佐々木と吉田     最も安い人気漫画の作り方編

zurvan496

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二つのドラゴンボール

 芸事は最初は下積み

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「で、そのドラゴンボールが大好きな人がさぁ、鳥山先生のアシスタントに行くわけじゃん」
「はい」
「先生のもとで、ドラゴンボールを作るお手伝いをさせてくださいと」
「はいはい」
「ドラゴンボールを作るお手伝いをさせて貰えるのなら、先生のお役に立てるのなら、この事務所の便所掃除でもいいです」
「ハハハハッそこまで」
「ああっ、当たり前だよ、そこまでだよ」
 笑う吉田に、佐々木が頷く。

「で、先生が、じゃぁ今、空きがあるから雇ってあげるね、って雇うわけじゃん」
「はいはい、まぁ良かったですね」
「でも最初は、ペンは持たせてもらえないの」
「えっ?そうなんですか」
「それはそうだよ」
 ニヤつくの吉田に、佐々木が頷く。
「最初は便所掃除とか、コピー取りとか、お茶汲みだよ」
「ハハハハハッ大変だ」
「そりゃぁ、大変だよ」
 佐々木が手を振る。
「そう言う下積みから始まるんだよ、芸事は」
「芸事はね・・・・・芸事なのか?漫画は芸事なのか?」

「それで半年ぐらい雑用をやらされたら、ペンを持たせてもらえてね」
「はい」
「あの・・・なんつんだっけ?ベタ塗り」
「ベタ塗り、ベタ塗り」
 吉田が頷く。
「それやらされるのね」
 ペンを動かす仕草をしながら、佐々木はしゃべる。

「でも本人からすれば、感無量なわけじゃん」
「そうですね、そりゃあそうでしょうね」
「俺は今、ドラゴンボールを作ってるんだ」
「まぁ、まぁその人が作ってるわけじゃないですけどね」
「まぁまぁだから、ドラゴンボールを作ってる鳥山先生のお手伝いをしてるんだと」
「はいはいはい」
「子供の頃からの夢が叶ったわけじゃん」
「そうですね」
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