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5章 あいじょう
とっても甘い良薬
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お城の医務室で怪我の手当てを受けた後、自室に戻りドレスに着替えた。
魔法使いさんにお願いしたおかげで、部屋のドレスはすべてファスナーで着脱できるように変わっている。おかげで、今は一人で着替えを済ませることができるのだ。
「おまたせ。はい、これ」
ドアの外で待っていたシグルドに、汚れた騎士服を手渡した。シグルドがバレないようにこっそり返しておいてくれるそうだ。
「本当に……何から何までごめんね」
「いいえ、これくらい構いませんよ。それよりも、二度と勝手にいなくなったりしないでくださいね。もうごまかしきれません」
「……うん」
私が居なくなったことは、お父様はもちろん、城中のみんなが知っていて、それはもう大騒ぎだったそうだ。(一国のお姫様が行方不明なのだから、当たり前か)
そんなみんなに、私は城を探検している最中に迷子になったという嘘の報告をした。怪我はその時にできたものだと説明したら、案外普通に納得してもらえた。
結果的には、『自分の家で迷子になって怪我をした間抜けなお姫様』という不名誉極まりない烙印を押されてしまったけれど、他の問題に比べたら全然大したことじゃない。
安らぎ草の出所を誤魔化すため、ただ一人、お父様だけには本当のことを話さざるを得なかった。(結果、こっぴどく叱られた)
取ってきた安らぎ草は、第一医務室にいたお医者さんに渡し、夕飯前にフローラさんに飲んでもらうことになった。
本当のことは、当然言えるわけもないので、「お父様がどこかからこっそりと手に入れたものらしいですので、くれぐれも内密に……」と言っておいた。
夕暮れ時、私とシグルドはフローラさんが薬を飲むのを見届けるために別館へと向かっていた。
フローラさんの部屋に着くと、そこにはすでにお医者さんが到着していて、なぜかフローラさんと言い争っていた。
「だから、薬だと言っているんです!」
「イヤ! だって私、どこも悪いところないもの。苦い薬なんて絶対に飲まない!」
ベッドに横たわり、頭からシーツをかぶってしまったフローラさん。
子供のように駄々をこねる様子に、ベッド脇の椅子に座っていたお医者さんはほとほと疲れ果てたらしく、大きなため息をついた。
「そんなに苦い薬なんですか? ……こんなに良い匂いなのに」
部屋に漂う香りを、クンクンと犬のように嗅ぐ。甘いけど、しつこくなくさわやかな香り。名前の通りに安らげる匂いだ。
「ヒメカ、騙されちゃダメよ! 薬なんて、みーんな苦いんだから!」
フローラさんはシーツから頭だけを出してそう言った。
「だから、それは今まで飲んだことある薬限定です。これはそんなに苦くありませんから……」
「ほらぁ、今『そんなに』って言った! やっぱり苦いんじゃない!」
「いや、それは言葉のあやで……」
フローラさんのペースにすっかりはまってしまったお医者さんは、あーだこーだと屁理屈を言うフローラさんを説得できないでいた。
と、その時、コンコンコンと短めのノックの音。
「今、取り込み中!」
フローラさんが叫ぶようにそう言ったとほぼ同時にドアが開いた。私を含め、その場にいただれもがその人物を見て言葉を失った。
入ってきたのは――お父様だった。
きっとフローラさんを除くみんなが「まずい!」と思ったであろう。フローラさんはまだ薬を飲んでいなかったのだから。
この前のフローラさんの様子が脳内に鮮明に再生され、なんとかしなければ、と強く思った。けれど、具体的にどう行動するのがベストなのか分からなくて、呆然と事の成り行きを見守ることしかできなかった。
「貸しなさい」
お父様は静かにお医者さんに言うと、安らぎ草のお茶が入ったカップを受け取った。そのままフローラさんに近づいて行く。
「飲みなさい」
「……」
フローラさんはもう苦いとかなんだとか言うこともなく……ただ、顔をゆがめて震えていた。
いつまたフローラさんが奇声をあげて暴れだすとも限らない。そんな緊張感漂う雰囲気の中、お父様だけが静かに言った。
「飲んでくれ、頼むから。……そして、もう一度私の前で笑ってほしい」
その言葉に、切なさが全身を駆け巡った。
お父様の気持ちは『フローラさんのために』という――偽善というか、上辺だけというか――そんなきれいなところだけすくい取ったものとは違った。
『私のために』という、悪く言えば自己中心的ととれるかもしれない感情をのせたその言葉は他のどんな言葉よりも言われて嬉しい言葉だと、私は思った。
――伝わってほしい。お父様の気持ちがフローラさんに。
しかし、フローラさんはそんなことを考える余裕もないのか、イヤイヤと首を横に振るだけだった。
「フローラ」
呼び掛ける声にも耳を貸さず、シーツを頭から被って耳をふさいでしまったフローラさん。それを見たお父様はわずかに顔をしかめた。
――次の瞬間、信じられないことが起こった。
お父様は何を思ったのか、お茶を自らの口に含み、シーツに包まるフローラさんを抑えつけて、キスをしたのだ。
「な……ッ!」
私とシグルド、そしてお医者さんは目の前で起こっていることを理解できずに、ポカンとしてその様子を見ていた。
フローラさんは抵抗したもののお父様の力に勝てるはずもなく、お茶の大半を飲みこんでいた。
まさかの口移しだった。
「ぼ、僕たちはもう……お邪魔、ですかね」
シグルドがわずかに顔を赤らめて、私を見下ろしていた。いや、正確には顔だけ向けて視線はお父様たちの方にあった。
いつの間にか、フローラさんの腕は拒むどころかお父様の体に巻きついていたのだ。
「う、うん。もう出ようか」
私たち三人は気まずい空気を背負ったまま廊下に出た。そんな私たちを、何も知らない兵士たちが不思議そうに見つめていた。
日が落ち、空の主役が月と星々になっていた。月は、満月まであと数日と言ったところだろうか、少しだけかけている。
都会生まれ、都会育ちの私にとっては、窓から見えるたくさんの星がちりばめられた夜空は珍しいものだった。
あの月が満ちる頃には、私はもうこの世界にはいないかもしれない。フローラさんの病が治った今、私が婚約を断れない理由はないのだから……。
婚約を断ってすぐに元の世界に戻れるのだろうか? もしそうなら、明日にでも帰れるかもしれない。
帰ったら本当のお父さんとお母さんに会える。友達とくだらないおしゃべりすることだってできる。
「みんな、心配してるかな……?」
同じ速さで時が流れているとしたら、私はもう三日ほど行方不明ということになっているはずだ。
――早く、帰れるといいな。
だけど……思ってはいけないのだろうけど、頭の片隅で思ってしまっていることがある。
――帰りたくない。
自分の望みが矛盾してることは分かってる。けれど、どちらも嘘偽りのない本心。
帰るということは……もうこの世界の人たちとは会えなくなるということなのだ。
不器用だけど意外とやさしいお父様。パワフルで人懐っこい絶世の美女フローラさん。そして――
「シグルド……」
ずっと傍で私を助けてくれた人。
最初にシグルドに出会っていなかったら、私の世話をしてくれるのがシグルドではなかったら、私はずっと不安を抱えたままだったかもしれない。
安らぎ草を取りに行ったときだって、なにも言わずに飛び出した私を迎えに来てくれた。
会えなくなるなんて――嫌だ。
私の心はシグルドを求めていた。
穏やかな笑顔、優しい瞳。私を抱き寄せた力強い腕、見た目より厚かった胸板。あの体温も涙も……私に向けられたものだ。
思い出になんかしたくない。
できることなら……ずっと一緒に――
魔法使いさんにお願いしたおかげで、部屋のドレスはすべてファスナーで着脱できるように変わっている。おかげで、今は一人で着替えを済ませることができるのだ。
「おまたせ。はい、これ」
ドアの外で待っていたシグルドに、汚れた騎士服を手渡した。シグルドがバレないようにこっそり返しておいてくれるそうだ。
「本当に……何から何までごめんね」
「いいえ、これくらい構いませんよ。それよりも、二度と勝手にいなくなったりしないでくださいね。もうごまかしきれません」
「……うん」
私が居なくなったことは、お父様はもちろん、城中のみんなが知っていて、それはもう大騒ぎだったそうだ。(一国のお姫様が行方不明なのだから、当たり前か)
そんなみんなに、私は城を探検している最中に迷子になったという嘘の報告をした。怪我はその時にできたものだと説明したら、案外普通に納得してもらえた。
結果的には、『自分の家で迷子になって怪我をした間抜けなお姫様』という不名誉極まりない烙印を押されてしまったけれど、他の問題に比べたら全然大したことじゃない。
安らぎ草の出所を誤魔化すため、ただ一人、お父様だけには本当のことを話さざるを得なかった。(結果、こっぴどく叱られた)
取ってきた安らぎ草は、第一医務室にいたお医者さんに渡し、夕飯前にフローラさんに飲んでもらうことになった。
本当のことは、当然言えるわけもないので、「お父様がどこかからこっそりと手に入れたものらしいですので、くれぐれも内密に……」と言っておいた。
夕暮れ時、私とシグルドはフローラさんが薬を飲むのを見届けるために別館へと向かっていた。
フローラさんの部屋に着くと、そこにはすでにお医者さんが到着していて、なぜかフローラさんと言い争っていた。
「だから、薬だと言っているんです!」
「イヤ! だって私、どこも悪いところないもの。苦い薬なんて絶対に飲まない!」
ベッドに横たわり、頭からシーツをかぶってしまったフローラさん。
子供のように駄々をこねる様子に、ベッド脇の椅子に座っていたお医者さんはほとほと疲れ果てたらしく、大きなため息をついた。
「そんなに苦い薬なんですか? ……こんなに良い匂いなのに」
