21 / 35
21
寝たフリをしたつもりが本当に寝てしまい、気がつくと領地近くまで進んでいた。
あのあとも2人は色々な事を話していたようで着く頃にはユウリはウィリアムとだいぶ仲良くなっていた。
「おとーさま、このさかなはたべられるの?」
「ああ、市場で食べたが美味かった。今度お前にも食べさせてやろう」
「ありがとうございます!」
ユウリは初めての旅行やウィリアムとの話に終始興奮しっぱなしだった。
私も馬車でウィリアムがユウリを見ててくれたおかげであの後は酔うことなく領地へと到着した。
別宅の屋敷の前に立ち綺麗で真っ白の建物に目が点になる。
「その、いつも暮らす屋敷よりはこじんまりとしているが…中は綺麗でその…」
私が小ささに唖然としていると思ったのかウィリアムが言い訳を始めた。
私は話を遮るようにウィリアムの手を両手で掴んだ。
「凄く素敵です! 真っ白な建物が海に映えてとても綺麗、早く中に入りましょう!」
「ああ」
ウィリアムの腕に手を回しユウリの手を取って3人で屋敷の中へと向かう。
すると門の前で数人の使用人が待ち構えていた。
「お帰りなさいませご主人様」
声を揃えて挨拶をしてくる。
「皆、滞在中はよろしく」
ウィリアムが声をかけると少しざわめきながらも皆お辞儀をしていた。
「わぁ部屋の中も素敵ですね!」
眺めが1番いい部屋に案内されるとそこは窓一面にオーシャンビューが広がる部屋だった。
なんか雑誌で特集でも組まれそうな部屋に気分が上がる。
こんな部屋に1生に1度でいいから泊まってみたいと思っていた。
それが死んでから叶うことになるとは…
テラスに出ると海の音が聞こえてきた。
優里亜と見たかったな…
今はいないあの子を思い涙が出そうになりながら海を見つめる。
あの子に1度も海を見せてあげられなかった。
するとスルッと手を握られる。
見るとユウリが心配そうな顔で私を見あげながら手を繋いでいた。
「おかーさま、かなしいの?」
「ううん、なんで?」
私はユウリに微笑んだ。
「なんか…なきそうにみえたの。だいじょーぶ?」
私は膝を着くとユウリをギュッと抱きしめた。
優里亜には見せてあげられなかったけど、今このユウリには見せてあげられた。
「ユウリと一緒に海が見れて嬉しくて、綺麗だね」
「うん」
ユウリと並んで海を見つめるとウィリアムが隣にたった。
「もっと早く連れてきてあげれば良かった。すまない」
謝るウィリアムに私は反対の手でウィリアムの手を握る。
「今こうして3人で見れているじゃないですか。私達はここからはじめましょう」
ウィリアムとユウリに笑いかけると2人とも強く手を握り返してくれた。
「ん~美味しい!」
3人での夕食には豪華な海の幸が並んでいる。
さすがにお刺身はないようだが、海老や蟹など美しく盛られた料理に手が止まらない。
しばらくすると新しい料理が運ばれてくる。
「こちらは蛸のフリッターです」
蛸なんて久しぶりに食べる!
さすがにたこ焼きなんて無いわよね。
私は運ばれた料理に手を伸ばしてみた。
柔らかく仕上げられた蛸だが難なくかみ切れるように下処理されていてとても美味しい!
「んー!これも美味しいですね」
私は久しぶりの海鮮にテンションが上がっていてウィリアムとユウリの様子に目が向いてなかった。
ウィリアムを見ると唖然として固まっている。
それはメイド達も同じようで青い顔をしていた。
「おい、これを出したものを連れてこい!」
するとウィリアムが突然怒り出してバンッとフォークをテーブルに置いた。
大きな音に数人のメイドが息を飲むのがわかった。
しかしウィリアムがなぜ怒っているのかわからない私は1人唖然としていた。
あのあとも2人は色々な事を話していたようで着く頃にはユウリはウィリアムとだいぶ仲良くなっていた。
「おとーさま、このさかなはたべられるの?」
「ああ、市場で食べたが美味かった。今度お前にも食べさせてやろう」
「ありがとうございます!」
ユウリは初めての旅行やウィリアムとの話に終始興奮しっぱなしだった。
私も馬車でウィリアムがユウリを見ててくれたおかげであの後は酔うことなく領地へと到着した。
別宅の屋敷の前に立ち綺麗で真っ白の建物に目が点になる。
「その、いつも暮らす屋敷よりはこじんまりとしているが…中は綺麗でその…」
私が小ささに唖然としていると思ったのかウィリアムが言い訳を始めた。
私は話を遮るようにウィリアムの手を両手で掴んだ。
「凄く素敵です! 真っ白な建物が海に映えてとても綺麗、早く中に入りましょう!」
「ああ」
ウィリアムの腕に手を回しユウリの手を取って3人で屋敷の中へと向かう。
すると門の前で数人の使用人が待ち構えていた。
「お帰りなさいませご主人様」
声を揃えて挨拶をしてくる。
「皆、滞在中はよろしく」
ウィリアムが声をかけると少しざわめきながらも皆お辞儀をしていた。
「わぁ部屋の中も素敵ですね!」
眺めが1番いい部屋に案内されるとそこは窓一面にオーシャンビューが広がる部屋だった。
なんか雑誌で特集でも組まれそうな部屋に気分が上がる。
こんな部屋に1生に1度でいいから泊まってみたいと思っていた。
それが死んでから叶うことになるとは…
テラスに出ると海の音が聞こえてきた。
優里亜と見たかったな…
今はいないあの子を思い涙が出そうになりながら海を見つめる。
あの子に1度も海を見せてあげられなかった。
するとスルッと手を握られる。
見るとユウリが心配そうな顔で私を見あげながら手を繋いでいた。
「おかーさま、かなしいの?」
「ううん、なんで?」
私はユウリに微笑んだ。
「なんか…なきそうにみえたの。だいじょーぶ?」
私は膝を着くとユウリをギュッと抱きしめた。
優里亜には見せてあげられなかったけど、今このユウリには見せてあげられた。
「ユウリと一緒に海が見れて嬉しくて、綺麗だね」
「うん」
ユウリと並んで海を見つめるとウィリアムが隣にたった。
「もっと早く連れてきてあげれば良かった。すまない」
謝るウィリアムに私は反対の手でウィリアムの手を握る。
「今こうして3人で見れているじゃないですか。私達はここからはじめましょう」
ウィリアムとユウリに笑いかけると2人とも強く手を握り返してくれた。
「ん~美味しい!」
3人での夕食には豪華な海の幸が並んでいる。
さすがにお刺身はないようだが、海老や蟹など美しく盛られた料理に手が止まらない。
しばらくすると新しい料理が運ばれてくる。
「こちらは蛸のフリッターです」
蛸なんて久しぶりに食べる!
さすがにたこ焼きなんて無いわよね。
私は運ばれた料理に手を伸ばしてみた。
柔らかく仕上げられた蛸だが難なくかみ切れるように下処理されていてとても美味しい!
「んー!これも美味しいですね」
私は久しぶりの海鮮にテンションが上がっていてウィリアムとユウリの様子に目が向いてなかった。
ウィリアムを見ると唖然として固まっている。
それはメイド達も同じようで青い顔をしていた。
「おい、これを出したものを連れてこい!」
するとウィリアムが突然怒り出してバンッとフォークをテーブルに置いた。
大きな音に数人のメイドが息を飲むのがわかった。
しかしウィリアムがなぜ怒っているのかわからない私は1人唖然としていた。
あなたにおすすめの小説
空港清掃員58歳、転生先の王宮でも床を磨いたら双子に懐かれ、国王に溺愛される
木風
恋愛
羽田空港で十五年、黙々と床を磨いてきた清掃員・田中幸子(58)は事故死し、没落寸前の子爵令嬢エルシアとして転生する。
婚約破棄の末に家を追われた彼女が選んだのは、王宮の清掃員――前世の技で空気まで変わるほど磨き上げていく仕事だった。
やがて母を亡くした双子王子王女に懐かれ、荒れた執務室の主である喪中の国王とも距離が縮まり……。
「泣くなら俺の胸で」――床も心も磨き直す、清掃令嬢の溺愛成り上がり。
兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした
こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】
伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。
しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。
そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。
運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた――
けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった――
※「小説家になろう」にも投稿しています。
【完結】「元カノが忘れられないんでしょう?」と身を引いた瞬間、爽やか彼氏の執着スイッチが入りました
恋せよ恋
恋愛
「元カノが忘れられないなら、私が身を引くわくべきよね」
交際一周年、愛するザックに告げた決別の言葉。
でも、彼は悲しむどころか、見たこともない
暗い瞳で私を追い詰めた。
「僕を捨てる? 逃げられると思っているの、アン」
私の知る爽やかな王子の仮面が剥がれ落ち、
隠されていた狂おしいほどの独占欲が牙を剥く。
🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。
🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。
🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。
🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。
🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!
【完】麗しの桃は攫われる〜狼獣人の番は甘い溺愛に翻弄される〜
こころ ゆい
恋愛
※完結しました!皆様のおかげです!ありがとうございました!
※既に完結しておりますが、番外編②加筆しました!(2025/10/17)
狼獣人、リードネストの番(つがい)として隣国から攫われてきたモモネリア。
突然知らない場所に連れてこられた彼女は、ある事情で生きる気力も失っていた。
だが、リードネストの献身的な愛が、傷付いたモモネリアを包み込み、徐々に二人は心を通わせていく。
そんなとき、二人で訪れた旅先で小さなドワーフ、ローネルに出会う。
共に行くことになったローネルだが、何か秘密があるようで?
自分に向けられる、獣人の深い愛情に翻弄される番を描いた、とろ甘溺愛ラブストーリー。
《完結》「パパはいますか?」ある日、夫に似た子供が訪ねて来た。
ヴァンドール
恋愛
嫁いですぐに夫は戦地に赴いた。すると突然一人の男の子が訪ねて来た「パパはいますか?」
その子供の顔は戦地に行った夫にそっくりだった。
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
契約結婚から始まる公爵家改造計画 ~魔力ゴミ令嬢は最強魔術師の胃袋をつかみました~
夢喰るか
恋愛
貧乏男爵令嬢エマは、破格の報酬に惹かれて「人食い公爵」と恐れられるヴォルガード公爵邸の乳母に応募する。そこで出会ったのは、魔力過多症で衰弱する三歳のレオと、冷酷な氷の魔術師ジークフリート。前世の保育士経験を持つエマは、自身の「浄化魔力」で作った料理でレオを救い、契約結婚を結ぶことに。エマの温かさに触れ、ジークフリートの凍りついた心は次第に溶けていく。
婚約破棄された夜、最強魔導師に「番」だと告げられました
阿里
恋愛
学院の祝宴で告げられた、無慈悲な婚約破棄。
魔力が弱い私には、価値がないという現実。
泣きながら逃げた先で、私は古代の遺跡に迷い込む。
そこで目覚めた彼は、私を見て言った。
「やっと見つけた。私の番よ」
彼の前でだけ、私の魔力は輝く。
奪われた尊厳、歪められた運命。
すべてを取り戻した先にあるのは……