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結論
希望は未来
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「で・・・・・・」
佐々木が手を振る。
「この映画が何を描いているかと言うとね」
「・・・・・描いてるって、先輩の妄想ですけど」
「いやそれは置いといて」
「まぁ好きにしてください」
「人間って何か、人間性って何か、もっと言うと人間賛歌なのね」
「・・・・・人間賛歌ですか」
「まぁ人間賛歌って言うか・・・・」
佐々木が首を振る。
「世の中って言うか、人が生きてるって事の肯定だよね」
「はいはいはい」
「東京大空襲がありました」
佐々木が手を上下に振る。
「まぁ酷い、悲惨な事があって、それでも人は生きていかなくちゃいけない、生きていく」
「はい、はい」
「で・・・・その後、戦後、価値観が一転する」
佐々木は掌をクルリと回す。
「信じてた事が、正しかった事が、正しいと思いたい事が変わる」
「はいはい、そうですね」
「でもそれは人が欲しいもの、正しいと思いたいものが変わってるんだからね、正しい事が変わってるんじゃないからね」
「はいはいはいはいはい」
吉田が頷く。
「だからその、ある種の滑稽さというか、間抜けさと言うか・・・・」
佐々木が手をひらひら動かす。
「一種の喜劇だよね」
「そうですね」
「空襲が悲劇なら、間抜けな喜劇だよね」
「はい」
「そして圧倒的に生々しい性」
「ハハハハハハハハッ、はいはい」
「もう目を背けたくなるような、汚らしい、生々しいエロス」
「先輩の好きな」
「俺の好きなね」
佐々木が頷く。
「ある意味地獄絵図」
「ハハハハハハハハッ」
「空襲が死と破壊の地獄絵図なら、生と誕生の地獄絵図」
「どっちにしろ地獄絵図って」
「だから・・・・・」
佐々木が手を振る。
「悲惨で間抜けで汚らしい、人間て言うか、人間の営みと言うか、人が生きているって言うのを」
「はいはいはい」
「圧倒的に肯定してもらいたいんだよね、たけしさんに」
「で最期のシーンでたけしさんが産まれて」
佐々木は手を広げる。
「悲惨で間抜けで汚らしい人間が、それでも生きていけるのは何故か?」
「はい」
「それは希望があるから」
「悲惨で間抜けで、汚らしくても、それでも人が生きていけるのは希望があるから」
佐々木が手を振る。
「希望とは未来って事だよね」
「なるほど」
苦笑しながら吉田は頷く。
佐々木が手を振る。
「この映画が何を描いているかと言うとね」
「・・・・・描いてるって、先輩の妄想ですけど」
「いやそれは置いといて」
「まぁ好きにしてください」
「人間って何か、人間性って何か、もっと言うと人間賛歌なのね」
「・・・・・人間賛歌ですか」
「まぁ人間賛歌って言うか・・・・」
佐々木が首を振る。
「世の中って言うか、人が生きてるって事の肯定だよね」
「はいはいはい」
「東京大空襲がありました」
佐々木が手を上下に振る。
「まぁ酷い、悲惨な事があって、それでも人は生きていかなくちゃいけない、生きていく」
「はい、はい」
「で・・・・その後、戦後、価値観が一転する」
佐々木は掌をクルリと回す。
「信じてた事が、正しかった事が、正しいと思いたい事が変わる」
「はいはい、そうですね」
「でもそれは人が欲しいもの、正しいと思いたいものが変わってるんだからね、正しい事が変わってるんじゃないからね」
「はいはいはいはいはい」
吉田が頷く。
「だからその、ある種の滑稽さというか、間抜けさと言うか・・・・」
佐々木が手をひらひら動かす。
「一種の喜劇だよね」
「そうですね」
「空襲が悲劇なら、間抜けな喜劇だよね」
「はい」
「そして圧倒的に生々しい性」
「ハハハハハハハハッ、はいはい」
「もう目を背けたくなるような、汚らしい、生々しいエロス」
「先輩の好きな」
「俺の好きなね」
佐々木が頷く。
「ある意味地獄絵図」
「ハハハハハハハハッ」
「空襲が死と破壊の地獄絵図なら、生と誕生の地獄絵図」
「どっちにしろ地獄絵図って」
「だから・・・・・」
佐々木が手を振る。
「悲惨で間抜けで汚らしい、人間て言うか、人間の営みと言うか、人が生きているって言うのを」
「はいはいはい」
「圧倒的に肯定してもらいたいんだよね、たけしさんに」
「で最期のシーンでたけしさんが産まれて」
佐々木は手を広げる。
「悲惨で間抜けで汚らしい人間が、それでも生きていけるのは何故か?」
「はい」
「それは希望があるから」
「悲惨で間抜けで、汚らしくても、それでも人が生きていけるのは希望があるから」
佐々木が手を振る。
「希望とは未来って事だよね」
「なるほど」
苦笑しながら吉田は頷く。
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