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私、真野さくらはこれまでの人生、いつも間が悪かった。
そのため、何かと損をしたり遠回りをしたりしてきたと思う。
それは私がこの世に生を受けた時からスタートした。
もともと心臓の悪かった私の母は出産直後に天に召された。
本来なら人生で一番の祝福を受けるべき日に、私は母を亡くすという人生最大の不幸に見舞われたのである。
これほど間の悪いことはないだろうというくらい最大級の間の悪さである。
父は母を失った悲しみから癒えることなく、
母の命と引き換えに生まれた私を愛することができないことで心を病んだ。
母は早くに両親と死別していたため、私は父の実家で祖母と暮らすことになった。
周りの大人達は私の身の上に同情しているように見えて、
面白おかしく、あることないこと、残酷なことも噂していたようだったが、
気丈な祖母は私を大事に育ててくれた。
「大丈夫!あなたのせいじゃない。少し間が悪かっただけ」
いろんな失敗をしても、いつも笑顔でそう言って頭を撫でてくれた。
祖母の腕に抱かれている時だけは、心がほんわかして温かくなった。
物心ついてからは、トイレの順番が最後になってしまい、大慌てで教室に戻っているときに
たまたま虫の居所が悪い教師と出くわし、
「廊下を走るな」
とこっぴどくお説教されたり、
お使いで頼まれた特売のみかんが私の目の前の人で売り切れたり・・
そんな間の悪いことはしょっちゅう起こったが、それはちょっと不運かなというくらいの出来事として
日常的に起こり、あ、また間が悪かったなということですぎてゆき、
そうこうしているうちに、私は中学に入学した。
クラス発表の張り紙を見てから教室に入ると、もうすでにいくつかのグループが出来上がっているようで、
にぎやかな話し声があちこちで聞こえてきた。
一人で席に着いている子が何人かはいて、少しだけホッと胸をなでおろした。
ト・モ・ダ・チできたらいいな。
そんな心の声が漏れてしまっていたのだろうか・・・
「なぁ、どこの小学校からきたん」
その少女はくりくりした目を更に大きく見開いたように私をまっすぐに見て言った。
独特の関西弁で。
「あ、星の台小学校・・です」
「へえ~。きれいな名前の学校やなぁ。
その小学校がどこにあるかは分からんけど。
私、親の転勤でここに来たから」
そう言ってクスっと笑った。
私もつられて少し笑った。
そして、勇気を出して尋ねた。
「どこから来たの?」
「大阪」
「へえ~都会から来たんだね」
「そうでもないけど。せや、名前は?私は秋月楓」
「あ、私は真野さくら」
「よかった。うち、転校してきたのと同じやし、分からんこと多いし・・
なので、さくらと話せるようになって心強いわ。これからもよろしゅうに」
いきなり名前で呼ばれてびっくりしたが、ちょっと嬉しい!
「こちらこそ、秋月さん」
そのため、何かと損をしたり遠回りをしたりしてきたと思う。
それは私がこの世に生を受けた時からスタートした。
もともと心臓の悪かった私の母は出産直後に天に召された。
本来なら人生で一番の祝福を受けるべき日に、私は母を亡くすという人生最大の不幸に見舞われたのである。
これほど間の悪いことはないだろうというくらい最大級の間の悪さである。
父は母を失った悲しみから癒えることなく、
母の命と引き換えに生まれた私を愛することができないことで心を病んだ。
母は早くに両親と死別していたため、私は父の実家で祖母と暮らすことになった。
周りの大人達は私の身の上に同情しているように見えて、
面白おかしく、あることないこと、残酷なことも噂していたようだったが、
気丈な祖母は私を大事に育ててくれた。
「大丈夫!あなたのせいじゃない。少し間が悪かっただけ」
いろんな失敗をしても、いつも笑顔でそう言って頭を撫でてくれた。
祖母の腕に抱かれている時だけは、心がほんわかして温かくなった。
物心ついてからは、トイレの順番が最後になってしまい、大慌てで教室に戻っているときに
たまたま虫の居所が悪い教師と出くわし、
「廊下を走るな」
とこっぴどくお説教されたり、
お使いで頼まれた特売のみかんが私の目の前の人で売り切れたり・・
そんな間の悪いことはしょっちゅう起こったが、それはちょっと不運かなというくらいの出来事として
日常的に起こり、あ、また間が悪かったなということですぎてゆき、
そうこうしているうちに、私は中学に入学した。
クラス発表の張り紙を見てから教室に入ると、もうすでにいくつかのグループが出来上がっているようで、
にぎやかな話し声があちこちで聞こえてきた。
一人で席に着いている子が何人かはいて、少しだけホッと胸をなでおろした。
ト・モ・ダ・チできたらいいな。
そんな心の声が漏れてしまっていたのだろうか・・・
「なぁ、どこの小学校からきたん」
その少女はくりくりした目を更に大きく見開いたように私をまっすぐに見て言った。
独特の関西弁で。
「あ、星の台小学校・・です」
「へえ~。きれいな名前の学校やなぁ。
その小学校がどこにあるかは分からんけど。
私、親の転勤でここに来たから」
そう言ってクスっと笑った。
私もつられて少し笑った。
そして、勇気を出して尋ねた。
「どこから来たの?」
「大阪」
「へえ~都会から来たんだね」
「そうでもないけど。せや、名前は?私は秋月楓」
「あ、私は真野さくら」
「よかった。うち、転校してきたのと同じやし、分からんこと多いし・・
なので、さくらと話せるようになって心強いわ。これからもよろしゅうに」
いきなり名前で呼ばれてびっくりしたが、ちょっと嬉しい!
「こちらこそ、秋月さん」
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