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第1章 魔法陣を抜けると、異世界であった
7. サンタクロース現象とナイフ
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チュンチュン、と小鳥が軽やかに鳴く声が聞こえてきた。
(どこの世界でも鳥の鳴き声で目を覚ますのは共通なのね)
はだけたブランケットを整えて、エリーズは体を起こした。
(結局朝まで寝てしまった)
手紙が届くまで待つつもりだったのに、見事に『サンタクロースが来るまで起きているつもりだったのに寝てしまったクリスマスの子供現象』が起きたのだ。
今まで夜の八時に寝て、朝七時に起きてるという"超"健康的な生活をしていたものだから、仕方ないと言えば仕方ないけれど。
(さて、今日は一体何が書かれてるんだ?)
昨日のようにベッドサイドテーブルに置いてある手紙を手に取る。表には『親愛なるエリーズ嬢へ』の文字が相変わらず。
エリーズ はこれまた変わらずシーリングスタンプで丁寧に留めてある手紙の封を切った。
(あれ、何か入ってる?)
手に当たったものを取り出してみると、それはナイフよりも少し刃渡りの長いナイフだった。
(物騒だなぁ)
柄の部分には小さな青い宝石が一つだけ埋め込まれている。全体的に青っぽい造りで、どうやらエリーズのイメージに寄せているらしい。
(これで闘えってことか。いやでも手紙読まないと分かんないな)
エリーズはゆっくりと同封されている手紙を開いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
親愛なるエリーズ嬢へ
こんにちは。神様です。昨日はそこそこ上手くやったようですね。良かった良かった。
ところで、貴女が今疑問に思っているのは、同封したナイフのことでしょう?
無理もありませんね。こんな物騒なもの、くらいに思っているかもしれない。
さて、そのナイフについてですが、それは貴女の護身用のものです。
前にも言ったように、ここは乙女ゲームの世界。昨日のフラグはどうにか叩き折ったものの、これから先まだまだバッドエンドフラグがあります。
ネタバレはしたくないので、言うつもりはありませんが、1週間後、早速それを使う機会があるくらいです。
その時のことは、今までと同じように朝の手紙で指示しますね。
とりあえず今日のことを、と言いたいですが、今日は特に何もありません。
聡い貴女ならきっと、軽いフラグくらいは回避してみせるでしょう。
では、ご機嫌よう
神様より
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(何かまた面倒くさそうなのきた)
エリーズは小さく溜息を吐いた。仕方ない。何かすごい話が進んでる気がするし、ついでに剣術使うことになっているのだ。
(神様に遊ばれているような気がしているのは、私だけなんだろうか?)
神様、もはや楽しんでるんじゃないんだろうか。ネタバレはしたくない、てなんなんだ。
エリーズはもう一度溜息をついた。
先程からすごくいい匂いがしてきている。どうやらそろそろ朝食の準備ができるようだ。
パタリと手紙を閉じると、エリーズはベッドから立ち上がった。
(どこの世界でも鳥の鳴き声で目を覚ますのは共通なのね)
はだけたブランケットを整えて、エリーズは体を起こした。
(結局朝まで寝てしまった)
手紙が届くまで待つつもりだったのに、見事に『サンタクロースが来るまで起きているつもりだったのに寝てしまったクリスマスの子供現象』が起きたのだ。
今まで夜の八時に寝て、朝七時に起きてるという"超"健康的な生活をしていたものだから、仕方ないと言えば仕方ないけれど。
(さて、今日は一体何が書かれてるんだ?)
昨日のようにベッドサイドテーブルに置いてある手紙を手に取る。表には『親愛なるエリーズ嬢へ』の文字が相変わらず。
エリーズ はこれまた変わらずシーリングスタンプで丁寧に留めてある手紙の封を切った。
(あれ、何か入ってる?)
手に当たったものを取り出してみると、それはナイフよりも少し刃渡りの長いナイフだった。
(物騒だなぁ)
柄の部分には小さな青い宝石が一つだけ埋め込まれている。全体的に青っぽい造りで、どうやらエリーズのイメージに寄せているらしい。
(これで闘えってことか。いやでも手紙読まないと分かんないな)
エリーズはゆっくりと同封されている手紙を開いた。
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親愛なるエリーズ嬢へ
こんにちは。神様です。昨日はそこそこ上手くやったようですね。良かった良かった。
ところで、貴女が今疑問に思っているのは、同封したナイフのことでしょう?
無理もありませんね。こんな物騒なもの、くらいに思っているかもしれない。
さて、そのナイフについてですが、それは貴女の護身用のものです。
前にも言ったように、ここは乙女ゲームの世界。昨日のフラグはどうにか叩き折ったものの、これから先まだまだバッドエンドフラグがあります。
ネタバレはしたくないので、言うつもりはありませんが、1週間後、早速それを使う機会があるくらいです。
その時のことは、今までと同じように朝の手紙で指示しますね。
とりあえず今日のことを、と言いたいですが、今日は特に何もありません。
聡い貴女ならきっと、軽いフラグくらいは回避してみせるでしょう。
では、ご機嫌よう
神様より
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(何かまた面倒くさそうなのきた)
エリーズは小さく溜息を吐いた。仕方ない。何かすごい話が進んでる気がするし、ついでに剣術使うことになっているのだ。
(神様に遊ばれているような気がしているのは、私だけなんだろうか?)
神様、もはや楽しんでるんじゃないんだろうか。ネタバレはしたくない、てなんなんだ。
エリーズはもう一度溜息をついた。
先程からすごくいい匂いがしてきている。どうやらそろそろ朝食の準備ができるようだ。
パタリと手紙を閉じると、エリーズはベッドから立ち上がった。
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