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第1章 魔法陣を抜けると、異世界であった
11. ほうれん草とおにぎり、リーダーを添えて
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体操服のジャケットの内ポケットからナイフを取り出した。もちろんこれで怪我をさせたりするつもりはない。
昨日シュミレーションしたおかげでしっくるそれを、エリーズはしっかりと握り直した。
「あれ、正義のヒーローがナイフなんか出しちゃうの?」
リーダー格の右隣にいるものすんごい猫背の少年がゲラゲラ笑った。何故か葉物野菜みたいな髪型をしている。よし、彼はほうれん草だ。左隣にいる少年は、何かおにぎりっぽい。彼はおにぎりでいいか。
相変わらずニマニマと笑いながら、ほうれん草がどっかからナイフを出した。
(そっちもナイフ出してんじゃん)
心の中でつっこむが、あまりふざけてはいられない。自分の剣術が、どれほど通用するか分からない。
しばらく睨み合ったあと、どちらからともなく動きだした。
ほうれん草がナイフを突き刺してきた。それを自分のナイフで受け止めつつ、隙をついたとばかりに走ってきたおにぎりもろとも回し蹴りにする。
地面に倒れた二人を、リーダーがあらま、とばかりに見下ろした。もしかしたらほうれん草とおにぎり、エリーズのことを見くびっていたわりに、ものすごく弱いのかもしれない。
リーダーと向き直る。向こうでリルをリンチしていた少年達は、いつの間にかいなくなっていた。
「結構強いんだな」
呟いたリーダーの後ろで、リルが小さく震えている。確かに先程のリンチはタチが悪かった。
「そうじゃなきゃ喧嘩なんて売らないからね」
エリーズはリーダーを睨んで言った。
リーダーが急に走り出した。手には短剣を持っている。どうやら後ろで隠していたらしい。
エリーズがリーダーの短剣の柄の部分を掴む。リーダーの巨大な体躯の下に滑り込むと、そのまま背負い投げをした。
実はエリーズは、体術が使えるのだ。
師匠がどうしても剣でエリーズに勝てないことを悔しがり、やけになって教えたのが体術だった。
といってもエリーズはそこそこ小柄なので、てこの原理やその他色々な原理を利用して、やっとこさ成り立たせている、という感じだ。
というわけで地面に沈みこんだ三人を、エリーズは見下ろした。人は見た目で判断してはいけないのである。
「あの、ありがとうございます」
震える声でリルが話しかけてきた。将来的に自分を裏切るかもしれない少女ではあるが、喧嘩を売った時、頭に浮かんだのは入学式の時のあの明るい笑顔だった。
「全然大丈夫、それより怪我ない?」
我ながらちょっとイケメンだと思う。
「あ、はい。全然大丈夫です。助けて頂いたので」
「それなら良かった」
にっこりと笑うと、彼女も笑い返してくれた。くしゃりとした笑顔が可愛らしい。
「おーい」
リルと少し話していると、どこかから呼び声が聞こえてきた。聞き慣れた声に、背中をさー、と冷や汗が駆け降りる。
「何やってんの?」
歩いてきた彼は、少し驚いた顔をした。
昨日シュミレーションしたおかげでしっくるそれを、エリーズはしっかりと握り直した。
「あれ、正義のヒーローがナイフなんか出しちゃうの?」
リーダー格の右隣にいるものすんごい猫背の少年がゲラゲラ笑った。何故か葉物野菜みたいな髪型をしている。よし、彼はほうれん草だ。左隣にいる少年は、何かおにぎりっぽい。彼はおにぎりでいいか。
相変わらずニマニマと笑いながら、ほうれん草がどっかからナイフを出した。
(そっちもナイフ出してんじゃん)
心の中でつっこむが、あまりふざけてはいられない。自分の剣術が、どれほど通用するか分からない。
しばらく睨み合ったあと、どちらからともなく動きだした。
ほうれん草がナイフを突き刺してきた。それを自分のナイフで受け止めつつ、隙をついたとばかりに走ってきたおにぎりもろとも回し蹴りにする。
地面に倒れた二人を、リーダーがあらま、とばかりに見下ろした。もしかしたらほうれん草とおにぎり、エリーズのことを見くびっていたわりに、ものすごく弱いのかもしれない。
リーダーと向き直る。向こうでリルをリンチしていた少年達は、いつの間にかいなくなっていた。
「結構強いんだな」
呟いたリーダーの後ろで、リルが小さく震えている。確かに先程のリンチはタチが悪かった。
「そうじゃなきゃ喧嘩なんて売らないからね」
エリーズはリーダーを睨んで言った。
リーダーが急に走り出した。手には短剣を持っている。どうやら後ろで隠していたらしい。
エリーズがリーダーの短剣の柄の部分を掴む。リーダーの巨大な体躯の下に滑り込むと、そのまま背負い投げをした。
実はエリーズは、体術が使えるのだ。
師匠がどうしても剣でエリーズに勝てないことを悔しがり、やけになって教えたのが体術だった。
といってもエリーズはそこそこ小柄なので、てこの原理やその他色々な原理を利用して、やっとこさ成り立たせている、という感じだ。
というわけで地面に沈みこんだ三人を、エリーズは見下ろした。人は見た目で判断してはいけないのである。
「あの、ありがとうございます」
震える声でリルが話しかけてきた。将来的に自分を裏切るかもしれない少女ではあるが、喧嘩を売った時、頭に浮かんだのは入学式の時のあの明るい笑顔だった。
「全然大丈夫、それより怪我ない?」
我ながらちょっとイケメンだと思う。
「あ、はい。全然大丈夫です。助けて頂いたので」
「それなら良かった」
にっこりと笑うと、彼女も笑い返してくれた。くしゃりとした笑顔が可愛らしい。
「おーい」
リルと少し話していると、どこかから呼び声が聞こえてきた。聞き慣れた声に、背中をさー、と冷や汗が駆け降りる。
「何やってんの?」
歩いてきた彼は、少し驚いた顔をした。
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