生と死の狭間で

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「サーリー、こっちだよ。」
僕が声を上げるとサーリーはすぐに気づいてこちらへ駆け寄ってきた。
「ごめん、待った?」
「いや、全然。今来たところ。」
集合場所となった駅は、サーリーはほとんど利用したことがないらしく、迷ってしまうのではないかと気にしていたが、案外すぐに落ち合うことができた。
「行こうか。」
「うん…。ところでラージャ、私たちは一体どこに行くの?もう教えてくれたって…。」
「まだダメ。」
「そっか…。でもまあ、だいたい想像つくけどね。この服装からしてハイキングか山登りでもするんじゃないの?」
「まあ、そんなところかな。」
僕は先日、歩きやすい服装で来て、と伝えたので、だいたい分かってしまったようだ。
「ここからバスに乗ろう。」
そう言って停留所で足を止める。
「バスに乗るの…?」
「そうだけど…。」
彼女は俯いて何かを考えているようだ。
「あのさ、歩いて行ってもいい?」
「歩いて?…いいけど、遠いよ?」
「うん、大丈夫。…実は、話したいことがあって…。」
「バスに乗ったあとも歩くからそこで話したら?」
そうだよね、と言って少しだけ微笑んで、
「だってそこは、本当にいいところなんでしょう?そこで楽しめるように、今、話しておきたいの。」
そんなに深刻なことなのだろうか。そういえば、時々悲しげな目をしていることがあった。それと何か関係があるのだろうか。彼女は一つ呼吸を置くと、静かに話し始めた。
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