8 / 8
八話
しおりを挟む
「2年前。君がいなくなってすぐに探したんだがなかなか見つからなくてね。けれど調べるうちに君の事情がわかってきた。君は侯爵家のご令嬢だろう?」
「ええ‥‥そうでした。」
「君を襲った暴漢どもは捕まえて罰を受けさせてある。だから安心しなさい。」
「っ‥‥ありがとうございます。」
「それと侯爵家に王家から調査を入れた。君の叔父を名乗った人たちはすでに前侯爵から破門を言い渡されていたようだ。いくつか違法なことに手を染めいてたことが発覚して彼らも罰を受けている。」
そんなことになっていただなんてーー。
「君の元婚約者。セルジオだったか?侯爵家との婚約もなくなって結局成人後、平民落ちだ。その後身を持ち崩して盗賊に成り果て騎士団に討伐された。今、侯爵家は王家が代理で管理している。正統なる後継者が帰ってくるのを待ち侘びているんだ。」
「それって‥‥。」
「君のことだよ。ミレイア。君の両親の事故は叔父の仕組んだことだった。君を不当に虐げたことも決して許されることではない。もう二度と君の前に現れることはない。」
「あぁ‥‥。」
何と言ったらいいのだろう?言葉が出てこない。
「帰ってきてくれないか?ミレイア。」
「帰る?あの家に?」
「怖い?」
「怖い。怖いのかもしれない。でも‥‥でも帰りたい!あそこはお父様とお母様の大切な思い出がたくさんあるもの。」
「解雇された使用人たちには戻ってもらっている。彼らも君の帰りを心待ちにしているよ。」
「帰ります!!」
「案内しよう。」
「「「「「お帰りなさいませ!お嬢様!」」」」」
「っ‥‥ただいま!!」
そこには最後まで私の見方をしてくれた使用人たちが涙を流して並んでいた。
「ああ!本当によがったです。お嬢様!あの時はお守りできなくて申し訳ございません!!」
「じぃ!そんな、あなたが謝ることでは。」
感動の再会を終えて、客間で殿下と話をすることに。
「どうだろう?私との結婚を承諾してくれないか?」
「その前にお聞きしてもよろしいですか?」
「何でも聞いてくれ。」
「殿下は婚約者も作らず、ご結婚される気がないのではと言われていましたよね?なぜ私と?やはりルーカスがいるからですか?」
「そうだね。もちろんルーカスのこともある。だけどそれ以上に君だからだよ。12年前、君と私は会っているんだ。その時から私は君に恋をしていた。だから君意外と結婚する気はなかったんだよ。迎えにいくのが遅くなってすまない。ミレイア、愛している。」
ふと思い出す。王城の中庭で迷子になった時に出会った青い瞳の男の子を。
泣いている私を慰めてそっとそばに寄り添ってくれた人。あの時繋いだ手は温かくて安心した。
殿下だったんだ。
「殿下。私の初恋もあなたです。」
「?!そんな‥‥。」
「末長くよろしくお願いします!」
「ああ、もちろん!!」
ぎゅーっと抱きしめられて嬉しくて涙が出る。
とたとたとた!!
「ぎゅー!僕も!!」
そこにルーカスも加わって家族で抱きしめ合った。
ーー私は侯爵家に戻り、テオドールと結婚した。
テオドールは王位継承権を放棄し、侯爵家に入った。空白の2年を埋めるかのようにルーカスとテオドールとたくさん思い出作って幸せに暮らした。
もうすっかりセルジオやニーナのことを思い出す暇もないくらい幸せだわ。
もうすぐルーカスに妹ができる。ふふっ、何で伝えようかしら?
「ええ‥‥そうでした。」
「君を襲った暴漢どもは捕まえて罰を受けさせてある。だから安心しなさい。」
「っ‥‥ありがとうございます。」
「それと侯爵家に王家から調査を入れた。君の叔父を名乗った人たちはすでに前侯爵から破門を言い渡されていたようだ。いくつか違法なことに手を染めいてたことが発覚して彼らも罰を受けている。」
そんなことになっていただなんてーー。
「君の元婚約者。セルジオだったか?侯爵家との婚約もなくなって結局成人後、平民落ちだ。その後身を持ち崩して盗賊に成り果て騎士団に討伐された。今、侯爵家は王家が代理で管理している。正統なる後継者が帰ってくるのを待ち侘びているんだ。」
「それって‥‥。」
「君のことだよ。ミレイア。君の両親の事故は叔父の仕組んだことだった。君を不当に虐げたことも決して許されることではない。もう二度と君の前に現れることはない。」
「あぁ‥‥。」
何と言ったらいいのだろう?言葉が出てこない。
「帰ってきてくれないか?ミレイア。」
「帰る?あの家に?」
「怖い?」
「怖い。怖いのかもしれない。でも‥‥でも帰りたい!あそこはお父様とお母様の大切な思い出がたくさんあるもの。」
「解雇された使用人たちには戻ってもらっている。彼らも君の帰りを心待ちにしているよ。」
「帰ります!!」
「案内しよう。」
「「「「「お帰りなさいませ!お嬢様!」」」」」
「っ‥‥ただいま!!」
そこには最後まで私の見方をしてくれた使用人たちが涙を流して並んでいた。
「ああ!本当によがったです。お嬢様!あの時はお守りできなくて申し訳ございません!!」
「じぃ!そんな、あなたが謝ることでは。」
感動の再会を終えて、客間で殿下と話をすることに。
「どうだろう?私との結婚を承諾してくれないか?」
「その前にお聞きしてもよろしいですか?」
「何でも聞いてくれ。」
「殿下は婚約者も作らず、ご結婚される気がないのではと言われていましたよね?なぜ私と?やはりルーカスがいるからですか?」
「そうだね。もちろんルーカスのこともある。だけどそれ以上に君だからだよ。12年前、君と私は会っているんだ。その時から私は君に恋をしていた。だから君意外と結婚する気はなかったんだよ。迎えにいくのが遅くなってすまない。ミレイア、愛している。」
ふと思い出す。王城の中庭で迷子になった時に出会った青い瞳の男の子を。
泣いている私を慰めてそっとそばに寄り添ってくれた人。あの時繋いだ手は温かくて安心した。
殿下だったんだ。
「殿下。私の初恋もあなたです。」
「?!そんな‥‥。」
「末長くよろしくお願いします!」
「ああ、もちろん!!」
ぎゅーっと抱きしめられて嬉しくて涙が出る。
とたとたとた!!
