追放された悪役令嬢はシングルマザー

ララ

文字の大きさ
4 / 9

4話

しおりを挟む
「お母さま!みて!きれいな石。これ上げる!!」

「まあ!私にくれるの?ありがとう。」

出産から6年。ルーカスは随分と大きくなった。毎晩欠かさずに一滴目薬を垂らす。

ーー

「ルーカス。大事なことなの。この目薬を毎晩必ずあなたはしなければならないわ。でもこのことを他の誰にも言ってはいけないわ。」

「どうして?」

「あなたを守るためよ。これを忘れたらルーカスは怖い人に連れて行かれてしまうかもしれないの。」

「ぅぇいやだ!!」

「ええ、私も嫌よ。だから約束して。この目薬を必ずすると。そして誰にも言わないと。」

「うん!やくそくする!おかあさまと2人だけの秘密?」

「そう、2人だけの秘密よ!」

ーー

幼い頃から幾度となく言い聞かせてきた。幼いながら賢いルーカスは何かを察しているのかもしれない。今では私が言わなくてもきちんと夜に目薬をするようになった。

不便を強いるのは本意ではないけれど万が一シルフォニア王国にルーカスの存在を知られてはならない。

カルディア王国に来るまでに私の死を偽装してきた。たいして私に興味を持っていないカリストならば私が生きていることにすら気が付かないはずだ。

けれど念には念を入れて。

ルーカスに何があっては生きていけないわ!

私が国を追われてから6年。今、シルフォニア王国は私の当初の懸念通り独裁国家となっている。崩壊も近いと言われている。アゲハの散財もすごいらしいわ。

今は周辺国が睨みを効かせあって動いていないだけで何かきっかけさえあればすぐにでも動くだろう。

そうなった時ルーカスの存在は絶対に知られてはならない。王家の血を絶やそうとするだろう。そうなったら何の罪もないルーカスにまで被害が及ぶかもしれない。

コンコンッ

「ルーカスいる?メアリよ!あーそーぼー!!」

「メアリちゃんだ!お母さま行ってもいい?」

「ええ、いってらっしゃい。私もすぐ行くわ。」

「わーい!あそぼ!」

「うん!!」

きゃらきゃらと笑いながらかけていく子どもたちは可愛くて仕方がない。メアリちゃんはマーユ子ども。

ルーカスと1歳差だ。マーユには3人の子供がいる。メアリちゃんは末っ子だ。

準備をして広場に行くとルーカスを含め、たくさんの子が遊んでいる。そばには子どもたちの親がいて子を見ながら話に花を咲かせている。

「こんにちは。」

「あら!こんにちは。クレア!」

「クレア!こんにちは。」

「こんにちは。クレアさん。」

「ねえねえ聞いた?来週この街に王族がお越しになられるんだって!」

「王族が??」

「この街にダンジョンがあるでしょう?そこに訓練として騎士団を率いた第二王子殿下がいらっしゃるんですって!」

「まあ?そうなの?」

「警備は厳重になるだろうけどお客さんも増えると思うわよ!」

「それならうちは大助かりだ。なんせいんしょくてんだからね。集客が期待できる!」

「それは助かるわね。でもそうなるとその期間は子どもたちを自由に遊ばせられないわね。」

「そうよねぇ~、滞在は1ヶ月の予定なのでしょう?」

「ええ、そうらしいわよ。」

お母さんたちの話をまとめるとこうだ。

来週から第二王子殿下率いる騎士団がこの街のダンジョへやってくる。滞在は1ヶ月ほど。

少し、心配だわ。でもきっと平気よね?第二王子殿下とは面識がないし‥‥。

でもなるべく関わらないようにしましょう!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

前世を思い出したので、最愛の夫に会いに行きます!

