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自分たちのモノ感を売る
応援上映
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「応援上映って知ってる?」
ああっはい、と吉田は頷く。
「あの映画館で騒ぐやつでしょ」
「騒ぐって、お前」
佐々木は苦笑する。
「まぁそうだけど」
「十年くらい前なんだけどさぁ」
「はい」
「ラジうを聴いててね」
くくくっと吉田は苦笑する。
「ラジオ・・・・好きですよね」
「うるせいよ、良いだろ別に」
「いんですけど・・・・・」
苦笑を続ける。
「先輩の話って大概、前ラジオ聴いてて、で始まるなぁと思って」
ハハハハッと佐々木が笑う。
「良いだろ別に」
「もちろんもちろん」
「でね」
「はい」
「ラジオ聴いてて」
「はい、大好きなラジオを聴いてて」
「ああっ、大好きなラジオを聴いてたら、ある応援上映の話をしていたのね」
「はい」
「ある・・・・・アニメやってて」
「それが・・・・女児向けアニメって言ってたか、萌えアニメ言ってたか忘れたんだけど・・・」
少し首を傾け佐々木は話を続ける。
「まぁ女の子が主人公のアニメがあってね」
「はい」
「そこに男の子の集団が出てさぁ、アイドルかなんかで、その世界内のね」
両手を振りながら佐々木は説明していく。
「その男の子の集団がさぁ、俗に言う腐のつくお姉さんたちに」
「腐のつくお姉さんたちに」
苦笑しながら吉田が応じる。
「まぁその腐のつくお姉さんたちに、人気だったのね」
「はいはい」
「それでそのアニメ会社がさぁ、腐のつくお姉さん狙いで、その男の子たちの集団でスピンオフの映画を作ったのね」
「恐ろしくニッチですねぇ」
笑いながら吉田は驚く。
「それでさぁ、お前の言う通りニッチだからさぁ、一ヶ月かそこらかやったら、上映終了って事になったのね」
「はい」
そしてら・・・・・と佐々木が身体を揺らして姿勢を変える。
「そのアニメの監督だがプロデューサーだかが、ネットでさぁ、ブログかなんかで、もう終わるんでもっと観に来てください、って言ったのね」
「はい」
「そしたら」
「そしたら?」
「腐のつくお姉さんたちがスゴっい勢いで通い始めたのね」
ハハハハッと吉田は笑う。
「で、本人たちも行くんだけと、勧誘て言うの、布教て言うの、人にも勧めてさぁ」
「はいはい」
「お金私が出すから、一緒に観にいこうて誘って行ったのね」
「はい」
「それで腐のつくお姉さんたちは、何度も行ってるわけじゃん」
「はい」
「だから話ももう分かっているから、そのシーンに向かってツッコミとか入れ始めたのね」
「えっ?ツッコミすか?」
そうそう、と佐々木は頷く。
「だから敵が背後か来たら、うしろうしろ、みたいな事言ってたらしいよ」
へぇ、と吉田は驚く。
「ワァキャァ騒ぐって訳じゃないんですね、そのカッコイイキャラが出て」
「まぁ、そういうのもあるだろうけど、そういうツッコミみたいなのらしいよ」
へぇええと吉田は本当に驚く。
「で、その内、その腐のつくお姉さんたちのツッコミというか合いの手が面白いって事になって、それを目当てで観に行く人たちが増えたのね」
「なんじゃそりゃ」
ハハハハッ吉田は笑う。
「それをまたテレビが取り上げて」
「ええっマジっすか」
「なんか朝のニュースというかワイドショーというか情報番組が取り上げて」
「へぇええ」
「それで人が入れば、映画館の方も止める理由はないからさぁ、上映延長で、更に他の映画館も応援上映して下さいみたいな事言って、結局一年くらいやってたらしいよ」
「マジで?すごいなぁ」
吉田は目を見開いて驚く。
「何て作品ですか?」
「なんとかプリンスだか・・・・・なんとかプリズンだか言ってた」
「まぁプリンスでしょうね、プリズンだと刑務所だから」
「わからんじゃん、刑務所で男同士が掘ったり掘られたりのアニメかもしれないじゃん」
「最低だよ」
ハハハッと吉田が笑う。
「最低とか言うな、腐のつくお姉さんたちに失礼だろ」
「貴方が」
吉田は佐々木を指差す。
「貴方が最低」
「あっ、俺がか、俺が」
ハハハハッと佐々木が笑う。
ハハハハッと吉田も笑う。
「それでね」
「はい」
「話、変わんだけど」
「変わんの?」
ええっと吉田は声を上げる。
「アンケートハガキの話、置きっぱですよ」
「まぁまぁ待て待て」
佐々木が手を振る。