部屋に漂う香りを、クンクンと犬のように嗅ぐ。甘いけど、しつこくなくさわやかな香り。名前の通りに安らげる匂いだ。
「ヒメカ、騙されちゃダメよ! 薬なんて、みーんな苦いんだから!」
フローラさんはシーツから頭だけを出してそう言った。
「だから、それは今まで飲んだことある薬限定です。これはそんなに苦くありませんから……」
「ほらぁ、今『そんなに』って言った! やっぱり苦いんじゃない!」
「いや、それは言葉のあやで……」
フローラさんのペースにすっかりはまってしまったお医者さんは、あーだこーだと屁理屈を言うフローラさんを説得できないでいた。
と、その時、コンコンコンと短めのノックの音。
「今、取り込み中!」
フローラさんが叫ぶようにそう言ったとほぼ同時にドアが開いた。私を含め、その場にいただれもがその人物を見て言葉を失った。
入ってきたのは――お父様だった。
きっとフローラさんを除くみんなが「まずい!」と思ったであろう。フローラさんはまだ薬を飲んでいなかったのだから。
この前のフローラさんの様子が脳内に鮮明に再生され、なんとかしなければ、と強く思った。けれど、具体的にどう行動するのがベストなのか分からなくて、呆然と事の成り行きを見守ることしかできなかった。
「貸しなさい」
お父様は静かにお医者さんに言うと、安らぎ草のお茶が入ったカップを受け取った。そのままフローラさんに近づいて行く。
「飲みなさい」
「……」
フローラさんはもう苦いとかなんだとか言うこともなく……ただ、顔をゆがめて震えていた。
いつまたフローラさんが奇声をあげて暴れだすとも限らない。そんな緊張感漂う雰囲気の中、お父様だけが静かに言った。
「飲んでくれ、頼むから。……そして、もう一度私の前で笑ってほしい」
その言葉に、切なさが全身を駆け巡った。
お父様の気持ちは『フローラさんのために』という――偽善というか、上辺だけというか――そんなきれいなところだけすくい取ったものとは違った。
『私のために』という、悪く言えば自己中心的ととれるかもしれない感情をのせたその言葉は他のどんな言葉よりも言われて嬉しい言葉だと、私は思った。
――伝わってほしい。お父様の気持ちがフローラさんに。
しかし、フローラさんはそんなことを考える余裕もないのか、イヤイヤと首を横に振るだけだった。
「フローラ」
呼び掛ける声にも耳を貸さず、シーツを頭から被って耳をふさいでしまったフローラさん。それを見たお父様はわずかに顔をしかめた。
――次の瞬間、信じられないことが起こった。
お父様は何を思ったのか、お茶を自らの口に含み、シーツに包まるフローラさんを抑えつけて、キスをしたのだ。
「な……ッ!」
私とシグルド、そしてお医者さんは目の前で起こっていることを理解できずに、ポカンとしてその様子を見ていた。
フローラさんは抵抗したもののお父様の力に勝てるはずもなく、お茶の大半を飲みこんでいた。
まさかの口移しだった。
「ぼ、僕たちはもう……お邪魔、ですかね」
シグルドがわずかに顔を赤らめて、私を見下ろしていた。いや、正確には顔だけ向けて視線はお父様たちの方にあった。
いつの間にか、フローラさんの腕は拒むどころかお父様の体に巻きついていたのだ。
「う、うん。もう出ようか」
私たち三人は気まずい空気を背負ったまま廊下に出た。そんな私たちを、何も知らない兵士たちが不思議そうに見つめていた。
日が落ち、空の主役が月と星々になっていた。月は、満月まであと数日と言ったところだろうか、少しだけかけている。
都会生まれ、都会育ちの私にとっては、窓から見えるたくさんの星がちりばめられた夜空は珍しいものだった。
あの月が満ちる頃には、私はもうこの世界にはいないかもしれない。フローラさんの病が治った今、私が婚約を断れない理由はないのだから……。
婚約を断ってすぐに元の世界に戻れるのだろうか? もしそうなら、明日にでも帰れるかもしれない。
帰ったら本当のお父さんとお母さんに会える。友達とくだらないおしゃべりすることだってできる。
「みんな、心配してるかな……?」
同じ速さで時が流れているとしたら、私はもう三日ほど行方不明ということになっているはずだ。
――早く、帰れるといいな。
だけど……思ってはいけないのだろうけど、頭の片隅で思ってしまっていることがある。
――帰りたくない。
自分の望みが矛盾してることは分かってる。けれど、どちらも嘘偽りのない本心。
帰るということは……もうこの世界の人たちとは会えなくなるということなのだ。
不器用だけど意外とやさしいお父様。パワフルで人懐っこい絶世の美女フローラさん。そして――
「シグルド……」
ずっと傍で私を助けてくれた人。
最初にシグルドに出会っていなかったら、私の世話をしてくれるのがシグルドではなかったら、私はずっと不安を抱えたままだったかもしれない。
安らぎ草を取りに行ったときだって、なにも言わずに飛び出した私を迎えに来てくれた。
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