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 ペルソナ0

 地味子とギャルヤンキー

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「で、更に話が進むとさぁ」
「えっ?まだ進むんですか?」
「八周目くらいになると」
「続けるなぁ」
 吉田が苦笑する。

「地味な女の子がいてね」
「はいはい」
「この地味な女の子は、地味子は、まじんのーくんのことが好きなのね」
「・・・・・はい」
 話の先が見えず、吉田は眉を寄せる。

「で、ある日、地味子ちゃんは」
「はい」
「まじんのーくんに、デートに誘うというと大袈裟だけど、なんか、映画観に行かない、みたいなこと言うのね」
「はいはいはいはい」
「そしたらそれをまじんのーくんが断るのね」
「断るの?」
 
「俺、別に興味ないから、みたいに」
「ひどいな」
「それで地味子ちゃんはショックを受けて、何日か学校休むのね」
「はい」


「そしたらこの地味子ちゃんには、半分ギャルで、半分ヤンキーの友達がいて」
「ハハハハハハッ、なんで?」
「で、そのギャルヤンキーの子が、心配になって地味子ちゃんの見舞いに来るのね」
「ギャルヤンキーって・・・・・」
 吉田は苦笑する。
「それで、ギャルヤンキーが地味子に、なんかあったの?って聞くのね」
「はいはい」
「そしたら地味子が、まじんのーくんにふられてって言うのね」
「ハハハハハハッ、ふられてはないでしょう」

「で、そう言われたら、ギャルヤンキーの子が」
「はいはい」
「え?何それ?」
「はい」
「あんたみたいな真面目で良い子ふるなんて、そのまじんのーってやつは最低だって言い出すのね」
「おおっ、良いヤンキーですね」
「ていうかまじんのーって何?バカじゃないのその名前」
「そこはいいでしょ、後、まじんのーってその時点で名乗ってないでしょう」
 苦笑しながら、吉田はツッコむ。
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