普通に生きられなかった私への鎮魂歌

植田伊織

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認知行動療法を試してみよう

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 ニュースキャスターが「今日は小春日和のような暖かさです」と言っていたからには、過ごしやすい一日だったのだろうが、殆ど家の中に閉じこもって家事をしていたからよく判らなかった。

 私は「変わろう」として失敗したのがしんどかったのか。
 昨日の内省が生み出した”何か”が、胸の奥にぐっさりと突き刺さったまま、今日を迎えてしまった。負傷した箇所はじくじくと膿んでゆき、放っておくと面倒くさいことになりそうだった。

 実際、昨晩は仕事終わりに希死念慮が顔を出して困った。
 カウンセリングの予約を入れようかなぁと、ぼんやり考えているが、その前に、自分で毎日出来るメンタルを整える方法を確立させた方が良い気がした。
 ジムに行った日だけ運動するのではなく、常日頃家でも筋トレをして鍛えておくような物だ。(多分)

 ともあれ、少し自分の事について考えるのを休んで、家事の合間に公募用の長編小説に取り掛かった。
 少し気が晴れた。
 長編を書いている最中にまた、妄想文コンテストのネタを思いついたのでメモしておく。
 夢中になって物語をつくっていたのが幸を成したのか、休憩後もすぐに家事に取りかかれた。時間配分を間違えて出来なかったことも多いけれど、普段はできない箇所の掃除もじっくり出来た。

 某サイトで、この駄文シリーズの記事のひとつに、とてもうれしいコメントをいただけた。
 少し、文章を書く自分を認めてあげたくなった。
 文章を投稿する前の自分だったら、体験できなかった事だ。大丈夫、亀の歩みだろうけれど、「変化」している。

 私はどうしても悲観的な考え方に心が引っ張られてしまうし、日常の行動にもそれが表れてしまう。
 認知が歪んだまま、思うがままに行動して人を振り回すとどうなるか。母を見てきたから知らないはずはない。

 同じ轍を踏むのは避けたい。

 では何をしようと考えた結果、この駄文シリーズとは別に、認知行動療法が自分で出来るワークブックを行う事にした。

(参考にさせていただいたのは、早稲田メンタルクリニック様のこちらのワークブックです。
https://wasedamental.com/director/cbt-workbook/)

 私に足りないのは、対策を立てる事。

 ネガティブな考えが津波のように押し寄せたとして、黙って流され命を落とすか、漂流物にしがみついて生きながらえるかは自分で選択できるはずだ。

 公開されている早稲田メンタルクリニック様のワークでは、少しずつ段階を踏んでワークに取り組むようになっている。(取り組む方は是非動画や説明をよく読んでから行っていただきたい)

 最終的には、

 「出来事」

 「自動思考」(頭に自然と浮かんだ考え) その時の「感情」と「得点」

 「適応思考」(新しい考え方。今後はどんな考え方をするのが良いのか? 書いた事による気持ちの変化) その時の「感情」と「得点」

 「解決プラン」

 という順に、書いていくワークであった。

 その日にあった「出来事」と、「自動思考」(頭に自然と浮かんだ考え)を書くのは普段から出来ているので、省くことにした。
(こういったやり方が正しいかどうかは判らない。やってみようと考える方は是非、基本に忠実にやるかご自身でご判断いただけたら幸いである)
 
 問題は、「適応思考」(今後はどんな考え方をするのが良いか? という新しい考え方)と、「解決プラン」を書くことだ。

 試しにやってみた所、「解決プラン」は容易に書くことができたが、「適応思考」(新しい考え方)が全く出てこないという摩訶不思議な現象が起きてしまった。
 選んだエピソードが悪かったのか。もっと落ち込んだ時にはどうなるのか。実験しつつ、弱点を補ってゆこうと思う。

 一日を終えて、再び気分の落ち込みの波がやってきた。少し運動をしたら早速ワークブックを行おう。
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