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或る屑人間の死(未完)
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僕みたいな屑人間は死んだほうがいいと思って、いや、死んだほうがいいのだ、四五年付き合っていた女に振られ自殺未遂をし、それから精神病に罹り薬漬けで、自殺未遂を何度も重ね、入退院を繰り返し、三十を手前になっても生活保護を受給し狭いアパートに住み、飲酒と喫煙が止められず、友人や親からは金を借り、夜は眠れず、金にもならない小説を十何年も書き続け、そんな僕が、何故生きているのか、僕自身理由がさっぱりわからない、と自問自答の末、近々死ぬのだろうと、ぼんやりと考えながらこうやって遺書のようなものを書き、しかしそれでも死ぬのが怖く、実行に移せず、ただ生きながらえている、それは生きるに価しない存在であり、が、それでも生きたいと思うのは、四ヶ月入院した精神病院の閉鎖病棟で知り合った二児の子持ちのバツイチの女性に惚れたからだが、その人や子供を養うような甲斐性も財力も無く、というよりも、その女性が僕に振り向いてくれる可能性がほぼ皆無であるのにも関わらず、それにしがみついて入院中に彼女に貰った塗り絵とその裏に書かれたメッセージを眺め、ただひたすらに会いたいと思い願い、彼女は入院を続け、入院中に退院したらどこそこへ呑みに行こうだのライヴに行こうだのという只の口約束を信じ込み、誰にでも優しくお尻が小さくて顔も小さく可愛い彼女を思いながら、死んでいくのもまた一興だなどとぶら下げたベルトを眺めながら、四年前に僕の目の前で飛び降り自殺した同じく作家志望の友人の事を考え、飛び降りの方が楽なのではないかと考え、しかしそれでも述べた通り死ぬのが怖く、朝の五時半になり一月も下旬で暖房の無い部屋は寒く、退院したばかりで不安の塊が焼きつき食欲も無く、ただひたすら煙草を吸って少ない金を浪費し、三日には保護費が入るのだが携帯代や借金や家賃や酒や煙草に消え、もう僕の人生にはなんの期待も希望も無く、生きる意味も理由も見出せず、何故僕は生まれて来たのだろうか、わからない、わからない、自殺願望というか希死念慮に苛まれ、脳裏にはひたすら自殺する映像が流れ、それでも何とか生きているというのは、死にたいという思いと矛盾すると分かっていながら、
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