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第1章:ふしぎな人
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待ち合わせ場所に着いて、プロフに載ってる写真を見ながらその人を捜してみると、すぐに見つけることができた。
「はじめまして……。ケンジさん、ですよね?」
サイトのプロフに掲載している写真を加工する男が結構いる中で、私同様に偽っていない姿を見られたことに安堵しつつ、恐々と話しかけたら、ちょっとだけ引きつった笑みを彼は浮かべた。
「はっ、はじめまして! エリカさん……」
前髪が長めだけど、サイドを刈り上げてサッパリしてる黒髪に、茶縁のメガネをかけた細面の顔。
瞳は奥二重で、どこか野暮ったく見えた。すぐそばにある鼻も唇も普通。背だってそこまで高くない、170センチ前後といったところだった。
(年齢は37歳ってプロフに書いてあったけど、それよりは若い感じの、どこにでもいそうな普通の人だな――)
ニッコリと微笑みながら上目遣いで視線を合わせてみると、困った顔で視線をキョロキョロさせる。その落ち着きのない子どもみたいな様子に、ちょっとだけ笑ってしまった。
もしかして、こういうことをするのが、はじめてなのかもしれない――。
「ケンジさん、ちょっとだけお話しません? そこにあるベンチに座りましょうか」
くいくいっと袖を引っ張って誘導したら、黙ってついて来た。大人しいワンちゃんの散歩をしてるみたい。
先に座ったら少しだけ間を空けて両膝をくっつけて座る様子が、さらに笑いを誘う。
「ケンジさんって、こういうの初めてですか?」
待ち合わせ場所に着いて、プロフに載ってる写真を見ながらその人を捜してみると、すぐに見つけることができた。
「はじめまして……。ケンジさん、ですよね?」
サイトのプロフに掲載している写真を加工する男が結構いる中で、私同様に偽っていない姿を見られたことに安堵しつつ、恐々と話しかけたら、ちょっとだけ引きつった笑みを彼は浮かべた。
「はっ、はじめまして! エリカさん……」
前髪が長めだけど、サイドを刈り上げてサッパリしてる黒髪に、茶縁のメガネをかけた細面の顔。
瞳は奥二重で、どこか野暮ったく見えた。すぐそばにある鼻も唇も普通。背だってそこまで高くない、170センチ前後といったところだった。
(年齢は37歳ってプロフに書いてあったけど、それよりは若い感じの、どこにでもいそうな普通の人だな――)
ニッコリと微笑みながら上目遣いで視線を合わせてみると、困った顔で視線をキョロキョロさせる。その落ち着きのない子どもみたいな様子に、ちょっとだけ笑ってしまった。
もしかして、こういうことをするのが、はじめてなのかもしれない――。
「ケンジさん、ちょっとだけお話しません? そこにあるベンチに座りましょうか」
くいくいっと袖を引っ張って誘導したら、黙ってついて来た。大人しいワンちゃんの散歩をしてるみたい。
先に座ったら少しだけ間を空けて両膝をくっつけて座る様子が、さらに笑いを誘う。
「ケンジさんって、こういうの初めてですか?」
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