中間、或いは全く違う道を進んでいる。

 これからどう生きるのか?
 権威の為、主君の為に生きるのか?それとも国衆地侍、民の為に生きるのか?

 悩むところだし、迷うところだ。
 
 それに選べれるのかどうかも分からない。
 
 政虎自身、ここまでの道を選んできたとも言い難い。


 だが今は取り敢えず、これ以上関東にいても仕方がない。
 それだけは分かる。

「すまぬが、越後に戻る」
 政虎はそう告げた。
「・・・・・・・」
 憲景は黙って顔を歪める。
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