詩集

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手放した今日の幸せ

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「また明日ね。」
そう言って手を離す
君の後ろ姿照らす夕日に虚しさ覚えたりして

海辺で遊んだあの日も花火を見たその日も
どれだけ輝きを放っていてももう戻れない

震える指先を僕の手で止めてあげたかった
温めてあげたかったのに
すべて「したかった事」の箱の中に

二人で歩いた海岸と線路沿い
全てが走馬灯のように頭を駆け巡る
多分今度の夏は冷たい夏だ
行きあいの空の下 
僕の頬には青色の夏風

使い終わったら幸せはなくなってしまうんだ
今更気づいても遅すぎるのに
いくら泣いても足りないや

あの時見たはずの笑顔や泣き顔は
置いていってくれたから
 あの頃の旋律はずっと心の中にしまい込んでおこう
なくしてしまわぬように

潮風が香る 僕の涙を溶かしていく
また会える日まで この風が残ってるような
世界だったら
きっと君とまた会えるのにな…
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