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4話
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「お母さま!みて!きれいな石。これ上げる!!」
「まあ!私にくれるの?ありがとう。」
出産から6年。ルーカスは随分と大きくなった。毎晩欠かさずに一滴目薬を垂らす。
ーー
「ルーカス。大事なことなの。この目薬を毎晩必ずあなたはしなければならないわ。でもこのことを他の誰にも言ってはいけないわ。」
「どうして?」
「あなたを守るためよ。これを忘れたらルーカスは怖い人に連れて行かれてしまうかもしれないの。」
「ぅぇいやだ!!」
「ええ、私も嫌よ。だから約束して。この目薬を必ずすると。そして誰にも言わないと。」
「うん!やくそくする!おかあさまと2人だけの秘密?」
「そう、2人だけの秘密よ!」
ーー
幼い頃から幾度となく言い聞かせてきた。幼いながら賢いルーカスは何かを察しているのかもしれない。今では私が言わなくてもきちんと夜に目薬をするようになった。
不便を強いるのは本意ではないけれど万が一シルフォニア王国にルーカスの存在を知られてはならない。
カルディア王国に来るまでに私の死を偽装してきた。たいして私に興味を持っていないカリストならば私が生きていることにすら気が付かないはずだ。
けれど念には念を入れて。
ルーカスに何があっては生きていけないわ!
私が国を追われてから6年。今、シルフォニア王国は私の当初の懸念通り独裁国家となっている。崩壊も近いと言われている。アゲハの散財もすごいらしいわ。
今は周辺国が睨みを効かせあって動いていないだけで何かきっかけさえあればすぐにでも動くだろう。
そうなった時ルーカスの存在は絶対に知られてはならない。王家の血を絶やそうとするだろう。そうなったら何の罪もないルーカスにまで被害が及ぶかもしれない。
コンコンッ
「ルーカスいる?メアリよ!あーそーぼー!!」
「メアリちゃんだ!お母さま行ってもいい?」
「ええ、いってらっしゃい。私もすぐ行くわ。」
「わーい!あそぼ!」
「うん!!」
きゃらきゃらと笑いながらかけていく子どもたちは可愛くて仕方がない。メアリちゃんはマーユ子ども。
ルーカスと1歳差だ。マーユには3人の子供がいる。メアリちゃんは末っ子だ。
準備をして広場に行くとルーカスを含め、たくさんの子が遊んでいる。そばには子どもたちの親がいて子を見ながら話に花を咲かせている。
「こんにちは。」
「あら!こんにちは。クレア!」
「クレア!こんにちは。」
「こんにちは。クレアさん。」
「ねえねえ聞いた?来週この街に王族がお越しになられるんだって!」
「王族が??」
「この街にダンジョンがあるでしょう?そこに訓練として騎士団を率いた第二王子殿下がいらっしゃるんですって!」
「まあ?そうなの?」
「警備は厳重になるだろうけどお客さんも増えると思うわよ!」
「それならうちは大助かりだ。なんせいんしょくてんだからね。集客が期待できる!」
「それは助かるわね。でもそうなるとその期間は子どもたちを自由に遊ばせられないわね。」
「そうよねぇ~、滞在は1ヶ月の予定なのでしょう?」
「ええ、そうらしいわよ。」
お母さんたちの話をまとめるとこうだ。
来週から第二王子殿下率いる騎士団がこの街のダンジョへやってくる。滞在は1ヶ月ほど。
少し、心配だわ。でもきっと平気よね?第二王子殿下とは面識がないし‥‥。
でもなるべく関わらないようにしましょう!
「まあ!私にくれるの?ありがとう。」
出産から6年。ルーカスは随分と大きくなった。毎晩欠かさずに一滴目薬を垂らす。
ーー
「ルーカス。大事なことなの。この目薬を毎晩必ずあなたはしなければならないわ。でもこのことを他の誰にも言ってはいけないわ。」
「どうして?」
「あなたを守るためよ。これを忘れたらルーカスは怖い人に連れて行かれてしまうかもしれないの。」
「ぅぇいやだ!!」
「ええ、私も嫌よ。だから約束して。この目薬を必ずすると。そして誰にも言わないと。」
「うん!やくそくする!おかあさまと2人だけの秘密?」
「そう、2人だけの秘密よ!」
ーー
幼い頃から幾度となく言い聞かせてきた。幼いながら賢いルーカスは何かを察しているのかもしれない。今では私が言わなくてもきちんと夜に目薬をするようになった。
不便を強いるのは本意ではないけれど万が一シルフォニア王国にルーカスの存在を知られてはならない。
カルディア王国に来るまでに私の死を偽装してきた。たいして私に興味を持っていないカリストならば私が生きていることにすら気が付かないはずだ。
けれど念には念を入れて。
ルーカスに何があっては生きていけないわ!
私が国を追われてから6年。今、シルフォニア王国は私の当初の懸念通り独裁国家となっている。崩壊も近いと言われている。アゲハの散財もすごいらしいわ。
今は周辺国が睨みを効かせあって動いていないだけで何かきっかけさえあればすぐにでも動くだろう。
そうなった時ルーカスの存在は絶対に知られてはならない。王家の血を絶やそうとするだろう。そうなったら何の罪もないルーカスにまで被害が及ぶかもしれない。
コンコンッ
「ルーカスいる?メアリよ!あーそーぼー!!」
「メアリちゃんだ!お母さま行ってもいい?」
「ええ、いってらっしゃい。私もすぐ行くわ。」
「わーい!あそぼ!」
「うん!!」
きゃらきゃらと笑いながらかけていく子どもたちは可愛くて仕方がない。メアリちゃんはマーユ子ども。
ルーカスと1歳差だ。マーユには3人の子供がいる。メアリちゃんは末っ子だ。
準備をして広場に行くとルーカスを含め、たくさんの子が遊んでいる。そばには子どもたちの親がいて子を見ながら話に花を咲かせている。
「こんにちは。」
「あら!こんにちは。クレア!」
「クレア!こんにちは。」
「こんにちは。クレアさん。」
「ねえねえ聞いた?来週この街に王族がお越しになられるんだって!」
「王族が??」
「この街にダンジョンがあるでしょう?そこに訓練として騎士団を率いた第二王子殿下がいらっしゃるんですって!」
「まあ?そうなの?」
「警備は厳重になるだろうけどお客さんも増えると思うわよ!」
「それならうちは大助かりだ。なんせいんしょくてんだからね。集客が期待できる!」
「それは助かるわね。でもそうなるとその期間は子どもたちを自由に遊ばせられないわね。」
「そうよねぇ~、滞在は1ヶ月の予定なのでしょう?」
「ええ、そうらしいわよ。」
お母さんたちの話をまとめるとこうだ。
来週から第二王子殿下率いる騎士団がこの街のダンジョへやってくる。滞在は1ヶ月ほど。
少し、心配だわ。でもきっと平気よね?第二王子殿下とは面識がないし‥‥。
でもなるべく関わらないようにしましょう!
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