「ぎゅー!僕も!!」
そこにルーカスも加わって家族で抱きしめ合った。
ーー私は侯爵家に戻り、テオドールと結婚した。
テオドールは王位継承権を放棄し、侯爵家に入った。空白の2年を埋めるかのようにルーカスとテオドールとたくさん思い出作って幸せに暮らした。
もうすっかりセルジオやニーナのことを思い出す暇もないくらい幸せだわ。
もうすぐルーカスに妹ができる。ふふっ、何で伝えようかしら?
150
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
「離婚しよう」と軽く言われ了承した。わたくしはいいけど、アナタ、どうなると思っていたの?
あとさん♪
恋愛
突然、王都からお戻りになったダンナ様が、午後のお茶を楽しんでいたわたくしの目の前に座って、こう申しましたのよ、『離婚しよう』と。
閣下。こういう理由でわたくしの結婚生活は終わりましたの。
そう、ぶちまけた。
もしかしたら別れた男のあれこれを話すなんて、サイテーな女の所業かもしれない。
でも、もう良妻になる気は無い。どうでもいいとばかりに投げやりになっていた。
そんなヤサぐれモードだったわたくしの話をじっと聞いて下さった侯爵閣下。
わたくし、あなたの後添いになってもいいのでしょうか?
※前・中・後編。番外編は緩やかなR18(4話)。(本編より長い番外編って……orz)
※なんちゃって異世界。
※「恋愛」と「ざまぁ」の相性が、実は悪いという話をきいて挑戦してみた。ざまぁは後編に。
※この話は小説家になろうにも掲載しております。
【完結】私は義兄に嫌われている
春野オカリナ
恋愛
私が5才の時に彼はやって来た。
十歳の義兄、アーネストはクラウディア公爵家の跡継ぎになるべく引き取られた子供。
黒曜石の髪にルビーの瞳の強力な魔力持ちの麗しい男の子。
でも、両親の前では猫を被っていて私の事は「出来損ないの公爵令嬢」と馬鹿にする。
意地悪ばかりする義兄に私は嫌われている。
姉の結婚式に姉が来ません。どうやら私を身代わりにする方向で話はまとまったみたいです。式の後はどうするんですか?親族の皆様・・・!?
ゆきりん(安室 雪)
恋愛
家の借金を返済する為に、姉が結婚する事になった。その双子の姉が、結婚式当日消えた。私の親族はとりあえず顔が同じ双子の妹である私に結婚式を行う様に言って来た。断る事が出来ずに、とりあえず式だけという事で式をしたのだが?
あの、式の後はどうしたら良いのでしょうか?私、ソフィア・グレイスはウェディングドレスで立ちつくす。
親戚の皆様、帰る前に何か言って下さい。
愛の無い結婚から、溺愛されるお話しです。
【4話完結】 君を愛することはないと、こっちから言ってみた
紬あおい
恋愛
皇女にべったりな護衛騎士の夫。
流行りの「君を愛することはない」と先に言ってやった。
ザマアミロ!はあ、スッキリした。
と思っていたら、夫が溺愛されたがってる…何で!?
【完結】 愛されない私と隠れ家の妖精
紬あおい
恋愛
初恋は心に秘めたまま叶わず、結婚した人まで妹を愛していた。
誰にも愛されないと悟った私の心の拠りどころは、公爵邸の敷地の片隅にある小さな隠れ家だった。
普段は次期公爵の妻として、隠れ家で過ごす時は一人の人間として。
心のバランスを保つ為に必要だった。
唯一の友達だった妖精が、全てを明かした時、未来が開ける。
ワケあってこっそり歩いていた王宮で愛妾にされました。
しゃーりん
恋愛
ルーチェは夫を亡くして実家に戻り、気持ち的に肩身の狭い思いをしていた。
そこに、王宮から仕事を依頼したいと言われ、実家から出られるのであればと安易に引き受けてしまった。
王宮を訪れたルーチェに指示された仕事とは、第二王子殿下の閨教育だった。
断りきれず、ルーチェは一度限りという条件で了承することになった。
閨教育の夜、第二王子殿下のもとへ向かう途中のルーチェを連れ去ったのは王太子殿下で……
ルーチェを逃がさないように愛妾にした王太子殿下のお話です。
【完結】婚約者には必ずオマケの義姉がついてくる
春野オカリナ
恋愛
幼い頃からの婚約者とお出掛けすると必ず彼の義姉が付いてきた。
でも、そろそろ姉から卒業して欲しい私は
「そろそろお義姉様から離れて、一人立ちしたら」
すると彼は
「義姉と一緒に婿に行く事にしたんだ」
とんでもないことを事を言う彼に私は愛想がつきた。
さて、どうやって別れようかな?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる