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第2章 トーキョー編 目指せ! モンスター・ゼロ!
第34話 女戦士アナイザの呟き
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アマツ暦、アテナイス108年9月9日。要するに前話の翌日の話である。
シナガワ・タウンのクエストではずいぶん時間を空費してしまったので、僕はすぐにでも次のクエストを受注して次の冒険に出たかったが、昨日タマキ先生に止められた。
急ぎたいのは分かるけど、メンバーのうちみなみちゃんと瑞穂の疲労が激しいみたいだし、軍馬のカーヒラ君や輸送馬のチュニス、アルジェにも休養を与える必要があるし、馬車や装備品の修理、消耗品の補給などにはそれなりの時間がかかるものだから、せめて1週間くらいはここで休んでいきなさい、と諭されたのだ。
そんなわけで、今日はパーティーの休暇日であり、各自自由行動ということになったのだが、タマキ先生が僕に話をしたいと持ちかけてきたところ、他のメンバーもその話を聞きたがったため、今この『教室』には、タマキ先生と僕を含めたメンバー4人が揃っている。
「まず、きよたんたちへの報告なんだけどね」
タマキ先生が早速話を切り出す。
「探検家職と商人職の追加メンバーについては、特に商人職で結構な数の希望者がいて、今は候補者を絞り込んだ二次選考の段階に入っているわ。あと1ヶ月くらいで結論を出せると思うわよ」
「タマキ先生、ご苦労をおかけします」
「いいのよきよたん。私たちアマツの人類にとって、きよたんたちは唯一残された希望の星なんだから、このくらいの協力は惜しまないわよ」
「ねえタマキ先生、エイルとフライヤは候補に入ってるの?」
「入ってるわよ」
興味深々といった感じで尋ねるもえちゃんに、タマキ先生が答えた。
「僕が話をしたときには、フライヤは及び腰、エイルは態度不明って感じだったんですが、結局2人とも加入を希望したんですか?」
「そうよ。まずエイルちゃんに関しては、ほぼ最初からそのつもりだったみたいね。きよたんたちが出て行った直後に私を捕まえて、『是非私を、キヨタカ様のパーティーにお加えください!』って懇願してきたわ」
「・・・・・・エイルって割と大人しい感じの子だと思ってたけど、実はそんなガチ勢だったの?」
「もえちゃん、エイルちゃんはガチ勢というより、きよたんにベタ惚れしちゃった感じなのよ。『私はきっと、キヨタカ様をお助けするため、この世に生を受けたのです。キヨタカ様のためなら、この命さえ惜しくはありません』なんてことを平気で口走ってたわ」
「そうなの・・・・・・」
「そうだったんですか・・・・・・」
もえちゃんと僕が、相次いで思わずそう呟いた。
確かに、ひーりんぐ・えっちをしたときのエイルの態度にもそんな節は見られたが、そこまで激しく惚れられているとは思わなかった。
「それでね、探検家職の希望者はもともと少なかったこともあって、今二次選考をやっていると言っても、既に7、8割方はエイルちゃんで決まりかなって感じ。神族だけあって冒険者としての資質はダントツ、きよたんに惚れてるからやる気もダントツ、他の希望者は今やあきらめムードって感じよ」
「どうして、探検家職は希望者が少ないんですか?」
「希望者が少ないというより、探検家職を選ぶ冒険者自体がもともと少ないのよ」
「なぜですか?」
「探検家は、盗賊っていうイメージが強いのがおそらく最大の理由ね。職業名も昔はずばり『盗賊』って呼ばれていて、習得できるスキルも泥棒に応用できるものが多いから、イメージが悪いのよ。『探検家』に名称が変わったのも、盗賊ではあまりにイメージが悪すぎてなり手が少ないって理由だったらしいし」
「そういえば、盗賊に成り果てたヒガシデも、元は探検家だったとどこかで聞いたような気がします」
「そうなのよ。探検家は、冒険の色々な局面で役立つスキルを習得できるけど、戦士や魔術師なんかに比べると地味だから、日本から転生してきた子で探検家を選んだのはほんの一握り。アマツ生まれの子も、探検家を選ぶと犯罪者予備軍扱いされそうだって感じで敬遠しがち。そもそも、エイルちゃんが探検家を選んだのも、彼女の本意ではなかったみたいだし」
「そうなんですか?」
「訓練生になるアマツ出身の女の子は、大半が優秀な冒険者のお嫁さんになりたいって動機で入ってくるから、見習い冒険者から基本職にクラスチェンジできるレベルになっても、敢えて見習い冒険者のままにして、付いていく男性冒険者の希望に合わせるってスタイルを取る子が多くて、エイルちゃんもそうだったわ。
そして、例のヨーイチ君がセンターに来たとき、フライヤの仲介でエイルちゃんもヨーイチ君のパーティーに入ることになったの。本来、エイルちゃんは薬草に詳しいこともあって僧侶職が第一希望だったんだけど、僧侶職は日本から転生してきたタマヨちゃんがいるから他の職にしてくれってヨーイチ君から言われて。それで、結局エイルちゃんはもともと弓が得意だったから、特技を活かせる探検家にしようってことで話が落ち着いたんだけど、探検家に決まったときのエイルちゃん、少し落ち込んでたわ」
「そうだったんですか・・・・・・。でも、もしエイルが僧侶職になってたら、みなみちゃんと役割が被るから、僕たちのパーティーに加入できる可能性もほとんど無かったわけで。これも何かの運命ですよ」
「きよたん。エイルならあたしとしても文句ないわよ。あの子、雑用とかも率先してやってくれるし、色々と器用だから、パーティーに加えればきっと役に立つわ」
エイルを推すもえちゃん。みなみちゃんと瑞穂も特に異論は無いようなので、探検家職はエイルでほぼ決まりだな。
「それで、フライヤの方はどうなのよ?」
もえちゃんが再び尋ねる。
「あの子はね、最初は大変そうだからパスしようかな、なんて言ってたんだけど、エイルちゃんがやる気満々なのを知ると悩んじゃって。もともとあの姉妹は、揃って同じ男性のお嫁さんになりたいって言うほど仲が良いから、フライヤちゃんも、エイルちゃんと離ればなれになるのは嫌だったのね。ただ、エイルちゃんの方は、フライヤちゃんがきよたんのパーティーに加入を希望しないのであれば、自分だけになっても構わないって態度だったのよ。それで、最終的にフライヤちゃんが加入希望を決めたのは、いかにもあの子らしい理由だったわ」
そう言って、タマキ先生が苦笑いを浮かべた。
「・・・・・・どんな理由ですか?」
「きよたんがシナガワに旅立って2日くらいすると、『ねえ、きよちゃんもう帰って来ないの?』ってしつこく聞いてくるようになって。私が理由を尋ねると、『きよちゃんとおまんこしたいよ~』の一言。それで、私が『ひーりんぐ・えっちはもう終わっちゃったから、きよたんともう一回したければ、きよたんのパーティーに入れてもらうしかないんじゃない?』って答えると、フライヤは少し迷った後、『あたしもきよちゃんのパーティーに入る! きよちゃんとおまんこするためなら何でもする!』って言って、加入希望を出してきたわ」
「・・・・・・あのおまんこ娘、そんな理由で加入希望なのか」
話を聞いた僕が、思わずそう愚痴った。
「きよたん、何? 『おまんこ娘』って」
「タマキ先生、フライヤのことですよ。あの子、しょっちゅう『おまんこ』って連呼してるじゃないですか」
「確かにね」
僕の返事を聞いて、タマキ先生のみならず、その場にいた全員が思わず吹き出した。こいして、以後『おまんこ娘』というのがフライヤのあだ名になった。
「・・・・・・それで、そのおまんこ娘も当確なの?」
もえちゃんが、話の続きを促す。
「いえ、フライヤの方は競争相手が多くて、希望者の中には既に中級職になっている実力者もいるから、正直微妙なところよ」
「そういえばタマキ先生、さっき商人の希望者が多いって言ってましたね」
「そうなのよ。日本から来た子はあまり冒険者らしくないって理由で商人職を選ぶ子は少ないみたいだけど、アマツ出身で商人職を希望する子は、僧侶職の次くらいに多いわよ」
「どうしてですか?」
みなみちゃんが尋ねる。
「そうね、まず一番人気の僧侶職は、主に回復魔法の専門職だから、モンスターの襲撃なんかで怪我人の絶えないこのアマツでは、大体どこへ行っても仕事に困ることはないわ。それに、癒やし手である僧侶職の女の子と、パーティーのリーダーである戦士職の男性冒険者が結ばれるというのは、日本でもアマツでも冒険者恋愛物語の定番だと思われてるから、日本人でもアマツ人でも、女の子は僧侶職が一番人気よ。
アマツの女の子で商人職が人気なのは、結構現実的な理由で、まずお金儲けに使えるスキルを色々習得できる職業だから、食べて行くのに不自由しない。基本能力のうちLUKが伸びやすい職業だから、いろんな危機に直面しても生き残りやすい。それと、基本職6種の中では、レベルアップで獲得できるスキルポイントの量が他の職業の2倍になっているから、冒険者としてのスタイルを比較的自由にカスタマイズできるのも魅力ね。戦士系のスキルを重点的に選んで戦う商人になることも、攻撃魔法なんかを重点的に選んで魔術師兼商人みたいになることもできるわ。もちろん基本ステータスの適性による制約はあって、STRやVITの低い子が戦士系のスキルを覚えてもほとんど意味は無いけど。
だから、アマツ出身の子は男女問わず、結構目端の利くタイプが商人職を選ぶことが多いのよ。ちなみにフライヤちゃんは見習い冒険者のまま待機すること無く、見習いのレベル10になるとすぐ商人にクラスチェンジしたわね。それできよたん、選考にあたってきよたんに聞きたいことがあるんだけど」
「何ですか?」
「加入希望者のうち、既に中級職のグレートマーチャントになってる子は3人いるけど、3人ともきよたんより年上で、主な習得スキルは魔法系、戦闘では後衛に回すしか無い子たちばかりよ。特に美人って子もいないわ。一方フライヤちゃんは、まだ基本職のレベル20台だけど、基本ステータスがどの値もそこそこ高くて、伸びしろはきっと中級職の子たちより高いわ。槍を使った近接戦闘もそこそこ出来るし、そしてきよたんも知ってのとおり、あの整った顔立ちとナイスバディ。さあ、きよたんならどっちを選ぶ?」
タマキ先生が、悪戯っぽい笑みを浮かべながら尋ねてくる。
「・・・・・・その二択だと、いま後衛はみなみちゃんと瑞穂の2人いるから、これ以上後衛が増えると僕の負担が重くなりそうですね。それだと、フライヤの方がいいのかなあ」
「即答じゃないのね。先生、思春期の健康な男の子ならフライヤちゃん一択だと思うんだけど。それとも、フライヤちゃんのこと嫌いなの?」
「いえ、別に嫌いってほどじゃ無いんですけど、フライヤってほとんど興味本位で色んな男の人とえっちしまくってる女の子じゃないですか。日本だったらヤリマンとか言われそうなくらいの。だから、僕としてはフライヤの印象ってそこまで良くは無くて、ただ実際に会って話してみたりすると、明るくてそこまで悪い子でもないかなあって感じです」
「きよたん。念のため言っておくけど、フライヤちゃん以外の加入希望者にも処女なんていないわよ。アマツの女の子は、大体12歳から13歳くらいで初体験を済ませるのが普通だから、処女厨みたいな考え方は捨てなさい。それに、アマツの人類は女性の割合こそ多いけど、平均的な見た目は日本人とさして変わらないレベルだから、フライヤちゃんクラスの美少女なんて滅多にいないわよ」
「先生、僕もそれは分かってますし、処女にこだわっているというわけじゃありませんけど・・・・・・」
実際、アマツに転生してから結構な数の人たちを見てきたけど、ぱっと見て美少女だと思ったのは、今のところみなみちゃん、瑞穂、もえちゃん、エイル、フライヤ、そしてウマ娘のシオーミちゃんくらいである。なお、もえちゃんが美少女なのは機嫌が良いとき限定。
「きよたん、フライヤは悪い子じゃ無いわよ。あたしも、最初に会った頃は『おまんこ』なんて連呼するおかしな子だなあと思ってたけど、誰とでもすぐ仲良くなれるタイプで、あたしとも打ち解けちゃったわ。きっと、パーティーのムードメーカーになれるんじゃないかしら」
もえちゃんもそう言ってくる。どうやら、もえちゃんはフライヤ推しらしい。確かに、フライヤはパーティーのムードメーカーにはなれるかも知れないけど、一方でトラブルメーカーになりそうな予感もする。
「もえちゃんは良くても、みなみちゃんと瑞穂が何て言うかな・・・・・・?」
「きよたかさん、私は別に、フライヤさんでも反対はしませんよ?」
「そう? みなみちゃん、フライヤのこと嫌ってるみたいだったけど。たしか、武力行使だとか何とか言って」
「私は、フライヤさんの事が嫌いなわけじゃありません。あの貧乳を馬鹿にしたような、大きくてたゆんたゆん揺れるおっぱいが嫌いなだけです!『おっぱい憎んで人を憎まず』です」
何だそりゃ。
「ふっ。我が眷属の秘術をもって、我があのおっぱいおばけを超えれば良いだけの事。何の問題も無い」
今度は瑞穂が、自信満々にそう言い放つ。
「・・・・・・秘術って何のこと?」
事情を知らないタマキ先生が、当然ながらそう尋ねてきた。
「瑞穂はコハルさんから、女の子のおっぱいを大きくするには、毎日彼氏に揉んでもらうのがいいわよとかアドバイスされたらしくて、最近はほぼ毎日僕が揉んでるんです。それで瑞穂は、やがて自分のおっぱいがフライヤを超えるくらい大きくなると思い込んでいるんです」
「おっぱいマッサージは、私もきよたかさんにやってみらってるんですけど、瑞穂ちゃんがなぜそこまで自信満々なのか、私にもよく分かりません」
僕とみなみちゃんの説明を受けたタマキ先生は、瑞穂の方に向き直り、瑞穂の身体を一瞥すると、たしなめるようにこう告げた。
「瑞穂ちゃん。揉まれると大きくなるという話は先生も聞いたことあるけど、瑞穂ちゃんの胸がフライヤより大きくなるって言うのは、さすがに無理があると思うわよ?」
「そんなの、やってみなきゃ分からないよ!」
若干涙目になって反論する瑞穂。どうやら、胸が大きくなると信じているのでは無く、そう信じたがっているだけらしい。
「・・・・・・まあ、瑞穂ちゃんのことはいいわ。商人職については、どちらかと言うとフライヤちゃん寄りだけど、まだきよたんの意志が固まってないって感じね。とりあえず、二次選考はこのまま継続、軍の施設を借りて訓練をしている希望者たちについては、公正な選考の妨げになるおそれがあるから、エイルちゃんとフライヤちゃんも含めて、選考が終わるまではきよたんたちに会わせない、きよたんたちがセンターに戻ってきたことも知らせないってことでいい?」
「それでお願いします。ただ、タマキ先生、肝心のやる気についてはどうなんですか? 僕としては、パーティーに加入してから危険な旅は嫌だとか騒がれるのが一番嫌なんで、選考にあたってはやる気を一番重視して欲しいんですが」
「きよたんは真面目ねえ。そうね、やる気に関してはどの子もそれなりにあるけど、真面目に自分の手で魔軍をやっつけたいなんて言ってる子はいないわよ。フライヤちゃんはきよたんの身体目当て、他の子は主にお金目当てって感じね」
「何か、頼りないですね・・・・・・」
「商人職の子なんて大体そんなもんよ。結局は、きよたんの身体で繋ぎ止めるしかないんじゃないかしら」
「・・・・・・身体でって?」
「それはもちろん、自慢の名槍清隆丸でえっち漬けにして、きよたん無しじゃ生きられない身体にしちゃうってことよ。それより、今度は、先生の方から質問していい?」
「どうぞ」
◇◇◇◇◇◇
「昨日はつい聞き流しちゃったけど、改めて確認してみると、みなみちゃんが日本から転生してこのセンターに来たのは今年の5月7日、瑞穂ちゃんが来たのは5月8日。今日が9月9日だから、転生からわずか4ヶ月で中級職にクラスチェンジなんて、常識じゃあり得ないくらいの速さなのよ。クラスチェンジまで約半年かかったもえちゃんでさえ、異例の速さだって言われてたのに」
「普通はどのくらいかかるものなんですか?」
「そうねえ。どこかのパーティーに入れてもらってから、早くて1年、普通は2~3年ってところかしら。ちなみに私も、中級職になるまでには2年くらいかかったわよ。それで、センターとしても今後冒険者育成の参考にしたいから、どういう育て方をしたのか聞かせてほしいのよ。まさか、経験値ポーションをがぶ飲みさせたわけじゃないわよね?」
「経験値ポーションは一切使っていません。2人とも、自力で強力なモンスターにとどめを刺すのはまだ難しいので、基本はひたすら魔法を使わせてスキル使用で経験値を稼ぐって感じです」
そこまで説明したところで、当のみなみちゃんと瑞穂が口を挟んできた。
「タマキ先生、きよたかさんって結構鬼なんですよ。魔法の使いすぎで疲れても、MPが減ったなら特濃マナポーション飲めって言われるだけで、なかなか休ませてくれないんですよ・・・・・・」
「かたや元東大志望のガリ勉と、元オリンピック金メダル志望のボクサー。鍛錬にせよ、モンスター討伐にせよ、とにかくやることがガチ勢過ぎて、元病弱少女と元ひきこもり少女は、そのペースに付いていくだけでも大変なのだ・・・・・・」
「それだけじゃないんですよ! きよたかさんのえっちがどんどん激しくなってきて、もう一人で一晩中相手をするのは無理なので、最近は私と瑞穂ちゃんと、2人がかりできよたかさんの相手をしているんですけど、それで2人とも疲れ果てちゃうんです!」
「え? あんたたち、そんなことやってたの!? それじゃ、あんたたちが3日に2回きよたんとえっちして、あたしだけ3日に1回? それって不公平じゃない!」
「・・・・・・もえちゃんも実質3日に2回以上だから、むしろそれくらいでバランスが取れてると思うよ」
不満を漏らすもえちゃんに、僕はそう言ってたしなめた。みなみちゃんが話を続ける。
「しかも、昨日センターに帰ってきた後、私や瑞穂ちゃんの苦労話を誰に話しても、どうういうわけか、誰も全然同情してくれないんです! むしろ、うらやましいって言われるだけなんです・・・・・・」
オイオイ泣き始めたみなみちゃんの訴えを、話を聞いていたタマキ先生は一言で片付けた。
「そりゃそうでしょ」
「どうしてですか~!?」
「みなみちゃんも、たぶん瑞穂ちゃんも、冒険者業界の相場ってのを分かっていないのよ。せっかくの機会だから、最近女性冒険者の間で流行っている、『女戦士アナイザの呟き』っていう小咄を聞かせてあげるわ」
タマキ先生はそう言って、小咄なるものを語り始めた。
あたしはアナイザ。
このトーキョー・シティーではどこにでもいるような、しがない女戦士の冒険者よ。
あたしんとこのパーティーには基本職しかいなくて、モンスターと言ってもゴブリンくらいしか狩れないし、ゴブリン相手でも深追いして囲まれたりしたらこっちが殺されちゃうし、噂のキラータイガーなんかに出くわしたらそれこそ一巻の終わりよ。
だから、冒険に出掛けても戦うより逃げてばっかし。
うちのリーダーは、危ないと思ったらすぐ逃げる奴だから、そのおかげで今まで生き残ってこれたんだけど、こんなんじゃ中級職なんて夢のまた夢。ゴブリン退治のクエスト報酬も、ほとんど食費とかで消えちゃうわ。
おまけに、うちのリーダーって早漏だから、週1回のお楽しみも、すぐにプシュって出されて終わっちゃう。宿屋に泊まるお金なんて無いから、夜は民家の馬小屋なんかを借りて、みんなで雑魚寝するの。
でもあたし、ある日宿屋の馬小屋で寝ていたら、ご主人の息子さんに襲われちゃったの。
まだ若いけど、あっちが結構元気な子で、久しぶりに楽しめたわ。
あたし、今のパーティー抜けて、あそこの宿屋で働かせてもらおうかしら。
・・・・・・。
暫しの沈黙の後、みなみちゃんが手を挙げて、タマキ先生に質問した。
「先生、今のどこが小咄なんですか? 何というか、とても大変そうだなあって話で、笑えるような要素なんてどこにも無いと思うんですけど?」
「まあ、みなみちゃんには分からないでしょうね。この小咄は、『ご主人の息子さんに襲われちゃったの』っていうところが笑いどころで、『アナイザさーん、あなた襲われちゃったなんて言ってるけど、どうせ馬小屋で派手にオナってたんでしょ? それか、自分の方から息子さんを誘ったんじゃない?』って風に返すのがお約束なのよ。要するに、今どきのトーキョー・シティーではそのくらい、お金にもえっちにも飢えている女性冒険者が多いってことよ」
「そうなんですか・・・・・・?」
そう答えるみなみちゃんは、何やら呆然としていた。
「先生から若干補足すると、先生が転生してきた頃のトーキョーでは、この冒険者人材育成センターみたいに行き届いた教育訓練施設も無くて、ほとんど何も分からないまま放り出される感じだったけど、その代わり遭遇するモンスターは今よりずっと弱くて、少なくとも街道周辺でキラータイガーと出くわすなんてあり得ない話だったのよ。だから、ゴブリンくらいの相手しかできない基本職の冒険者でも、やれる仕事は十分にあったし、地道に頑張れば中級職に成り上がることも十分出来たわ。
でも、年月が経つにつれ、出現するモンスターが次第に強くなってきて、かつては数多くあったトーキョー・シティー周辺の村に住んでいた住民たちも、度重なるモンスターの襲撃に耐えられず、村を捨ててトーキョーの城壁内に避難してくるようになったわ。
そして、トーキョー周辺のモンスターは他にも色々いるけど、特にキラータイガーは、下手をすると中級職の冒険者でも殺されてしまうほど強い上に、とても素早いから基本職の冒険者パーティーでは逃げることすら出来ず、しかも殺されたら男女問わず食い殺されるから蘇生も絶望的。だから、基本職だけのパーティーでは、キラータイガーの出現しそうなところには出掛けられないのよ。
そのキラータイガーが、最初はトーキョーの西部で目撃されるようになり、さらには南部、東部にも出現するようになり、唯一北部だけは安全だと思われていたんだけど、きよたんたちも知ってのとおり、とうとう北部でもキラータイガーが出現するようになってしまったわ。
ここまで状況が悪化すると、もう基本職レベルでは冒険者として食べて行くことなんてほぼ不可能。現役冒険者たちの生活も貧しくなっていて、普通の宿屋はおろか、宿屋より格安の値段で泊まれるセンターの宿泊施設も利用できず、馬小屋なんかで寝泊まりする冒険者も多くなっているのよ。マナポーションなんてもはや贅沢品よ。
副業で何とか生計を立てている子や、副業がメインになって冒険者を事実上辞めちゃってる子も多いし、冒険者を目指してセンターに訓練生として入ってくる子も最近急激に減っちゃったし、このままモンスターを狩る冒険者の数が減っていけば、ますます強力なモンスターがはびこるようになる、まさに悪循環よ。
先生も、きよたんたちを送り出して講師の仕事から解放された後、これまでのように新人の冒険者パーティーを基本職のレベル10くらいまで育てて送り出しても意味は無いんじゃないか、と思うようになってね。それで、必要な予算要求を認めてもらうために、現役の冒険者さんたちから色々ヒアリングをやったりしてたんだけど、状況は先生の予想以上に悪化してたわ。
先生としては、訓練期間を半年くらい伸ばして中級職まで育ててから卒業させようかって構想を立てていたんだけど、トーキョー・シティーも財政が苦しいから冒険者関係にこれ以上の予算は出せない、そもそも冒険者のなり手もいない、女神アテナイス様の助けも期待できない、もはや八方塞がりよ。
きよたんたちが頑張るなりして状況が大幅に好転でもしない限り、このセンターでは当面新しい冒険者のパーティーを送り出すことは不可能ね。仕方ないから、今のセンターは当面既存冒険者パーティーの支援に特化する方針になっていて、今いる訓練生の子たちは、既存パーティーの補充要員候補として育てる方針に切り替えているのよ」
そこまで話したところで、タマキ先生は大きなため息をついた。
「長話になっちゃったけど、これがトーキョー界隈における冒険者稼業の現状なのよ。いい、みなみちゃん、瑞穂ちゃん? 特濃マナポーションは1本6アマツ円、日本円の感覚だと1本600円くらいで、そんなの買って使ったら1食分の食費が消えちゃうから、普通のパーティーでは非常時以外勿体なくて使えないのよ。そんなものを、レベル上げのために魔法使いまくって、MPが減ったらがぶ飲みを繰り返して疲れるって?」
・・・・・・。
タマキ先生の言葉に、僕を含めて一同沈黙するしかなかった。
「しかも、訓練生を卒業した途端に、トーキョー・シティーで手に入る最高級の装備一式を爆買いして、今もそんなに綺麗な衣装で着飾って、あなたたち貴族か上級国民よ? それで、きよたんが絶倫すぎてえっちの相手をするのが疲れる? どれだけ贅沢な悩みなのよ?」
・・・・・・・・・・・・。
「まあ、あなたたちの冒険者としての活躍ぶりはずば抜けているから、先生としてはそれで大儲けをしても正当な報酬だと思うけど、世の中にはそう思わない人もいるのよ。特にみなみちゃんと瑞穂ちゃんは、自分がものすごく恵まれた立場にいるってことを、もうちょっと弁えた方がいいんじゃないかしら?」
タマキ先生の説教に、みなみちゃんと瑞穂はもはやぐうの音も出ず、二人揃ってうなだれている。
僕としても、もしアテナイスさんの誘いに安易に乗っかって、他の日本人冒険者と同様に基本職のレベル1として転生していたら、出口の見えない無間地獄のような冒険者生活を送ることになるか、あるいはキラータイガーにあっさり食い殺されてアマツでの人生を終えることになったかも知れない。
そう考えると、他の冒険者たちの苦境も、もはや他人事とは思えなくなってきた。
◇◇◇◇◇◇
「まあ、お説教はこのくらいにして、きよたん」
「は、はい。何でしょうか、タマキ先生?」
「きよたんは賢いから、大体理解してくれていると思うけど、今のアマツ世界はとても苦しい状況にあるの。それで、恵まれし者の責務として、モンスター討伐以外にも、きよたんにはアマツ世界を救うため、協力してほしいことがあるのよ」
何故か若干にやけた顔で、そんなことを宣うタマキ先生。
「どんなことでしょう? 財産を貧しい人に寄付するとかですか?」
「いえ、それは無理してやらなくてもいいわよ。でも、ある意味ではお金より重要な、きよたんの身体の中で溢れるほど作られているものを、ちょっと分けて欲しいのよ」
「・・・・・・何のことですか?」
「まだ分からないの? 要は、子供を産みたがっているアマツの女性たちに、精子提供をしてくださいって言ってるのよ」
(第35話に続く)
シナガワ・タウンのクエストではずいぶん時間を空費してしまったので、僕はすぐにでも次のクエストを受注して次の冒険に出たかったが、昨日タマキ先生に止められた。
急ぎたいのは分かるけど、メンバーのうちみなみちゃんと瑞穂の疲労が激しいみたいだし、軍馬のカーヒラ君や輸送馬のチュニス、アルジェにも休養を与える必要があるし、馬車や装備品の修理、消耗品の補給などにはそれなりの時間がかかるものだから、せめて1週間くらいはここで休んでいきなさい、と諭されたのだ。
そんなわけで、今日はパーティーの休暇日であり、各自自由行動ということになったのだが、タマキ先生が僕に話をしたいと持ちかけてきたところ、他のメンバーもその話を聞きたがったため、今この『教室』には、タマキ先生と僕を含めたメンバー4人が揃っている。
「まず、きよたんたちへの報告なんだけどね」
タマキ先生が早速話を切り出す。
「探検家職と商人職の追加メンバーについては、特に商人職で結構な数の希望者がいて、今は候補者を絞り込んだ二次選考の段階に入っているわ。あと1ヶ月くらいで結論を出せると思うわよ」
「タマキ先生、ご苦労をおかけします」
「いいのよきよたん。私たちアマツの人類にとって、きよたんたちは唯一残された希望の星なんだから、このくらいの協力は惜しまないわよ」
「ねえタマキ先生、エイルとフライヤは候補に入ってるの?」
「入ってるわよ」
興味深々といった感じで尋ねるもえちゃんに、タマキ先生が答えた。
「僕が話をしたときには、フライヤは及び腰、エイルは態度不明って感じだったんですが、結局2人とも加入を希望したんですか?」
「そうよ。まずエイルちゃんに関しては、ほぼ最初からそのつもりだったみたいね。きよたんたちが出て行った直後に私を捕まえて、『是非私を、キヨタカ様のパーティーにお加えください!』って懇願してきたわ」
「・・・・・・エイルって割と大人しい感じの子だと思ってたけど、実はそんなガチ勢だったの?」
「もえちゃん、エイルちゃんはガチ勢というより、きよたんにベタ惚れしちゃった感じなのよ。『私はきっと、キヨタカ様をお助けするため、この世に生を受けたのです。キヨタカ様のためなら、この命さえ惜しくはありません』なんてことを平気で口走ってたわ」
「そうなの・・・・・・」
「そうだったんですか・・・・・・」
もえちゃんと僕が、相次いで思わずそう呟いた。
確かに、ひーりんぐ・えっちをしたときのエイルの態度にもそんな節は見られたが、そこまで激しく惚れられているとは思わなかった。
「それでね、探検家職の希望者はもともと少なかったこともあって、今二次選考をやっていると言っても、既に7、8割方はエイルちゃんで決まりかなって感じ。神族だけあって冒険者としての資質はダントツ、きよたんに惚れてるからやる気もダントツ、他の希望者は今やあきらめムードって感じよ」
「どうして、探検家職は希望者が少ないんですか?」
「希望者が少ないというより、探検家職を選ぶ冒険者自体がもともと少ないのよ」
「なぜですか?」
「探検家は、盗賊っていうイメージが強いのがおそらく最大の理由ね。職業名も昔はずばり『盗賊』って呼ばれていて、習得できるスキルも泥棒に応用できるものが多いから、イメージが悪いのよ。『探検家』に名称が変わったのも、盗賊ではあまりにイメージが悪すぎてなり手が少ないって理由だったらしいし」
「そういえば、盗賊に成り果てたヒガシデも、元は探検家だったとどこかで聞いたような気がします」
「そうなのよ。探検家は、冒険の色々な局面で役立つスキルを習得できるけど、戦士や魔術師なんかに比べると地味だから、日本から転生してきた子で探検家を選んだのはほんの一握り。アマツ生まれの子も、探検家を選ぶと犯罪者予備軍扱いされそうだって感じで敬遠しがち。そもそも、エイルちゃんが探検家を選んだのも、彼女の本意ではなかったみたいだし」
「そうなんですか?」
「訓練生になるアマツ出身の女の子は、大半が優秀な冒険者のお嫁さんになりたいって動機で入ってくるから、見習い冒険者から基本職にクラスチェンジできるレベルになっても、敢えて見習い冒険者のままにして、付いていく男性冒険者の希望に合わせるってスタイルを取る子が多くて、エイルちゃんもそうだったわ。
そして、例のヨーイチ君がセンターに来たとき、フライヤの仲介でエイルちゃんもヨーイチ君のパーティーに入ることになったの。本来、エイルちゃんは薬草に詳しいこともあって僧侶職が第一希望だったんだけど、僧侶職は日本から転生してきたタマヨちゃんがいるから他の職にしてくれってヨーイチ君から言われて。それで、結局エイルちゃんはもともと弓が得意だったから、特技を活かせる探検家にしようってことで話が落ち着いたんだけど、探検家に決まったときのエイルちゃん、少し落ち込んでたわ」
「そうだったんですか・・・・・・。でも、もしエイルが僧侶職になってたら、みなみちゃんと役割が被るから、僕たちのパーティーに加入できる可能性もほとんど無かったわけで。これも何かの運命ですよ」
「きよたん。エイルならあたしとしても文句ないわよ。あの子、雑用とかも率先してやってくれるし、色々と器用だから、パーティーに加えればきっと役に立つわ」
エイルを推すもえちゃん。みなみちゃんと瑞穂も特に異論は無いようなので、探検家職はエイルでほぼ決まりだな。
「それで、フライヤの方はどうなのよ?」
もえちゃんが再び尋ねる。
「あの子はね、最初は大変そうだからパスしようかな、なんて言ってたんだけど、エイルちゃんがやる気満々なのを知ると悩んじゃって。もともとあの姉妹は、揃って同じ男性のお嫁さんになりたいって言うほど仲が良いから、フライヤちゃんも、エイルちゃんと離ればなれになるのは嫌だったのね。ただ、エイルちゃんの方は、フライヤちゃんがきよたんのパーティーに加入を希望しないのであれば、自分だけになっても構わないって態度だったのよ。それで、最終的にフライヤちゃんが加入希望を決めたのは、いかにもあの子らしい理由だったわ」
そう言って、タマキ先生が苦笑いを浮かべた。
「・・・・・・どんな理由ですか?」
「きよたんがシナガワに旅立って2日くらいすると、『ねえ、きよちゃんもう帰って来ないの?』ってしつこく聞いてくるようになって。私が理由を尋ねると、『きよちゃんとおまんこしたいよ~』の一言。それで、私が『ひーりんぐ・えっちはもう終わっちゃったから、きよたんともう一回したければ、きよたんのパーティーに入れてもらうしかないんじゃない?』って答えると、フライヤは少し迷った後、『あたしもきよちゃんのパーティーに入る! きよちゃんとおまんこするためなら何でもする!』って言って、加入希望を出してきたわ」
「・・・・・・あのおまんこ娘、そんな理由で加入希望なのか」
話を聞いた僕が、思わずそう愚痴った。
「きよたん、何? 『おまんこ娘』って」
「タマキ先生、フライヤのことですよ。あの子、しょっちゅう『おまんこ』って連呼してるじゃないですか」
「確かにね」
僕の返事を聞いて、タマキ先生のみならず、その場にいた全員が思わず吹き出した。こいして、以後『おまんこ娘』というのがフライヤのあだ名になった。
「・・・・・・それで、そのおまんこ娘も当確なの?」
もえちゃんが、話の続きを促す。
「いえ、フライヤの方は競争相手が多くて、希望者の中には既に中級職になっている実力者もいるから、正直微妙なところよ」
「そういえばタマキ先生、さっき商人の希望者が多いって言ってましたね」
「そうなのよ。日本から来た子はあまり冒険者らしくないって理由で商人職を選ぶ子は少ないみたいだけど、アマツ出身で商人職を希望する子は、僧侶職の次くらいに多いわよ」
「どうしてですか?」
みなみちゃんが尋ねる。
「そうね、まず一番人気の僧侶職は、主に回復魔法の専門職だから、モンスターの襲撃なんかで怪我人の絶えないこのアマツでは、大体どこへ行っても仕事に困ることはないわ。それに、癒やし手である僧侶職の女の子と、パーティーのリーダーである戦士職の男性冒険者が結ばれるというのは、日本でもアマツでも冒険者恋愛物語の定番だと思われてるから、日本人でもアマツ人でも、女の子は僧侶職が一番人気よ。
アマツの女の子で商人職が人気なのは、結構現実的な理由で、まずお金儲けに使えるスキルを色々習得できる職業だから、食べて行くのに不自由しない。基本能力のうちLUKが伸びやすい職業だから、いろんな危機に直面しても生き残りやすい。それと、基本職6種の中では、レベルアップで獲得できるスキルポイントの量が他の職業の2倍になっているから、冒険者としてのスタイルを比較的自由にカスタマイズできるのも魅力ね。戦士系のスキルを重点的に選んで戦う商人になることも、攻撃魔法なんかを重点的に選んで魔術師兼商人みたいになることもできるわ。もちろん基本ステータスの適性による制約はあって、STRやVITの低い子が戦士系のスキルを覚えてもほとんど意味は無いけど。
だから、アマツ出身の子は男女問わず、結構目端の利くタイプが商人職を選ぶことが多いのよ。ちなみにフライヤちゃんは見習い冒険者のまま待機すること無く、見習いのレベル10になるとすぐ商人にクラスチェンジしたわね。それできよたん、選考にあたってきよたんに聞きたいことがあるんだけど」
「何ですか?」
「加入希望者のうち、既に中級職のグレートマーチャントになってる子は3人いるけど、3人ともきよたんより年上で、主な習得スキルは魔法系、戦闘では後衛に回すしか無い子たちばかりよ。特に美人って子もいないわ。一方フライヤちゃんは、まだ基本職のレベル20台だけど、基本ステータスがどの値もそこそこ高くて、伸びしろはきっと中級職の子たちより高いわ。槍を使った近接戦闘もそこそこ出来るし、そしてきよたんも知ってのとおり、あの整った顔立ちとナイスバディ。さあ、きよたんならどっちを選ぶ?」
タマキ先生が、悪戯っぽい笑みを浮かべながら尋ねてくる。
「・・・・・・その二択だと、いま後衛はみなみちゃんと瑞穂の2人いるから、これ以上後衛が増えると僕の負担が重くなりそうですね。それだと、フライヤの方がいいのかなあ」
「即答じゃないのね。先生、思春期の健康な男の子ならフライヤちゃん一択だと思うんだけど。それとも、フライヤちゃんのこと嫌いなの?」
「いえ、別に嫌いってほどじゃ無いんですけど、フライヤってほとんど興味本位で色んな男の人とえっちしまくってる女の子じゃないですか。日本だったらヤリマンとか言われそうなくらいの。だから、僕としてはフライヤの印象ってそこまで良くは無くて、ただ実際に会って話してみたりすると、明るくてそこまで悪い子でもないかなあって感じです」
「きよたん。念のため言っておくけど、フライヤちゃん以外の加入希望者にも処女なんていないわよ。アマツの女の子は、大体12歳から13歳くらいで初体験を済ませるのが普通だから、処女厨みたいな考え方は捨てなさい。それに、アマツの人類は女性の割合こそ多いけど、平均的な見た目は日本人とさして変わらないレベルだから、フライヤちゃんクラスの美少女なんて滅多にいないわよ」
「先生、僕もそれは分かってますし、処女にこだわっているというわけじゃありませんけど・・・・・・」
実際、アマツに転生してから結構な数の人たちを見てきたけど、ぱっと見て美少女だと思ったのは、今のところみなみちゃん、瑞穂、もえちゃん、エイル、フライヤ、そしてウマ娘のシオーミちゃんくらいである。なお、もえちゃんが美少女なのは機嫌が良いとき限定。
「きよたん、フライヤは悪い子じゃ無いわよ。あたしも、最初に会った頃は『おまんこ』なんて連呼するおかしな子だなあと思ってたけど、誰とでもすぐ仲良くなれるタイプで、あたしとも打ち解けちゃったわ。きっと、パーティーのムードメーカーになれるんじゃないかしら」
もえちゃんもそう言ってくる。どうやら、もえちゃんはフライヤ推しらしい。確かに、フライヤはパーティーのムードメーカーにはなれるかも知れないけど、一方でトラブルメーカーになりそうな予感もする。
「もえちゃんは良くても、みなみちゃんと瑞穂が何て言うかな・・・・・・?」
「きよたかさん、私は別に、フライヤさんでも反対はしませんよ?」
「そう? みなみちゃん、フライヤのこと嫌ってるみたいだったけど。たしか、武力行使だとか何とか言って」
「私は、フライヤさんの事が嫌いなわけじゃありません。あの貧乳を馬鹿にしたような、大きくてたゆんたゆん揺れるおっぱいが嫌いなだけです!『おっぱい憎んで人を憎まず』です」
何だそりゃ。
「ふっ。我が眷属の秘術をもって、我があのおっぱいおばけを超えれば良いだけの事。何の問題も無い」
今度は瑞穂が、自信満々にそう言い放つ。
「・・・・・・秘術って何のこと?」
事情を知らないタマキ先生が、当然ながらそう尋ねてきた。
「瑞穂はコハルさんから、女の子のおっぱいを大きくするには、毎日彼氏に揉んでもらうのがいいわよとかアドバイスされたらしくて、最近はほぼ毎日僕が揉んでるんです。それで瑞穂は、やがて自分のおっぱいがフライヤを超えるくらい大きくなると思い込んでいるんです」
