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国のタイプ

  階級

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「で、俺よく思うのは」
 と佐々木が言うと、はい、と吉田が相槌を打つ。
「国には、階級とタイプがあると思うんだよ」
「階級・・・・・っているのは、一等国とか二等国とかそう言う事ですか?」
「いやいや違う違う」
 佐々木が首を振る。
「要はボクシングとか柔道で言うところの、ヘビー級や七十何キロ級とかあるじゃん」
「あぁ、はい」
「それと同じで、国の大きさね」
「はい」
「人口と国土ね」
「はいはいはい」

「で、日本て人口のランキングで十一位なのね確か」
「あぁはい、確かそんなんすよね」
「ずっと十位だったのを、どっかメキシコだかフィリピンだかパキスタンだかに抜かれたのね」
「はい」

「で、一位はもちろん、中国とインド・・・・いや、インドと中国」
「はい、変わりましたからね、そこ」
「そこ二つが十五億ぐらいいて、三位がアメリカで三億だか五億だかで、その下がブラジルとかロシアとか」
「インドネシ、多いですよね」
「そうそう、あそこ二億ぐらいいるんだよね」
「ロシアはちょっと減ってますよ」
「まぁ、そうだけどね」

「とにかく日本は一億二千万ぐらいなんだよね、今」
「そうっすね」
「で周りがメキシコだとかフィリピンだとか、中南米と東南アジアと後、アフリカもいるかな」
「はい、そうですね」
 で・・・・と佐々木は宙を見る。
「ヨーロッパはさは、そんなに多くないんだよね」
「はいはい」
「確か一番多いのが、ドイツで八千万とかで、フランスとかイギリスとは六千万とかなのね」
「はい」
「で、韓国が大体、五千万くらいで」
「日本の半分くらい」
 そうそう、と佐々木が頷く。

「で、国連の総会とかで、みんな同じ一票なのは当たり前だけど、階級として、大きさはそれぞれ違う訳じゃん」
「はいはい」
「それぞれの国の在り方とか、幸福の形というか、上手くいく形は全然違う訳なのね」
「そうですな」
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