「いずれ全部つながるから」
「そうなんすか・・・・」
苦笑いを浮かべて、吉田は佐々木を見る。
ああっはい、と吉田は頷く。
「あの映画館で騒ぐやつでしょ」
「騒ぐって、お前」
佐々木は苦笑する。
「まぁそうだけど」
「十年くらい前なんだけどさぁ」
「はい」
「ラジうを聴いててね」
くくくっと吉田は苦笑する。
「ラジオ・・・・好きですよね」
「うるせいよ、良いだろ別に」
「いんですけど・・・・・」
苦笑を続ける。
「先輩の話って大概、前ラジオ聴いてて、で始まるなぁと思って」
ハハハハッと佐々木が笑う。
「良いだろ別に」
「もちろんもちろん」
「でね」
「はい」
「ラジオ聴いてて」
「はい、大好きなラジオを聴いてて」
「ああっ、大好きなラジオを聴いてたら、ある応援上映の話をしていたのね」
「はい」
「ある・・・・・アニメやってて」
「それが・・・・女児向けアニメって言ってたか、萌えアニメ言ってたか忘れたんだけど・・・」
少し首を傾け佐々木は話を続ける。
「まぁ女の子が主人公のアニメがあってね」
「はい」
「そこに男の子の集団が出てさぁ、アイドルかなんかで、その世界内のね」
両手を振りながら佐々木は説明していく。
「その男の子の集団がさぁ、俗に言う腐のつくお姉さんたちに」
「腐のつくお姉さんたちに」
苦笑しながら吉田が応じる。
「まぁその腐のつくお姉さんたちに、人気だったのね」
「はいはい」
「それでそのアニメ会社がさぁ、腐のつくお姉さん狙いで、その男の子たちの集団でスピンオフの映画を作ったのね」
「恐ろしくニッチですねぇ」
笑いながら吉田は驚く。
「それでさぁ、お前の言う通りニッチだからさぁ、一ヶ月かそこらかやったら、上映終了って事になったのね」
「はい」
そしてら・・・・・と佐々木が身体を揺らして姿勢を変える。
「そのアニメの監督だがプロデューサーだかが、ネットでさぁ、ブログかなんかで、もう終わるんでもっと観に来てください、って言ったのね」
「はい」
「そしたら」
「そしたら?」
「腐のつくお姉さんたちがスゴっい勢いで通い始めたのね」
ハハハハッと吉田は笑う。
「で、本人たちも行くんだけと、勧誘て言うの、布教て言うの、人にも勧めてさぁ」
「はいはい」
「お金私が出すから、一緒に観にいこうて誘って行ったのね」
「はい」
「それで腐のつくお姉さんたちは、何度も行ってるわけじゃん」
「はい」
「だから話ももう分かっているから、そのシーンに向かってツッコミとか入れ始めたのね」
「えっ?ツッコミすか?」
そうそう、と佐々木は頷く。
「だから敵が背後か来たら、うしろうしろ、みたいな事言ってたらしいよ」
へぇ、と吉田は驚く。
「ワァキャァ騒ぐって訳じゃないんですね、そのカッコイイキャラが出て」
「まぁ、そういうのもあるだろうけど、そういうツッコミみたいなのらしいよ」
へぇええと吉田は本当に驚く。
「で、その内、その腐のつくお姉さんたちのツッコミというか合いの手が面白いって事になって、それを目当てで観に行く人たちが増えたのね」
「なんじゃそりゃ」
ハハハハッ吉田は笑う。
「それをまたテレビが取り上げて」
「ええっマジっすか」
「なんか朝のニュースというかワイドショーというか情報番組が取り上げて」
「へぇええ」
「それで人が入れば、映画館の方も止める理由はないからさぁ、上映延長で、更に他の映画館も応援上映して下さいみたいな事言って、結局一年くらいやってたらしいよ」
「マジで?すごいなぁ」
吉田は目を見開いて驚く。
「何て作品ですか?」
「なんとかプリンスだか・・・・・なんとかプリズンだか言ってた」
「まぁプリンスでしょうね、プリズンだと刑務所だから」
「わからんじゃん、刑務所で男同士が掘ったり掘られたりのアニメかもしれないじゃん」
「最低だよ」
ハハハッと吉田が笑う。
「最低とか言うな、腐のつくお姉さんたちに失礼だろ」
「貴方が」
吉田は佐々木を指差す。
「貴方が最低」
「あっ、俺がか、俺が」
ハハハハッと佐々木が笑う。
ハハハハッと吉田も笑う。
「それでね」
「はい」
「話、変わんだけど」
「変わんの?」
ええっと吉田は声を上げる。
「アンケートハガキの話、置きっぱですよ」
「まぁまぁ待て待て」
佐々木が手を振る。
「いずれ全部つながるから」
「そうなんすか・・・・」
苦笑いを浮かべて、吉田は佐々木を見る。
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