お好み焼き
恋愛
ずっと辛かった。幼き頃から努力を重ね、ずっとお慕いしていたアーカイム様の婚約者になった後も、アーカイム様はわたくしの従姉妹のマーガレットしか見ていなかったから。だから精霊王様に頼んだ。アーカイム様をお慕いするわたくしを全て消して下さい、と。 ……。 …………。 「レオくぅーん!いま会いに行きます!」

私は《悪役令嬢》の役を降りさせて頂きます

・めぐめぐ・
恋愛
公爵令嬢であるアンティローゼは、婚約者エリオットの想い人であるルシア伯爵令嬢に嫌がらせをしていたことが原因で婚約破棄され、彼に突き飛ばされた拍子に頭をぶつけて死んでしまった。 気が付くと闇の世界にいた。 そこで彼女は、不思議な男の声によってこの世界の真実を知る。 この世界が恋愛小説であり《読者》という存在の影響下にあることを。 そしてアンティローゼが《悪役令嬢》であり、彼女が《悪役令嬢》である限り、断罪され死ぬ運命から逃れることができないことを―― 全てを知った彼女は決意した。 「……もう、あなたたちの思惑には乗らない。私は、《悪役令嬢》の役を降りさせて頂くわ」 ※全12話 約15,000字。完結してるのでエタりません♪ ※よくある悪役令嬢設定です。 ※頭空っぽにして読んでね! ※ご都合主義です。 ※息抜きと勢いで書いた作品なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです(笑)

巻き戻ったから切れてみた

こもろう
恋愛
昔からの恋人を隠していた婚約者に断罪された私。気がついたら巻き戻っていたからブチ切れた! 軽~く読み飛ばし推奨です。

大事な婚約者が傷付けられたので全力で報復する事にした。

オーガスト
恋愛
 イーデルハイト王国王太子・ルカリオは王家の唯一の王位継承者。1,000年の歴史を誇る大陸最古の王家の存亡は彼とその婚約者の肩に掛かっている。そんなルカリオの婚約者の名はルーシェ。王国3大貴族に名を連ねる侯爵家の長女であり、才色兼備で知られていた。  ルカリオはそんな彼女と共に王家の未来を明るい物とするべく奮闘していたのだがある日ルーシェは婚約の解消を願い出て辺境の別荘に引きこもってしまう。  突然の申し出に困惑する彼だが侯爵から原因となった雑誌を見せられ激怒  全力で報復する事にした。  ノーリアリティ&ノークオリティご注意

愛のない貴方からの婚約破棄は受け入れますが、その不貞の代償は大きいですよ?

日々埋没。
恋愛
 公爵令嬢アズールサは隣国の男爵令嬢による嘘のイジメ被害告発のせいで、婚約者の王太子から婚約破棄を告げられる。 「どうぞご自由に。私なら傲慢な殿下にも王太子妃の地位にも未練はございませんので」  しかし愛のない政略結婚でこれまで冷遇されてきたアズールサは二つ返事で了承し、晴れて邪魔な婚約者を男爵令嬢に押し付けることに成功する。 「――ああそうそう、殿下が入れ込んでいるそちらの彼女って実は〇〇ですよ? まあ独り言ですが」  嘘つき男爵令嬢に騙された王太子は取り返しのつかない最期を迎えることになり……。    ※この作品は過去に公開したことのある作品に修正を加えたものです。  またこの作品とは別に、他サイトでも本作を元にしたリメイク作を別のペンネー厶で公開していますがそのことをあらかじめご了承ください。

私が嫌いなら婚約破棄したらどうなんですか?

きららののん
恋愛
優しきおっとりでマイペースな令嬢は、太陽のように熱い王太子の側にいることを幸せに思っていた。 しかし、悪役令嬢に刃のような言葉を浴びせられ、自信の無くした令嬢は……

初恋の人と再会したら、妹の取り巻きになっていました

山科ひさき
恋愛
物心ついた頃から美しい双子の妹の陰に隠れ、実の両親にすら愛されることのなかったエミリー。彼女は妹のみの誕生日会を開いている最中の家から抜け出し、その先で出会った少年に恋をする。 だが再会した彼は美しい妹の言葉を信じ、エミリーを「妹を執拗にいじめる最低な姉」だと思い込んでいた。 なろうにも投稿しています。

五人姉妹の上から四番目でいつも空気だった私は少々出遅れていましたが……? ~ハッピーエンドへ走りたい~

四季
恋愛
五人姉妹の上から四番目でいつも空気だった私は少々出遅れていましたが……?

処理中です...