「おっぱいマッサージは、私もきよたかさんにやってみらってるんですけど、瑞穂ちゃんがなぜそこまで自信満々なのか、私にもよく分かりません」
僕とみなみちゃんの説明を受けたタマキ先生は、瑞穂の方に向き直り、瑞穂の身体を一瞥すると、たしなめるようにこう告げた。
「瑞穂ちゃん。揉まれると大きくなるという話は先生も聞いたことあるけど、瑞穂ちゃんの胸がフライヤより大きくなるって言うのは、さすがに無理があると思うわよ?」
「そんなの、やってみなきゃ分からないよ!」
若干涙目になって反論する瑞穂。どうやら、胸が大きくなると信じているのでは無く、そう信じたがっているだけらしい。
「・・・・・・まあ、瑞穂ちゃんのことはいいわ。商人職については、どちらかと言うとフライヤちゃん寄りだけど、まだきよたんの意志が固まってないって感じね。とりあえず、二次選考はこのまま継続、軍の施設を借りて訓練をしている希望者たちについては、公正な選考の妨げになるおそれがあるから、エイルちゃんとフライヤちゃんも含めて、選考が終わるまではきよたんたちに会わせない、きよたんたちがセンターに戻ってきたことも知らせないってことでいい?」
「それでお願いします。ただ、タマキ先生、肝心のやる気についてはどうなんですか? 僕としては、パーティーに加入してから危険な旅は嫌だとか騒がれるのが一番嫌なんで、選考にあたってはやる気を一番重視して欲しいんですが」
「きよたんは真面目ねえ。そうね、やる気に関してはどの子もそれなりにあるけど、真面目に自分の手で魔軍をやっつけたいなんて言ってる子はいないわよ。フライヤちゃんはきよたんの身体目当て、他の子は主にお金目当てって感じね」
「何か、頼りないですね・・・・・・」
「商人職の子なんて大体そんなもんよ。結局は、きよたんの身体で繋ぎ止めるしかないんじゃないかしら」
「・・・・・・身体でって?」
「それはもちろん、自慢の名槍清隆丸でえっち漬けにして、きよたん無しじゃ生きられない身体にしちゃうってことよ。それより、今度は、先生の方から質問していい?」
「どうぞ」
◇◇◇◇◇◇
「昨日はつい聞き流しちゃったけど、改めて確認してみると、みなみちゃんが日本から転生してこのセンターに来たのは今年の5月7日、瑞穂ちゃんが来たのは5月8日。今日が9月9日だから、転生からわずか4ヶ月で中級職にクラスチェンジなんて、常識じゃあり得ないくらいの速さなのよ。クラスチェンジまで約半年かかったもえちゃんでさえ、異例の速さだって言われてたのに」
「普通はどのくらいかかるものなんですか?」
「そうねえ。どこかのパーティーに入れてもらってから、早くて1年、普通は2~3年ってところかしら。ちなみに私も、中級職になるまでには2年くらいかかったわよ。それで、センターとしても今後冒険者育成の参考にしたいから、どういう育て方をしたのか聞かせてほしいのよ。まさか、経験値ポーションをがぶ飲みさせたわけじゃないわよね?」
「経験値ポーションは一切使っていません。2人とも、自力で強力なモンスターにとどめを刺すのはまだ難しいので、基本はひたすら魔法を使わせてスキル使用で経験値を稼ぐって感じです」
そこまで説明したところで、当のみなみちゃんと瑞穂が口を挟んできた。
「タマキ先生、きよたかさんって結構鬼なんですよ。魔法の使いすぎで疲れても、MPが減ったなら特濃マナポーション飲めって言われるだけで、なかなか休ませてくれないんですよ・・・・・・」
「かたや元東大志望のガリ勉と、元オリンピック金メダル志望のボクサー。鍛錬にせよ、モンスター討伐にせよ、とにかくやることがガチ勢過ぎて、元病弱少女と元ひきこもり少女は、そのペースに付いていくだけでも大変なのだ・・・・・・」
「それだけじゃないんですよ! きよたかさんのえっちがどんどん激しくなってきて、もう一人で一晩中相手をするのは無理なので、最近は私と瑞穂ちゃんと、2人がかりできよたかさんの相手をしているんですけど、それで2人とも疲れ果てちゃうんです!」
「え? あんたたち、そんなことやってたの!? それじゃ、あんたたちが3日に2回きよたんとえっちして、あたしだけ3日に1回? それって不公平じゃない!」
「・・・・・・もえちゃんも実質3日に2回以上だから、むしろそれくらいでバランスが取れてると思うよ」
不満を漏らすもえちゃんに、僕はそう言ってたしなめた。みなみちゃんが話を続ける。
「しかも、昨日センターに帰ってきた後、私や瑞穂ちゃんの苦労話を誰に話しても、どうういうわけか、誰も全然同情してくれないんです! むしろ、うらやましいって言われるだけなんです・・・・・・」
オイオイ泣き始めたみなみちゃんの訴えを、話を聞いていたタマキ先生は一言で片付けた。
「そりゃそうでしょ」
「どうしてですか~!?」
「みなみちゃんも、たぶん瑞穂ちゃんも、冒険者業界の相場ってのを分かっていないのよ。せっかくの機会だから、最近女性冒険者の間で流行っている、『女戦士アナイザの呟き』っていう小咄を聞かせてあげるわ」
タマキ先生はそう言って、小咄なるものを語り始めた。
あたしはアナイザ。
このトーキョー・シティーではどこにでもいるような、しがない女戦士の冒険者よ。
あたしんとこのパーティーには基本職しかいなくて、モンスターと言ってもゴブリンくらいしか狩れないし、ゴブリン相手でも深追いして囲まれたりしたらこっちが殺されちゃうし、噂のキラータイガーなんかに出くわしたらそれこそ一巻の終わりよ。
だから、冒険に出掛けても戦うより逃げてばっかし。
うちのリーダーは、危ないと思ったらすぐ逃げる奴だから、そのおかげで今まで生き残ってこれたんだけど、こんなんじゃ中級職なんて夢のまた夢。ゴブリン退治のクエスト報酬も、ほとんど食費とかで消えちゃうわ。
おまけに、うちのリーダーって早漏だから、週1回のお楽しみも、すぐにプシュって出されて終わっちゃう。宿屋に泊まるお金なんて無いから、夜は民家の馬小屋なんかを借りて、みんなで雑魚寝するの。
でもあたし、ある日宿屋の馬小屋で寝ていたら、ご主人の息子さんに襲われちゃったの。
まだ若いけど、あっちが結構元気な子で、久しぶりに楽しめたわ。
あたし、今のパーティー抜けて、あそこの宿屋で働かせてもらおうかしら。
・・・・・・。
暫しの沈黙の後、みなみちゃんが手を挙げて、タマキ先生に質問した。
「先生、今のどこが小咄なんですか? 何というか、とても大変そうだなあって話で、笑えるような要素なんてどこにも無いと思うんですけど?」
「まあ、みなみちゃんには分からないでしょうね。この小咄は、『ご主人の息子さんに襲われちゃったの』っていうところが笑いどころで、『アナイザさーん、あなた襲われちゃったなんて言ってるけど、どうせ馬小屋で派手にオナってたんでしょ? それか、自分の方から息子さんを誘ったんじゃない?』って風に返すのがお約束なのよ。要するに、今どきのトーキョー・シティーではそのくらい、お金にもえっちにも飢えている女性冒険者が多いってことよ」
「そうなんですか・・・・・・?」
そう答えるみなみちゃんは、何やら呆然としていた。
「先生から若干補足すると、先生が転生してきた頃のトーキョーでは、この冒険者人材育成センターみたいに行き届いた教育訓練施設も無くて、ほとんど何も分からないまま放り出される感じだったけど、その代わり遭遇するモンスターは今よりずっと弱くて、少なくとも街道周辺でキラータイガーと出くわすなんてあり得ない話だったのよ。だから、ゴブリンくらいの相手しかできない基本職の冒険者でも、やれる仕事は十分にあったし、地道に頑張れば中級職に成り上がることも十分出来たわ。
でも、年月が経つにつれ、出現するモンスターが次第に強くなってきて、かつては数多くあったトーキョー・シティー周辺の村に住んでいた住民たちも、度重なるモンスターの襲撃に耐えられず、村を捨ててトーキョーの城壁内に避難してくるようになったわ。
そして、トーキョー周辺のモンスターは他にも色々いるけど、特にキラータイガーは、下手をすると中級職の冒険者でも殺されてしまうほど強い上に、とても素早いから基本職の冒険者パーティーでは逃げることすら出来ず、しかも殺されたら男女問わず食い殺されるから蘇生も絶望的。だから、基本職だけのパーティーでは、キラータイガーの出現しそうなところには出掛けられないのよ。
そのキラータイガーが、最初はトーキョーの西部で目撃されるようになり、さらには南部、東部にも出現するようになり、唯一北部だけは安全だと思われていたんだけど、きよたんたちも知ってのとおり、とうとう北部でもキラータイガーが出現するようになってしまったわ。
ここまで状況が悪化すると、もう基本職レベルでは冒険者として食べて行くことなんてほぼ不可能。現役冒険者たちの生活も貧しくなっていて、普通の宿屋はおろか、宿屋より格安の値段で泊まれるセンターの宿泊施設も利用できず、馬小屋なんかで寝泊まりする冒険者も多くなっているのよ。マナポーションなんてもはや贅沢品よ。
副業で何とか生計を立てている子や、副業がメインになって冒険者を事実上辞めちゃってる子も多いし、冒険者を目指してセンターに訓練生として入ってくる子も最近急激に減っちゃったし、このままモンスターを狩る冒険者の数が減っていけば、ますます強力なモンスターがはびこるようになる、まさに悪循環よ。
先生も、きよたんたちを送り出して講師の仕事から解放された後、これまでのように新人の冒険者パーティーを基本職のレベル10くらいまで育てて送り出しても意味は無いんじゃないか、と思うようになってね。それで、必要な予算要求を認めてもらうために、現役の冒険者さんたちから色々ヒアリングをやったりしてたんだけど、状況は先生の予想以上に悪化してたわ。
先生としては、訓練期間を半年くらい伸ばして中級職まで育ててから卒業させようかって構想を立てていたんだけど、トーキョー・シティーも財政が苦しいから冒険者関係にこれ以上の予算は出せない、そもそも冒険者のなり手もいない、女神アテナイス様の助けも期待できない、もはや八方塞がりよ。
きよたんたちが頑張るなりして状況が大幅に好転でもしない限り、このセンターでは当面新しい冒険者のパーティーを送り出すことは不可能ね。仕方ないから、今のセンターは当面既存冒険者パーティーの支援に特化する方針になっていて、今いる訓練生の子たちは、既存パーティーの補充要員候補として育てる方針に切り替えているのよ」
そこまで話したところで、タマキ先生は大きなため息をついた。
「長話になっちゃったけど、これがトーキョー界隈における冒険者稼業の現状なのよ。いい、みなみちゃん、瑞穂ちゃん? 特濃マナポーションは1本6アマツ円、日本円の感覚だと1本600円くらいで、そんなの買って使ったら1食分の食費が消えちゃうから、普通のパーティーでは非常時以外勿体なくて使えないのよ。そんなものを、レベル上げのために魔法使いまくって、MPが減ったらがぶ飲みを繰り返して疲れるって?」
・・・・・・。
タマキ先生の言葉に、僕を含めて一同沈黙するしかなかった。
「しかも、訓練生を卒業した途端に、トーキョー・シティーで手に入る最高級の装備一式を爆買いして、今もそんなに綺麗な衣装で着飾って、あなたたち貴族か上級国民よ? それで、きよたんが絶倫すぎてえっちの相手をするのが疲れる? どれだけ贅沢な悩みなのよ?」
・・・・・・・・・・・・。
「まあ、あなたたちの冒険者としての活躍ぶりはずば抜けているから、先生としてはそれで大儲けをしても正当な報酬だと思うけど、世の中にはそう思わない人もいるのよ。特にみなみちゃんと瑞穂ちゃんは、自分がものすごく恵まれた立場にいるってことを、もうちょっと弁えた方がいいんじゃないかしら?」
タマキ先生の説教に、みなみちゃんと瑞穂はもはやぐうの音も出ず、二人揃ってうなだれている。
僕としても、もしアテナイスさんの誘いに安易に乗っかって、他の日本人冒険者と同様に基本職のレベル1として転生していたら、出口の見えない無間地獄のような冒険者生活を送ることになるか、あるいはキラータイガーにあっさり食い殺されてアマツでの人生を終えることになったかも知れない。
そう考えると、他の冒険者たちの苦境も、もはや他人事とは思えなくなってきた。
◇◇◇◇◇◇
「まあ、お説教はこのくらいにして、きよたん」
「は、はい。何でしょうか、タマキ先生?」
「きよたんは賢いから、大体理解してくれていると思うけど、今のアマツ世界はとても苦しい状況にあるの。それで、恵まれし者の責務として、モンスター討伐以外にも、きよたんにはアマツ世界を救うため、協力してほしいことがあるのよ」
何故か若干にやけた顔で、そんなことを宣うタマキ先生。
「どんなことでしょう? 財産を貧しい人に寄付するとかですか?」
「いえ、それは無理してやらなくてもいいわよ。でも、ある意味ではお金より重要な、きよたんの身体の中で溢れるほど作られているものを、ちょっと分けて欲しいのよ」
「・・・・・・何のことですか?」
「まだ分からないの? 要は、子供を産みたがっているアマツの女性たちに、精子提供をしてくださいって言ってるのよ」
(第35話に続く)
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